野いちごの種類と見分け方!野いちごの時期・探し方・注意点も解説!
野いちごは私たちの身近に多くの種類があります。自然と接する機会が増える季節に野いちご摘みを楽しんでみませんか?どんな種類があるのか、毒があったりしないのかなど気になる注意点をお教えします。ぜひ参考にして美味しく自然の贈り物を味わいましょう。
目次
- 1思わず食べたくなる野いちご
- 2まずは野いちごの基礎知識を解説!
- 3野いちごの種類①クサイチゴ
- 4野いちごの種類②ニガイチゴ
- 5野いちごの種類③モミジイチゴ
- 6野いちごの種類④クマイチゴ
- 7野いちごの種類⑤ナワシロイチゴ
- 8野いちごの種類⑥バライチゴ
- 9野いちごの種類⑦フユイチゴ
- 10野いちごの種類⑧ヘビイチゴ
- 11野いちごの種類⑨エゾヘビイチゴ
- 12野いちごの種類⑩カジイチゴ
- 13野いちごの種類⑪ワイルドストロベリー
- 14野いちごの種類⑫ラズベリー
- 15野いちごの種類⑬ブラックベリー
- 16野いちごの3つの注意点
- 17野いちごを栽培しよう!苗選びや育て方のコツを紹介!
- 18野いちごをもっと楽しむ方法4選!
- 19お散歩やハイキングで野いちご摘みを楽しもう!
思わず食べたくなる野いちご
自然の多く残る山野を歩いていると、みずみずしい野いちごの果実を見つけることがあります。思わず画像に保存してSNSに載せたいと思い、名前がなにか気になったことがあるのではないでしょうか。また、美味しそうで食べてみたいけれど毒がないのか気になったことがあるかもしれません。そんな気になる野いちごのことをきちんと調べてみませんか?野いちごがどんな植物なのか、種類ごとの見分け方や花言葉なども知りたくなることをまとめてみました。ぜひあなたのナチュラルライフの参考にしてください。
まずは野いちごの基礎知識を解説!
草むらにふいに姿を見せる野いちごは、果実は色鮮やかで花はかわいい姿をしていて心和ませてくれる植物です。でもそんな野いちごたちのことをあなたはどのくらいご存知でしょうか。野いちごの特徴や毒のあるなしそして花言葉など、気になる野いちごの基礎知識を詳しく解説します。まずは入門編として学んでみてください。
野いちごとは?
野いちごの定義は、バラ科の植物のなかでいちご状の果実をつける山野に自生しているものとなります。そう実はいちごはバラ科の植物なのです。あの豪華なバラの花と可憐な野いちごの花が同じ種類の植物というのは不思議なのではないでしょうか。野いちごの花を近くで見るとバラの花の面影を見つけられるかもしれません。
野いちごに毒はない
「美味しそうだけど毒があるのでは?」そう思って野いちごを食べてみる勇気を出せなかった経験はありませんか?実は野いちごに毒のある種類はありません。よく知られているへびいちごなどはいかにも毒がありそうな名前ですが無毒です。種類によって味はさまざまですが、食べられないものはありません。ただし場所によっては農薬や動物の排泄物などの汚染がある場合がありますので、注意は必要です。
野いちごの花言葉
野いちごには花言葉があります。種類別の花言葉もありますが、野いちごという種類全体としての花言葉もあるので覚えておきましょう。野いちごの花の花言葉は「幸せな家庭」です。また、果実や葉っぱにも花言葉があります。果実は「成果の実り」、葉は「誘惑」「尊敬と愛」です。
野いちごの種類①クサイチゴ
クサイチゴは本州から九州まで日本に広く自生している野いちごです。お散歩の途中やハイキングなどのときに見かけることも多いでしょう。漢字では草苺と書きます。ワセイチゴ(早稲苺)という名前で呼ばれることもあります。
クサイチゴもたくさんなってたよ( ˊᵕˋ )♡ pic.twitter.com/BKB9gtU7Vb
— ままかり (@Camelusdromeda0) May 26, 2019
特徴と見分け方
クサイチゴの特徴は果実が大きめで木いちごの仲間のなかでは背が低く20cmから60cm程度の高さであること、茎の部分に毛が生えていてトゲがあることでしょう。見分け方としては茎にトゲがあることと、画像のように果実が大粒で赤いという特徴を覚えておくとわかりやすのではないでしょうか。
生息地と探し方
