2021年07月01日公開
2021年07月01日更新
【PCオーディオ入門】おすすめスピーカー&構成例まとめ
これまでPCオーディオは音質が悪いと言われてきましたが、最近ではPC用オーディオ機器の性能はぐんぐん上がり、一手間加えるだけで非常に高音質の音楽が聴けるようになりました。今回はPCオーディオにおすすめのスピーカーや接続構成を紹介します!
目次
- 1PCオーディオとは?
- 2PCオーディオがおすすめな理由
- 3PCオーディオに必要なもの アンプ/スピーカー/USB DAC
- 4忘れちゃいけない音楽再生ソフト
- 5PCオーディオに必須!USB DAC
- 6PCオーディオ構成例1 PC+USB DAC付パワードスピーカー
- 7PCオーディオ構成例2 PC+USB DAC付ヘッドフォンアンプ+ヘッドフォン
- 8PCオーディオ構成例3 PC+USB DAC+パワードスピーカー
- 9PCオーディオ構成例4 PC+USB DAC+プリメインアンプ+パッシブスピーカー
- 10PCオーディオおすすめUSB DAC1 ONKYO D/AコンバーターDAC-1000
- 11PCオーディオおすすめUSB DAC2 Amulech AL-9628D
- 12PCオーディオにおすすめのUSB DAC3 TEAC UD-501
- 13PCオーディオにおすすめのスピーカー1 ONKYO GX-70HD2
- 14PCオーディオにおすすめのスピーカー2 Bose Companion 20
- 15PCオーディオにおすすめのスピーカー3 JBL Pebbles
- 16PCオーディオ構成や機器の選び方
- 17おわりに
PCオーディオとは?
PCオーディオとは、もともとは文字通りPCをオーディオとして使うことを意味しています。もっと言うと、PCで音楽や音声を聴くことです。単にPCで音楽を再生するだけなら、PCに内蔵されているスピーカーやシステムだけで事足ります。しかしPC内蔵のシステムでは音質が悪いものだったのも事実。
そこで、何らかの機器を追加することによって、PCで高音質のオーディオ再生が楽しめるようになりました。現在では、そういったPCの音質の向上をさせる機器を指してPCオーディオと言います。
PCオーディオがおすすめな理由
音楽がCDを必要とするものから、ダウンロードなどPCに直接落とすものになった今、PCオーディオは非常に注目されています。従来のオーディオ機器メーカーはPCオーディオ音質向上の為PC周辺機器に手を出し、PCメーカーも負けじとPC内蔵オーディオシステムを改善したりとPCオーディオの音質は日々上がる一方です。
そのため、これまでは音質良い音楽を聴くためにはそれなりに高価なオーディオ機器が必要でしたが、今ではPCで1つ2つスピーカーなどを追加するだけで、驚くほど高音質な音楽を聴くことができるのです。
PCオーディオってPC周りがごちゃごちゃするのは嫌、とオーディオ機器に先入観も持っている人にも朗報です。今やワイヤレス再生やUSB電源供給のもの、コンパクトなスピーカーなど非常に進化しています。
PCオーディオに必要なもの アンプ/スピーカー/USB DAC
PCで音楽を聴くことは今や非常に簡単です。操作も再生も簡単なだけに、いざもっと高音質な音楽が聴けるからPCオーディオを見直そうと思っても、何が必要でどの機材が何のためのものか分からない人も少なくないでしょう。
PCオーディオ、つまりPCで音楽を聴くのに音質を向上させる機器は、PCの他にUSB DACとアンプ、そしてスピーカーまたはヘッドフォンです。
アンプとは
アンプとは、amplifier(増幅する)の略で、そのまま増幅するという意味です。つまりアンプとは音を増幅する機器。どういうことかというと、CDなどの音源から読み取れる音の信号は非常に小さく、そのままスピーカーに繋いでも大きな音が出ないのです。よってアンプを間に入れることで、音を増幅し、スピーカーに音を発信します。
今はアンプが内蔵されているスピーカーも多く、それらをアクティブスピーカーまたはパワードスピーカーと呼びます。場所を取らないアンプ内蔵スピーカーは特にノートPCやスマホに繋ぐのに便利です。
アクティブスピーカーとパッシブスピーカー
上で登場した音を増幅するアンプ。アンプを内蔵したスピーカーをアクティブスピーカー(またはパワードスピーカー)と呼び、逆にアンプを内蔵していない、別途アンプを必要とするスピーカーをパッシブスピーカーと言います。
別途アンプがいらない分場所も取らず、接続も必要なので手間がかからないアクティブスピーカーですが、それでもパッシブスピーカーが根強く支持されるのは、内蔵アンプの性能に縛られない分、高音質の追求がしやすく、また自由に自分好みの音を追求できるという魅力があるからです。
また最近ではUSB DACを内蔵したアクティブスピーカーも増えており、PCオーディオ初心者でも比較的簡単に高音質の音楽を聴けるようになりました。
そういったアクティブスピーカー中にはWi-fi搭載でワイヤレス再生可能だったりBluetooth機能まで搭載しているものもあり、家庭内Wi-Fiを飛ばしてインターネットラジオの音声を再生したり、スマホなどの音をワイヤレスで再生できるものもあります。
忘れちゃいけない音楽再生ソフト
