丘サーファーの特徴とは？髪型やファッション、サーファーとの違いも！

サーファーに憧れる人は男女問わず多いものです。海で波に乗る姿はカッコよく、サーフボードを持っているだけでも絵になります。

一方、いわゆる「丘サーファー」と呼ばれる人たちもいます。実際のところ、「丘サーファー」とはどういう人のことを言うのでしょうか？

ここでは丘サーファーについて、その特徴や本物のサーファーとの違いについて詳しく解説していきます。丘サーファーは髪型やファッション、乗っている車などの外見からして本物と違いがあるのです。

そもそも「丘サーファー」とはどういう意味なのかということろから説明していきます。丘サーファーとは一種の若者言葉でもあり、昭和の時代に生まれた言葉でもあります。

実は、「丘サーファー」とは誤字なのです。正しくは「陸サーファー」と書きます。「丘」でも「陸」でも「おかサーファー」と読みます。「陸サーファー」と書くと誤読も多く、「りくサーファー」と読まれてしまうこともありますが、やはり「おかサーファー」なのです。

ただ、現在では「丘サーファー」と書くのが一般的になっています。そのため、この記事でも「丘サーファー」と記載していきます。

では、「丘サーファー」とはどういう意味なのでしょうか？丘サーファーとは、サーフボードを担ぐなど、外見はサーフィンをする人に見えるけれども、実際はサーフィンはせず、海にも入らない人のことを意味します。「丘（陸）」にいるため、丘（陸）サーファーと呼ばれます。

丘サーファーはそもそもサーフィン自体ができません。そのため、丘サーファーとは一種の嘲笑を含めた意味合いもあります。

なぜ丘サーファーはサーフィンをしないのに、サーファーのような外見をしているでしょうか？それはサーファーの外見がカッコよく、一種のファッションのようにもなっているためです。丘サーファーの目的は海にいる水着姿の可愛い女性です。女性にモテたいという気持ちから、外見だけでもサーフィンをするかのように装っているのです。

丘サーファーという言葉は最近は死語になりつつあるとも言われています。それは先ほど触れたように、サーフカルチャー自体がファッションのようになっていることとも関係しています。

昨今、数多くのサーフブランドが人気を集めています。夏になれば海に入らずとも、サーフブランドのTシャツや短パンを着用する男性が増えています。サーフブランドのファッションは、海を感じさせつつも街で着ることをイメージしているものもあります。オーガニックな素材にこだわったり、プロサーファーのスポンサーになっていたり、各ブランドで特徴もありますが、ファッションとしてオシャレなのです。

そのため、夏になると一見サーファー風の外見だけれども、実際はサーフィンをしない人たちが多く見られます。つまり、彼らは丘サーファーという定義に入ってしまうのですが、もはやそれがファッションとして成立しています。丘サーファーという言葉が死語になりつつある所以でしょう。

丘サーファーは死語になりつつあるというお話をしましたが、一方でやはり丘サーファーと言われてしまう人たちもいます。丘サーファーと呼ばれてしまう特徴を具体的に挙げてみましょう。

丘サーファーの特徴は髪型にもあらわれます。まず、髪型の前に髪の質からしてサーファーとの違いがあります。サーフィンをする人なら海水に浸かった髪が日に焼けてダメージを受けています。それを真似て、丘サーファーの中には茶髪にする人もいます。しかし、丘サーファーは見た目が重要なため、髪型をキメています。髪型にサーファーのような無造作感がないのです。

実際にサーフィンをする人は髪型などにはかまっていられません。もし髪型にこだわるとしたら、波をかぶったときに髪の毛が邪魔にならないような髪型にするでしょう。世界タイトルを11度獲得したプロサーファーの王者、ケリー・スレーターの髪型は坊主です。

丘サーファーは見た目を重視するというお話をしました。丘サーファーのファッションの特徴は、多くの場合、オシャレなサーフブランドで全身を固めていることが挙げられます。全身サーフブランドで統一しているだけでなく、丘サーファーは陸にいるため、どのアイテムも傷んでおらず、きれいに使用しているなどの特徴が見られます。