クサイチゴは野いちごのなかでは比較的見つけやすい種類です。本州から九州までの日当たりのいい山道や草むらなどに自生しています。葉っぱは細かくギザギザのついた楕円形ですが葉っぱではなかなかわかりにくいと思うので、花が咲く時期か果実をつける時期に探すのがいいでしょう。
花・果実の時期
クサイチゴは4月から5月ごろに直径4cmぐらいの可憐な白い花を咲かせます。果実になるのは6月の梅雨の時期です。梅雨は雨が続きて憂鬱ですが、赤くてきれいな甘い果実を見つけるとうれしい気持ちになるのではないでしょうか?ぜひ探してみてください。
花言葉
クサイチゴの花言葉は「幸福な家庭」「甘い香り」「尊敬と愛情」「誘惑」です。
野いちごの種類②ニガイチゴ
ニガイチゴも本州から九州にかけて自生している野いちごです。漢字では苦苺、別名をゴガツイチゴと言います。
今撮り。ニガイチゴ「苦苺」。( ̄~ ̄) モグモグ... pic.twitter.com/u3g3W6WB8k
— 毛野風 (@kenunokaze) June 21, 2018
特徴と見分け方
ニガイチゴは木いちごの仲間で背の高さは1.5mほどです。成長すると絡み合ってヤブを作ります。見分け方は茎にトゲが多く、粉を吹いたように白っぽくなるという特徴があるので花のない時期は茎で見分けるのがいいでしょう。花は野いちごのなかでは少し特徴的で、細い茎が伸びた先に1つだけスマートな白い花をつけます。
生息地と探し方
ニガイチゴの探し方は、ブナ林の下生えや丘などの日当たりのいい場所などを探すのがいいでしょう。本州から九州まで普通に自生している植物です。
花・果実の時期
花の時期は4月から5月ごろです。野いちごにしては珍しくガク部分が立ち上がった細い2cmほどの白い花を咲かせます。果実をつける時期は5月から6月ごろです。赤く丸く1つ1つの粒が大きい果実が特徴で、とても甘いのですが少し苦味があり、それが名前の由来となっています。苦味は毒がある訳ではなく核になっている種子の部分が苦いのです。
花言葉
ニガイチゴの花言葉は「甘酸っぱい」「いつも愉快」です。
野いちごの種類③モミジイチゴ
モミジイチゴは北の野いちごです。葉の形が独特で果実は淡いきれいな色をしています。見栄えがする木いちごなので庭植えにおすすめの野いちごでもあります。
帰りかけたら紅葉苺… (◯^o^◯)
— 毛野風 (@kenunokaze) June 1, 2019
電池切れです。タブレットでパシャったと。
モミジイチゴ 小満 上州上日野 pic.twitter.com/jdeClaQjuo
特徴と見分け方
野いちごのなかでは背の高い木いちごタイプの植物です。2mぐらいまで成長します。見分け方としてはトゲが多く茨のような茂みになり、葉がつく時期には紅葉のような葉っぱをつけるという特徴があります。果実は淡いオレンジ色で、たいへん美味しい野いちごです。
生息地と探し方
生息地は北海道から中部地方から北部という北に自生する野いちごです。荒れ地や道端の日当たりのいい場所に見つけることができます。探し方としては葉が茂る時期に画像のような紅葉のような葉を目印に探すといいでしょう。果実も琥珀のような透き通ったオレンジ色で大ぶりなので見つけやすいです。
花・果実の時期
花の時期は3月から5月ごろです。小さくてかわいい白色の5弁の花を下向きにつけます。果実は5月末から6月ごろに熟します。甘くて美味しく果実も大きいのでジャムやお菓子にも向いています。
花言葉
モミジイチゴの花言葉は「嫉妬」「妬み」「いつも愉快」「愛情」「後悔」です。
野いちごの種類④クマイチゴ
クマイチゴは北海道から九州まで日本全域に自生する野いちごです。山歩きをする人に馴染み深い野いちごとして有名です。クマイチゴの果実はクマが食べに来るから注意したほうがいいということから名前がついたとされています。
クマイチゴ,ざくざく。 pic.twitter.com/vJ17Et9YOP
— Yup (@waldblumen) June 29, 2018
特徴と見分け方
クマイチゴは背の高い木いちごです。見分け方としては葉にも茎にもトゲがあり、茎の色は赤紫色という特徴があります。また、1mから3mほどまで高く伸びほかの野いちごよりは目立つので見つけやすいでしょう。繁殖力が高いので山道では頻繁に見かけることがあります。
