『段取り八分の仕事二分』から学ぶ仕事術&思考術!段取り力のつけ方も!
事前準備の大切さを説いた表現、「段取り八分仕事二分」という言葉を耳にしたことはありますか。今回こちらの記事では、仕事術の王道「段取り八分仕事二分」の意味や語源、その使い方について具体的にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
『段取り八分仕事二分』
みなさんは「段取り八分仕事二分」という言い回しを聞いたことがありますか。「段取り」とは仕事で使われることの多い言葉です。会議などで運営を任され「段取りが悪い」と叱られたり、「段取りよくお願いね」と声をかけられたりしたことが一度くらいはあるのではないでしょうか。
「段取り八分仕事二分」は、知っていて損のない言葉です。語呂も良く、その語源も気になりますよね。この機会にぜひ覚えて使えるようにしましょう。
『段取り八分仕事二分』の意味とは?
『段取り八分仕事二分』の読み方
「段取り八分仕事二分」は「だんどりはちぶしごとにぶ」と読みます。間違えやすいのが「八分」を「はっぷん」、「二分」を「にふん」と読むことです。この「分」は時間の単位を表しているわけではありませんので注意してください。この場合の「分」は、全体を十等分したときの単位です。桜の「三分咲き」や、洋服の「七分袖」と同じ意味で使われている単位ですね。
『段取り八分仕事二分』の意味
ここでいう「段取り」というのは「準備」を意味しています「段取り八分仕事二分」というのは、「物事を成功させるには前準備が非常に大切だ」ということを伝えた言い回しで、仕事に取り掛かる前のリサーチや根回しに、全体の八割の力を注ぐことを勧めています。事前の段取りを予め終わらせておくことが、実はその仕事を八割終わらせていることに等しいという意味にも取れますね。
『段取り八分仕事二分』の使い方
では「段取り八分仕事二分」とは、どんな使い方をする言葉なのでしょうか。例えば社内でプレゼンをすることになった場合、まずは資料を作ろうとしますよね。その資料も、自分の知識だけで書き上げることは難しいので、抽出したデータの裏付けを取ったり下調べが必要になります。その資料を作る上でのゴールや目標を設定して、根幹をぶれないようにすることも大事ですし、本番で緊張しないように練習もしておきたいところです。
このように、実際にプレゼンする時間は全体から見れば少しの時間で終わります。しかし成功の鍵となるのは準備の時間、「段取り八分」の時間なのです。もしも誰かが準備を怠っているのを見かけたときは、「そのプレゼンを成功させたいのなら『段取り八分仕事二分』で臨みなさい」と教えてあげましょう。
『段取り八分仕事二分』の語源は?ことわざなの?
「段取り八分仕事二分」の語源はどこからきているのでしょうか。「段取り」の語源は、もともと歌舞伎から発展した言葉だと考えられています。歌舞伎では幕と幕のあいだの区切りが「段」、その芝居の構成、展開の仕方が「段取り」と呼ばれていました。今ではその語源よりももっと幅広く、物事を行う手順や準備のことを指す言葉として使われていますね。
「段取り八分仕事二分」は語呂も良く、きちんとした教訓も含まれているのでことわざだと考えている方も多いでしょう。しかし「段取り八分仕事二分」をことわざと捉えないという人もいます。ことわざというのは通常、昔から伝えられた短句を指して言うのですが、「段取り八分仕事二分」の語源がそこまで古くなく、ことわざというにはまだ少し新しい言葉なのかもしれません。
『段取り八分仕事二分』と似た意味の言葉
『準備8割』
「準備8割」は、実行するのは2割で十分だという意味ではなく、上手な力の使い方を教えてくれている言葉です。成功するかどうかの8割は準備で決まってしまうので、気を付けて行動しなさいということですね。
「木を切り倒すのに8時間与えられたら、斧を磨くのに6時間かける」
こちらの語源は木こりの仕事術にあったのかもしれませんね。そのままの意味としてとらえて問題のない格言です。大きな木を切り倒すのはとても労力のいる仕事だし、小さな失敗が大きな事故につながる危険性があります。早く効率的に仕事を行うためには、道具の準備に手間をかけることが遠回りに見えて近道になるということですね。
『段取り八分仕事二分』の英語表現は?
