ペンギンはペットとして飼えるの?値段や種類・方法・注意点など!
水族館でも大人気のペンギン。そんなかわいいペンギンをペットとして飼うことを考えたことはありますか?今回は日本でペンギンをペットとして飼うことが出来るのか・ペンギンを飼う方法・ペンギンを飼う際のエサなどに注目してみました。
目次
ペンギンってペットとして飼えるの?!
丸々としていてよちよち歩くペンギンは、とってもかわいいですよね。そのかわいいフォルムや歩き方で子供から大人までに人気があり、一度はペンギンをペットとして飼うことを夢見た人も多いのではないでしょうか?
ペンギンはペットとして飼うことが出来るのかというと、飼うことは可能です。しかしペンギンをペットとして飼うには飼育環境が非常に重要になってきます。
また簡単に購入することが出来ない生物なので、今回はペンギンをペットとして飼うための購入方法・ペンギンの値段・ペンギンの種類・ペンギンのエサや、ペンギンの鳴き声や臭い・どのような環境で飼育すればよいのかなどのペンギンの飼育方法をお話しします。
そもそも日本でペンギン飼育は許可されている?
ペンギンをペットとして飼うにしても、そもそも日本でペンギンをペットとして飼うことは認められているのか気になりますよね。
ご安心ください、日本でもペンギンをペットとして飼うことは許可されています。しかし日本の水族館でよく見られる種類のケープペンギン・フンボルトペンギンの2種類に関しては、絶滅危惧種に指定されておりワシントン条約で保護されている種類なので、とても厳しい規制があり生息地から日本へ輸入することは出来なくなっています。
ですが日本で繁殖されたケープペンギン・フンボルトペンギンに関しては入手することが許可されていますので、日本で繁殖された個体であればペットとして飼う事も出来ます。
この2種類以外のペンギンはペットとして輸入も可能ですが、例えワシントン条約で保護されていない種類のペンギンでも個体数が減っていて絶滅の危険性のあるペンギンは「レッドリスト」というものに載っていて、輸入が困難な場合もあるのだそうです。
ペンギンをペットとして飼う際には、自分がペットとして飼うつもりのペンギンの種類がレッドリストに載っていないかを事前に確認する必要があります。
レッドリストを確認する方法は環境省のホームページにて確認することが出来ますので、ペンギンをペットとして飼う際にはしっかりと確認をしてくださいね。
まずはペンギンがどんな動物かを知ろう!
とてもかわいいペンギンをペットとして飼う前に、まずはペンギンがどんな生物なのかを知っておく必要があります。そこでペンギンの基本的な情報をお話ししたいと思います。
ペンギンは鳥類、つまり鳥の一種でペンギン目ペンギン科に属しています。しかし鳥類であっても飛ぶことはできず、陸で生活をしている生物です。
ペンギンは歩行時にはあのかわいいよちよちとした直立姿勢で歩行し、他の鳥類のように前傾姿勢で歩行することはあまりありません。またペンギンの特徴と言える丸々としたかわいいフォルムは、水の抵抗をあまり受けないようにするためのもので、短く見えるかわいい足は実はほんの一部だけしか外に出ておらず、ほとんどは体の中に隠れているのです。
ペンギンの生息地
ペンギンはニュージーランド発祥の生物で、冷たい海流を好むため南半球に生息域を広げたと言われています。
現在は南極大陸に多数分布しており、沿岸には皇帝ペンギン・アデリーペンギン。南極半島にはヒゲペンギン・ジェンツーペンギンなどが多く生息しています。
その他の種類のペンギンはニュージーランド・南アメリカ・アフリカ南部などが生息地となっています。
ペンギンの寿命
ペンギンの寿命は個体差もありますが、大体のペンギンの寿命はおよそ15年から25年だと言われています。しかし飼育下にあるペンギンは比較的に寿命が長くなる傾向があり、長崎県にあるペンギン水族館で飼育されていたキングペンギンの寿命は39年9か月でした。
また3種類のペンギンに関しては、これまで行ってきた研究の結果ある程度の寿命が把握できるようになりました。
その3種類とは、アデリーペンギン・キガシラペンギン・コガタペンギンです。この3種類の寿命はおよそ20年前後でアデリーペンギンの寿命が約20年・キガシラペンギンの寿命が約19年・コガタペンギンの寿命が約17年となっています。
