クレマチスの花言葉や由来とは?種類や見頃の時期も紹介!
最近ガーデニングで人気のクレマチスは、世界各地に300種類及ぶ品種が存在している「つる性植物」です。聖母マリアの伝説に由来する花言葉を持つクレマチスは、母の日などの贈り物にも最適です。今回はクレマチスの見頃や、育て方、西洋での花言葉などの情報をお伝えします。
目次
クレマチスってどんな花?
最近、ガーデニングで人気の植物・クレマチスは別名「鉄線(てっせん)」や「風車(かざぐるま)」と呼ばれるキンポウゲ科クレマチス属の植物です。庭のフェンスやアーチ、壁面は勿論、鉢植えとしても楽しめるクレマチスは、母の日の贈り物としても注目されています。今回は、このクレマチスの種類や育て方、花言葉などをご紹介します。
クレマチスの特徴は?
クレマチスは、日本や中国、ヨーロッパなど世界各地に原産地が点在し、約300種類の品種があるツタ性植物の代表格です。鉢植えやフェンスやアーチ、壁面など、様々な植物と一緒に植えることできることができ、種類も豊富です。特にバラと相性が良く、育て方も似ている為、西洋ではコンパニオンプランツとして利用されてきました。バラは「キング」、クレマチスは「クイーン」に例えられ、花束の贈り物としても愛されています。
クレマチスの開花時期や見頃はいつ?
クレマチスは5月~10月を中心に見頃を迎えます。クレマチスの花は種類により開花時期が異なる為、年間を通して様々な花を楽しむことができますが、苗として販売される時期は3月~12月頃です。多くの品種は5月に見頃の最盛期を迎えるので、母の日の贈り物としても人気です。
クレマチスの種類を紹介
花の形や色も豊富なクレマチスは、原産国も世界各地に点在し、日本だけでなく中国や韓国、ヨーロッパ、アメリカなど多くの国で愛されています。また花の形や色で、地域により性質が変化した種類があり、育て方も違います。以下が世界各地に存在するクレマチスの色と形です。
- 色:赤 ピンク 白 黄色 青 薄青 紫
- 形:ベル型(釣り鐘型) チューリップ咲き 一重咲き 八重咲き 万重咲き
日本産クレマチス
日本原産のクレマチスには、本州に自生する物や、日本を中心としたアジアに自生する種類があります。
- 仙人草【せんにんそう】
【特徴】花径2~3cmで、日本、中国~韓国に自生しているクレマチスの原種。十文字型の花弁が強い香りを放ち、一斉に開花する。花の名前は、仙人のヒゲに由来するといわれている。
- 半鐘蔓【はんしょうづる】
【特徴】本州から九州にかけて自生する花径2~4cmのクレマチス。前年に伸びた枝の節にベル型の花を咲かせ、葉は紅葉する。育てる地域により特性が変わる。
中国産クレマチス
中国原産のクレマチスは、庭木に適したチベット、中国原産の種類や日本でも人気が高い種類があります。
- ナパウレシンス
【見頃】12月~1月
【特徴】花径2~3cmの中国、チベット原産のクレマチス。紫色の長い雄しべが特徴で、花弁は薄緑色。育て方は、鉢植えよりも庭木に適している。
- テッセン(鉄線)
【特徴】中国産の原種で、花径6月~10cmの花を咲かせる。乳白色の花に紫色の雄しべが美しく人気の品種。弁花しており、種子ができにくいのが特徴。
西洋・北米産クレマチス
西洋・北米産のクレマチスは主に5月~10月が見頃です。今回は、母の日の贈り物として最適な2品種をご紹介いたします。
- ジャックマニー
【特徴】花径8~10cmで4~6弁の濃紫色の花を咲かせる。イギリスでは紫色のクレマチスの代表格として有名です。
- プリンセス・ダイアナ
【特徴】花径5~6cmで明るいピンクの花弁が愛らしく人気のクレマチス。咲き始めが特に美しく、次々と可憐な花を咲かせることで有名です。愛情深く育ててくれたお母様への感謝を込めて、母の日に贈り物として購入する人が増えています。
クレマチスの名前の由来とは?
クレマチスという名前の由来は、ギリシャ語の「klema」が語源です。「klema」は「つる」や「巻き上げ」を意味する言葉で、そこにラテン語が加わり「Clematis」となりました。「Clematis」はつる性植物を意味し、育種や品種改良が行われたイギリスなど西洋の国々で親しまれています。
クレマチスの花は花ではない?!
様々な形や色が存在し、私たちの目を楽しませてくれるクレマチスの花。実は他の花にない特徴があることをご存知ですか?一般的に植物の「花」は花弁のことを指しますが、クレマチスの花に花弁はありません。クレマチスの花は、花弁ではなくガク片が色づいたものを指します。ガクの枚数は、品種により4枚や6枚、8枚など沢山の種類があります。
クレマチスの花言葉や由来は?
