セルフ『ジャグアタトゥー』をしよう！【ヘナとの違い】なども解説

夏は素肌を出す機会が多くなる季節。服だけじゃなく、素肌にもお洒落したくなりますよね。とはいっても、本物のタトゥー（刺青）は簡単には消えないため、デザインも一度彫ったら変えられません。一度施したら消えない刺青はハードルが高いですよね。

刺青は肌の内部に傷をつけインクを染み込ませるやり方の為、半永久的に消えないのです。また消えない以外にも、以下のようなデメリットがあります。

•     取り除く際には、手術が必要。手術の値段も高い。
•     就職や医療保険加入が出来ない可能性がある。
•     銭湯や温泉、プールなどの入場制限。

南アメリカの先住民族が祭事を執り行う際、素肌に様々なデザインを施したのが、ジャグアアートの始まりです。今回は、このジャグアアートの原料や、ヘナタトゥーとの違い、おすすめのデザインなどをお伝えします。

ジャグアタトゥー、ジャグアアートは「ジャグア」という熱帯アメリカ原産の木になる果実の抽出液が主成分です。ジャグアの木は、別名「ゲニパアメリカーナ（genipa americana）」と呼ばれ、日本では「チブサノキ」「センノキ」という名前で知られています。アカネ科の中高木で、約1㎝大の褐色の果実をつけます。またジャグアの果実は、インディアンにより食用や果実酒、染料、消化器官の薬として用いられていました。
 

先ほど、刺青は、表皮の下にある真皮に傷をつけ専用のインクで染めるというやり方であることを、お伝えしました。手術で除去するやり方もありますが、その値段は高額です。また手術後も跡が残り、完全には消えないことがあります。一方、ジャグアアートやヘナタトゥーは、日数が経過するとともに徐々に薄くなり、最後は完全に消えます。人の表皮は、10日～2週間で生まれ変わる性質を持っています。

この新陳代謝により、角質と一緒にインクや染料も剥がれ落ちていきます。消えるまでの期間は人により個人差がありますが、短い人では1週間、長い人では3週間程度となります。ジャグアタトゥーなら、デザインに飽きても、消えないことで悩むことがありません。

また刺青は、必ずアーティストさんに依頼しなければ描けませんが、ジョグアアートやヘナタトゥーはセルフで描くというやり方ができます。

消えない刺青に比べ、デメリットが少ないヘナタトゥーやジャグアアート。どちらも古来より、少数民族の祭事で施された歴史があります。またジャグアタトゥーとヘナタトゥーで肌を染める原理は、ほぼ同じですが、若干の違いがあります。以下が、ジャグアアートとヘナタトゥーの違いとなります。

市販のヘナペーストの中には、保存料など化学物質が含まれるものがあります。これらを使用すると色素沈着などのトラブルを引き起こし、長期間消えないこともあります。通販サイトで売られている極端に値段が安い物や、ブラックヘナには注意が必要です。

• 色合い：茶褐色。
• 発色時間：2～3時間
• 値段の相場：カードサイズ1か所 1,000円～2,000円
• 染料：インドやスリランカ原産の「ヘナ」という植物の葉を粉にしたもの
• セルフで描く場合：化粧品登録がされた100％ヘナパウダーを水などで練り、2日ほど寝かせる。出来上がったペーストを、コーンに詰めて描く。紅茶やコーヒー、レモン果汁などを加えると発色が良くなります。

ジャグアタトゥーはヘナタトゥーと比べ、より鮮やかな発色が特徴です。

• 色合い：ブラックor紺
• 発色時間：1日
• 値段の相場：カードサイズ1か所 2,000円～3,000円
• 染料：熱帯雨林原産「ジャグア」の実の抽出液が主原料。インクの品質を安定させる為に国の基準値以下の食品用添加物や天然由来の原料が使用されています。有害な化学物質は含んでいません。
• セルフで描く場合：化粧品登録がされたジャグアアート用インクを使用します。

手軽に安全な素肌のおしゃれを楽しめるジャグアタトゥーですが、以下のようなデメリットもあります。

•     アレルギー症状：イチゴやピーナッツ、エッセンシャルオイルなどにアレルギー症状がある方は、炎症などを引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。
•     敏感肌、化学物質過敏症の人は使用できない： 敏感肌や化学物質過敏症の方は、基準値以下の食品添加物でも肌に影響が出る場合があります。