しかし先ほどもお話ししましたように、飼育下にあるペンギンは寿命が長くなる傾向がありますので、ペットとしてペンギンを飼う時にはしっかりとお世話をしてあげると、寿命も延びてたくさんの時間を一緒に過ごせるかもしれませんね。
ペンギンの性格
ペンギンはとっても好奇心旺盛な性格で、野生のペンギンでも人間に警戒することなくこちらに近付いてきます。
それはペンギンが生息している南極には人間がいることはあまりないため、人間が敵なのか味方なのかさえ理解していないためだと言われています。
そのためペンギンをペットとして飼うと、警戒心も持たずにすぐに懐くと言われています。名前もずっと同じ名前で呼んでいると覚えますので、名前を覚えさせて掃除の際に移動させたりスキンシップを取る際にも役立ちます。
しかし他のペットと違い、ペンギンをしつけることはほぼ困難であるため、トイレなどをいくら必死に教えても不可能に近いので、しっかりと飼い主が管理する必要があります。
ペンギンの食事(エサ)は?
ペンギンは海の中でしかエサを捕りません。なのでペンギンのエサは海の食べ物、つまり甲殻類やニシンやイワシなどの魚・イカやタコなどの軟体生物がペンギンのエサです。
ペンギンは1日に自分の体重の10%ほどのエサを食べます。15kgのペンギンならば1.5kgと毎日大量のエサが必要になり、ペンギンをペットとして飼う場合にスーパーなどでエサの魚を購入するとなると、毎月10数万円のエサ代が必要となります。
水族館などではエサ代を抑えるために卸売市場や業者から冷凍の魚を仕入るという方法を取っており、冷凍することで寄生虫などの心配もいらないそうなので、ペンギンをペットとして飼う際にエサ代を節約するならば、卸売市場や業者を利用するという方法が一番良いでしょう。
ペンギンにはどんな種類がいるの?
ペンギンをペットとして飼うならば、どんな種類のペンギンがいるのかも知っておいた方がペットとして飼う際の参考になるのではないでしょうか?ペンギンの種類は全部で以下の表の18種類です。
皇帝ペンギン | イワトビペンギン | ガラパゴスペンギン |
キングペンギン | ハネジロペンギン | フンボルトペンギン |
マゼランペンギン | ケープペンギン | コガタペンギン |
キガシラペンギン | ジェンツーペンギン | アデリーペンギン |
マカロニペンギン | ロイヤルペンギン | ハシブトペンギン |
シュレーターペンギン | キマユペンギン | ヒゲペンギン |
日本の水族館ではこの中の11種類のペンギンが飼育されており、皇帝ペンギンやキングペンギンが一番多く飼育されています。
ケープペンギン・フンボルトペンギン以外は日本でもペットとして飼うことが出来るので、ペットとしてペンギンを飼う時には上記のペンギンの中から気になるペンギンのことを調べてみてくださいね。
上記の18種類のペンギンはどれも日本でもペットとして飼えますが、その中でも日本の気候や環境を考えるとキングペンギン・コガタペンギン・ハネジロペンギンがペットとして飼育しやすいです。それでは次項よりもっともペットとして最適であるこの3種類のペンギンについてお話ししていきます。
キングペンギン
キングペンギンは頭から首にかけて鮮やかなオレンジ色のグラデーションがあり、体長90㎝ほどの世界で2番目に大きいペンギンです。
キングペンギンは縄張り意識が強いため、同種同士では縄張り争いをすることもありますが、別種のペンギンには攻撃したりせずに避けて通るといった穏やかな性格のペンギンなので、大きくはありますがペットとして飼うには最適のペンギンです。
コガタペンギン
コガタペンギンは別名リトルペンギン・フェアリーペンギン・コビトペンギンといって、体長40センチほどでペンギンの中で最も小さく体重も1kgほどしかありません。ペンギンの中でもとても小さなペンギンなので、狭い日本の家内でペットとして飼うには適したペンギンです。
ハネジロペンギン
ハネジロペンギンは体長40cm前後の小さなペンギンで、コガタペンギンに似ていますがフリッパー(翼)にある白い縁の幅が広いのがハネジロペンギンです。
とても小さくて日本で飼育するには最適なのですが、個体数が減少しており絶滅危惧種に指定されているので、日本の水族館や動物園などでも飼育されておらず、ペットとして飼うどころか輸入することさえ困難かもしれません。
ペンギンを買う方法【値段・販売場所】を解説!