実際にサーフィンをする人はファッションも実用性を重視します。サングラスもファッションというより、必需品だからです。もちろんサーフブランドも身につけていますが、取り入れても部分的なことが多いでしょう。プロサーファーはスポンサー契約をしているブランドの商品の新作をさりげなく身につけています。

車とサーフィンは切っても切り離せません。車はサングラスと同様、サーファーの必需品です。サーフと名の付く車種もいくつかあります。車はボードを乗せて運ぶために、そして良い波を求めて一刻も早く海にたどり着くために必要なのです。

また、日常的にサーフィンをする人は更衣室を探し回ったりせず、車の中で着替えます。休憩も車の中です。本格的なサーファーはボードをいくつか持っていく人もいますし、手入れをするための道具も持参したり、荷物が多くなることがあります。

そのため、サーファーはサイズ的に余裕のある車や、ボードを楽乗せできる車を選ぶ傾向があります。ボードの劣化を防ぐなどの目的もあり、ボードは外積みではなく中積みできる車を選ぶサーファーも多いです。

一方、丘サーファーは本物のサーファーと間違えてもらいたいため、ボードを車のルーフに乗せている場合があります。ただ、丘サーファーの特徴として、ボードを乗せた車で街を一周してみた後に、日も高くなって女子たちが集まってきた頃に海に到着します。丘サーファーにとってボードはファッションのため、ボードを車のルーフにボルトで固定していたケースも昔は見られました。

丘サーファーの特徴をつかんでいただいたところで、さらに詳しく丘サーファーと本物のサーファーとの違いを見ていきましょう。丘サーファーは外見だけでなく、行動にもサーファーとの違いがあります。陸でしか生活しない丘サーファーと、実際に海に入るリアルサーファーとの違いを具体的にご紹介します。

リアルにサーフィンを楽しむ人はウェットスーツを着用します。ウェットを着用している人には日焼けの仕方に特徴的な違いがあります。ウェットスーツにも様々なタイプがありますが、わかりやすいウェット焼けの跡は首と手首でしょう。ここに日焼けの跡が境界線のようにできます。

丘サーファーも本物のサーファーと見まごうばかりに真っ黒に日焼けしている人もいます。ただ、丘サーファーと判別できる日焼けの特徴は、このウェット焼けの跡があるかどうかです。日焼けサロンなどで焼いている場合は全身がきれいに焼けています。

丘サーファーか本物かの違いは、写真を撮るときのポーズでもわかります。カメラを向けられたときに、ピースやサムズアップ（親指を立てる）をするなら丘サーファーの可能性が高いです。

本物のサーファーは世界共通でアロハサインをする傾向が見られます。ハングルースとも言われるハンドサインで、グーに握った手から親指と小指を立てて作ります。このハンドサインは写真を撮るときだけでなく、「やあ！」「じゃあね！」「ありがとう」などいろいろな意味があります。サーファー同士ですれ違うときや何気ない会話の中や、車を運転しているときにも「ありがとう」のサインとして、かなりさりげなく使われます。

ちなみに相手に掌を見せるのが「ハングルース」。手の甲を見せるのは「シャカ」と言われ、「元気？」「頑張ろう！」「大丈夫！」など少し意味に違いがあります。

「台風が来る」というニュースは、丘サーファーとリアルサーファーの間では意味が大きく異なってきます。陸にしかいない丘サーファーは、台風が来ると聞けば「通勤、大丈夫かな？」といった心配のほうが先立つでしょう。

一方、リアルサーファーは嵐を喜びます。災害にもなりかねない嵐を喜ぶのは不謹慎と知りつつも、ウキウキと天気予報をチェックし始めます。台風の発生や経路が気になって仕方ないのです。

なぜなら、台風が来れば、日本でも海外並みのビッグウェーブを期待できるからです。リアルサーファーにとっては、台風イコール、今までに乗ったこともないような波に乗れるチャンスが到来するかもしれないという意味なのです。もちろん台風のときに海に行くのは大きな危険が伴います。ある意味、リアルサーファーはクレイジーな人たちでもあるのです。

