島根の方言(島根弁)23選!別名は『西のズーズー弁』?
独特のイントネーションや発音で「西のズーズー弁」ともいわれる島根県の方言。島根は東西に長い県のため、地域によって方言が大きく異なるところもあります。島根の人たちは日常でどのような方言を頻繁に使っているのでしょうか?島根県の方言を詳しく解説していきましょう!
目次
島根の方言(島根弁)を紹介!
西のズーズー弁ともいわれる島根の方言ですが、実はとても可愛い方言なのです。ここでは島根ならではの面白い方言も含めて、いわゆる島根弁について詳しく解説していきます。島根の方言で、好きな人に告白するときの可愛いフレーズもご紹介しましょう!
そもそも島根ってどんなところ?
島根県は中国地方の日本海側にあり、東隣の鳥取県と並んで山陰地方といわれます。島根県は鳥取県についで全国で2番目に人口が少ない県です。
一方、島根県には縁結びの神様で知られる出雲大社や、世界遺産の石見銀山、国宝の松江城など、魅力的な観光スポットが数多くあります。島根県は中国・四国地方でもっとも漁獲量が多いことでも知られ、日本海の新鮮な海の幸を楽しめます。ほかにも宍道湖のしじみや、全国的に高い評価を受けている島根牛、出雲そばなども有名で、食の宝庫でもあります。
島根の方言の特徴は?
島根県は東西に長いため、同じ県内でも地域によって方言が異なります。島根県の方言は大きく2つに分けられ、東部の雲伯方言(出雲弁、安来弁、隠岐弁など)と、西部の石見弁があります。
石見弁は雲伯方言と比べると、イントネーションや使われる言葉も大きく違います。また、同じ出雲地方の方言でも、出雲市の隣の松江市は城下町のためか、出雲弁とはまた少し異なるイントネーションが聞かれます。隠岐弁が使われる隠岐の島も離島ということもあり、ここも多少異なるイントネーションが使われています。
ここでは特に島根県の東部地方で日常的に使われる方言を中心に、その特徴について詳しくお話していきます。
「西のズーズー弁」としても知られる
島根の方言には「西のズーズー弁」ともいわれる特徴があります。イ段とウ段の発音が近かったり、エの発音もイに近くなるなどの特徴があるため、東北地方のズーズー弁に似ていると表現されるのです。たとえば、島根の方言の中でも出雲弁では、「おすし」は「おすす」と発音され、ズーズー弁に近いといえるでしょう。島根と東北では距離が離れていながら、イントネーションにも似たところがあります。
島根の方言の描写として有名なところでは、松本清張の小説「砂の器」があります。ズーズー弁のような東北なまりが事件の手がかりになるのですが、実はそれは島根県の方言だったというものです。
語尾も特徴的
島根の方言はイントネーションも独特ですが、語尾にも特徴があります。たとえば、「だがぁ」「だけん」「だにぃ」など、濁音が混じる語尾が日常的に頻繁に使われます。特に女性が話すと、とても素朴で可愛い方言になります。
島根の方言【可愛い編】10選!
島根の方言の中でも、特に可愛い言葉を挙げてご紹介しましょう。
①はちかしい(恥ずかしい)
島根の方言で「はちかしい」というのは、「恥ずかしい」という意味です。恥ずかしさが一層増すような可愛い言葉です。
②ちべたい(冷たい)
「ちべたい」というのは島根の方言で「冷たい」という意味です。舌足らずの子供が話すような可愛い言葉ですが、島根ではもちろん大人でも日常で頻繁に使う方言です。
③何しちょー(何してる)
島根の特徴的な語尾を使った「何しちょー」という方言は、「何してる?」という意味になります。語尾にさらに足して、「何しちょーのー?」や、「何しちょーだー」といった言葉もあり、のんびりとした間延び感が可愛い方言といえます。
④〜しちゃる(してあげる)
「〜しちゃる」というのは、「~してあげる」という意味の島根の方言です。変化形で「オレが守っちゃる」というのは「オレが守ってあげる」のことで、標準語よりも頼れる感じが増します。
⑤ちょんびし、ちょんぼり(ほんの少し)
「ちょんびし」や「ちょんぼり」も島根の可愛い方言で、「ほんの少し」の意味になります。同じ島根でも少しずつ異なる表現があり、ほかにも「ちょんぼし」という場合もあり、「ちょんぼしごしなはい」は「少しください」という意味です。
⑥いいちゃんこ(行儀よく座ること)
今ではあまり日常で頻繁に使われることはなくなりましたが、「いいちゃんこ」というのは「行儀よく座ること」を意味する島根の可愛い方言です。子供がおとなしく座っている様子を見て、大人が「いいちゃんこして~、いい子だな~」とほめるときなどに使われます。
⑦~けん、~だに(〜だよ)
語尾に「~けん」や「~だに」をつけるのも、島根の独特の方言になります。ほぼ「~だよ」という意味になります。たとえば、「行けんけん」というと「行けないから」という意味になり、「行けんにー」というと「行けないのよー」といったニュアンスになります。
⑧そげそげ(そうか)
「そげそげ」という島根の方言は「そうそう」といった意味になります。日常的に相づちを打つときに頻繁に使われ、可愛い島根の方言のひとつといえるでしょう。
⑨どげ、どが(どう?)
