名古屋妊婦切り裂き事件の概要|生き延びた子どものその後

1988年(昭和63年)3月18日、名古屋で起きた「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」をご存じですか?臨月を迎えた妊婦のお腹を切り裂き、胎児が取り出されていたという未解決の猟奇殺人事件です。未だ謎に包まれている事件の真相を探るべく、事件の内容についてご紹介します。

名古屋妊婦切り裂き事件の概要|生き延びた子どものその後のイメージ

目次

  1. 1名古屋妊婦切り裂き事件の概要
  2. 2事件が起こった場所と不審な人物
  3. 3名古屋妊婦切り裂き殺人事件の真相とは
  4. 4犯人はどんな人物だったのか
  5. 5助かった子供の今
  6. 6名古屋妊婦切り裂き殺人事件の真相は謎のまま

名古屋妊婦切り裂き事件の概要

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みなさんは名古屋で起きた「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」をご存じでしょうか。1988年3月18日、名古屋市中川区の住宅街のマンションでこの家の主婦・X子さん(27歳)が殺害されているのが見つかりました。X子さんは出産予定日も過ぎていた臨月だったが、そのお腹は無惨に切り裂かれ、赤ちゃんが取り出されており、中にはなぜか電話機と車のキーが入れられていました。

未解決の猟奇事件として世間を恐怖に陥れたこの事件は2003年に時効が成立されましたが、決して忘れてはいけない事件です。この「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」について詳しく紹介していきます。

事件が起こった場所と不審な人物

マンションの入り口です。:PG001333578|チュラーク(cyulark)のフォトギャラリー|ホットペッパービューティー

名古屋妊婦切り裂き殺人事件は名古屋市中川区富田町のマンションで起こりました。

当時階下の居住者が、「午後3時10分から20分までの間に、不審な男がアパートをうろついていた」と証言しています。

ドアのノブがガチャガチャ回っている音が聞こえた後、チャイムが鳴ったので出てみると、身長165cmほどの30代らしきスーツを着た男性が、「ナカムラさんを知りませんか?」と聞いてきたそうです。

居住者は「知らない」と言ってすぐにドアを閉めたそうですが、目撃証言は他にもあり、近くの駅から、アパートやマンションを訪ねまわっている姿が何人もの人間に目撃されていました。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の真相とは

http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/323/323293/

名古屋妊婦切り裂き殺人事件は謎が多く、犯人の異常な行動と演出で、捜査は難航しました。事件当日のX子さんの行動や犯人のダイニングメッセージと思われるような奇妙な行動。

それらは事件に関係があったのでしょうか。犯人発見への手がかりになる情報はあったのでしょうか。ひとつひとつ確認してみましょう。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件が起きた当日の流れ

1988年3月18日午後6時50分頃、名古屋妊婦切り裂き殺人事件は起こりました。会社員Yさんは仕事を終えて会社から自宅に電話をかけました。妻のX子さんが妊娠中で、しかも出産予定日の13日を過ぎていたため心配になったからです。

ところが何度ベルを鳴らしても妻は出ません。この日の午後1時10分頃にも1度電話を入れていましたが、この時は元気に出ていたそうです。心配になったYさんは急いで自宅に戻りました。名古屋駅から近鉄線に乗って戸田駅で下車し徒歩5分、かかった時間は合わせて30分ほどです。

午後7時40分頃、新興住宅地にあるマンション2階の自宅に帰宅すると、不審な点がありました。いつもは施錠してある玄関のドアがなぜか開いていたのです。部屋の中は真っ暗で、妻の姿は見えませんでした。

着替えをしていると子どもの泣き声がしましたが、「気のせいか」と思いYさんが居間に入ると、青いマタニティドレスを着てピンク色のジャンパーを羽織ったX子さんが仰向けで倒れていたました。

その足の間で生まれたばかりの赤ん坊が泣いていたのです。初めYさんは、妻が自力で出産したのかと錯覚しましたが、すぐに妻が両手を後ろ手に縛られて、首にはコタツのコードが巻かれ、辺りには血だまりができていることに気がつきました。X子さんの意識はすでになく、呼吸もしていなかったそうです。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の犯人がした異常な行動

Yさんが通報後に赤ちゃんの体を拭いているとき、妻の腹部に異変があるのに気づきました。やけにゴツゴツしていたのです。よく見ると、腹部が切り裂かれており、中にはミッキーマウスのキーホルダーがついた車のキー、紛失していたプッシュホン式の電話機が詰めこまれていました。

ミッキーマウスのキーホルダーと電話機が腹部に詰められていたことは世間でも衝撃を呼び、さまざまな噂や憶測が飛び交いました。犯人のこの異常な行動は、ダイニングメッセージだったのか。それとも捜査を錯乱させるための罠だったのか。

