ワセリンを顔に塗るのはOK?正しい方法や注意点など徹底解説!
保湿剤として乾燥対策に便利なワセリン。正しい知識を持って使用しないと肌トラブルの原因になってしまうこともあります。顔に塗っても大丈夫なのか?赤ちゃんにも使えるのか?顔のシワやニキビにも効果がある?今回は、ワセリンの正しい使い方や注意点などを解説していきます。
目次
そもそも『ワセリン』とは?
ワセリンの原料
実はワセリンは「石油」からできています。石油を精製する過程で生産されるのです。しかし原料が石油といっても、刺激となる不純物などを取り除いて作られているので人間の身体に害は及ぼしません。
治癒作用はない
ワセリンは肌に塗ることで油膜をつくり、肌の水分の保持やダメージから肌を守ってくれます。ワセリン自体に抗炎症作用や治癒作用があるのではなく、水・乾燥といった刺激から肌を守ってくれるので人間が持つ自然治癒力を引き出して肌の再生を促す効果があります。
赤ちゃんにも使える
ワセリンは安全性に優れた保湿剤ですので、赤ちゃんの肌にも使えます。極稀に、不純物に反応してしまい発疹が出たり痒いと感じることもあるため、赤ちゃんには精製度が高いものを選ぶと良いでしょう。赤ちゃんは肌が弱く、乾燥やよだれなどでトラブルを起こしやすいので、ワセリンを塗ることで刺激から肌を守ることができます。また、食べものの汁で口の周りが荒れてしまう場合にもワセリンは有効です。使い方は食べる前に口の周りに塗ってあげるだけ。食べ物の汁が直接肌に触れるのを防ぐため、肌が荒れてしまって痒い時やその予防に有効です。
ワセリンの種類は4つ!それぞれの特徴は?
①黄色ワセリン
純度が低い、黄色い色をしているワセリンです。価格は安いですが不純物が多く、敏感肌の方や赤ちゃんにとっては刺激となってしまうかもしれません。「医薬部外品」ですので薬剤師や登録販売員以外でも取り扱えることから、スーパーなどで販売していることもあります。
②白色ワセリン
純度が高く、不純物が黄色ワセリンより少ないワセリンです。「第3類医薬品」ですので薬局やドラッグストアで販売されています。
③プロペト
白色ワセリンに含まれる不純物を取り除いて作られた純度の高いワセリンです。肌への刺激が非常に少なく、目の周囲などデリケートな部位にも使うことができます。病院でも使用されています。
④サンホワイト
プロペトからさらに不純物を取り除いたワセリンです。保険適用外であり価格は高くなってしまいますが、一番純度が高いため、敏感肌の方や赤ちゃんにおすすめです。
ワセリンは顔に塗ってもいいの?
ワセリンは肌への刺激が少なく安全性が高いので、顔に塗っても問題ありません。顔に塗るなら不純物が少ないプロペトやサンホワイトが良いでしょう。目の周囲などデリケートな部分にも安心して使用できます。しかし、使い方を誤るとシミやシワの原因となったり、ニキビが出来る原因となってしまいます。また、摩擦は肌にダメージを与えてしまいますので、注意点を知り正しい使い方をしましょう。ワセリンを塗ったあと、炎症が起きたり痒いと感じる場合は、ワセリンの不純物が酸化してしまっている可能性があるため、すぐに使用を中止してください。
ワセリンの6つの効果とは?
