ハエトリグモの寿命はどのくらい?飼育方法・生態・種類も解説!
ハエトリグモは身近なクモで、家の中でも公園でもよく見かけます。ハエトリグモの魅力にとりつかれて、ペットとして飼育している人も多いですが、寿命や生態、飼育に生息環境はどんなものでしょうか。今回はハエトリグモの寿命や捕まえ方、エサなどについて紹介します。
目次
ハエトリグモの寿命は?飼育できるの?
ハエトリグモはクモの中でも体が小さく、飼育するにも寿命が気になるところです。ハエトリグモに関わらず、ほとんどのクモの寿命はおよそ1年と言われています。ハエトリグモの寿命もだいたい1年くらいですが、たまに3年以上生きるハエトリグモもいます。1年~3年がハエトリグモの寿命と言えるでしょう。また、飼育ももちろん可能です。そこでハエトリグモの飼育方法や捕まえ方、エサの種類、生態、飼育環境などを紹介していきます。
そもそも「ハエトリグモ」はどんなクモなの?
ハエトリグモは1センチほどの小さなクモで、小さく飛び跳ねるようにぴょんぴょんと移動するのが特徴です。そのため「ジャンピングスパイダー」とも呼ばれています。手足が短く目が大きいので、クモの種類の中でも愛らしさがあり、クモの種類の中でも萌えキャラと言わるほどの人気です。また、ハエトリグモの種類も非常に多く、飼育方法やエサ、生態や捕まえ方なども種類により若干変化します。
ハエトリグモの概要
ハエトリグモの1つめの特徴として、目の発達があげられます。ハエトリグモは大きく目が発達しており、前列に4つの目があり、正面から背面まで見ることが出来ているようです。また、ハエトリグモは巣を作らず、徘徊してエサを捕食するハンターのような生態です。糸は、落ちそうになったときなどの命綱としての使用や、産卵の時に活用します。
ハエトリグモの生息地域は熱帯に種類が多いですが、日本や世界の様々な環境に対応した多くの種類が各地に生息しています。エサは基本的に昆虫を中心とした小動物ですが、ハエトリグモの種類によってはアリをエサとしたり、小さなクモを補食したり、草食を中心としたりと種類によってエサも様々です。
ハエトリグモは益虫なのか
ハエトリグモは益虫と呼ばれる大きな理由は、その名の通りハエを補食するからです。他にダニ、コバエ、小さな蛾、ゴキブリの幼虫、ハエトリグモが成長するとゴキブリまで捕食してくれます。ハエトリグモは飢えや乾燥に非常に弱く、エサがいなければ住み着きません。もしも家の中でハエトリグモを見かけたら、それは小さい他の虫が生息している、ということになります。ハエトリグモはエサがいない環境になれば自然と家から出て行くので、無理に駆除しないよう注意しましょう。
ハエトリグモに毒はあるの?
ハエトリグモは毒を持っていません。それどころか日本にいるほとんどのクモは毒を持っていないと言われています。また、クモによっては噛みつくクモもいる危険な種類もいますが、日本に生息するハエトリグモは噛むこともないので安心です。ただし、ハエトリグモ自身が自分より大きい他のクモや昆虫、爬虫類の補食対象になる場合があるので、ハエトリグモがエサとなり、他の害虫や害獣が住み着かないように注意しましょう。
ハエトリグモの寿命はどのくらい?
ハエトリグモの寿命はどの種類でも寿命はおよそ1年から3年になります。個体差はありますが、飼育方法や生息環境によっては寿命を延ばせる可能性もあります。
ハエトリグモの7つの種類と生態を解説!