生息地と探し方
生息域は日本全国ですが、山のなかの日当たりのいい場所に生える野いちごです。山に登らない場合は滅多に出会えません。探す際には人の通る山道の周囲に注意するといいでしょう。
花・果実の時期
花が咲くのは4月から6月です。短く伸びた新芽の先に1.5cm程度の白い花が数輪固まって咲きます。果実は6月から8月にかけて実り、画像のように丸く真っ赤に熟します。甘くて美味しいです。
花言葉
花言葉は特にクマイチゴ単体ではないので、木いちご属として「謙虚」「尊重される」「不毛」などとなります。
野いちごの種類⑤ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴは、日本全域と台湾や韓国、中国などアジア地域に広く分布する野いちごです。漢字では苗代苺、別名をサツキイチゴと言います。自然が残っている場所ならだいたいどこにでも自生しているので、見かけることも多い植物です。
ナワシロイチゴ🍓
— Makotos (@makotos35) May 29, 2019
今が旬のこの子らは
花も可愛かったけれど
実もちょっと小ぶりで可愛いよ。😊
おやすみなさい。😌💤 pic.twitter.com/tKfyoLXUWx
特徴と見分け方
ナワシロイチゴは一応木いちご属なのですが、ツル状に茎を伸ばして成長するため藪を形成しない野いちごです。地面に這っていたり崖から垂れ下がっていたりします。見分け方としてはツル部分の茎が赤っぽく葉っぱや花の茎は緑色をしていてトゲがあるという特徴を注意して確認しましょう。花がきれいな紅色で花弁が開かないという独特の咲き方をします。
生息地と探し方
日本全国の開けた草地や崖などに生えます。道路脇に生えていることも多いので、赤くて太いツルを目印に探すとわかりやすいでしょう。ほかの植物に絡んでいることもあります。花や果実をつける時期には画像のように色合いがきれいな小さな花や果実が目を惹きます。
花・果実の時期
花の時期は5月から6月です。花は鮮やかな紫がかった赤色ですが、花びらが開かないので散っているのか開いているのかわからない咲き方をします。果実が熟すのは6月から7月ごろです。苗代の時期に果実をつけるためナワシロイチゴと名がついたと言われています。味は素朴な甘酸っぱさです。
花言葉
花言葉は「恩恵」です。
野いちごの種類⑥バライチゴ
野いちごのなかでは特に豪華な花をつけることで有名な種類がこのバライチゴです。本州から九州地域に自生していますが数はそれほど多くなく、千葉県では重要保護生物に京都府では絶滅危惧種に指定されています。指定場所ではもちろん、自然のなかで見かけても採取は避けたほうがいいでしょう。
バライチゴ pic.twitter.com/TQu9pJYkyB
— わさび屋 (@wasabine) August 1, 2015
特徴と見分け方
バライチゴの特徴は野いちごの種類のなかでは特に大きめで美しい花と言えるでしょう。バラの原種の1つであるノイバラの花に少し似ている白い花が咲きます。またほかの野いちごは葉が大きく丸いものがほとんどですが、バライチゴの葉は細く尖っています。
生息地と探し方
日当たりのいい山道やハイキングコースなどの道路脇に発見されやすいという特徴があります。さらに木いちごの種類のなかでは背が低く、幹が枝分かれして横に広がって成長します。そのため日当たりのいい地面に近い場所を注意して探すといいでしょう。
花・果実の時期
花の時期は6月から8月です。花の大きさは4cmほどと野いちごの種類のなかでは大ぶりで、名前の通り野ばらのような白いきれいな花が咲きます。果実の時期は8月から10月です。最初は画像のように鮮やかに赤い色をしていますが赤い時期はまだ少し酸っぱく、黒みがかって熟して来ると香りのいい甘さを感じることができます。
花言葉
バライチゴの花言葉は「可憐な乙女」です。
野いちごの種類⑦フユイチゴ
フユイチゴは関東地方の南部、新潟より西から九州までの地域に自生する野いちごの仲間の植物です。名前の通り冬に果実が熟す野いちごなので、冬場の散歩で見つけるとその鮮やかな色に目が惹き付けられます。
その名の通り、寒くなると冬枯れで寂しい林床に彩を添えるように実を付けるフユイチゴ。甘酸っぱくて美味しい。11/21 pic.twitter.com/pHCe4qZMG5