クレマチスには主に3つの花言葉があります。ここからは植物の特徴や、西洋に伝わる伝説などに由来する花言葉の由来をご紹介します。母の日の贈り物にふさわしい花言葉もあるので、見逃さないでくださいね!
花言葉①「精神の美」
剪定や誘引が欠かせないクレマチスの育て方。クレマチスのツルは誘引しても、しなやかで折れにくいのが特徴です。クレマチスの花言葉は、細くてもしなやかで強く折れにくい特徴に由来します。ツタの強さやしなやかさを、人の心の強さや美しさに例えた花言葉は、西洋でも愛されています。
花言葉②「旅人の喜び」
クレマチスは、英語で「旅人の喜び(Traveller’s joy)」と呼ばれます。この花言葉は、西洋に伝わる旅人の逸話が由来となっています。昔、ヨーロッパでは遠方から訪れる旅人が、快適に休息を取れるようにとの願いを込めて、クレマチスの鉢を玄関に置いていました。この逸話を生まれた花言葉が「旅人の喜び」です。
花言葉③「策略」
最後にお伝えする花言葉は「策略」です。この花言葉は、西洋に伝わる乞食の伝説に由来しています。クレマチスが、フランスでは別名「乞食草」であることはご存知ですか?美しく可愛い花を咲かせるクレマチスには、実は毒性があります。
この毒を利用して、フランスの乞食がわざと皮膚をただれさせ、同情をひいて物乞いをしたことが、この花言葉の由来です。この花言葉だけは、くれぐれも母の日の贈り物には添えないように注意してくださいね。
西洋でのクレマチスの花言葉も紹介!
クレマチスのツタは西洋で「薪を縛っていた」という伝説が伝わるほど、強靭です。その強さは「鬼婆のロープ」や「悪魔のより糸」などの花言葉にも表れています。日本の「鉄線(テッセン)」という名前も、こうした強さに由来しています。
その一方で「乙女の木陰の休憩所」というロマンチックな花言葉も存在します。この花言葉は聖母マリアがイエスを抱いて、クレマチスの木陰で涼んだという伝説に由来します。
クレマチスは母の日の贈り物にぴったりの花!
5月の第2日曜日は「母の日」です。母の日に贈る花といえばカーネションが有名ですが、最近はクレマチスの鉢植えも人気です。聖母マリアの伝説に由来する花言葉を持つクレマチスは、 母の日の贈り物にぴったり!ガーデニングが趣味のお母様には、クレマチスを贈りませんか?
クレマチスの栽培方法・育て方を紹介!
クレマチスは比較的病害虫に強い植物で大事に育てれば、長期間花を楽しむことができます。また品種ごとに剪定や植え付けの場所など、育て方に若干の違いがあります。ここからは、クレマチスの花を、長く美しく楽しめる育て方をお伝えします。
植え付けは日当たりの良い場所に。
クレマチスは、一般的にはポット苗の状態で売られています。苗は品種ごとに決まった時期に、鉢植えか、地面に植え付けを行います。鉢植えの場合は、水はけや水持ちがよい培養土を選んでください。専用の培養土を使用すれば土作りの手間がかかりません。クレマチスは、日光を好む植物なので露地植えの場合は、日当たりの良い場所に植えましょう。
クレマチスは、水切れ厳禁!
