『不貞』の意味とは？不貞行為や慰謝料・時効についても解説！

そもそも「不貞」とは「妻として、また、夫としての貞操（ていそう）を守らないこと」（三省堂国語辞典）という意味だそうです。ちなみに「貞操」とは夫もしくは妻（＝配偶者）や恋人以外の人に、からだを許さないことを言います。

しかし、法律で扱われる「不貞（行為）」の意味は少し違います。ではどういったものかと言うと「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と『性的関係』を結ぶこと」となっています。 この場合に、相手方の自由な意思に基づくか否かは問わないため、夫が強姦をした場合にも不貞行為に当たるとして離婚が認められます。また妻が売春した場合も不貞行為と認められます。

逆に、強姦の被害者の場合は、自由な意思に基づくものではないため不貞行為とはいえないと言われています。 法律上での不貞（行為）はセックスという具体的な行為を意味します。また対象の相手も「恋愛関係の相手」という曖昧なものではなく、婚姻している配偶者、もしくはそれに準ずる者（内縁者）と限定されます。つまり、法律上は恋人の浮気は不貞行為にあたらないのです。 本来の意味と少しずれるので注意が必要ですね。

「不倫」という言葉を調べてみると「人の道に外れること」「結婚している男もしくは女が、別の相手と浮気すること」とあります。 前述の「不貞」の意味と見比べると「不貞」は配偶者への性的な裏切り行為を指し、「不倫」は不貞行為の結果の一つの、不倫相手との恋愛関係を指すものと言えるかもしれません。

日本の婚姻制度は一夫一婦制です。その関係は「性的に結合することによる人格的な共同生活」とされています。ですので夫婦は互いに配偶者以外の人と性交渉を持たないというのが基本的な考え方で、これが「貞操義務」です。

法律上は原則として自由意志に基づかない性的関係は不貞行為にならないので、当てはまらない可能性はあります。怖い思いをしないための自己防衛策であれば致し方のないことかもしれませんね。細かい状況を見て判断されるのではないでしょうか。

酌量の余地は考えられますが、酔っていようと基本的には自分の意思によるものと判断されます。一時の気の緩みが命取りになります。お酒の飲み過ぎは禁物です。

1回だけでも不貞行為は認められます。気をつけましょう。ただ、それだけで離婚を成立させるのは難しいようです。

相手が不貞行為を行なっていても、自分も同じことをすれば不貞行為です。気持ちはわかりますが相手と同じレベルになってはいけませんね。

別居中であればいいという例外は見当たりません。ただ、夫婦関係が破綻した状況が認められれば不貞行為に当たらないこともあるようです。こちらもケースバイケースということになるようですね。

結婚はしていなくても法律上、不貞行為として認められます。ただし慰謝料を請求する場合は内縁関係を証明しなければなりません。婚姻届けはもちろんありませんので、請求された側が内縁関係を否認した場合は訴えた側が証拠となるものを揃えなければいけないのです。

こちらも不貞行為にあたります。風俗のサービスにセックスはありませんが、この場合は例外です。ただし、サービスを提供した店側に慰謝料を請求することはできません。請求できる相手は、そのお店に行った夫もしくは妻だけです。

相手（ホステス）の意図はどうあれ、配偶者のいる人間が自分の意思で性的関係を行なえば不貞行為に当たります。誘われた既婚者の方は少し気の毒ですが、隙を見せてはいけません！

これはもちろん不貞行為には当てはまりません。悪いのは犯人だけです。

法律上ではセックスしなければ原則不貞行為とは認められません。だからいいという訳ではありませんが法律上ではセックスで大きな線引きをしています。

これも上の例と同じで原則不貞行為とは認められません。

交際が始まってから２０年経つと不貞行為としては時効を迎えます。また、配偶者の浮気・不倫を知った時から３年経っても時効は成立します。 つまり浮気や不倫などの不貞行為をしていても、その配偶者が知っているのに何もしなけば早くて３年で時効が来てしまうということです。

配偶者とその不倫相手の二人に請求できるようです。判決で出た慰謝料の金額を不倫をした配偶者と不倫相手が分けて支払います。ただし上記にも書いたように風俗店でのサービスを受けた場合、請求できる対象は配偶者のみです。

いろんな弁護士事務所のネットを調べて見たところ50〜300万円が相場のようです。やはり裏切られた側の心の傷がどの程度かで慰謝料の金額も変わってくるようです。離婚にまで発展してしまうと慰謝料は200万円以上が相場のようです。

離婚の時から3年を経過すると時効になります。不貞行為があって離婚に至っているわけですから慰謝料請求できることは離婚前から分かっているはずです。時効を考えて早めに対応しましょう。

複数の友人達と写っている写真では不貞行為の証拠にはなりません。ベッドの上でのツーショット写真など、不貞行為がされたと強く思われる写真や動画が必要です。浮気している人間が、その証拠となる写真や動画をフェイスブックなどに載せることはまずありませんので、モラル的な問題はありますが、相手のスマホのファイルをチェックしてそう行った画像・動画をさらに自分のスマホで写真に収めておくことが大切です。

夫婦間で話し合いをした時には自らの不貞行為を認めたのに、いざ裁判が始まると否定をする人もいるようです。ですので、相手を信用しないことが前提にはなってしまいますが、普段の会話から録音して相手の口から不貞を認めさせる言葉（証拠）を押さえましょう。その内容も具体的であればあるほど証拠としての力は増します。

疑わしいメールがあれば、それも証拠になる可能性があります。信ぴょう性を高めるためには、そのやりとりの日にち・時間と送信相手を明確にしておくことが大切です。通信アプリでは相手の表示がニックネームということもよくあります。確実に浮気相手とのやりとりだと言える証拠も必要になってきます。

手紙などの内容から不貞行為の事実が認められることもあります。場所や時間しか書かれていないメモからでも不貞行為を推認できる可能性もあります。小さな証拠もしっかり集めましょう。

浮気相手と行ったお店やホテルで使用したクレジットカードの履歴や支払いの領収書は不貞行為を推認できるので証拠になる可能性があります。時間や場所のパターンが分かれば、次回の浮気現場を写真で押さえることもできますよね。

誰がどこで見ているか分かりません。物的証拠がなくても人の記憶の中に証拠が隠れていることもあります。不貞行為の直接的な証拠になるような証言ではなくても、被告の嘘を暴くことはできるかもしれません。どんな証言もしっかり集めましょう。

2ヶ月間の性的関係があったケースで離婚が認められなかった判例があります。期間の長さも判断材料になるようです。一度失敗をしてしまってもいい加減にならず、なるべく早く抜け出せる努力が必要ですね。

パートナーの不貞行為は誰だって許せません。一時的な感情で「別れてやる』と行動に移してしまう人もいるかもしれませんね。ただ、不貞行為があったとしても、夫婦生活を続ける方が離婚請求した夫・妻にとって幸福であると認められた場合、離婚を認めないケースもあるようです。俯瞰して見た時に夫婦（主に原告側）が損をしないための裁判所側の配慮と言えるのかもしれません。

この夫婦がやり直すためには、特に訴えられた側の配偶者の努力が必要になります。本人がしっかり反省していて裁判所も二度と同じことを起こさないと可能性を感じた場合は離婚を認めないケースもあるようです。なかなか粋な計らいですね！

いかがだったでしょうか？不貞行為をしてしまうと損害賠償を請求された時や離婚請求をされた時にかなり不利になることはお分かりいただけたかと思います。こうならないために！というのは少し動機が不純ですが、配偶者であるご主人や奥様を大事にして、末長く幸せな夫婦生活を送ってください！