①肌荒れのケア
顔の乾燥が気になる場合は、洗顔、スキンケアのあとにワセリンを塗ると保湿効果を高めてくれます。肌が荒れて痛痒いときや日焼けで肌が炎症を起こしてしまっているときは化粧水や乳液は肌に刺激となってしまうため、ドラッグストアなどに売っている「精製水」で顔を濡らした後、小指の先程のワセリンを薄く顔全体に塗ると良いです。
②シワ予防
ワセリンを塗ることで効果があるのは乾燥によるシワです。ワセリンが油膜を作ることにより、肌の水分蒸発を防いで乾燥によるシワを予防できます。洗顔、スキンケアのあとにワセリンを小指の先程手に取り、温めて伸びを良くしたら気になる部分に塗っていきます。肌が敏感で荒れやすい目元のシワにも効果的です。
③毛穴ケア
ワセリンは毛穴汚れにも効果があるんです!方法は、ワセリンを毛穴が気になる部位に塗り、20分間パックしたあとに優しく洗い流すだけ。パックをする前にホットタオルで毛穴を開いたり、洗顔前に先にティッシュで撫でるようにワセリンを落としておくのがポイントです。洗い残しがあったり、正しい洗顔方法を行わないと逆に毛穴が詰まってしまい、毛穴の黒ずみやニキビの原因となってしまうので気をつけましょう。
④ニキビケア
ニキビは脂性肌だけではなく、乾燥肌でも出やすくなることをご存知ですか?乾燥した肌を保護しようと余分に皮脂を出してしまい、ニキビが出来やすくなってしまいます。乾燥肌でニキビにお悩みの方は、洗顔後気になる部分にめん棒で少量取ったワセリンを塗るのがおすすめです。ワセリンを塗ったままにしていると、雑菌が繁殖しやすくニキビが悪化する原因となってしまうため、夜寝る前に塗って朝洗顔して落とすのが良いでしょう。
⑤花粉症対策
実は花粉症対策もワセリンを使ってできるんです。その方法は、ワセリンをめん棒で鼻の穴の中に塗るだけ。ワセリンが花粉を吸着し、吸い込む花粉の量を減らしてくれます。目の周りに塗ることで目の中に入る花粉の量を減らすこともできます。
⑥アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の方の皮膚は、肌のバリア機能が弱まっている状態で乾燥しています。乾燥して痒いため掻き壊してしまうと肌がさらにダメージを受けて乾燥→痒い、というような悪循環に陥ってしまいます。ステロイドなどの塗り薬での治療や、正しいスキンケアを行うほか、肌のバリア機能を高めるためにワセリンを塗ると水分の蒸発を防ぐ効果があります。発疹が出たり非常に痒い場合は皮膚科を受診し、医師の指示に従ってください。
日焼けには要注意!外出時には正しい紫外線対策を!
ワセリンは油なので、肌に塗って外出し日焼けをしてしまうと塗った部分が「油やけ」の状態となってしまう可能性があります。「油やけ」とは、油分が紫外線と反応して酸化することにより、肌がくすんだり色素沈着を起こしてしまうことです。ワセリンを顔や皮膚の露出している部分に塗って外出する際は日焼けしないよう正しい紫外線対策をしてください。永久的に残ってしまうシミを作らないためにも、日中にワセリンを塗ったまま長時間外出をするのはできるだけ避けたほうが良いでしょう。不純物が多いと「油やけ」を起こしやすいようです。
日焼けをしてしまった皮膚が炎症を起こして痛痒いという場合には、精製水を肌につけその上からワセリンを薄く塗ることで肌を保湿し、修復効果を高めてくれます。顔が日焼けしてしまうと、シワやくすみの原因となってしまうため、スキンケアの後にワセリンでしっかりと保湿すると良いでしょう。
大切なのは日焼けをしそうなときはワセリンを顔や露出している部位に塗らない、日焼けの後はワセリンで保湿しダメージを受けた肌を修復させることです。
ワセリンの顔への正しい使い方5選!
①スキンケアの最後に
洗顔、スキンケアの後にワセリンを塗ることで、保湿力を高めてくれる効果があります。また、夜寝る前に塗ることで睡眠中の肌の乾燥を予防してくれます。乾燥はシワの原因にもなってしまうため、湿度が低くなる冬場は乾燥対策をしっかり行うことで肌トラブルを防ぐことが出来ます。
②リップクリームに
市販のリップクリームだと刺激が強く唇の皮が剥けてしまう方や、すぐに乾いて何度も塗りなおしをしている方は唇にワセリンを塗るのがおすすめです!肌にとって刺激となってしまう成分が入っていないので唇の皮が剥けることなく、長時間保湿してくれます。ただし、唇も日焼けをするので外出時には要注意です。室内で過ごす時や寝る前に塗るのが良いでしょう。
③メイク下地として
肌が乾燥してメイクのノリが悪い時はメイク下地としてワセリンを使うこともできます。洗顔、スキンケアのあとにワセリンを顔に薄く伸ばしてからメイクをします。メイク下地として使用する場合は、使用量に注意し、外出の際に日焼けをしないよう紫外線対策をしっかり行いましょう。
④マッサージクリームに
顔や身体のマッサージをする際にも使えます。少し固めの感触ですが手の平で温めてから使うことですべりが良くなり、肌にとって刺激となる摩擦を軽減することができます。
⑤肌断食にも
「肌断食」とはあえてスキンケアを絶ち、肌を休ませることで肌本来の力を取り戻す効果があります。メイクや化粧水・乳液などのスキンケアを一切やめることで肌への刺激を無くし、ダメージをリセットすることでバリア機能を高めます。しかし水洗顔だけでは肌が乾燥してしまい、余分な皮脂が出やすい状態となってしまいます。ワセリンは肌にとって刺激を与える成分がほとんど含まれていないので、水洗顔後の肌に薄く塗り、肌を保護することで効果的に「肌断食」を行うことができます。不純物による刺激が気になる場合は、プロペトやサンホワイトといった純度の高いワセリンを使用してください。
ワセリンの効果的な使い方ポイント4つ!
