学級崩壊したら?立て直し方や未然に防ぐ対策方法はあるの?
楽しく通えるはずの学校で学級崩壊が起きていたら、親としては心配ですよね。学級崩壊は、一度起きてしまうと立て直しを図るのが大変です。今回は、学級崩壊の立て直し方や、未然に防ぐ方法を紹介します。メリハリのある叱り方や授業展開などで、学級崩壊に対応していきましょう。
目次
学級崩壊は立て直せる?
楽しく授業を受けることができるはずの学校ですが、実は多くの学校で学級崩壊に悩んでいる現状があるようです。まずは、学級崩壊を未然に防ぐ対策を練ることが大切ですよね。しかし対策を講じていても、学級崩壊が起こってしまうことはあり得ます。一度崩壊してしまった学級は、立て直しすることができるのでしょうか?
学級崩壊の渦中にいる子供の本音は?
学級崩壊において、一番の被害者は子供たちですよね。学級崩壊の渦中にいる子供たちはどのようなことを考えているのでしょうか。子供たちの本音をまずは確認しておきましょう。
先生にまた怒られる・先生がまた怒っている
学級崩壊の渦中にいるいる子供は、先生の様子を気にしているようです。特に、先生が怒っていることに対しては敏感に反応します。学級を経営していくうえで、大きな力を持っている先生がいつも怒っていては、子供たちも楽しく学ぶことはできません。学級崩壊と先生の怒りには関係がありそうですね。
授業がつまらない
学級崩壊が起こっている学級にいる子供の多くが、「授業がつまらない」と感じているのも事実です。授業がつまらないと、授業に集中することなく友達とおしゃべりをしたり、寝ていたりしてしまいます。授業の雰囲気が悪いと学級崩壊に繋がりやすくなってしまいます。
クラスの雰囲気が悪くて教室にいたくない
学級崩壊が起こっているクラスは、雰囲気が悪い場合が多いです。雰囲気が悪い場には、いたくない気持ちはよく分かります。教室にいるだけで、何とも言えない気持ちになってしまいます。学校生活において、クラスの雰囲気はとても重要ですよね。学校生活の大半の時間を過ごすクラスの雰囲気が悪いと、教室にいたくない気持ちが積もりに積もっていくようです。
学校に行きたくない
ここまで、学級崩壊の渦中にいる子供の本音を3つ紹介しました。これらの本音が積み重なることで、ついに「学校に行きたくない」という気持ちを引き起こしてしまうこともあります。いわゆる、不登校ですね。一度不登校になってしまうと、再びクラスに入るのはとてもハードルが高くなってしまいます。学級崩壊は、不登校を生み出してしまう可能性を秘めているんですね。
学級崩壊を立て直す方法5選!
一度崩壊してしまった学級の立て直しは、なかなか根気のいることです。しかし子供のためにも、諦めずに学級崩壊を立て直す必要があります。ここからは、学級崩壊の立て直し方を5つ紹介していきます。
言葉を柔らかくする
学級崩壊の立て直しを図るためにまずは、言葉を柔らかくするよう心がけましょう。子供の本音にあったように、子供は先生が怒っていることに敏感です。言葉がキツイと、本当は怒っていなくても怒っているように感じてしまいます。同じ内容を伝えるにしても、柔らかい言葉遣いにしてみてください。特に小学校低学年の子供には、言葉を柔らかくするだけでも効果がありますよ。
クラスで目標を立てる
学級崩壊の立て直しにおいて大切なことは、クラスが一つにまとまることです。そのための手段の一つとして、クラス目標を立てることも有効です。クラス全員が達成できる目標を設定して、その目標に向かってクラスで一致団結できる雰囲気を作っていきましょう。運動会や文化祭などの行事は、クラスがまとまりやすい機会なので、うまく活用できると良いですね。
子供の気持ちに寄り添って褒める
学級崩壊の立て直し方として、子供の気持ちに寄り添って褒めるという方法もあります。褒められて嫌な人はほとんどいませんよね。それは子供も同じです。ましてや年齢が小さければ小さいほど、褒められると気持ちが高まりやすい傾向にあります。学級崩壊してしまっているクラスでは、子供の気持ちに寄り添って褒めてみましょう。大げさすぎるほど褒めても大丈夫です。
この時に気を付けて欲しいのが、「褒めておけば良い」と思わないことです。大切なのは子供の気持ちに寄り添うことです。子供が今どのような気持ちなのかを察知して、その気持ちを踏まえた上で褒めるようにしてくださいね。
メリハリをつけて叱る