「段取り八分仕事二分」という言葉は実は英語圏でも使われています。英語で「段取り八分仕事二分」と同じ意味合いの表現は、"Preparation is half the battle."が一般的ですね。直訳すると「準備は戦いの半分である」という意味になります。
半分を意味する"half"が使われていますが、"half the battle"は「ほとんど勝ったも同然」という意味の慣用句です。このため「準備は戦いの半分である」とは、「準備さえしておけば勝ったも同然」ということになります。
『段取り八分仕事二分』の仕事術【大工編】
仕事の全体像を把握する
昔から段取り八分仕事二分は、仕事術の王道といわれています。家を建てる大工さんにとって段取りは何よりも大切で、まず全体像を把握してから大まかな工程を決めておきます。完成から逆算して「1という作業から2という作業へ移って、次は3をいつまでに終える」といったスケジュールを立てておくのです。
順序良く手を動かす
大工仕事にはたくさんの工程ががあります。そのため、一つ一つの仕事に迷いが出て無駄な時間をかけることのないよう、順序良く進めることが重要になります。細かい段取りに時間をかけることで、順序良く手を動かし、手早く丁寧な仕事を実現させることができるのです。
『段取り八分仕事二分』の仕事術【営業編】
仕事の全体像を把握する
営業の仕事でも段取りの大切さは変わりません。「段取り八分」の仕事術を実践するために、まずは全体を確認しましょう。大まかなスケジュールを先に立て、全体の流れを把握しておくことで仕事の効率は格段に上がります。がむしゃらに頑張るのは、全ての段取りを終えた後にしてください。
目標を明確にする
仕事を効率よく行うために、予め最終的なゴールや目標を明確にしておきましょう。プレゼンならば何を伝えたいのか、販売ならば何をどれくらい売りたいのかをはっきりさせておきます。「段取り八分」の仕事術では、最終目標をブレさせないための準備に時間をかけることが重要なのです。
優先順位とスケジュールを決める
仕事には優先順位があり、締め切りがあります。「段取り八分」では時間の使い方が大切になってくるので、先に優先順位をリストしておき、大まかでもスケジュールを組んでおくことが仕事を効率よく進める鍵になります。
段取りをマニュアル化する
仕事を順序良く進めるためには、できるだけ「躓く」時間が短い方がいいですよね。「先に何をして、終わったら何をする」といった手順を誰が見ても分かりやすくマニュアル化しておくことは、作業のスピードアップにつながります。
目標に向かって突き進む
周りの雑事に気を取られ、設定した目標からずれてしまったら元も子もありません。「段取り八分」の仕事術で、先に細かいレールをしっかりと引いておけば、簡単に「後は目標に向かって突き進むだけ」という状態を作ることができます。
失敗を繰り返さないために情報収集する
人は失敗する生き物だと言われますが、失敗を「繰り返す」のは個人的な努力が足りない証でしょう。一度失敗してしまったときは、次を成功させるための努力が重要になります。「段取り八分」の仕事術を使って、「どこを間違えたのか」「何を修正すればいいのか」といった細かい情報収集に多くの時間を割いてください。
仕事での段取りは大切!段取り力をつける方法5選!
計画を立てる習慣を身につける
何事においても無計画はギャンブルや占いと同じです。その日一日、一週間、一か月と先々の計画を逆算して時間を調整する習慣を身につけましょう。計画する力を身につけることが、段取り八分の上手な使い方になります。
何かに書き出す習慣を身につける
「書く習慣」は頭の中を整理し、「段取り八分」の全体像を把握するのにとても大切ですね。自分の考えや目標を目で見て確認できるので、うっかり忘れることも少なくなります。
段取りの経験を積む
段取りの経験を積むことで、「段取り八分仕事二分」をスムーズに行えるようになります。段取り八分が重要だといっても、適当な準備しかできないようであれば意味がありませんよね。数をこなして、段取りの上手な使い方を学ぶことも必要な準備と言えるのではないでしょうか。
時間に余裕を持つ
用意周到な準備をしたいのに、バタバタと常に慌ただしくしていては難しいですよね。段取り八分を実行するということは、段取りの時間をどのようにつくるかということに他なりません。目の前の仕事に闇雲に対処するクセは今すぐにやめましょう。
机を整理整頓する
机の整理をすることは、頭の中を整理することと同じ意味を持ちます。必要なものが必要な時に取り出せないような机は、時間の無駄でしかありません。段取り八分の基本ですね。
『段取り八分仕事二分』の思考術!定時に帰る人と帰れない人の違いとは?