先ほどサーファーには車が必需品というお話をしました。サーファーはサーフィンのために日常的に車を運転しているため、自然と運転は上手くなります。しかも本格的にサーフィンを楽しむ人たちは、人が海水浴をしているような海ではなく、悪路の果てにあるようなサーフポイントを目指します。道なき道を進むようなことも平気です。なぜなら、その先に極上の波が待っているからです。

そのため、サーファーは車の運転が上手いだけでなく、荒っぽくもなったりします。一秒でも早く海にたどり着くために、車が壊れそうな危ない道でも先を急ぎます。これは丘サーファーには考えられないことです。丘サーファーにとっても車はサーファーらしく見えるために必要ですが、逆に必要だからこそ大切に乗ります。間違っても車で砂浜に突っ込んでいくようなことはしません。丘サーファーらしく、安全な陸地のみを走行します。

丘サーファーとサーファーとの違いは肌にもあらわれます。サーファーは年がら年中、紫外線を浴び、潮風にさらされています。そのため、肌も荒れてしまいます。

丘サーファーはそもそも陸にしかいないため、海に行ってもUVクリームを塗るでしょう。丘サーファーでもそれらしく見えるために日焼けは必要ですが、外見を大切にするため、肌が荒れるほどの野ざらし状態でいることはありません。

サーフィンをする人は普段からさりげなくサーフブランドを身につけています。洋服だけでなく、時計などの小物で取り入れることも多いでしょう。

ただ、冒頭でお伝えしたとおり、最近はオシャレなサーフブランドが多数あり、サーフィンをしない人でも街着のファッションとして取り入れています。サーフブランドのファッションはオシャレなだけでなく、オーガニックな素材にこだわったパーカーやTシャツなど、着心地が良いものもたくさんあります。平日は会社員としてスーツ姿の人でも、週末のカジュアルな服装はサーフブランドがメインになることもあるでしょう。

そのため、身につけているもので丘サーファーかどうかの違いを見極めるのは難しくなってきました。多少の違いがあるとすれば、サーファーならサーフブランドで過ごすことが日常となっているため、着慣れている感は出るでしょう。

スポーツをしている人なら、していないときでも、ついその動作で練習したくなるのではないでしょうか？たとえば、野球ならバットの素振り、ゴルフなら傘でスイングなどです。

サーファーなら陸にいるときにも、アップスとか板の切り返し、ボトムターンなどの動作をしてしまうことがあります。四六時中サーフィンのことを考えているサーファーらしい動作と言えますし、丘サーファーには見られないことでもあります。

先ほどサーファーは四六時中サーフィンのことを考えているとお話ししました。金曜日の夜ともなれば、もう週末のサーフィンのことで頭がいっぱいの状態となります。

だいたい週の半ばくらいから波情報をチェックし、週末の行き先は目途をつけておきます。金曜日ともなると、明日は波があるとかないとか、風が合ってるとかどうとか、暇さえあればスマホを見ながらつぶやいています。たとえ海に行けなくなっても、それでも波情報を見てしまうのがサーファーです。丘サーファーには決して見られない行動です。

ある意味、サーファーもチャラいところはあります。仕事中心ではなく、いつもサーフィンのことを考えていて、美人なガールフレンドを連れていたりします。体幹を鍛えた引き締まったボディにサーフブランドを身につけ、こなれたカジュアル感を出しています。外見は丘サーファーとの違いがわかりにくいかもしれません。

リアルサーファーと丘サーファーとの違いは内面にあります。サーファーはストイックです。これはスポーツをする人全般に言えることですが、スポーツはストイックでないとできないところがあります。サーファーは朝が早い特徴があります。また、サーフィンはときに大きなケガや命の危険とも隣り合わせです。

加えて、常に自然との一体感を体験しているサーファーは、環境問題にも関心が高い傾向があります。朝日が上るのを眺めつつ海に浮かび、波や風を感じ、そして自然とひとつになってボードに乗る。砂浜のゴミを拾うこともあれば、ウミガメがビニール袋を飲んだとか、サンゴ礁が壊れていくことを悲しみます。サーファーは内面はとても真面目な人が多いのです。

ここまでお話ししてきておわかりのように、サーファーはサーフィンのことで頭がいっぱいです。サーフィンのために住む場所を決め、暇さえあればサーフィン、バケーションも海外旅行もサーフィン中心です。

