和歌山の方言20選!面白い発音や可愛い語尾がいっぱい!
和歌山はみかんや梅の産地として有名ですが、世界遺産の熊野古道や高野山も外せません。そんな若山の方言は、ちょっと面白い発音だったり、可愛い語尾だったりなど魅力に溢れています。今まで知らなかった人も和歌山の方言を知って、魅力にはまってみませんか?
目次
和歌山弁って面白い?方言の特徴は?
和歌山県は、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県に含まれる関西地方となるので、おおまかに分けると関西弁になりますが、和歌山弁は紀州弁ともいわれ、親しみやすい方言といわれています。
関西以外の地域の人がそれぞれの関西弁の方言を聞き分けるのは難しいですが、和歌山弁の語尾に付ける方言は比較的聞き取りやすく、語尾の三段活用や可愛い和歌山弁はちょっと真似したくなるかもしれません。また、覚えておくと観光の際に役立つでしょう。
そもそも和歌山県はどんなところ?
和歌山県と聞くと、みかんや梅の生産地として思い浮かぶ人が多いですが、世界遺産にも登録されている熊野古道や高野山などの他、和歌山の南半分の海は透明度を誇ることで知られています。また、アドベンチャーワールドではパンダの親子を見る事もできます。
和歌山県は南北の距離が長く、南部は温暖で台風の影響を受けやすい傾向がありますが、比較的夏は涼しく、冬は暖かいため暮らしやすいようです。なお、北部は天気や湿度が年間を通じて安定しています。
和歌山県民は「ざじずぜぞ」が苦手!
和歌山県の人は「ざ行」の発音が苦手といわれています。バラエティー番組でも取り上げられたことがあるため、ご存知の人もいるのではないでしょうか。しかし、実は苦手なのではなく、和歌山弁は「ざ行」を「だ行」、「だ行」を「ざ行」で発音する傾向があります。
これは「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の発音が似ているため「ざ行」「だ行」を混同して発音するようになったためといわれています。また、「ピザ」を「ピダ」のように、文字も発音と同じように変換して書く人がいるようです。さらに、「だ行」と「ら行」も変換して発音する特徴もあるそうです。
和歌山弁には敬語がない!?
和歌山の方言には敬語の表現が少ない特徴もあります。田辺や新宮地域では特にそういった傾向があるそうですが、これは、和歌山では昔から「人はみな平等」という考えが根付いているためだそうです。そういった地域の特徴もあり、上司や目上の人であっても敬語を使わないのが当たり前のようです。
そもそも和歌山は農業や漁業が盛んな県のため、きちんとした敬語を使わなくても成り立つ土地でもあり、逆に敬語を使うことが失礼になることも多いようです。しかし、けっして丁寧語が使えないということではありません。
一人称を意味する「わい」・「あが」
一人称を表す方言は色々ありますが、和歌山弁では「わい」「わえ」「あが」が自分のことを意味する方言です。複数形は「うち」や「あがら」に変わりますが、これは主に男性が使う方言とされています。女性の場合は「うち」を使う人が多いそうです。
「お前」「あなた」を意味する一人称の言葉の方言は、「てき」や「てきゃ」を使い、複数形は「てきゃら」になるそうですが、この方言は主に年配の人が使う方言だそうです。
三段活用「ちゃあ」「ちゃる」「ちゃーる」の意味
「三段活用」と聞くと国語の授業のようですが、和歌山弁の語尾で使われる「ちゃう」は「~ている」を短縮した方言で、「ちゃあ」「ちゃる」「ちゃーる」と変わることがあります。
「ちゃあ」の使い方
和歌山弁の方言「ちゃあ」の活用としては、「しちゃあ(している)」「行っちゃあ(行っている)」などがあります。
「ちゃる」の使い方
「ちゃる」は和歌山を観光しているとよく耳にする方言で、「取っちゃる(取ってあげる)」「やっちゃる(やってあげる)」のような使い方になり、「~してあげる」のような意味になるため、頼まれた時の返事に活用されることが多いそうです。
「ちゃーる」の使い方
和歌山弁の方言「ちゃーる」は、「よう知っちゃーる(よく知ってる)」「どうなっちゃーるんよ(どうなってるの?)」といった使い方をします。基本的な会話の中では、先に紹介した「ちゃあ」よりも「ちゃーる」の方が使い方として多く活用されるようです。
「しか」の使い方が面白い!
和歌山弁には他の地域ではわかりにくい使い方をする方言があります。それは「~しか」です。一般的には「これしかない」といったように、何かを限定する場合に活用されますが、和歌山弁では「しかいい」といった使い方をし、「~の方がいい」という意味になります。
「~しかいい」の例文
和歌山弁の方言「~しかいい」の使い方は、「これしかいいよね?(この方がいいよね?)」や「こっちしかいいわ(こっちの方がいいわ)」となります。また、「魚より肉しかおいしい」という場合は「魚より肉の方がおいしい」という意味になります。
大阪など関西弁を使う人でも、和歌山弁の方言「~しか」は慣れるのに時間がかかるので、悩ましい方言の一つだそうです。
語尾に注目!可愛い和歌山の方言4選!