PCオーディオというと、やはり音の出口であるスピーカーや、絶対に必要と言われるUSB DACに注目しがちですが、必要なものに音楽再生ソフトがあります。WindowsにもMacにも標準の再生ソフト(Windowsなら「WindowsMediaPlayer」、Macなら「iTunes」が一般的)が備わっていますが、標準ソフトはやはり「それなり」でしかありません。
音にこだわるなら、やはり再生ソフトにもこだわりたいところ。PCオーディオ関係はどんどん進化しているので、今は安価なソフトやフリーソフトでもPC標準ソフトよりも良い音質で聴けるものがあります。自分の使っているPCとOSに合わせて、再生ソフトを選びましょう。
再生ソフトもピンキリですが、まずは無料アプリなどフリーソフトから試してみてはいかがでしょうか。ちなみにWindows環境なら「foobar2000」が無料で高機能な音楽再生ソフトウェアと評判です。他にも「MediaMonkey」や「PlayPcmWin」も。試用版ソフトがあるものもあるので、じっくり聴き比べてみても面白いです。
PCオーディオに必須!USB DAC
USB DACとは
USB DAC(ユーエスビーダックと呼びます)という機器を聞いたことがあるでしょうか。USB DACまたはUSB DAC搭載機器はPCオーディオに必須です。DACはDigital to Analog Converterの略で、デジタル信号をアナログ信号に変換するもの。デジタル楽曲をスピーカーで聴くために、デジタル信号をアナログ信号に変換する必要があるのです。
ちなみにPCの音声出力端子から音楽を聴く際、またヘッドフォンなどで聴く場合は、PC内部においてデジタル信号→アナログ信号変換がされていることになります。
また一口にUSB DACといっても、DAC機能単体のものからDAC機能付きのアクティブスピーカー、DAC内蔵のプリメインアンプ、DAC内蔵のヘッドフォンアンプなど、様々なものがあります。
アンプ内蔵のアクティブスピーカーの中にはUSB DAC機能をも内蔵したものがあり、初心者や利便性を考えると非常に楽チン。一方でDAC単機能の機器は高音質を追求したい人にはおすすめです。ただし、DAC単機能の機器の場合は別途プリメインアンプが必要になるので注意が必要です。
オーディオインターフェースと何が違う?
DTM(デスクトップミュージック)をかじったり少しでも興味を持って調べたことがある人なら、オーディオインターフェスという機器のことを聞いたことがあると思います。オーディオインターフェースは、PCとヘッドフォンやスピーカーに繋げて音の出入り口(インターフェース)になる機器のことです。
位置関係やPCとヘッドフォン、PCとスピーカーを繋ぐという意味では、オーディオインターフェースはUSB DACと同じ。では何が違うのでしょうか。簡単に言えば、USB DACはPCから音を送って変換し、出力する機能に特化しています。一方で、オーディオインターフェースは、DAC機能も持っていますが他に入力、つまりマイクやライン入力ができるのです。
DTMでは曲を作るので、マイクやキーボードなどから音を作ってPCに入力します。よって、オーディオインターフェースが必要。つまり普通にPCから音楽を高音質で聴きたいだけなら、オーディオインターフェースは使えますが機能過多。宝の持ち腐れになってしまう、ということです。PCオーディオならUSB DACで十分です。もちろん今後DTMにも手を出したい、という人はオーディオインターフェースでもOKです。
インターフェースとは
オーディオインターフェースは機器の名前ですが、オーディオ関係に限らずPCやPC周辺機器の話には、「インターフェース」という言葉が度々出てきます。なんとなく聞き流していたけど、実はよく分からない人も多いのではないでしょうか。
インターフェースとは、簡単に言えばPCと周辺機器や、機器と人間などの接点・接続部分です。コネクタや今回のUSB DACであることもあれば、ユーザーとPC周辺機器の接点でユーザーインターフェース(操作画面など)を指すこともあります。
ちなみに、ワイヤレスのインターフェース機器もあります。ワイヤレスなのに接点と思うとなんだか変な感じですが、ユーザーインターフェースなどを考えれば、ワイヤレス=ケーブルを使わずに接続できるBluetoothやLAN機能があるのも頷けると思います。
PCオーディオ構成例1 PC+USB DAC付パワードスピーカー
一番簡単かつ比較的安くPCオーディオを楽しめるのが、PCにUSB DAC機能付きのアクティブスピーカー(パワードスピーカー)を接続する構成です。
PCには大体にしてUSB端子があるので、そこにUSBスピーカーを接続するだけというお手軽構成。USBアクティブスピーカーは小型のものも多く、別途アンプやDACがいらないので場所を取らないのもおすすめポイントです。またUSBスピーカーの中には電源をACアダプタによって供給するタイプと、USBバスパワーを使って電源不要なものもあります。
また写真のスピーカーのように、Wi-Fi内蔵でワイヤレス音楽再生ができるものもあり、PC周りをすっきりできます。Bluetooth機能も搭載でスマホやタブレットからもワイヤレスでオーディオ再生できるものも。
PCオーディオ構成例2 PC+USB DAC付ヘッドフォンアンプ+ヘッドフォン
PCにそのままヘッドフォンやイヤフォンを装着している人は少なくないでしょう。特に音質に不満もなく聴けるし、問題ないのでは?そう思う人もいるかもしれません。しかし、そこにDAC機能付きのヘッドフォンアンプを追加するだけで、驚くほど音質が向上するとすればどうでしょうか?
