『動向』の意味を徹底解説!場面別の意味・使い方や類語も!
皆様は『動向』そのものの意味、場面別に込められた意味、使い方や類語などはご存知でしょうか?今回は『動向』の意味、使い方、最終的には類語として挙げられる『傾向』との違いについても見ていきます。様々な場所で目にする『動向』には深い意味があります。
目次
動向の意味を知っていますか?
「動向」という言葉の意味を知っているでしょうか?「動向を知る」「最近の政治動向」「文学の動向」等、沢山の場面で目にする言葉ですね。実は同じ『動向』でも前後の文章での流れや使い方で意味が変わってきます。深い意味の込められた『動向』。その違いをしっかりと理解して意味を理解しつつ『動向』を使いこなしていきましょう。
ここでは意味や類語、その違い、例文、使い方等を解説していきます。
『動向』の意味を詳しく紹介!
ここでは『動向』の意味、場面別の意味をみていきます。場面別というのは「人・物の動き」「事態や状況」「社会や組織」「ゲーム業界」の四つの場面になります。『動向』がどのように使われているのかを取り上げていきます。
『動向』の意味とは?
まず『動向』そのものの意味になりますが、漢字を見ると「動」「向」という二文字から成り立っています。言葉自体は漢字を見ればなんとなく予想はつくと思いますが、似た意味の二文字からできています。細かく見ていくと、「動き」「方向」という意味からできた言葉ですね。どちらも動きや向きを表す言葉です。なので『動向』の意味は『動いていく方向や傾向・その状態』といったものになります。
ただし、この『動向』は『今後どうなっていくか分からない状態』に使われます。その基本的な意味は抑えておきましょう。
『人・物の動き』の動向
まずは人。こちらは外面と内面の二つの方向での意味が考えられます。内面とは『周囲の影響、刺激によりどのように変化していくのか』といった状態のものを表します。例えば「その後の彼の動向を探る」「犯人の動向を探る」と言った使い方ができますね。これは「現状では分からないその人の動きや方向、状態」といった意味合いがあります。
それでは内面はどうでしょうか。こちらは心理的なものになります。『その人の内面の動きがどのように変化してくのか』ということですね。しかし内面の変化があり、上記で述べた外面へとも繋がっていくので、大きくは一つの意味なのかもしれません。
物の動きの『動向』、こちらは人よりは分かりやすいです。『何かの要因により動いたその対象が、その結果、どのように変わっていくのか』という状態です。例文を挙げるならば「売った本の動向を探る」といったものでしょうか。使い方ですが、「どうなっていくのか分からない状態」のものしか『動向』を使えませんので、手放した物や移動してしまった物等に使っていくといいでしょう。
『事態や状況』の動向
事態、状況ではしばしば株価や景気についての意味合いで考えられます。これらは様々な要因によって左右されるもので「どうなっていくのか分からない状態」をとてもよく表しています。例文としては「景気の動向を探る」「マーケットの動向を知る」等になってきます。
こういったマーケットや景気だけではなく集団、たとえば流行や集団心理、世論といったものです。様々な人の思惑により、世の中や社会の動きは変わります。「最近の若者の動向」「世の中の動向」といった使い方ができますね。
『社会や組織』の動向
社会や組織においての動向ですが、こちらは先程の『状態や状況の動向』に似た意味の部分があります。社会、例えば政治経済ですね。それらや組織、こちらは身近なところで言うと会社でしょうか。それらは景気の影響や社会の動きをとても受けやすいです。外的な要因に煽られ変動していく様は、まさに「どうなっていくか分からない状態」と言えます。
社会や組織は常に世の中の『動向』を探らなければなりません。栄枯盛衰とはよく言ったものですが、少しのことで繁栄もあれば衰退もある、というのが社会であり、組織です。「これからの社会の動向を考える」といった意味の使い方ができます。
『ゲーム業界』の動向
ここまで見てきて一言に『動向』と言っても沢山の似た意味があったことが分かると思います。その中で先程の「社会や組織の動向」に含まれながらも、新しくも独自の意味合いを持つ『動向』に、ゲーム業界が挙がってきます。
ゲームには様々なジャンルが存在するのをご存知でしょうか。現在どの客層がどういうジャンルを求めているのか、常にその現状を把握しなければ売れるゲームには繋がりません。更には現在売れているそのゲームが今後どのような将来性を持ち、どのように派生してくのか、そういった「将来性を含んだ動向」という意味を持つものになります。
動向の使い方を例文と共に紹介!