— もも (@momodog22) November 21, 2018
特徴と見分け方
フユイチゴの最大の特徴は冬に赤い果実をつけることです。ほかの野いちごとの見分け方は薄く毛に覆われた茶色い茎と横に這うように枝分かれして伸びる成長の仕方、ふきの葉に似た丸い緑の葉っぱなどに注意するとわかりやすいでしょう。
生息地と探し方
関東より南で新潟よりも西の温かい地域に自生する種類の野いちごです。日当たりがいい山道や林のなかなどを注意して探すと見つけることができます。画像のように鮮やかな赤色の小さい果実を冬場にたくさんつけるのでとても目立ちます。背丈は20cmほどと低く横に枝を広げるので地面や何かの表面を覆うように生えていることがあります。冬の散歩などで探してみるといいでしょう。
花・果実の時期
花の時期は9月から10月です。果実と違い白色の1cmほどの小さな5枚の花弁で花はあまり目立ちません。大きな葉の下あたりに下を向いて咲いています。果実の時期は11月から1月です。びっしりと薄茶色の毛に守られるように小さな赤い果実が複数集まって実ります。
花言葉
フユイチゴの花言葉は「未来の予感」「真心の愛」「尊敬と愛情」です。
野いちごの種類⑧ヘビイチゴ
日本のどこでも空き地があれば見かけるのがこのヘビイチゴです。野いちごのなかでは都会でも見つけやすい種類ではないでしょうか。画像のように小さくかわいい赤い果実はいかにも美味しそうですが、野いちごのなかでも毒があると勘違いされていることが多く食べてみても美味しくありません。
へびいちご おいしくない pic.twitter.com/DnGBQJDt4R
— iwa44444 (@qiwa444) June 3, 2019
特徴と見分け方
ヘビイチゴは木いちご属ではなく、キジムシロ属になります。つまり木ではなく草なのです。一般的に雑草として分類される特徴を備えています。地面に張り付くように茎を伸ばして三つ葉のように先端が3つに分かれた葉をつけています。花が黄色いのでほかの野いちごとの違いはすぐにわかります。果実の場合はガクの部分が上向きのものと下向きのものが2列になっているところがほかの野いちごと違っています。
生息地と探し方
日本のどこでも生える植物で、少し湿った場所を好みます。藪のなかとか空き地の草溜まりとか庭の隅などを注意して探すと、案外簡単に見つかる種類の野いちごです。
花・果実の時期
花の時期は4月から5月です。1.2cmほどという小さな黄色い花を咲かせます。果実が熟す時期は6月から8月ごろです。子ども時代に夏休みに野原で遊んでいて見つけた経験のある人が多いのではないでしょうか。ヘビという名前から毒があると誤解されていることが多いのですがその果実は毒ではなく食べられます。ただし無味で美味しくはありません。
花言葉
ヘビイチゴの花言葉は「可憐」「小悪魔のような魅力」です。
野いちごの種類⑨エゾヘビイチゴ
エゾヘビイチゴは漢字で蝦夷蛇苺と書きます。蝦夷とは北海道のことで名前だけ見ると北海道に自生するヘビイチゴのようですが、実はヘビイチゴとは種類が違います。エゾヘビイチゴはヨーロッパや北アメリカから北海道に入って来た野いちごで、海外では「ワイルドストロベリー」と呼ばれています。種類としてはオランダイチゴ属、フラガリア属となります。
ワイルドストロベリーの小さな赤い実。かわいらしい上に爽やかな味なのに、息子たちは誰も食べてくれなかったな〜。今年も1人で食べるw
— かほ🌱 (@Naturekkp) June 8, 2018
ほんとは、葉っぱを乾燥させてハーブティーに使うために植えてます。肝臓、腎臓が元気になることと貧血や低血圧への効果を期待して(o^^o)
和名はエゾヘビイチゴ。 pic.twitter.com/TSOzMe2VcT
特徴と見分け方
エゾヘビイチゴは食用種として栽培されているオランダイチゴと近い種類です。そのため私たちが果物のイチゴとして親しんでいる種類と見た目の特徴が似ています。10cmから20cmほどのこんもりとした茂みを作り、細いギザギザの3つ葉を広げています。野いちごらしい白い可憐な花を見ると雄しべと雌しべの長さがほぼ同じなので、似た北海道の野いちごと見分けることができます。