一方、丘サーファーの一番の目的は、やはり女性からモテることでしょう。この目的が異なるところが、サーファーと丘サーファーとの大きな違いです。丘サーファーはモテることを目的とするため、自分の外見を重視するのです。

そもそも丘サーファーなる人たちは、いつ、どこから、どうして生まれたのでしょうか？丘サーファーはサーファーから嫌われているとも言われています。なぜでしょう？詳しく解説していきます。

丘サーファーの誕生は今から40年くらい昔でしょう。当時、日本ではカリフォルニア文化の流行と共に、サーフィンもブームとなっていました。

「ビッグ・ウェンズデー」というサーフィン映画もヒットしました（日本でのリリースは1979年）。テレビドラマ「チャーリーズ・エンジェル」の主演女優ファラ・フォーセットも水着のポスターで有名となり、サーファーの間で人気で、彼女の髪型も「ファラ・カット」と呼ばれて大流行しました。サーフィンやカリフォルニアをテーマにしたザ・ビーチ・ボーイズの曲も60年代からヒットを飛ばしています。

アメリカ文化。カリフォルニア。そしてサーフィン。当時のあらゆるカッコ良さを代表するような文化の流行と共に、丘サーファーは登場したのです。

いわゆる「サーファールック」が誕生したのも70年代です。サーファーのファッションを真似たサーファールックが大流行したのです。サーファーのように見えるけど、海にさえ行かないサーファールックの丘サーファーはたくさんいました。

丘サーファーの言葉の由来説もある自由が丘をサーファールックで歩いてみたり、1979年に創刊された雑誌「ホットドッグ」で紹介された渋谷のカフェバーでデートしてみたり、六本木あたりをボードを乗せたBMWで走ってみたり。いずれも時代を感じさせる丘サーファーたちのエピソードです。

丘サーファーはサーファーから揶揄される対象でした。海にも入らないのに、サーファーのような外見をしているからです。また、丘サーファーはナンパ目的で海に来るため、本気でサーフィンに取り組んでいる人たちからは、自分たちのイメージも落としかねない存在でした。

ただ、先述のとおり、時代の流れと共に丘サーファーという言葉も死語になりつつあります。丘サーファーにはひと昔前の響きがあり、当時のことを懐かしんで使う言葉にもなってきました。若者たちが必ずしも車で繰り出す時代ではなくなったことも影響しているでしょう。最近のチャラ男のナンパ場所は渋谷などの街中や、ナンパ箱と呼ばれるクラブへと移り変わってきているのです。

丘サーファーがモテるかモテないかと言えば、モテる部類には入るでしょう。夏の海という場所で、女性も開放的な気分になっています。そこで流行を意識したサーフ系のカジュアルスタイルに身を包み、女性慣れした丘サーファーに声を掛けられれば、話に乗る女性もいるでしょう。そういうチャラい男性に惹かれる女性というのは一定数いるのです。

丘サーファーという言葉を聞いて、懐かしさを感じる人もいるでしょう。今やサーフ系のファッションを取り入れているからといって、丘サーファーというナンパな定義には入らない人も多くなりました。オシャレなサーフブランドは代官山など、都内にもたくさんあります。確かにサーフィンはしないけれども、ただ海が好きで、オシャレなカジュアルスタイルが好きという人もいるのです。

サーフィンはオリンピック競技にも選ばれ、本気のスポーツとして浸透しつつあります。海でワイルドに波を乗りこなすサーファーの姿には誰しも目を奪われるでしょう。また、日々忙しさに追われる都会人にとっては、ロハスとかエコとかスローライフといった言葉を体現しているようなサーファーは、やはり憧れにもなるのです。

丘サーファーとサーファーの大きな違いは、サーフィンというスポーツに対する本気度です。その所以から、丘サーファーは嘲笑の対象とされていた時代もありました。ただ、昨今はサーフィンというスポーツが、ひとつのブームとしてだけでなく、広く多くの人々に知られる時代にもなっています。サーフィンというスポーツが、それだけ本格的に認められてきた証しとも言えるでしょう。