意味を一つ一つ見ていきましたが、おおよその『動向』の意味については理解できましたか?ここでは先程まで挙げていた使い方や例文をまとめていきたいと思います。振り返りになりますが、『動向』の基本的な意味は『今後どうなるか分からない状態での、動いていく方向や傾向・状態』のことです。
『人・物の動き』の動向を含んだ例文
・卒業後、彼と連絡が取れなくなってしまったので、周辺に話を聞き、彼の動向を探った。
・今までの言動から今後の犯人の動向を探ろうと思う。
・先日売ってしまった本だが、やはりもう一度手に入れたいので古本屋に動向を探りに行った。
『現状や状況』の動向を含んだ例文
・この商品を作る前に、現状の需要と合致しているか調べ、動向を知る必要がある。
・先日の株価の変動により、今後のグラフがどのように変わるか動向を注視していかなければならない。
『社会や組織』の動向を含んだ例文
・A社の発展がとても目覚しい。今度もA社の動向に気を配り、出遅れる事があってはならない。
・戦争が起きている今、世界情勢を鑑みて動向に注目するのは大切である。
『ゲーム業界』の動向を含んだ例文
『ゲーム業界』の動向を含んだ例文。
・将来的な発展の望めるゲームを作るには、現在の客層とニーズの動向を探ることが第一だ。
以上、例文になりました。いかがでしたでしょうか?基本の意味を理解していれば少し難しく感じる意味でも頭に入ってくるようになりますね。意味を踏まえた上で例文を考えてみると良いでしょう。
『動向』に似た言葉や類語を3つの意味別に紹介!
実は『動向』には似た意味の言葉がいくつかあります。大きく分けて「傾くという意味の類語」「意見などの意味の類語」「好みの意味の類語」が存在します。一つ一つ見ていきましょう。
動向に含まれる『傾く』の意味の類語
『動向』の中に含まれる『傾く』の意味とは、「今後どうなっていくか分からない状態が、どのような傾向になっていくのか」ということになります。その中で似た意味の言葉は以下のものになります。
・トレンド
・流(流れ)
・趨向(すうこう)
・趨勢(すうせい)
・潮流
・大局
動向に含まれる『意見など』の意味の類語
『動向』の中に含まれる『意見』の意味とは、「今後どうなっていくか分からない状態(意見)が、どう変化していくのか」ということになります。こちらは前述している「傾く・傾向」での状態や雰囲気の変化ではなく、意見の変化を意味しています。同じ言葉でも前後の使い方で意味合いが変わります。似た意味の言葉は以下のようなものがあります。
・トレンド
・風潮
・帰趨(きすう)
・傾き
・趨勢(すうせい)
・潮流
・傾向
動向に含まれる『好み』の意味の類語
『動向』の中に含まれる『好み』の意味とは、「今後どうなっていうか分からない状態(好意)が、どう変化してくのか」ということになります。更にこちらは「意見」ではなく「好み」という点が違いになります。似た意味の言葉は以下のようなものです。
・傾斜
・好み
・偏向
・傾き
・性癖
・傾向
『動向』と『傾向』の違いや使い方とは?
先程の『動向』に含まれる『意見など』『好み』の意味の類語に登場し、『動向』自体に『傾き』という意味が存在すると言われた『傾向』。ここではその違い、使い方について見ていきたいと思います。どちらの言葉も似ているようで、実は少し違いがあります。それぞれの意味をもう一度振り返りましょう。
まずこれまで扱ってきていた『動向』。こちらは最初に挙げたように『今後どうなっていくか分からない状態』の時に使われます。
それでは『傾向』はどうでしょうか?『傾向』とは、『何かの刺激や考え方により、物事や大勢の雰囲気や流れ、または思想等が特定方向へ向くこと』を表しています。
ここで何かに気づきませんか?簡単に一言で表すなら、『動向』は未来を、『傾向』は現在から未来を表します。『動向』には現状のことを表す意味は一つもなく、今後どうなっていくか、という未来の状態にのみ使用されます。反対に『傾向』は現在何かの刺激や考え方を受け、それらが特定の方向へ向くという流れを表わしています。
両者の意味はこのような違いが存在しています。類語として取り扱われる言葉にも、噛み砕けばこのような違いが出てくるのは面白いところですね。最後に使い方の例文を見ていきましょう。比較する為に同じような文章での例文にしていきます。
●『動向』……今までの言動から、今後の犯人の動向を探る。
●『傾向』……今までの言動から、犯人は人気のな場所を好む傾向がある。
●『動向』……発展するゲームを作る為には、現在の客層とニーズを把握し動向を知る必要がある。
●『傾向』……現在の客層のニーズや意見を聞いていると、今後はAのジャンルに偏る傾向がある。
難しい言葉でも正しい意味を理解しよう!
いかがでしたか?今回は動向の意味を見ていきました。なんとなく使っている言葉でも、その一つ一つを分解し考えてみると新しい発見もあります。むしろ難しいと感じる言葉だからこそ、意味を理解し、使用していくことで自分のものになると考えています。微妙に違う意味、正しく理解し、是非使い分けていただければと思います。
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