生息地と探し方
もともとは海外の植物でしたが、明治の頃に北海道の南西部に帰化して自生しています。野山のどこにでも生えることができるので、北海道を訪れたら道端を探してみるといいでしょう。ただし庭に植えられている人気の種類の野いちごなので、間違って人の庭のものを採取しないようにしましょう。
花・果実の時期
エゾヘビイチゴの花の時期は年に2回あります。4月から6月と9月から10月です。春と秋に咲きます。果実が熟すのは5月から7月と10月から11月ぐらいです。普通は丸みのある果実をつけますが、なかには果物のイチゴのような少し長い果実をつけるものもあります。香りがよくて甘味があり、海外では古くからジャムなどに加工されて来ました。
花言葉
エゾヘビイチゴの花言葉は「幸せな家庭」「敬慕と愛」「無邪気」です。
野いちごの種類⑩カジイチゴ
カジイチゴは関東地方から西の太平洋側や四国や九州の海辺近くに自生する種類の野いちごです。木いちご属で樹木らしい姿をしています。手のように広がる葉っぱは3つから7つぐらいまで別れて広がり、大きな葉っぱが垂れ下がるように茂ります。果実は淡い黄色で甘くて美味しい野いちごです。
茂みには季節の実り。
— あいうえお (@a_i_u_e_o_0101) May 31, 2019
瑞々しくはち切れそうな色で、
カジイチゴも鮮やか。#カジイチゴ pic.twitter.com/rVA7FKfgyE
特徴と見分け方
カジイチゴは高さ2mから3mの茂みを作り、まるで生け垣のような濃い緑の葉を茂らせます。ほかの野いちごと比べると画像のように樹木らしい姿をしているので見分けるのは簡単でしょう。少しふっくらとしたヤツデのような先分かれの葉っぱが特徴です。葉は成長と共に先の分かれが増えて3つから7つぐらいまで分かれます。
生息地と探し方
関西より西から九州までの太平洋側を好んで自生します。伊豆七島でも見ることができます。温かい海岸沿いの土地によく育ち、背の高い緑の茂みを作っているので見つかりやすいでしょう。トゲがなく緑が美しいので生け垣代わりに育てている人もいるようです。庭木として植えられていることもあるので、私有地かどうかに注意して探してみてください。
花・果実の時期
花の時期は4月から5月です。少ししわのある3cmほどの白い花が数個ずつ固まって咲きます。果実が熟するのは5月から6月頃です。淡い黄色の木いちごらしい果実がつきます。甘くて美味しいです。
花言葉
カジイチゴの花言葉は「謙遜」です。
野いちごの種類⑪ワイルドストロベリー
ワイルドストロベリーは和名をエゾヘビイチゴと言います。北アメリカやヨーロッパ北部原産で寒い地方の植物です。そのため北海道にもたらされた後に根付きました。日本には明治の頃に入って来た新しめの野いちごです。最近は幸福を呼ぶ植物として栽培する人が増えています。果実だけでなく葉もハーブとして利用することができます。
特徴と見分け方
ワイルドストロベリーは丸いギザギザの入った三つ葉と赤茶色の茎にうっすらと毛が生えているのが特徴です。本体の株の周囲にランナーで広がり茂みを作ります。見分け方としては見た目と、春と秋に花を咲かせるという花の時期の長さにも注意するとわかりやすいでしょう。長い間果実をつけるので「四季成りイチゴ」の別名もあります。
生息地と探し方
ワイルドストロベリーは日本では北海道南西部に自生しています。もともとは日本にない植物でしたが帰化したのです。探す場合には地面近くを探すといいでしょう。栽培されているものと間違わないように注意してください。
花・果実の時期
花の時期は3月から7月と9月から10月です。1番暑い時期には花が咲かず、少し涼しい時期に咲きます。果実の時期は5月から7月と10月から11月です。赤いみずみずしい果実が実ります。長く花や果実が楽しめるため栽培していてもやりがいがあります。
花言葉
ワイルドストロベリーの花言葉はエゾヘビイチゴと同じで花言葉は「幸せな家庭」「敬慕と愛」「無邪気」です。
野いちごの種類⑫ラズベリー
ラズベリーは実は1種類の野いちごの名前ではありません。木いちご属の植物のなかでIdaeobatus亜属という1群に属する野いちごの総称です。有名なものにフランボワーズがあります。日本に自生しているものとしてはバライチゴやエゾイチゴが有名です。画像のラズベリーに近いものとしてエゾイチゴを紹介しましょう。
