口唇期的性格の特徴とは?原因や克服方法も解説!
口唇期という言葉を知っていますか?口唇期はフロイトが提唱した理論の中の発達段階の一つで、口唇欲求を満たす段階です。口唇欲求を満たさずに大人になると口唇欲求の強い大人になり、その影響が性格や行動に表れます。口唇欲求の強い原因や克服方法なども紹介します。
目次
口唇期って何?口唇欲求が強いってどういうこと?
口唇期や口唇欲求という言葉を聞いたことがありますか?口に関する欲求を満たすことが多い人は、潜在的に口唇欲求が強い可能性があります。フロイトの心理的発達理論や口唇欲求が強い場合の対策や克服方法など詳しく解説しているので、ご覧下さい。
口唇期とは
口からの欲求を満たす時期のこと
口唇期とは、フロイトが提唱した心理的発達理論の中の最初の段階を示します。この時期は口からの欲求を満たす時期で、赤ちゃんは母乳やミルクを飲むことで欲求を満たしています。母乳やミルクを飲むことは栄養を得る以外に、安心感や信頼感なども感じ取っています。
0~2歳の赤ちゃんが該当する
口唇期には0歳から2歳の赤ちゃんが該当します。口唇欲求を満たさないうちに断乳したり、コミュニケーションをあまりとらずに授乳したりすることが原因で、その後の性格形成に影響が出ることがあります。また、口唇期を過ぎても指しゃぶりをする子がいますが、それは口唇欲求を満たすために行っています。無理にやめさせるのではなく、見守るようにしましょう。
口唇欲求を満たさないまま大人になると……
口や唇に関する欲求に固執するような性格が形成される場合があります。このことを口唇期的性格といいます。フロイト曰く、口唇期的性格は依存心が強かったり、悲観的で攻撃的な一面があるとされています。性格以外には指しゃぶりや飲酒、タバコ、過食などの行動も口唇欲求が満たされなかった時の特徴として挙げられます。
口唇欲求が強い人の性格的特徴5つ!
指しゃぶりに依存する
指しゃぶりは、口唇に関する欲求を満たす手段の一つです。授乳をやめたことで不安や寂しさの感じて、指しゃぶりをしていると考えられます。子ども自身が本能的に欲求を満たそうとしているので、無理にやめさせる必要はありません。2歳ぐらいまでなら歯並びへの影響もないといわれています。
タバコ・飲酒がやめられない
タバコに依存している人も口唇期の欲求を満たすことなく成長した場合が多いです。何かを口に入れることで欲求を満たそうとしています。また、タバコにはニコチンが含まれていて依存性があるので、禁煙するのはとても難しいといわれています。
飲酒も口に関する欲求を満たそうとしています。適度に飲酒する分には大丈夫ですが、必要以上にアルコールを摂取する場合、口唇期の欲求を満たせていない人が多いです。また、口唇期の欲求を必要以上に満たしていた場合も飲酒する人が多くなる傾向があります。
過食気味になる
過食することで、口唇欲求を満たそうとしています。食べることは生きていくうえで必要不可欠ですが、必要以上に食べる行動は身体の負担になったり、過食症になる可能性があります。家に食べ物を買い置きしておくとどうしても食べたくなってしまうので、食べ物は必要な時に必要なだけ買うようにしましょう。
愛情に飢えていて依存しやすい
口唇欲求を満たされなかった場合、依存性の高い人になりがちです。そのため、自分を守ってくれるような人を好きになり、依存してしまいます。また、愛情欲求が強い傾向にあるので、人に気に入られるような振る舞いをしたり、人に承認してもらえないと無気力になるなどの特徴があります。
おしゃべり
おしゃべりをすることも口唇欲求を満たす行動です。おしゃべりが好きな人はたくさんいますが、口唇欲求が満たされていない人はしゃべりだすと止まらなかったり、息継ぎする間もなくしゃべり続けるなどの特徴があります。
口唇欲求が強くなってしまう原因3つ!