ハエトリグモは約5000種類もおり、世界各地に生息しています。日本や身近な環境に多くいる7つの種類のハエトリグモについて、生態や飼育方法、生息環境や寿命について紹介します。
アダンソンハエトリ
ハエトリグモの中でも最も有名で誰もが見たことのある種類が「アダンソンハエトリ」です。生息地域は本州、四国、九州、南西諸島などで6月~8月に主に活動しています。家屋の中や屋外でもよく見られ、およそ体長は5㎜~9㎜です。白い毛が多く、背中にも白い斑文があるのがとくちょうです。アダンソンハエトリは比較的飼いやすい種類としてペットとしても多くの人が飼っています。
アダンソンハエトリをペットとして飼育する際の注意点はエサはショウジョウバエや小さい蛾などを生きたまま与え、自分で捕獲できるようにしましょう。寿命はおよそ1年から3年です。
チャスジハエトリ
ハエトリグモの中では大きい種類で、体長は7㎜~12㎜です。生息地域は日本では本州、四国、九州、南西諸島などにおり、家屋の中や公園のトイレ、電話ボックス、人工的な建造物などで多く見られます。名前の通り、見た目は褐色の体に白いスジがあるのが特徴です。また、雄と雌でも斑紋がはっきり異なり、雄ははっきりと縦筋が入るのに対し、雌は淡くさらにまだら模様が全体にあります。
アダンソンハエトリと並んでペットとして飼いやすい種類であり、エサもアダンソンハエトリと同じく生きた小さな虫やショウジョウバエなどを好みます。寿命はおよそ1年から3年です。
シラヒゲハエトリ
中型のハエトリグモで名前の通りからだ全体に多数の白い毛が生えておりぱっと見白いクモかと思うほどの白さです。体長は雄が小柄で6㎜~9㎜、雌が8㎜~10㎜で、生息地域は日本では本州から四国、九州、南西諸島に分布しています。生息環境は人家の外壁などに多く、家の中ではあまり見ません。公園や寺院などの人工物のがイブ表面で見かけたり、木の表面などにもいることがあります。
その隙間などに袋状の巣を作り、その周辺でエサをとるために徘徊している特徴があります。エサは生きた小さい虫や蛾、ハエなどを補食します。寿命はおよそ1年から3年です。
ネコハエトリ
ネコハエトリは関東地方の一部で「ホンチ」という昆虫相撲をさせる遊びに使われるハエトリグモでペットとしても人気です。春先になるとネコハエトリの雄は血気盛んになり、その習性を利用します。ネコハエトリの雄は、鏡を見せると威嚇行動をとるほど春先は獰猛です。「猫」と名前がついていますが、その名の通り動きや捕食の姿が猫に似ているからと言われています。
生息地域は日本では本州、四国、九州に分布しており、南西諸島にはいません。生息環境は家屋の中や、外壁、人口の建造物などを好みます。エサはショウジョウバエや蚊、小さな蛾などです。寿命は1年から3年になります。
マミジロハエトリ
マミジロハエトリも比較的ペットとして飼育しやすく、生息地域は北海道、本州、四国、九州に分布しています。生息環境は家屋の周辺から山地、草原、生け垣など植物上に多く見られます。体長は6㎜~8㎜と小柄です。雌は頭が黒、縁が灰白色、腹部が灰褐色で、雄も頭は黒、腹部は茶褐色で、体の前面に白色の横帯があります。
名前の由来は、マミジロハエトリを正面から見たときに、眉毛の位置が白く目立つため「眉白」、「マミジロ」と呼ばれていると言われています。エサは生きた小さな虫や、小さな蛾、ショウジョウバエを好みます。寿命は1年から3年です。
アオオビハエトリ
アオオビハエトリはハエトリグモの中でも美しい種類と言われており、雄と雌で体格は異なりますが、見た目や色は同じです。雄は小柄で4㎜~6㎜、雌は5㎜~7㎜で、足が短めなのが特徴です。黒い毛を多く持ち、頭と腹部に暗緑色でわずかに金属光沢があります。腹部中央に黒い横帯があるのも特徴で、ハエトリグモの中でも派手なカラーです。生息地域は主に平地で、山地ではほとんど見かけません。庭園や神社でもよく見かけます。
ハエトリグモの生態としては珍しくエサがアリなので、地上に近い石の上、落ち葉、倒木などのアリが多くすむ環境に姿を現します。寿命は1年から3年です。
ウデブトハエトリ
ウデブトハエトリは名前の通り腕が肥大化しており、非常に黒々とした発達した腕で、全体的に黒く腹部に白く細い帯があるのが特徴です。手足も腕以外は細く、淡褐色で、その体長は4㎜ほどでハエトリグモの中でも小柄な種類です。生息地域は本州、四国、九州に分布しています。エサは小さな虫、小さな蛾、ショウジョウバエなどです。生息環境としては家屋周辺や草むらなどで見かけます。寿命は1年から3年です。
ハエトリグモは飼育可能?懐いてくれるの?
