「躊躇われる（ためらわれる）」の意味とは？「躊躇う」との違いも！

「躊躇われる」とはどういう意味なのでしょうか。本やテレビなどでたまに見聞きする言葉ですが、漢字も難しく、そもそも読み方が分からないという人も多いかもしれませんね。今回は「躊躇われる」の意味や読み方、使い方について詳しく解説していきます。

「躊躇われる」は「ためらわれる」と読みます。「躊躇われる」の意味は、行動しようかしないか迷うことや、なかなか行動に移せないことを表わします。「躊躇われる」の「躊躇」は音読みで「ちゅうちょ」と読みます。

「躊躇われる」と「躊躇う」は意味は変わりません。この2つの違いは、「躊躇う」ことに関して誰かが・何かがあるかないかとういうことになります。

例えば、「○○することを躊躇う」の場合は○○することに対して自分自身に何らかの理由や感情があって迷いが生じています。一方、「○○することを躊躇われる」の場合は自分以外の何らかの理由から迷いが生じている状態を表わしています。「躊躇われる」と表現する場合は、相手を思いやったり気にかけるといったニュアンスも含まれるのです。

では実際に「躊躇われる」を使うときはどのような使い方をすればいいのでしょうか。「躊躇われる」の使い方を例文でご紹介します。先ほどご説明しましたように「躊躇われる」は自分ではなく、対誰か・何かが理由となっています。誰かの気持ちを考えて行動をするのを遠慮しようといった際に使うということを思い出して、以下の例文を確認してみましょう。
 

「躊躇われる」を使った表現として、他にも「躊躇われて」と「躊躇われた」の2つの使い方があります。「躊躇われて」と「躊躇われた」はどういった場合に使えば良いのでしょうか。使い方を見ていきましょう。

「躊躇われて」は例えば、「声をかけてから帰ろうと思ったが、皆忙しそうにしていたので躊躇われて何も言わずに帰った」といった使い方をします。自分は本当は○○しようと思っていたけれど、その場の状況や相手のことを考えてこうなったということを表現する場合に使います。

「躊躇われた」は「躊躇われる」の過去形になります。先ほどの例文でも登場していますが、過去に行動することを悩んだり迷ったといった表現をする場合に使います。文によっては「躊躇われた」が結局は行動したという表現に使う場合もありますので会話や文章を聞いてしっかり言葉を理解しましょう。

どんな人でも「躊躇い」が生じるような出来事はありますよね。では実際に躊躇う時は、どのような感情から「躊躇い」が生まれるのでしょうか。躊躇うときの感情について見ていきましょう。

「躊躇い」は何かに遠慮したり、控えようという感情から起ることが多いです。躊躇う人は誰かに遠慮したり思いやれたりすることができる人と言えるでしょう。また、間違った行動をしたくないといった感情もあるかもしれません。

「躊躇い」があるときは、心の奥に何らかの後悔があるのかもしれません。躊躇うことに様々な理由があるでしょうが、その根底には「後悔したくない」「こうしなかったら後悔するかもしれない」といった感情が隠されていることも多いです。

「躊躇われる」という言葉にあまりピンとこない人も多いかもしれません。しかし意味を聞くと大して難しい言葉でもありませんよね。馴染みがあまりない「躊躇われる」の言葉は一体どんな言葉なのでしょうか。

日常生活で「躊躇われる」という言葉を聞くことはほとんどないでしょう。難しい意味ではありませんが、他に言い換えることができる言葉ですので「躊躇われる」を使う機会もないことが多いです。日常生活では類語を使った方が相手にも伝わりやすいですね。

「躊躇われる」は丁寧な言葉でもありますので、ビジネスシーンでは重宝される言葉と言えます。少し遠慮したいといった表現を丁寧に言い換えた言葉になりますので、ビジネスシーンではどんどん活用していきましょう。

「躊躇」の漢字は見るからに難しいですよね。正確にこの漢字を書ける人は少ないですし、読み方が分からない人もいるかもしれません。その為文字に書く場合はひらがなで書いても大丈夫です。ひらがなでも充分にその気持ちは伝わるはずですよ。