①塗りすぎ注意
ワセリンを厚塗りしてしまうと、毛穴を塞いで毛穴詰まりを起こしたりニキビが出来る原因となってしまうほか、角質層の水分蒸発を阻害しすぎると肌の新陳代謝を妨げてしまいます。ワセリンを厚塗りしてしまわないよう、体温で温めてから薄く伸ばして使うようにしましょう。顔に使用する場合は小指の先程度の量で十分です。
②ワセリンの前に保湿を
保湿効果があるといっても、ワセリンの成分は油なので、ワセリンを塗るだけでは肌に水分を与えることが出来ません。そのため、化粧水や美容液などで肌に水分を補給してからワセリンを塗るようにしましょう。
③夜寝る前に塗る
ワセリンはを塗ると肌に油膜ができるので塗った後はテカり、べたついてしまいます。顔に使用する場合は、日焼けによる「油やけ」を避けたり、メイク崩れを防いだりするためにも夜寝る前に塗るようにすると良いでしょう。しかし寝る前にワセリンを塗ったときも注意が必要です。顔にワセリンを塗ったまま寝ると枕についてしまい、時間が経つと雑菌が繁殖してしまいます。不潔な枕が肌トラブルの原因となってしまうため、ワセリンを塗ってから寝る場合は、枕カバーやタオルは毎日交換することをおすすめします。
④塗った時は必ず洗い流す
ワセリンは塗ったあとべたつくため、ほこりなどを吸着してしまいます。また、長時間空気に触れたワセリンは純度が低いものほど酸化しやすく、肌への刺激となってしまうため、半日程度で洗い流すことをおすすめします。
ワセリンを顔に塗る時の3つの注意点とは?
①使う量
あまり塗りすぎてしまうと、毛穴が詰まって黒ずみやニキビなどのトラブルの原因となってしまうため、顔に使用する場合は小指の先程度の量で十分です。
②使い方
使う前に使用期限が切れていないか、ワセリンが酸化・腐敗していないか確認してください。清潔な指やめん棒などでワセリンをとり、手の平で温めます。温めることで伸びが良くなるので、薄く伸ばして使いましょう。不潔な手でワセリンの容器から直接とってしまうと、雑菌の温床となってしまうので注意してください
③保存方法
ワセリンは酸化すると肌にとって刺激となってしまうため紫外線が当たる場所を避ける必要があります。また、温度があがると雑菌が繁殖しやすくなってしまうため、窓際や暖房が当たる場所は避けたほうが良いでしょう。
ワセリンの入手方法4選!
①薬局
白色ワセリン、プロペト、サンホワイトは医薬品なので薬局で購入することが出来ます。
②ドラッグストア
ドラッグストアには登録販売員と資格を持っている人がいるため、第2、3類医薬品を販売することができます。従ってドラッグストアでもワセリンは売られています。
③インターネット通販
ベビーワセリンなど欲しい商品が店頭に無い場合、インターネットで購入することもできます。
④病院で処方してもらう
乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方は病院を受診して処方してもらうと保険が適用され安価で購入することが出来ます。ただし、サンホワイトは保険適用外なので注意しましょう。
正しい知識でワセリンを効果的に使おう!
ワセリンは安全性の高い保湿剤ですが、使用するには注意が必要ということをお分かりいただけましたか?肌トラブルを防いで、保湿効果を高めるためにも正しい使い方をしましょう。