そのそもPCにヘッドフォンを直接接続して音楽を聴く場合、PC内部でデジタルからアナログ信号への変換が行われます。PC内部で全部完結するなら問題ないじゃないか、と思いたくなりますが、実はPC内でアナログ変換が行われると、PC内部のノイズがせっかく変換したアナログデータに入ってしまうのです。
そこで、PCから離れた場所(DAC)にデジタルデータを送信し、そこでデジタルからアナログへ変換すれば、ノイズが入りません。さらにヘッドフォンの性能が良いものなら、そのヘッドフォンの性能をより引き出すことができるようになります。
ヘッドフォンアンプは大抵の場合インターフェースがUSBなので、PC接続が非常に簡単。ヘッドフォンを使ってPCから音楽を聴くなら、ヘッドフォンアンプを追加するだけでぐっと音質が向上しますよ!
PCオーディオ構成例3 PC+USB DAC+パワードスピーカー
次に、USB DACとDAC機能なしのアクティブスピーカーを接続する構成です。デジタルデータからアナログデータへの変換をPC内部でなくUSB DACに送ってから行なっているので、やはりノイズがなくクリア。気に入ったアクティブスピーカーにDAC機能がない場合にDAC単機能の機種を繋げましょう。
PCオーディオ構成例4 PC+USB DAC+プリメインアンプ+パッシブスピーカー
音質に特にこだわる人が最終的に落ち着くことが多いのが、このUSB DACとプリメインアンプ、パッシブスピーカーという構成です。プリアンプとメインアンプを分ける場合もありますが、今では両方の機能を備えたプリメインアンプが主流。
全ての機器が単機能なので1つの性能を追求しており、クオリティの高い音、好みの音を追求できるのが魅力です。機器を置くスペースや予算よりも、音をとにかく追求したい人におすすめの構成。
PCオーディオおすすめUSB DAC1 ONKYO D/AコンバーターDAC-1000
2012年に販売開始されたONKYOのD/AコンバーターDAC-1000は、5年経った今でも最新の機種に見劣りしない性能のDACです。ハイレゾ音源対応。高品質なD/A変換と電源部の強化が徹底されています。
USBはもちろん、光、同軸、AES/EBUといった豊富なデジタル入力端子を搭載しており、これ1台で様々なプレーヤーのデジタルデータを高音質で聴くことができます。PCからのUSB接続では32bit/192kHzに対応しクオリティの高い再生能力を備えています。入出力端子も基本を抑え無駄なく扱いやすいです。
PCオーディオおすすめUSB DAC2 Amulech AL-9628D
AmulechのAL-9628Dは、安心の国内産。1万円代と比較的安価で手を出しやすいので、PCオーディオ初心者におすすめです。ハイレゾ音源対応。DAC機能付きのヘッドフォンアンプでもあり、ヘッドフォン出力とラインアウト出力が可能です。電源は付属ACアダプタによる電源供給の他、USBバスパワー使用(PCにUSBを接続して電源供給)もできます。
もともと何らかのUSB DACやDAC機能付きのインターフェースを使っていれば別ですが、今までPCからそのまま音楽を聴いていた人や、PCにヘッドフォンを直接接続していた人なら、これを追加するだけでも全然音が違って聴こえます。
PCオーディオにおすすめのUSB DAC3 TEAC UD-501
TEAC オーディオデュアルモノーラルD/Aコンバーター UD-501は、DSD 5.6MHz、PCM 384kHz/32bitのハイレゾ音源に対応し、USBオーディオ入力が可能なDACです。左右の回路が独立しているデュアルモノーラル構成が特徴。2万円代以下のDACを使ってきた人が乗り換えても驚くほどの高音質で、値段以上の働きをすると好評です。
入出力端子はRCAのほかXLRもあり、既存オーディオシステムはほぼほぼ対応可能です。電源もデュアルモノーラル構造。ヘッドフォンアンプとしても利用できます。中級者以上におすすめです。
PCオーディオにおすすめのスピーカー1 ONKYO GX-70HD2
ONKYOの「GX-70HD2」は、高性能な新アンプを搭載したアクティブスピーカーであり、ONKYOのベストセラーモデルの後継機です。ハイレゾ音源対応。比較的手が出しやすい価格なのでPCオーディオ初心者におすすめ。低音が特に優れていると評判です。