「躊躇われる」は日常生活ではあまり使われる言葉ではありませんよね。もし近い意味で「躊躇われる」を表現する場合はどのような類語があるでしょうか。類語表現を8つご紹介します。

「逡巡」は「しゅんじゅん」と読みます。意味はなかなか決心がつかず、悩んだり迷うことを言います。「躊躇われる」の類語になりますが、「逡巡」の字の通りいつまでも思い巡って繰り返すことを表わしていますので、いつまでも決心がつかず悩んでいる状況を表わします。

「躊躇われる」の類語表現には「尻込み」があります。「尻込み」の意味は怖気づいてしまうことや、気後れすることなどを表わします。気後れしたり、自信がない場合に使う場合が多いです。

「惑う」も「躊躇われる」の類語表現の1つです。意味としては、どうしたら良いか判断に苦しむことや、慌てたりうろたえたりすることを表わします。「躊躇われる」よりも動揺が大きいニュアンスで表現されます。

「葛藤」とは人と人の関係がもつれていがみ合うことや、心の中で違う感情が生じそれの間で悩み苦しむことを意味します。「躊躇われる」の類語表現の場合、後者の意味で表わします。「どうすればいいのか葛藤が生じた」といった使い方で表現することができます。

「躊躇われる」の類語表現で「心が揺れる」もあります。「心が揺れる」とは、しっかりとした気持ちが固まらないことや、何らかの選択肢が増えたことで自分の考えが定まらなくなってしまったことを意味します。

「先延ばしにする」の意味は、やるべきことややる予定でいたことをやらずに先に延ばすことです。「躊躇われる」とはややニュアンスが違いますが、躊躇った結果行動せずに先に延ばした場合に使うことができます。

「ぐずぐずする」も「躊躇われる」の類語表現の1つです。「ぐずぐずする」という言葉はよく耳にしますね。意味としてはテキパキと行動できずにノロノロしている様子や、はっきりと決まらないことを表わします。「躊躇われる」よりもネガティブな表現になります。

「うじうじする」もややネガティブな表現になりますが、こちらも「躊躇われる」の類語として使うことができます。「うじうじする」は決断力がない様や、それによって思い悩む様子を表わします。

「躊躇われる」の類語表現を見てきましたが、続いては反対の意味である対義語を見ていきましょう。対義語を把握することでしっかりと理解を深めたいですね。では「躊躇われる」の対義語を3つご紹介します。

まず最初に紹介する対義語は「決行」です。理由や状況に関わらず思い切って行動に移す意味である「決行」は、何らかの状況から行動に移すことを悩む「躊躇われる」とは逆の意味合いとなる対義語です。

「決断」も「躊躇われる」の対義語の1つです。「決断」の意味はきっぱりと心を決めることです。ぐずぐずと悩んだりせずにきっぱりと心を決めることは「躊躇われる」とは反対の意味合いになりますね。

「思い切る」にきっぱり諦めると心を決めるという2つの意味があり、どちらも「躊躇われる」の対義語として表現することができます。躊躇うことなくすっぱりと区切りをつけたり、決断することを表わしているので「躊躇われる」とは全く逆の意味合いになります。

「躊躇われる」場面とは、実際にどんな時が考えられるでしょうか。考えてみると様々な状況で「躊躇われる」場面がありそうです。ではわかりやすく例をあげて見てみましょう。

ダイエット中は大好きな甘いものや高カロリーなものを控える場面が多いですよね。しかし、いつまでも我慢するのはストレスですし、たまには思い切り食べたくなってしまいます。そんなダイエット中に好きなものを食べるときは、やはり「躊躇われる」といった気持ちになりますよね。

もし上司の指示が間違っていたり、ミスがあった時など、それを本人に言うのはとても躊躇われませんか？言った方がいいとはわかっていても、上司に意見するのはなかなか躊躇してしまいますよね。

「躊躇われる」は普段はあまり使うことばではありません。しかし知っておくと便利ですし、ビジネスシーンでは活躍する場面も多いはずです。丁寧な言葉ですので改まった席でも使うことができます。「躊躇われる」は基本的に誰かを気遣ったりして生じる感情です。その気持ちを大切にしポジティブに使いこなしていきましょう。