では実際にペンギンを購入したい時にはどのような方法で購入すればいいのでしょうか?ここからはペンギンをペットとして購入する方法・ペンギンの値段についてをお話しします。
ペンギンの値段
ペンギンの値段は種類により多少異なりますが、ほとんどが時価となっています。一番安くて70万円台、キングペンギンになると200万円から300万円くらいの値段です。ペットとしては高額な生物ですね。
特に繁殖するのが難しいと言われる皇帝ペンギンになると1000万円以上の値段が付く事もあります。ペンギンをペットとして飼うにはペンギン自体の購入費用だけではなく、ペンギンの飼育環境を整えるための資金やエサ代も必要となりますのでご注意ください。
ペンギンの購入方法
ペンギンはペットショップではほとんど売っていません。ペンギンをペットとして購入したい場合は、動物園や水族館や研究機関に販売するためにペンギンを扱っている業者に相談をすると良いでしょう。
しかしそのような業者に相談しても、常時ペンギンを取り扱っているとは限らないのですぐにペンギンを購入できないこともあり、予約しても入手するまでに長期間待たなければならない可能性もあります。
またペンギンの値段は時価のため、待っている間に値段が上がる可能性があることも視野に入れておきましょう。
ペンギンをペットとして飼う際の注意点6つ!
ペンギンをペットとして飼うにはまず飼育環境を整えてあげて、なるべくストレスを感じないようにしてあげることが重要です。
それでは実際にどのように飼育環境を整えればよいのか・ペンギンには何が必要なのか・ペンギンの鳴き声やペンギンのフンなど、ペンギンをペットとして飼う際の注意点についてお話ししたいと思います。
①海水が必要
ペンギンは陸で生活をしますが海でエサを捕ったり泳いだりする生物なので、ペンギンをペットとして飼育するには海水が必要になります。
ペンギンにストレスを感じさせないように飼育するためには、ペンギンが自由にのびのびと泳げるプールや池などをを作ってあげるのが一番理想的な環境ですが、日本でそのような環境を作るのはちょっと難しいかもしれません。
そんな時にはお風呂やビニールプールなどでも代用できます。お風呂やビニールプールに海水を入れて泳がせてあげることで、ペンギンもストレスを感じることなく過ごせるでしょう。
たまにビニールプールで泳いでいる時に生きた魚を入れたりすると、海での生活と近い環境になりペンギンのストレスも軽減できるでしょう。
もし海水が用意できない時は、水に塩を入れて海水に近い環境を作ってあげる必要がありますのでご注意ください。
②冷房・暖房で気温を管理
ペンギンをペットとして飼うためには温度管理も重要です。温度管理を怠るとペンギンの命に関わるので注意が必要です。
まず自分がペットとして飼うペンギンが暖かい場所に生息しているペンギンなのか、寒い場所に生息しているペンギンなのかを調べてください。
暖かい場所に生息しているペンギンならばヒーター・ストーブ・暖房などでペンギンが暖まれる環境を作りましょう。
寒い場所に生息しているペンギンならば、ペンギン専用のキンキンに冷えた冷房室を作って環境を整えてあげる必要があります。
③鳴き声が大きい
ペンギンの鳴き声は『まるでロバみたいな鳴き声』で非常に大きい鳴き声をしています。ペンギンをペットとして飼うためにはペンギンの鳴き声で近所に迷惑をかけないように、ペンギンがいる部屋をどんなに大きな鳴き声を上げてもいい様に防音仕様にしたり、ペンギンの鳴き声が近所に聞こえないように引っ越したりするなどの鳴き声に対する対策が必要です。