鉢植えの場合は表面の土が乾いたら、必ず水やりを行いましょう。鉢底からあふれる位、たっぷりと水を与えてください。庭植えの場合は、基本的に水やりの必要はありません。ただし、植え付け後の根が活着するまでの期間や晴天が続いた時は、充分な水分を与えてください。クレマチスは、根腐れよりも水切れに弱い植物です。晴れの日が続き、樹に元気がなくなってきたら、必ず水分を与えてください。
油断禁物!病害虫の防ぎ方。
クレマチスは、比較的病害虫に強い特徴を持つ植物ですが、全く被害を受けないわけではありません。以下がクレマチスが被害を受けやすい病害虫と、その対策です。
【病気】特徴と対策
- 赤サビ病:葉の表に赤い斑点ができ、裏をめくると粉がふいたようになります。秋口の気温が低下した時期に発生する病気で、窒素過多や、日当たりの悪い場所に植えたことが原因で発症します。感染力が強く、他の葉や枝にも広がりやすいので、見つけ次第病気の枝を切り落として、焼却処分しましょう。
- .うどんこ病:4月~10月まで発生するクレマチスのポピュラーな病気の一つです。葉の表面が白い粉をふいたようになり、カビの繁殖によって発生します。この病原菌は越冬する可能性がありますが、小まめな除草や、葉に水やりを行うことで予防できます。
【害虫】特徴と対策
- アブラムシ:葉や茎、ツボミなどの裏に発生し、栄養分を吸い取ります。風通しの良い場所に植えたり、適度に剪定を行い、密植させないようにしましょう。
- ヨトウムシ:夜間に活動するヨトウガの幼虫で、樹全体を食害する恐れがあります。被害の大きい葉を取り除き、幼虫は見つけたら捕殺しましょう。
【品種別】剪定の時期とやり方
クレマチスの育て方で一番大切なのが、剪定時期と方法です。沢山の品種があるクレマチスは、それぞれ剪定の方法が異なります。ここからは、クレマチスの中で特に人気が高い3品種の剪定方法をご紹介します。
【品種別】花後の剪定
- モンタナ系:開花後の剪定は行いません。生い茂ってきたら、2割程度刈り込みを行います。
- フロリダ系:開花後に、花の下2、3節目についた枝を弱剪定します。
- ジャックマニー系:開花後、花がついた枝の生え際から2、3節残して強剪定してください。
【品種別】春先の剪定
- モンタナ系・フロリダ系:枯れ枝や花芽を取り除く程度の弱剪定を行います。強剪定は行わないよう注意してください。
- ジャックマニー系:地際がしっかりした芽を探します。その芽から上に生えた枝を強剪定します。
誘引の方法は?
クレマチスの誘引は、枝が固くなってきた頃に行います。鉢植えの場合は、複数本の支柱がセットになった物を使いましょう。露地植えは、最初はフェンスを立てて、カーブを描くように全体的にツタを絡ませていきます。枝を留める際は、以下のような道具があると便利です。
- 誘引クリップ:初心者でも留めやすく外れにくい。
- テグス(釣り糸):釣り用のテグス。透明なので、花の美しさが損なわれない。
- ワイヤー:細かい枝を、目的の場所に固定することができる。
植え替えは、根のダメージに注意!
クレマチスの鉢植えは、ある程度の大きさまで成長したら、植え替えが必要となります。日当たりや風通しの良い場所を選び、植え替えましょう。鉢植えは、植え替えの時期を逃すと、根詰まりを起こしやすいので注意してください。鉢底から根が見えてきたら、植え替えの適期です。
クレマチスの根はダメージに弱いので、植え付けの際は、根を傷つけないように慎重に扱いましょう。
クレマチスの誕生花の月日は?
季節を問わず年間を通じて美しい花を咲かせるクレマチスは、5月、7月、9月、10月の誕生花です。ここからは、それぞれの誕生日の贈り物として最適なクレマチスの種類や特徴、育て方などをご紹介します。
5月
- 5月3日:情熱的な赤のクレマチスがおすすめです。ワインレッドの花を咲かせる「マダム・ジュリア・コレボン」は、生育がよく、初心者でも育てやすいのが特徴です。
- 5月9日:愛情深い女性を思わせる「ミセス・T・ルンデル」。やや赤みがかったピンクの可愛らしい花を咲かせます。アーチやフェンス、鉢植えに適しており、冬は地際から強剪定を行います。
7月
- 7月1日:ダイアナ妃の誕生日であるこの日に生まれた女性には、淡いブルーの「シリンドリカ」がおすすめです。大きめの花弁には厚みがあり、花持ちがいいので、切り花としても人気の種類です。
- 7月2日:ヨーロッパに自生する「アルピナ」は、薄い青紫色の爽やかな花を咲かせます。ロックガーデンなどで人気があり、花後に早めの剪定を行うことで、2番花まで楽しめる種類です。
9月・10月
9月12日:秋生まれの明るく自然に振る舞いが素敵な女性には、青紫系の「ジャックマニービクトリア」がおすすめ。大輪の花はバラとの相性も良く、育てやすいのが特徴です。
10月12日:他人を思いやる気持ちが強い10月生まれの女性には、黄色いベル型の「ラムトンパーク」がおすすめ。この黄色い4枚花は、ココナッツのような甘い香りが人気のクレマチスです。風通しが良い半日陰が適しています。
花言葉も美しいクレマチスは贈り物にぴったりの花!
今回は、母の日の贈り物としても人気のクレマチスについての情報をお届けしました。「精神の美」や「旅人の喜び」など美しい花言葉を持つクレマチスは、花束にもピッタリです。クレマチスの花束にオススメの花は、やはりバラです。クレマチスと共にイギリス皇太子妃ダイアナ妃を由来する品種があるバラは、女性へのプレゼントとして最適です。
大事な人にクレマチスをプレゼントする際は、是非今回お伝えした花言葉や育て方を参考に選んでくださいね。