ヘッドフォン端子も装備されているので、スピーカーから直接はもちろんヘッドフォンアンプとしても利用可能。RCAステレオピン入力端子とサブウーファ出力端子も搭載されています。
PCオーディオにおすすめのスピーカー2 Bose Companion 20
BoseのCompanion 20 multimedia speaker systemは、サブウーファー(重低音成分のみを再生するスピーカー)なしでも迫力ある重低音再生が可能で、部屋中に広がる自然な音が魅力のアクティブスピーカーです。コンパクトでスタイリッシュなデザインながら、パワフルサウンド。
電源はACアダプタとコード。コントロールパッドがあるので操作性も快適です。またヘッドフォン端子と外部入力端子があるので、ヘッドフォンアンプとしても使えます。
PCオーディオにおすすめのスピーカー3 JBL Pebbles
JBL Pebbles(ペブルス)は、PCにUSB接続するだけの簡単DAC内蔵パワードスピーカー。DAC内蔵なのでPC内部で生じるノイズが混じらず、高音質再生が可能です。また独自のテクノロジーで開発されたデジタルアンプが内蔵。
電源はUSBをパソコンに繋げばデジタル信号を受けると同時に給電(USBバスパワー)もできるので、電源用のACアダプタは必要ありません。ワイヤレスまではいかずとも、USB1本だけなので設置が楽々です。
外部入力端子は3.5mmステレオミニ端子が装備されており、PCの他にスマホやオーディオプレイヤーにも接続できます。ヘッドフォン端子はないので注意。1万円以下とお手頃価格なので、PCオーディオ初心者や少し音質を向上したいけれど周辺機器が増えるのは嫌、という人におすすめ。
PCオーディオ構成や機器の選び方
PCオーディオを一口にいっても、繋ぎ方はいくつもあります。一番簡単なUSB DAC機能付きのスピーカーをPCに繋ぐ構成や、USB DAC機能付きヘッドフォンアンプとヘッドフォン。ちなみに高価なヘッドフォンだと、USB DAC機能とアンプが搭載のヘッドフォンもあります。これならヘッドフォンだけでオッケーです。
上記の通り、どんどん進化しているオーディオ機器。どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。まずはスピーカーで聴きたいかヘッドフォンで聴きたいかを選びましょう。そして使いたいスピーカーやヘッドフォンにDAC機能があるか、アンプが搭載されているかを確認し、必要なものを追加していくようにすると間違いありません。
人によってはDAC/アンプ搭載ヘッドフォンでワイヤレスがいい、スピーカーは電源供給がUSBバスパワーのもの、ワイヤレス再生できるもの、電源は充電でポータブルなもの、Bluetooth搭載のものが好ましい、などこだわりがあると思うので、細かいところも確認するとより◎
ちなみに、全くのPCオーディオ初心者(今までPCにヘッドフォンを直接接続orPC内蔵スピーカーで再生)なら、安いPCオーディオ機器でも音質向上しますが、高音質を追求するならできればスピーカーやDACは2万円以上のものが好ましいと言われています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。正直なところ、音にこだわりだすとキリがありません!スピーカーもDACもアンプも、ピンからキリまで、逆に形だけでPC内蔵スピーカーと大して変わらない安価なPCオーディオから、生演奏に非常に近しいと思うほど高音質けれどそれだけ高価なものまで様々です。
構成もこれまであげたように全部の機能が内蔵されているスピーカーから全て単機能の機器を組み合わせるのまで様々です。全て有線のものもあればほぼワイヤレスのものまで、初心者には一気に選ぶのは難しいでしょう。
一度に揃えるのは難しいので、まずはUSB DACと、スピーカーかヘッドフォンなど、気になったものから少しずつ追加してみてはいかがでしょうか?今までPCやスマホに内蔵されているスピーカーで聴いていた人なら、同じ音とは思えないほどの高音質にきっと驚きますよ!