ペンギンは急に鳴き声を発しますし、その鳴き声はとても大きいのでご近所にお年寄りや小さなお子様がいらっしゃる場合は、鳴き声で驚かれてしまいますので早急に対策しなければなりません。
特に繁殖期にはより一層鳴き声が大きくなりますので、ペンギンをペットとして飼う前に対策を済ませてしまってからペンギンを迎えましょう。
④ペンギンのフンは臭い
ペンギンは魚を丸呑みするため、そのとてもかわいい見た目からは想像できないほど臭いフンをします。ペンギンはしつけをすることが困難なため、一般的なペットと言われる動物とは違いトイレを覚えてくれないので、そこら中に臭いフンをまき散らしてしまいます。
フンの臭いが漂ったまま放置してしまうと、衛生上も良くありませんし近所から苦情が入る可能性もありますので、フンの臭いを外に漏らさないためにもこまめに掃除をする必要があります。
またフンの臭いだけではなく、ペンギンの体そのものにも独特な臭いがあります。これはフンの臭いの原因と同様で魚を丸呑みするため、体からも臭いが出てしまうのです。
もう1つペンギンの臭いの原因があります。それはペンギンのお尻にある尾脂腺から出る油です。この尾脂腺から出てくる油には防水・保温効果がありペンギンは身体を守るための方法としてこの油を全身に塗っています。
実はこの油も強烈な臭いを発します。ペンギンのフン・ペンギンの体臭・尾脂腺から出てくる油がペンギンの臭いの原因なのです。
しかしこれらの臭いはどうしようもありませんので、常に清潔に保ってできるだけ臭いが外に漏れないように注意することもペンギンをペットとして飼う人の義務です。
⑤多頭飼いしなくてはいけない
ペンギンは本来群れて生きている生物のため、とても寂しがり屋です。ペンギンをペットとして飼う時にはペンギンが寂しくなってストレスを抱えないように飼い主が常に構ってあげることが必要ですが、仕事などをしていると現実的に無理なので多頭飼いをすることになります。
しかし多頭飼いをするということは、ひなが生まれる可能性もあります。ひなが生まれたらひな用の飼育環境も整える必要がありますので、多頭飼いする時には十分にご注意ください。
⑥ペンギンが病気になったら
生き物が生きていく上でもしかしたらいつか病気になるかもしれません。しかしペンギンは一般的な動物病院では診察が出来ません。
ペンギンを診察してもらうには、エキゾチックアニマルを扱う動物病院に連れていく必要があります。しかしエキゾチックアニマルを扱う動物病院は数少ないため、万が一の事を考えてエキゾチックアニマルを扱う動物病院を調べて、ペンギンも診察してもらえるか確認しておく必要があります。
もしエキゾチックアニマルを扱う動物病院が見つけられない時には、動物園や水族館やペンギンの研究施設などに問い合わせてみると何か教えてくれるかもしれませんので、ペンギンをペットとして飼う前に調べておきましょう。
ペンギンはかわいい!でも飼うのは少々大変!
ペンギンはとてもかわいいですよね。ペットとして飼う事も可能なのですが、ペンギンをペットとして飼うためには色んな準備や飼育環境の設備なども必要になりますし、お世話も大変で多額の費用もかかりますのでただかわいいという気持ちだけで簡単には飼えない生物です。
もしペンギンを飼う時には絶対に最後まで責任をもって飼育する覚悟と、事前調査や飼育環境の設備などをしっかりと整えてからかわいいペンギンを迎えてあげて下さいね。