『全体思考』と『部分思考』の違い
定時に帰る人は仕事の全体像を捉えることが得意です。「全体思考」できる人が「段取り八分仕事二分」ができる人だということですね。反対に定時に帰れない人は自分の仕事を部分的にしか見ていないので、他にもっと優先度の高い業務があったとしても目に入らず、いつまでたっても帰れません。
『逆算思考』と『積み上げ思考』の違い
逆算思考ができる人は、定時から逆算して自分のスケジュールを立てます。逆に積み上げ思考の人は、自分の中で明確な時間の区切りをつけられないので、目の前の仕事をただ黙々とこなしてしまいがちになります。区切りがないということは、終わりの時間も決まっていないということですよね。これでは「仕事二分」になっていません。
『8割思考』と『完璧思考』の違い
完璧思考という言葉は一見正しいようにも見えますが、実は仕事においてはあまり正解とは言えないでしょう。「段取り八分仕事二分」ができる人、つまり「8割思考」ができる人というのは、業務の手順や形式にこだわることなく、仕事の本質を見極めることができるので、完璧でなくとも「十分な仕事」ができるのです。
『引き算思考』と『足し算思考』の違い
引き算思考とは、不必要なタスクを切り捨てることです。「段取り八分仕事二分」で言えば、準備の段階で仕事の取捨選択をきちんとしておくことに当たります。足し算思考の人は何も切ることができないので、優先順位の高い仕事も低い仕事も判断せずに、すべてそのまま足してしまいます。
『先読み思考』と『土壇場思考』の違い
先読み思考タイプの人は、予測される何通りかの状況に備えて準備をします。まさに「段取り八分」の仕事術ですね。定時で帰れない人はこの先読みができないので、いつも土壇場で対処することになります。頑張っているのに報われない人に多いのが「土壇場思考」タイプですね。
『テンプレ思考』と『一から思考』の違い
「段取り八分」を重視する人は「テンプレ思考」型です。何度も繰り返して使う文章などは、テンプレにしておけばミスも少なくなりますし時短にもなるのですが、「一から思考」型は、何事も「0」から始めるので無駄に時間がかかります。無駄と丁寧を勘違いしないようにしましょうね。
『今すぐ思考』と『後で思考』の違い
定時で帰れる人は、すぐ終わる簡単な作業であればその場でぱっと片付けてしまいますが、定時で帰れない「後で思考」タイプは、1、2分で終わるような仕事も「後でやります」と何でも後回しにしてしまいます。「段取り八分仕事二分」の精神とは大違いで、時間の使い方が下手ですね。
『段取り八分』に関するおすすめの本3選!
こいつできる!と思われるいまどきの「段取り」
こちらの本では、仕事で大切な「段取り」が様々な視点から丁寧に解説されています。若手社員が覚えておくべきこと、中堅社員が改めて確認しておきたい基礎知識を知ることができるので、仕事で行き詰っている人におすすめの本です。
図解でわかる!段取り時間術
こちらはビジネスマンのための時間術について書かれた指南書です。「時間がない」「締め切りを守れない」といった残念なビジネスマンが、段取り八分を実践するための時間配分を教えてくれます。仕事に対する心構えも勉強になりますよ。
仕事は段取り八分で決まる!
段取り八分を実践しようと心に決めた人は、『仕事は段取り八分で決まる!』を読んでみてください。コンサルタントが作る、究極の仕事マニュアルです。「仕事の基本を認識することから段取りは始まる」という考え方がとても素晴らしいですね。
段取り力がある人は仕事ができる人!
「段取り八分仕事二分」を普段から実践できている人は、実はそんなに多くないかもしれません。しかし、段取り八分は仕事術の王道です。この記事でお伝えした、テンプレを作ったり優先順位をつけたりといった具体的なやり方は、すぐに実践できて確実に身になる方法ですので、ぜひトライしてみてください。「段取り八分仕事二分」の考え方を取り入れて、できる仕事人になりましょう。