ハエトリグモの飼育は可能です。ペットとしてハエトリグモを飼育する際は、その種類に注意しましょう。簡単に飼育できるハエトリグモの種類は家屋内で捕まえることができるアダンソンハエトリ、ネコハエトリ、チャスジハエトリなどがおすすめです。また、基本的に虫は人になつくことはありません。ハエトリグモも例外ではなく、なついているように人が見せているだけで動く物に対し興味を示しているだけです。
よく、人が手を差し伸べたところにピョンと飛び乗るようなこともありますがそれは単に本能と反射で起きた動きです。とはいえ、愛情を持って接するのはけして悪いことではないので、ペットとして飼育する場合は大切に世話をしましょう。
ハエトリグモの飼育方法を紹介!
ペットとして飼育するにはまず環境を整えましょう。ここでは飼育方法や揃えるもの、環境の整え方などを紹介します。
飼育に必要なもの
ハエトリグモは他の蜘蛛と異なり、網を張ってエサをおびき寄せるような生態ではありません。徘徊してエサを捕獲するので、環境や揃えるものもそれに合わせましょう。飼育する容器はよくある昆虫を飼育するケースのようなものではなく、小さく高さの低い容器を選びましょう。
あまり広すぎると、ハエトリグモがエサを補食する前にエサが死んでしまい、結果餓死してしまい、寿命も短くなります。エサとハエトリグモの距離が近くなるくらいの大きさの容器を選びましょう。ペットボトルや味噌の入れ物などがおすすめです。
飼育に必要な環境
ハエトリグモは暑さや乾燥にとても弱い生き物です。通気性の良い直射日光が当たらない場所で飼育しましょう。また、乾燥予防には容器の中に湿らせた脱脂綿を設置しましょう。ハエトリグモの水分補給と乾燥対策になります。また、巣は作りませんがハエトリグモの住処は狭い隙間などに糸で作った寝床のようなものになるので、隠れられる空間を作ると良いでしょう。
ハエトリグモの上手な捕まえ方
ハエトリグモの上手な捕まえ方は、屋内と屋外で異なります。屋外での捕まえ方は「ビーティング」という方法がおすすめです。捕まえ方は、草木の下に受け皿を用意し、草木を揺らして落とすという方法です。受け皿におすすめなのは子供用の傘や車の窓のサンシェード、紙袋などでも可能です。
ビーティングは屋外での捕まえ方ですが、家の中であれば何か透明な容器をかぶせると自分で壁面に飛びついてくるので、そのまま飼育ケースに移すことができます。ハエトリグモは非常に小さく、手で持つと潰してしまうので注意しましょう。
ハエトリグモは何を食べる?エサは?
ハエトリグモは、種類にもよりますが基本的にどのエサも生きたものを自分で捕獲して食べます。死んだ虫は補食しないので、エサを用意する場合は生きたものを用意するよう注意しましょう。ショウジョウバエや小さな虫、小さな蛾などを集め、ハエトリグモの飼育ケースに入れてあげると自分で捕獲します。
多くの人は腐ったバナナやリンゴをペットボトル容器に入れ、ショウジョウバエを増やしてエサとして与えているようです。どうしても増やしたり捕まえるのが困難な場合は、売っているものもあるようなのでチェックしてみましょう。
ハエトリグモの寿命を伸ばすには?
ハエトリグモの寿命を延ばす方法はいくつかります。主に次の3つのことに注意して飼育すると寿命が延びるでしょう。「直射日光に当たらないように飼育する」「小さいサイズの飼育容器で飼育する」「共食いしないように1つの容器に1匹で飼育する」です。ハエトリグモは高温や乾燥に弱いので、直射日光を避けましょう。
また飼育環境として薬瓶程度の小さな容器で飼育すればエサを捕まえやすく、寿命が通常よりも延びるでしょう。また、エサが不足するとハエトリグモも共食いをしてしまうので、1匹で飼うことで寿命が延びます。以上の点に注意すれば長い寿命を保つことが可能でしょう。
ハエトリグモをペットとして飼育してみよう!
ハエトリグモの寿命は長くても3年、短くて1年とあっという間ですが、愛らしいぴょんぴょんとはねる様子なども人気ですし、子どもの勉強にもなるので非常におすすめです。まずは捕まえ方から子どもたちと一緒に行えば、生き物の生態やその観察などの勉強になるので、ぜひ飼育してみてください!