①可愛い語尾の「よ~」
和歌山弁は語尾の方言として「よ~」がよく使われます。普段の会話でも頻繁に使われ、特に女性が使うと柔らかくて可愛い雰囲気に感じられます。「よ~」を標準語に置き換えると「だよ」や「です」になります。
②和歌山独特の表現「やん」
「やん」も和歌山弁の方言でよく使われる語尾です。こちらも女性が使うと可愛いといわれますが、和歌山弁で「やん」は否定の意味で使う使い方が多く、「行けやん(行けない)」や「できやん(できない)」のような使い方をします。
大阪弁でも「やん」を語尾に使いますが、こちらは「行けるよね」や「できるでしょ」のような使い方になるので、同じ関西弁でも大きく意味が違います。
③勧誘するときに使う「ら」
語尾に「ら」を使うのも和歌山弁の方言の特徴といえます。例えば「ドライブしよう」を「ドライブしよら」や「私たち」を「わたしら」といったように、誰かを誘ったり呼びかけたりする時に使います。
和歌山県内の国道には「つれもて しよら シートベルト」という方言を使った交通標語をよく見かけるそうですが、言葉の意味は「一緒にしよう。シートベルト」となります。
④疑問の「け」「けー」
和歌山弁の方言では、疑問形として使ったり何かを頼む時、語尾に「け」や「けー」を付ける特徴があります。「~ですか?」が変わったものだそうで、「け」ではなく「~かい」が語尾につく地域もあるそうです。使い方としては「こんなん要るんけ(こんなもの要るの?)」や「取ってけー(取ってください)」になります。
この意味わかる?和歌山の方言10選!
①ええ
和歌山弁の方言「ええ」は、相づちを打つ時や、同意する時などに使われます。肯定する時にも使われる方言で、「もうええてよ(もういいですよ)」といった使い方をします。
②あんじょう
「あんじょう」も和歌山弁でよく耳にする方言で、「しっかり」や「きちんと」などの意味があります。「あんじょうできた(しっかりできた)」や「あんじょうする(きちんとする)」のような使い方をします。
③にえる
「にえる」と言葉だけ聞くと「煮える」と思ってしまいますが、これは和歌山の方言の特徴的な表現で「青あざができる」という意味です。ワンフレーズをひとつの単語に置き換えられている方言はかなり珍しく、他府県では不思議がられることが多い面白い方言でもあります。
また、「にえる」という言葉は、青あざだけでなく内出血を起こした時や、野菜や果物に傷みが出た時にも使われる事があるようです。
④水せった
和歌山弁には名詞にも特徴的な方言があります。「水せった」もその一つで、この言葉はビーチサンダルを意味します。学校でも普通に使われ、水泳の授業が始まる時期になると学校から「水せったを忘れないように」と連絡が来ます。
そのため、他府県から引っ越してきて意味が分からず悩むのは、和歌山弁の方言あるあるだそうです。また、さらに縮めて「せった」ということもあるそうで、「セブンスター」というたばこと間違えられることもあった言葉だそうです。
⑤じてこ
「水せった」に続き、名詞の方言として和歌山弁では自転車を「じてこ」といいます。関西弁や関東では「ちゃり」や「ちゃりんこ」がよく使われますが、和歌山では「じてこ」が使われています。しかし、多少ぶっきらぼうな言い方でもあるため、男性が使うことが多い言葉だそうです。
⑥いっこも
和歌山弁の「いっこも」は、「全く」や「ひとつも」などの意味で、「いっこもバスけえへん」や「いっこも無いで」といった使い方をします。関西弁としても使われるので、「いっこも」は和歌山以外でも使われている方言です。
⑦かえらしい
和歌山弁の方言「かえらしい」は、可愛いという意味です。和歌山弁の中でも可愛い方言ランキングで上位になる事が多く、気軽に使える和歌山弁として女性に人気のある方言です。
⑧さげる
和歌山弁の方言「さげる」は、「持つ」という意味になります。日常会話でも頻繁に使われる方言で、「重いからさげて(重いから持って)」のように活用します。
⑨つれもつ
和歌山弁の方言「つれもつ」は、「連れて行く」や「一緒に行く」といった意味になります。先に紹介した「つれもて」も同じ意味を持つ方言で、日常的によく使わる言葉です。また、「付き合おう」といった意味もあるそうです。
⑩さかっちょ
和歌山弁の方言「さかっちょ」は、「逆さま」という意味です。和歌山弁には「さかっちょ」以外にも「ちょ」が使われる方言があり、ぴったりという意味の「ちょっきし」やひょうきんな事を意味する「ちょけ」もあります。
可愛いくて面白い方言!和歌山弁を使ってみよう!
和歌山弁は関西弁のくくりではありますが、大阪や京都で使われる関西弁とはやや違います。面白い使い方をしたり、面白い意味に変わったりなど地域性がよく表れています。和歌山弁の名詞の方言や語尾などは、可愛い表現にもなるので、普段の会話に使うと話題が広がりそうです。これを機会に和歌山弁をマスターしてみませんか?