特徴と見分け方
日本のラズベリーであるエゾイチゴは、成長すると茎が黄土色になりびっしりと細かいトゲが生えるのが特徴です。トゲがかなり毒々しい色ですが毒があるわけではありません。ただしトゲだらけなので触れるときには注意しましょう。葉はバラに似た3枚葉で小さな葉の裏が白いことでほかの野いちごと見分けることができます。
生息地と探し方
生息地は蝦夷という名前の通り本州の北部から北海道です。背の高さは1.5m程度まで伸びます。山の日の当たる場所を探してみましょう。
花・果実の時期
花の時期は6月から7月です。下を向いて垂れ下がった白い地味な花をつけます。果実が熟するのは8月から9月です。ラズベリーの画像とほぼ同じですがエゾイチゴは海外産のラズベリーよりも1回り小さいのが特徴です。ただし甘味は海外産のラズベリーよりも甘いと言われています。
花言葉
ラズベリーの花言葉は「謙遜」「嫉妬」「後悔」です。
野いちごの種類⑬ブラックベリー
ブラックベリーは日本には野生種が存在しない野いちごです。ヨーロッパや北アメリカに野生種があります。ただしブラックベリーは固有種の名前ではなく、いくつかの種類の総称です。そのため木のタイプも直立タイプからほふく型と呼ばれる地を這うように育つものまで幅があります。
特徴と見分け方
ブラックベリーと呼ばれる植物は、本株が1mから2mに成長するとツル状の茎が伸びて行きます。この茎は1年目は果実をつけず、2年目に果実をつけて枯れます。ブラックベリーは毎年ツル状の茎が伸びて代わる代わる実をつけるという特徴があります。さらに果実の色が黒く熟れてラズベリーと違い粒のところだけではなく、いちごのように中心部分も収穫するのも特徴的でわかりやすい見分け方です。
生息地と探し方
野生種の生息地はヨーロッパや北アメリカなので、海外旅行の際に日当たりのいい森を探すとこんもりとした茂みとして見つかることがあります。日本では庭や家庭菜園などで栽培されたものが大きく広がって半ば野生化したものもあるかもしれません。とても繁殖力の強い野いちごです。
花・果実の時期
ブラックベリーの花の時期は5月から6月です。いくつもの花がまとまって咲きます。色は淡いピンクです。果実の時期は7月から8月ぐらいです。黒くなった果実を触ると自然に取れるぐらいになると1番美味しくなります。少し甘酸っぱいのが特徴です。
花言葉
ブラックベリーの花言葉は「素朴な愛」「孤独」「あなたと共に」です。
野いちごの3つの注意点
楽しい野いちご狩りですが、採取する場合には注意しなければならないことがあります。野いちごは本来畑や庭で栽培される植物ではないので、人間にやさしく品種改良されていません。また、野いちごの魅力は人間だけが感じるものではありません。そのことをよく理解しましょう。
①トゲに注意する
野いちごはバラと同じ種類で基本的にトゲがあるものがほとんどです。毒はありませんが、採取する場合にケガをしてしまうことがあります。トゲには見てわかる大きいものだけでなく、細かくてびっしりと生えるものなどもあります。茎だけでなく葉の裏にトゲが生えているものもあるのです。うっかりトゲを触ってしまわないように注意しましょう。
②蜂や毛虫に注意する
野いちごに魅力を感じるのは虫も同じです。花には蜂が葉には毛虫がついていることがあります。蜂や毛虫のなかには毒を持つ種類が多いのでうっかり刺されないように注意が必要です。また、毒はあまりありませんが野いちごの甘さは蟻を惹き付けます。果実を採ったら蟻だらけだったということもあるので、果実に蟻がついていないかよく見てから採りましょう。
③野生動物の通り道であることを理解する
特に山沿いの道や画像のような山林のなかの藪などは野生の動物の通り道であることがよくあります。人が作った道ではないのに草があまり生えていない道のようなところは獣道と言って、野生の動物が作った道です。そういったところでは野生動物と出くわす危険性があります。また、衛生的な問題として動物が排泄をした場所に野いちごが生えているという可能性もあります。採取する場合は状態や周囲をよく確認してからにしましょう。
野いちごを栽培しよう!苗選びや育て方のコツを紹介!