先ほど子供は先生が怒っていることに敏感だと紹介しました。しかしこれは、怒ってはいけないと言っているのではありません。教育現場において、叱ることはとても大切です。学級崩壊を立て直したいからと言って、褒めてばかりでは立て直しもできません。「ダメなことはダメ!」という態度で臨みましょう。叱る際にはダラダラと叱るのではなく、メリハリをつけて叱るようにしましょうね。
授業を工夫する
子供から「つまらない授業」と思われないように、授業を工夫することも重要です。授業が面白いと、子供たちは授業に集中してクラスの雰囲気もよくなります。学ぶ時はしっかり集中して、少し気を抜く場面も設けるなどメリハリのある授業展開も必要です。学級崩壊を引き起こしているクラスで、どのような授業をしているかを見直して授業のあり方を工夫してみてください。
学級崩壊を立て直す効果的な方法【小学校編】
学級崩壊の立て直しを図るためには、各校種ごとに効果的な方法が異なります。それぞれの校種で、どのような立て直しを図れば良いのかを見ていきましょう。まずは、小学校の学級崩壊を立て直す効果的な方法から紹介します。
一人ずつ呼び出して対話する
小学校の学級崩壊の立て直しでは、一人ずつ呼び出して対話することが効果的です。小学生も高学年となると「友達の目」を気にするようになります。自分が周囲からどのように見られているのかが気になり始めるのです。そこで1対1で対話する方が、本心をより話しやすいと言えます。
呼び出し方のポイント
一人だけを呼び出すのは、少しテクニックが必要となります。その子供が呼び出されていることを、他の子供に知られないように配慮してあげるようにしましょう。例えば掃除時間や休憩時間などに、個別に声を掛けて呼び出すのも良いですね。
また、呼び出す子供に警戒心を与えないようにしましょう。「怒られる」と思うと、聞く耳を持たなくなってしまうこともあります。別件のことで話があるようにするなどの工夫をしてみてください。
効果的な対話方法
子供を呼び出してからは、なぜ呼び出したかの理由を切り出しましょう。そしてまずは、子供の言い分をしっかりと聞いてください。誤魔化したり、茶化したりする雰囲気は許さないようにしてください。真剣に対話しようとしている態度を示しましょう。
そして、子供の言い分を聞いてからはメリハリをつけて叱りましょう。怒鳴りつけるのではなく、諭すように悪かったことを伝えてください。大人側の話す時間は長くなり過ぎないようにしましょう。伝えるべきことを効率的に伝えましょう。
学級崩壊を立て直すポイントは?【中学校編】
次に、中学校の学級崩壊の立て直し方を紹介します。中学生は善悪の判断は分かるはずです。思春期という年頃を考慮することが学級崩壊を立て直すポイントです。
人を傷つけないことを教える
中学生には、まず人を傷つけないことを指導しましょう。校則を守ることなども大切ですが、絶対にしてはいけないことが何なのかをまずは教えていきましょう。ここでもメリハリをつけることが必要です。命にかかわることや、人を傷つけることは絶対にしないという最低限のルールだけは守るように指導していきましょう。
上下関係(先生・生徒)に反発したい年頃だと理解する
思春期である中学生は、何事にも反発したい年頃です。先生と生徒の上下関係にも反発を持ってしまいます。「先生」と呼ばず、あだ名を付けて呼ぶこともあるほどです。これは本来あるべき姿ではありませんが、そういうことをしてしまう年頃であることを大人側が理解してあげることも大切です。生徒に舐められてはいけませんが、成長過程を理解する心の余裕を持つようにしましょう。
生徒には対等に接する
生徒を見下していては学級崩壊を立て直すことはできません。生徒を一人の人間として、対等に接するよう心がけましょう。生徒も対等な存在と認めてもらえることで、先生の話に聞く耳を持ってみようという気持ちになるかもしれません。
学級崩壊を立て直すポイントは?【高校編】
高校生になると、なかなか学級崩壊は起こりにくくなりますが、全く無いわけではありません。思春期も落ち着いて来る時期であるため、精神的に落ち着く子供も増えてきます。高校で学級崩壊が起こる原因の多くは、先生の授業がつまらないというもののようです。
進学校では大学受験という大きな目標があるため、子供たちも比較的授業に集中しやすい環境にあります。しかし、勉強が得意でない子供たちが通っている高校では、子供にとってどれだけ魅力的な授業を行うことができるかが学級崩壊を立て直すポイントです。子供の興味関心をしっかりと読み取り、わかりやすい授業をするように心がけましょう。
学級崩壊を未然に防ぐ対策方法5選!