またジャグアアートは、ヘナタトゥーに比べ、リアルな色合いが表現できる為、本物のタトゥーと間違われてしまうことがあります。ジャグアアートは、冠婚葬祭や仕事に差しさわりがないよう、計画的に楽しみましょう。

完成度の高い素敵なデザインでジャグアアートを楽しみたい。そんな時は、プロのアーティストさんに依頼しましょう。セルフジャグアアートでは、誤って安全性の低いインクを使用した場合、アフターフォローがありません。プロのアーティストさんに依頼すれば、デザインや肌の状態などカウンセリングした上で描いてもらえ、万が一の時もアフターフォローが受けられます。

アレルギーなどで、ジャグアアートの施術が難しいかたは、ヘナタトゥーなど別のやり方がないか、アーティストさんに相談してみましょう。プロのアーティストさんに、ジャグアアートを描いてもらうとなると、やはりお値段が気になりますよね。以下がジャグアアートを依頼する際の、値段の一例です。

•     5cm×5cm \1,000～2,000
•     10cm×10cm  \4,000～
•     10cm×15cm  \5,000～
•     マタニティペイント 7,000～10,000

全国的に人気が高まっているジャグアアートですが、まだまだアーティストさんが少ないのが実状です。特に地方にお住まいの方は、近くにアーティストさんがいないかもしれません。そんな時は、セルフでジャグアタトゥーを施すことができます。またセルフジャグアタトゥーは、コストがかかりません。

「絵心がない私でも、おしゃれなジャグアアートが描けるの？」なんて、不安になっている方はいませんか？確かに最初からセルフで描くのは、ちょっと勇気がいりますよね。でも、大丈夫。ジャグアアートで描かれるトライバルやメヘンディは、実はシンプルな図形の組み合わせで出来ています。

ドットやライン、四角などの図形などを紙に描く練習して、それらを組み合わせていけば、あなただけのオリジナルデザインを描くことも夢ではありません。まずはインクで描くことに慣れることが、セルフジャグアアートの第1歩です。図形やマーク、モチーフの描き方は以下の本を参考にすると良いでしょう。

また東南アジア系の雑貨を扱う通販サイトでは、インドやパキスタンのデザインブックが購入できます。値段も手ごろなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。「忙しくて時間がない」という方は、ジャグアタトゥー専用ステンシルを使用して描くのもありですよ。
 

消えないことによるリスクがないジャグアアートで、最も気を付けることは肌トラブルやアレルギーの可能性。安全なやり方で、ジャグアアート描く為に一番大切なのはインク選び。ジャグアタトゥーに使うインクは、インターネット通販を利用すれば、比較的簡単に手に入ります。

最近は、手軽にインクを入手できる通販サイトも増えていますが、化学物質を含まない商品は限られています。現在、通販で販売されている国内産のインクは、大半が化粧品登録をされていません。そのため、通販でおすすめできるジャグアアート用インクは限られています。

炎症などのトラブルを防ぐためには、国内産の化粧品登録されたインクか、添加物を最小限に抑えたインクがおすすめです。またどんなに安全性に配慮したインクでも100%炎症を起こさないとは言い切れません。ジャグアタトゥーのインクは、肌への影響が少ない安全が保証されたものを選んでくださいね。

セルフでジャグアアートを始めるには、まず以下の物が必要となります。

• ジャグアタトゥー専用インク
• 専用ボトル
• 専用アプリケーター及びニードル
• 綿棒
• ティッシュペーパー
• 少量の水orアルコール
• 転写シールorペンシルライナー
• ゴム手袋
• 専用ステンシル（必要に応じて）

通販でインクやニードルなど必要な道具を揃えたら、さっそくジャグアアートを描いてみましょう。ここからは、いよいよ本題。セルフジャグアタトゥーの具体的なやり方をご紹介していきます。
 

1. デザインや図柄を決める。
2. 施術部位を決めて、下準備をする。
3. 下絵を転写する。
4. ジャグアインクで下描きをする。
5. 本描きをする。
6. 本描きした上に、更に盛り描きする。