口唇期に十分な口唇欲求を満たせなかったから
口唇期に口唇欲求を満たせなかった場合、人より口唇欲求が強いことがあります。その原因としてはお母さんのおっぱいを口に含ませてもらえなかったり、離乳が早すぎたりすると大人になっても影響が出てきます。現在育児中の方は、子ども自身から卒乳できるように促し、満足いくまで吸わせてあげましょう。
寂しさや不安を解消させたいから
寂しさや不安といった気持ちは、人と会話ができないことでストレスがたまることにより増長する場合があります。そのため、タバコや飲酒、食事をすることで口唇欲求を満たし、この気持ちを発散させようとします。寂しさや不安を解消したいと思った時は身体を動かしたり、音楽を聴いたりするなど口以外で欲求を満たすことで口唇欲求が抑制されるでしょう。
外発反応性が高いから
外発反応性とは外からの情報などに欲求が左右されやすい性質で、周りの意見や情報に流されやすいことを意味します。外発反応性が高い場合、その影響をより受けやすいです。そのため、過食気味の人はバイキングやビュッフェなど料理が多い場所に行かないようにしたり、常に食事を目の前に置かないように気をつけましょう。また、食欲が抑えられない時には何か新しい趣味を始めて気を紛らわしたり、SNSでダイエット日記をつけてみることで欲求を満たすことができます。
口唇欲求が強い時の克服方法3つ!
自分の性格が口唇欲求によるものと受け止める
口唇欲求が強い人は人に依存しやすく、悲観的で攻撃的な性格を併せ持っています。この性格を克服するためには、自分の性格を受け止める必要があります。自分の性格をきちんと知ることで、攻撃的な性格を抑えることにつながります。
愛着のカウンセリングを受ける
愛着のカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?カウンセリングでは、専門的な知識を持ったカウンセラーと一対一で話をします。カウンセラーは相談者の気持ちを批判することなく、受け止めてくれるます。カウンセリングを受けることで、口唇欲求が強い原因がわかり、自分を客観的に見つめ直すことができるでしょう。また、カウンセラーが自分に合った克服方法や対策を教えてくれます。
タバコや過食以外のストレス解消法を見つける
口唇欲求が強い人はストレスを感じると潜在的に口への刺激を求め、タバコや過食などでストレスを解消しようとします。タバコや過食は身体に悪いので、他のストレス解消法を見つけましょう。例えば泣ける映画やドラマを見たり、友達や恋人と一緒に過ごしたり、カラオケに行ったりすることでストレス発散できます。新しい趣味を見つけることで口唇欲求が収まり、克服できるでしょう。
【番外編】口唇期を定義した心理的発達理論とは
精神科医のフロイトが提唱した理論である
心理的発達理論とは、ジークムント・フロイトが考えた発達理論で、心理学の基本となっています。フロイトは成人の性欲だけでなく、子どもにも幼児性欲があると定義しました。この理論に基づき、発達段階を「口唇期」「肛門期」「男根期」「潜在期」「性器期」の5つに分類しました。この5つの分類は年齢によって分類されており、その時の欲求を満たすことができなかった場合、性格に影響が出るとされています。
①口唇期
口唇期とは心理的発達理論の最初の段階で、年齢としては出生から2歳までの期間です。授乳を通して、身体的・精神的な欲求を満たすことができます。そのため、口に関する欲求をきちんと満たすことが重要となります。この欲求を満たさずに成長すると、思春期以降の性格や癖などに大きな影響を与えます。
②肛門期
肛門期とは離乳後から幼稚園入園までの期間で、トイレのしつけを通してセルフコントロールの訓練をする時期です。このしつけが厳しすぎることが原因で、融通の利かない性格やケチな性格になりやすいとされています。
③男根期
男根期とは排泄のしつけが済んだ後の幼児期の期間です。男と女の身体の違いに気づくので、それぞれの良いところを教えて育てることが重要です。また、この時期はエディプスコンプレックスの時期とも呼ばれており、男の子らしさや女の子らしさを身につけていきます。
④潜在期
潜在期は小学校での生活が始まり、自分の欲求を抑える時期です。生活の中で社会のルールを守って自分の欲求を抑制し、潜在化させていきます。この欲求を発散させるためには、周りに認められることで欲求を満たしていきます。欲求を潜在化させていくことで、学習や記憶、論理的思考などの知的能力が発達していきます。また、この時期は異性の親の愛情が重要になってきます。しかし、子どもへの過干渉は自立できない人になってしまうので、干渉のし過ぎには注意が必要です。
⑤性器期
性器期になると、性的感情が出てくる時期です。性的感情を持ったとしても、不安や罪悪感を感じず、異性との交流をすることが大切です。口唇期や肛門期、男根期、潜在期を通過してきたからこそ到達できるものです。
口唇欲求が強いと思ったら、口唇期の過ごし方を振り返ってみよう
口唇期について紹介してきましたが、いかがでしたか?口唇期はフロイトが提唱した理論で、その欲求が満たされないまま成長すると口唇欲求が強い大人になります。そのため、口唇期の過ごし方によって性格や行動に大きな影響が出ます。口唇欲求を抑えるのは難しいので、克服するために少しずつ行動していきましょう。