一度崩壊してしまうと、学級崩壊は立て直しに時間がかかってしまいます。学級崩壊を未然に防ぐには、どのような対策方法があるのでしょうか。ここでは、学級崩壊を未然に防ぐための対策方法を5つ紹介します。どれも根気よく続けることが大切なものばかりですよ。
良いことと悪いことを理解させる
小学生や中学生には「良いことと悪いことを理解させる」ことで、学級崩壊を未然に防ぐことができます。
・授業中はしっかりと先生の話を聞く
・発言して良い場面はどのような時か
・友達が嫌がることをしない
上記のように、大人からすると当たり前すぎることでも子供たちは理解していないものです。これは学校でだけでなく、家庭でも伝えることが重要です。悪いことを許す雰囲気が一度できてしまうと、立て直しを図ることは難しくなります。悪いことは悪いと、その場でしっかりと注意するようにするのも大切ですね。
子供と積極的に会話する
子供と積極的に会話することで、子供が今どのようなことを考えているのか、どのようなことに悩んでいるのかを知ることができますよね。何気ない会話の一端から、子供が抱えている問題に気づくこともできます。子供が発する言葉を聞き流し過ぎないようにしましょう。学級崩壊は、子供の心の問題から起こることもあります。日常的に子供と積極的に会話することで、些細な変化にも気づくことができるようになりますよ。
「おはようございます」や「さようなら、また明日ね」など、温かい言葉の挨拶をするだけでも効果的です。会話をするきっかけになりますし、「あの人は自分のことを気にかけてくれている」と子供に思わせることもできます。
子供の気持ちに寄り添う
子供の気持ちに寄り添うよう心がけることも、学級崩壊を未然に防ぐ対策の一つです。子供の行動には、それを起こす要因があるはずです。「なぜ、このような行動を取るのだろうか?」と常に子供の気持ちになって考える癖をつけるのも良いですね。子供の気持ちに寄り添ってあげることで、子供との間に信頼関係も生まれます。信頼関係を築くだけで、クラスの雰囲気はとてもよくなりますよ。
子供が分かる授業をする
どうしても授業は先生が子供に教えるという一方的なものになりがちです。内容によっては、一方的なスタイルが好ましいこともありますが、そればかりでは聞いているだけの子供は退屈ですよね。それぞれの成長過程・学力に合わせた、分かりやすい授業をするようにしましょう。授業が魅力的な先生のクラスでは、なかなか学級崩壊は起こりにくいそうですよ。
学級経営を学ぶ
1クラス40人近くの子供をまとめるのは、本当に大変なことですよね。様々な子供がいるクラスを一致団結させるのは、並大抵のことではありません。そこで大切なのが「学級経営を学ぶこと」です。先輩教員からでも良いですし、学級経営についての書籍でも良いでしょう。どのような学級経営をすれば学級崩壊が起こりにくいのかを、技術面から学ぶことも必要ですよ。
学級崩壊を立て直す・対策方法でやってはいけないこと5つ!
最後に、学級崩壊を立て直す際や未然に防ぐ対策方法で、やってはいけないことを5つ紹介しておきます。以下に挙げるようなことをしていては学級崩壊は免れないかもしれません。すでにこのようなことをしていないか、チェックしてみてくださいね。そして心当たりのある場合には、すぐに改善するように努めましょう。
頭ごなしに叱る
子供を叱る際に頭ごなしに叱ることはNGです。先ほども述べたように、子供には子供なりの理由があってその行動をしています。何事も大人の基準で頭ごなしに叱るのではなく、まずは子供の言い分を聞いてみましょう。これが子供の気持ちに寄り添うことに繋がります。
口うるさく叱る
同じ叱るにしてもメリハリをつけて叱るようにしましょう。何回も口うるさく叱っていては、子供は反発心を抱いてしまいます。一つのことでいつまでも叱られていては、子供たちも気持ちを切り替えることができません。メリハリのある学校生活を送ることができるようサポートしましょう。
気分や態度で発言がブレる
気分や態度で発言がブレることは、子供に混乱を招いてしまいます。自分の気分がよくない時には、子供に感情的に接してしまいがちですよね。大人の気分次第で良いことと悪いことがころころと変わっていては、子供はどうするべきか分からなくなってしまいます。子供には一貫した態度で臨むようにしましょうね。
威張る
年配の人に多いのが、威張った態度で子供に接することです。昔は親や先生は威張っている存在だったかもしれませんが、今は違いますよね。「親だから」「先生だから」と威張っていては、子供の心を掴むことはできません。逆に反発心を生んでしまうこともあるでしょう。子供から尊敬してもらえるような日々の言動を心がけましょう。
汚い言葉で叱る
感情が高ぶってしまい、汚い言葉で叱ってしまうこともあるかもしれませんが、これは絶対にやめてください。特に教育現場では汚い言葉は自分の首を絞めることになりかねません。
・バカ
・アホ
・お前
これらは軽い気持ちで使ってしまいがちな言葉ですが、これらもNGです。子供が心を閉ざしてしまわないように叱る際の言葉遣いには気を付けましょう。
学級崩壊を未然に防ぎ、いざという時は早期に立て直そう!
学級崩壊は大人の対応次第で未然に防ぐことも可能です。学級崩壊が起こらないようなクラスの雰囲気作りなどに尽力しましょう。もし学級崩壊が起きてしまった時には、早期に対応することが大切です。放置したり諦めたりすることなく、子供と向き合っていきましょう。