ジャグアアートを描き終えたら、インクが乾くまでそのまま放置します。ジャグアアートは、インクが肌に乗っている時間が長いほど、よく染まります。

最低でも2時間は、このまま乾かしてください。きれいなジャグアアートに仕上げる為のやり方は、3時間~6時間乾かすこと。長く時間を置くほど、インクが肌に染み込んで、発色が良くなります。

ジャグアタトゥーを描いてから、3時間～6時間以上経ったら、ぬるま湯かお湯でインクを洗い流します。
ぬめりがなくなるまで、しっかりと洗い流してください。ジャグアタトゥーは洗い残しがあると、他の場所に色移りことがあります。また爪でこすって肌を傷つけないよう注意しましょう。

ジャグアタトゥーは、描いてから2日～4日で発色して、最も色が濃くなります。その後は徐々に薄くなり、約２週間程度で消えます。

ジャグアアートやヘナタトゥーの伝統的なデザインといえば、トライバルです。トライバルは、「伝統的な」「民族的な」という意味で、日本でもアイヌや沖縄などにも独特の文様を施したデザインが存在しました。沖縄では既婚女性の印や、漁師のお守りとしてのタトゥーが施されていました。

海外ではポリネシアやサモア、タヒチなどの先住民族が素肌に施されていた独特な文様は男性に人気のデザインです。また女性も、足首に描くとセクシーで魅力的な自分を演出できますよ。

女性なら一度は試してみたい「花」のジャグアアート。可愛いワンポイントから、手首から腕にかけて描いた華やかなデザインまで、色々なパターンを楽しむことができます。また「花」と一緒に描かれることが多い「つぼみ」は「新しい命」を象徴するもの。ジャグアタトゥーでマタニティペイントなどを描く時は、安産祈願も兼ねて「つぼみ」と「花」をセットで描いてみませんか？

ステンシルも多く販売されている為、初めてセルフジャグアアートを描く方におすすめのモチーフです。

ジャグアアートで、ポピュラーなモチーフといえば「トカゲ」です。男性は勿論、個性的なジャグアタトゥーを楽しみたい女性にも人気のジャグアタトゥーとなっています。トカゲは、古代より「神の使い」として崇められたり、幸運の象徴とされてきた歴史がある生き物。トカゲのジャグアタトゥーの意味は「親切」「知恵」「謙虚」「夢」などです。

ご自分の知恵や才能を活かして夢を叶えたい方は、ジャグアアートでトカゲを描いてみては如何でしょうか？

刺青でレタリングを施すひとは「消えない」ことに意味を感じて、大切なメッセージなど描くこともあるそうです。素肌を鮮やかなダークブルーに染めるジャグアタトゥーは、文字やテキストなどを図案として描くレタリングにぴったりのやり方です。

最近は、海外旅行の記念に現地の地名をアルファベットで描く方もいらっしゃいます。また女性には、花や妖精などのモチーフと組み合わせたレタリングも人気となっています。レタリングで描かれる文字には、以下のようなものがあります。

•     アルファベット
•     漢字
•     梵字
•     数字
•     ローマ数字

ポジティブで力強いエネルギーを感じさせてくれる太陽のモチーフ。ジャグアタトゥーでも、男女ともに人気のデザインです。太陽の持つ意味は「勝利」「生命力」「勇気」など。女性には、太陽と月を組み合わせデザインのジャグアア―トも人気です。トライバル風、キャラクター風など、色々なアレンジが可能で、ジャグアタトゥーの楽しみも広がります。
 

如何でしたか？今回は、消えるタトゥー「ジャグアタトゥー」についてお伝えしました。「消えない刺青を入れて後悔したくない」。そう思って、タトゥーに挑戦できなかった方も、消えないリスクがないジャグアタトゥーなら、気軽におしゃれを楽しめるのではないでしょうか。
 

ジャグアアートは、ステンシルを使った方が簡単ですが、もし慣れてきたら、是非自分だけのオリジナルデザインにも挑戦してください。自分の内面から湧き出たイメージを描いたジャグアアートで、あなたはもっとおしゃれに輝けるはずです。上手にジャグアタトゥーを描けるようになったら、インスタグラムにアップしてもいいかも♪。