野外で採取するのは大変だから野いちごを自分で栽培したいと思っても、どうやって栽培すればいいのかわからないということも多いはずです。そこで野いちごを栽培する場合にはどのような苗を選んでどうやって育てればいいのかを詳しく解説いたします。
苗選びのコツ
野いちごを栽培する場合苗から育てることを選ぶことが多いのではないでしょうか。もちろん種から育てることもできますが、かなり根気が必要です。今は野いちごの苗がホームセンターや通販で購入できるので、手軽に栽培したいなら苗からがおすすめです。苗選びは葉っぱの色と張りと根の状態を確認するといいでしょう。葉っぱが青々とした苗は、画像のような日当たりのいい場所で栽培された元気な苗です。根が苗用のポットの裏の穴から外まではみ出しているようなものも元気がいいのでおすすめです。
育て方
野いちごの栽培の際に注意する点はいくつかあります。1つは日当たりです。ほとんどの野いちごは日当たりのいい場所を好みます。できるだけ日当たりのいい場所で栽培するようにしてあげてください。もう1つは水やりです。野いちごは乾燥に弱いので水はたっぷり必要です。土が乾いたら水をあげるようにしてください。土は水はけのいい状態にして栽培してください。水をあげるときには画像のように根元に撒きましょう。花や果実に水がかかると状態が悪くなってしまうことがあります。
初心者におすすめの品種
初心者におすすめの野いちごの品種は「ワイルドストロベリー」です。プランターやポットでも簡単に育てることができますし、花や果実が長い間楽しめるのもうれしいのではないでしょうか。また、ワイルドストロベリーは「幸せを呼ぶ」と言われていてとても人気がある品種です。そのため苗を取り扱っているお店も多く、苗を手に入れやすいということもあります。
野いちごをもっと楽しむ方法4選!
野いちごはいろいろな目的に使える植物です。ただ摘んで食べるだけではもったいないのではないでしょうか。そこで野いちごをさらに楽しんでみましょう。どんな楽しみ方ができるのか、ご紹介させていただきます。
①ジャム作りに
野いちごジャムは海外では昔から定番の季節の楽しみです。たくさん採取できたらぜひ作ってみてください。作り方はよく洗って砂糖と一緒に煮込むだけです。お好みでレモン汁などを入れると風味が増すのでおすすめです。瓶詰めにするととてもかわいいので画像をSNSなどにアップするといいでしょう。
②インテリアに
野いちごの苗は緑も鮮やかで見栄えがよく、小さな白い花や赤い果実もとてもおしゃれです。そのため苗をポットで育ててインテリアとして利用するのもおすすめです。窓際の日当たりのいい場所で育ててあげると鮮やかな緑と可憐な花と果実が部屋を明るくしてくれます。画像映えするインテリアになってくれるでしょう。
③フルーツティーに
野いちごは薫り高い野生のフルーツなので、フルーツティーにぴったりです。よく洗って半分程度に切ったものをティーポットに入れ、一緒に茶葉を入れてそこに熱いお湯を注ぎます。普通の紅茶よりも時間を長く置いたほうがよりいい香りのフルーツティーとして楽しめます。
④お料理に
野いちごはお料理にも活躍します。お肉をいただくときのソースに使いましょう。蛋白な味わいのチキンソテーのソースとして野いちごは風味があっておすすめです。ソースの作り方は野いちごとヨーグルトとフレンチドレッシングを混ぜるだけです。それだけで高級感のある野いちごフレンチソースができあがります。ぜひ試してみてください。
お散歩やハイキングで野いちご摘みを楽しもう!
外へと出かける初夏や冬の晴れ日などに野いちご摘みを楽しんでみませんか?お散歩やハイキングなど歩くのは体にいいからと習慣にしている方も多いのではないでしょうか。そんな日々のなかのちょっとした楽しみとして自然の移り変わりを観察するなかで、甘いご褒美を手に入れてみましょう。鋭いトゲにはくれぐれも注意して、熟した野いちごを味わってみてください。