「どう?」の意味で、「どげ」や「どが」といった言葉も方言として島根では使われます。たとえば、「どげした?」は「どうした?」、「どがでもええわ」というと「どうでもいいわ」という意味になります。
⑩だんだん(ありがとう)
島根の可愛い方言に「だんだん」という言葉もあります。「ありがとう」の温かい気持ちが伝わる方言です。2008年に放送されたNHK連続テレビ小説のタイトル名にもなりました。残念ながら、最近は島根でも日常であまり頻繁には使われなくなりました。
島根の方言【面白い編】10選!
島根の方言で、特に面白い言葉を挙げてご紹介します。
①あだん(まぁ)
島根の面白い方言で「あだん」というのは「あらまあ」といった驚いた気持ちを表現する言葉です。たとえば、「あだん!やっつまった!」は「ああもう、やっちゃった!」という意味になります。
②あほんだら(ばか)
「あほんだら」というのは、標準語の「ばか」をさらに強調したような島根の面白い方言です。
③いかい(大きい)
島根で「いかい」というのは「大きい」という意味の方言です。逆に「小さい」というのは「こまい」になります。
④行かや(行こう)
「行かや」というのは「行こう」を意味する島根の方言です。同じ意味で「行かいや」という方言もあります。
⑤きんさい(来なさい)
島根の方言らしい面白い言葉に「きんさい」というのもあります。「来なさい」を少し丁寧にしたような意味になります。島根でも石見地方で使われる方言ですが、日常で頻繁には聞かれなくなった言葉でもあります。
⑥いらん(いらない)
「いらん」というのは「いらない」を意味する島根の方言です。否定の意味で一語で使うときっぱりとした感じに聞こえますが、「これ、いらん?」と疑問形になると可愛い語感の言葉になります。
⑦オラ(俺)
島根では男性の一人称で「俺」を「オラ」という人もいます。複数形は「おらやち」となり、島根の面白い方言といえるでしょう。
⑧がいに(たいそう)
島根の方言で「がいに」は、「たいそう」とか「ひどく」といった意味になります。たとえば「がいにまくれて」というと、標準語圏ではわかりづらい表現になりますが、「派手に転んで」という意味です。
⑨さいなら(さようなら)
島根では「さようなら」の意味で「さいなら」という方言も使われます。別れるときの挨拶でも、方言らしい温かみのある言葉です。
⑩だらくそら(馬鹿たれ)
「だらくそ」というのも面白い島根の方言ですが、「馬鹿たれ」といった意味になります。「だら」というのが「馬鹿」を意味するため、それをさらに強めた言葉といえます。
島根弁の告白フレーズ3選!可愛すぎ!
好きな人に告白するときの表現も、島根の方言を使うととても可愛いフレーズになります。好きな人との距離をグッと縮められそうな、島根の方言を使った可愛い告白フレーズを紹介します。
大好きだけん(大好きだよ)
ストレートに「大好きだよ」というよりも可愛らしさが増す告白フレーズに、島根の方言をまじえた「大好きだけん」というのがあります。語尾を少し変えるだけですが、緊張しがちな告白時でもスムーズに言えそうなフレーズになります。
好きんなっちょーたけん、付きおうて(好きになったから付き合って)
島根の方言を使った告白フレーズとして、「好きんなっちょーたけん、付きおうて」といったものもあります。標準語では「好きになったから、付き合って」というニュアンスになります。「なっちょー」というのも可愛い語感ですが、「けん」という独特な語尾をつけることで、さらにほっこりとした告白フレーズになります。
好きだに(好きです)
「好きです」と標準語で告白するのは勇気を必要とされそうですが、「好きだに」と島根の方言で表現すれば、スムーズに言えるのではないでしょうか。はにかみながらも、可愛い感じが倍増する告白フレーズです。
島根出身の有名人3人紹介!
人口が少ない県ながら、意外にも島根出身の有名人はたくさんいます。島根の方言は独特のイントネーションや表現をもつため、実際に方言を使っているイメージはないかもしれませんが、島根を代表する有名人をご紹介しましょう。
テニスプレイヤー 錦織圭
世界で活躍中のテニスプレイヤー、錦織圭さんも島根県の出身者です。「錦織」という苗字は全国的には「にしきおり」と発音されることが多いのですが、島根県では錦織圭さん同様、「にしこり」と読まれることのほうが多い傾向にあります。
アナウンサー 宮根誠司
フリーアナウンサーの宮根誠司さんも島根出身です。宮根さんは普段の話し言葉では関西弁のイメージがありますが、高校までは島根、大学が関西大学になります。
武道家 アニマル浜口
島根県の出身者には、武道家のアニマル浜口さんもいます。ご両親の仕事の関係で、なかなか苦労された生い立ちがあり、小さい頃から県外への転居が多かったようです。
島根の方言(島根弁)を知って、是非使ってみよう!
独特のイントネーションや発音で、西のズーズー弁ともいわれる島根の方言。島根県には特有の可愛い言葉や、面白い表現があるのがおわかりいただけたでしょうか?
ほかの地方と同様に、島根でも方言が日常的に使われる機会は少なくなりつつあります。一方、まだまだ地元では頻繁に使われる島根ならではの方言も根強く残っています。他県の人にはわかりづらい表現もありますが、島根の方言はとても温かみがあり、人との距離を近いものにしてくれます。もしあなたの身近に島根の出身者がいたら、ぜひ方言で話しかけてみませんか?