その真相は未だ明らかになっていません。この犯人の異常な行動は名古屋妊婦切り裂き殺人事件の重要なポイントです。

サイドビジネスと最後の目撃者

夫婦がサイドビジネスとして家庭でアムウェイの商品を販売していたことから、警察は名古屋妊婦切り裂き殺人事件の犯人を「サイドビジネスがらみの怨恨殺人」と睨みました。しかし、具体的な手がかりは得られなかったのです。

X子に会った最後の人物は、X子から商品を受け取った女性です。彼女は当日の午後2時ごろ車に乗り、手土産に苺を持ち注文商品の受け取りにX子宅を訪問しました。X子は女性を部屋に入れ、2人で苺を食べながら世間話をした後、商品を女性に渡してお金を受け取っています。(お金を入れた財布は、犯人に奪われています。)

午後3時ごろ、X子は階下にある駐車場まで女性を送って行きました。この時には「施錠していなかった」と、後に女性は証言しています。妊婦の死亡時刻が午後3時前後であることから「2人が部屋を出て行った直後に犯人が侵入した」とみられています。コタツの上には、苺が入っていた空のガラス食器が置かれたままだったそうです。

被害者の性格からみる、不可解な点

http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/381/381798/

夫であるYさんは、名古屋妊婦切り裂き殺人事件当時のX子の行動にいくつか疑問を抱いていました。X子さんの性格からして、明らかにおかしな点があるのです。それは「施錠していなかったこと」です。

Yさん曰くX子さんはとても心配性で、ゴミ出しやちょっとした外出でもしっかりと施錠をしていたそうです。家にいる時でも施錠は常にしており、それは日常的に習慣づいていて、忘れることはまずありえないというのです。

先ほど紹介した最後の目撃者の証言によると、「駐車場まで送っていったときに施錠していなかった」とあります。この点に疑問を抱いたのです。

犯人はどんな人物だったのか

残虐な方法で殺人を犯した人物はいったい誰だったのか。手がかりをもとに、予想される名古屋妊婦切り裂き殺人事件の犯人像を推測していきましょう。

医療関係者の可能性

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の被害者、X子さんの腹部が38cmにわたり切り裂かれていて、へその緒も切ってあるため、医療関係の仕事に従事している人物の線も疑われました。しかし傷を調べたところ、実際の帝王切開とはあまりにも違い過ぎていました。

通常は縫合が容易で傷の治りも良い形として腹を横に切り、何らかの理由で縦に切る必要がある場合は臍の直下から下向きに切ります。しかし被害者の傷を調べた所、下から上へ、つまり逆向きに切られており、さらに傷そのものも帝王切開と比べてあまりにも大き過ぎたのです。そのため、医療関係者が犯人の可能性は否定されました。

しかし、お腹の赤ちゃんが無事に取り出された様子を見ると、素人がやったとも思えません。医療関係者が捜査を錯乱させる為にわざと切り方を変えたのではないのでしょうか。もしくは、名古屋妊婦切り裂き殺人事件の犯人が、前もってこの日の為に腹部を切開する方法を調べ上げていたのかもしれません。

サイドビジネス絡みの恨み

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の最大の謎でもあるX子の腹部に入っていた「ミッキーマウスのキーホルダー」についても憶測があります。ミッキーマウスは「ねずみ」ですね。つまり「ねずみ講」。

サイドビジネスとしてアムウェイをしていたX子さんがなんらかの形で恨みを買い、殺された可能性もあります。ねずみ講絡みのトラブルは多いのです。しかし、決定的な証拠もなく、恨みだけでここまで残虐な殺し方をするとも思えません。

もしサイドビジネス絡みの殺人なら、名古屋妊婦切り裂き殺人事件の犯人は最後に会った女性という可能性が高いことになります。

夫であるYさんが怪しい?

当時、夫であるYさんが怪しいのではないかという報道もありました。理由としてあげられるYさんの不審な点は、帰宅後に家の異変に気づきながらも妻の存在を確かめず、妻を捜す前にスーツから着替えていたことです。そして報道陣の前で「妻はワインが好きだったので、ワインを注がせてください。」と言いながら落ち着いた様子でグラスに赤ワインを注いで霊前に供えたり、パフォーマンスとも取れる行動から疑いの目を向けられました。

赤ちゃんだけ助けたところを見ると、妻であるX子さんに恨みを持っていて、でも赤ちゃんだけは助けたい。と思うのは夫であるYさんの立場だからなのでは?とも考えられます。しかし、妻の死亡推定時刻である午後3時前後にはまだ会社で勤務していたため、名古屋妊婦切り裂き殺人事件の容疑者ではないというアリバイが成立しました。

普通の殺人ならX子さんを殺して終わりのところを、わざわざお腹を切って赤ちゃんを助けた犯人はどのような心境だったのでしょうか。名古屋妊婦切り裂き殺人事件は無差別殺人ではなく、X子さんと密な関係にあった人物があやしいとも思えます。

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助かった子供の今

名古屋妊婦切り裂き殺人事件には一つだけ救いがありました。それは、助かった男の子が元気に成長したことです。Yさん親子は、名古屋妊婦切り裂き殺人事件のあとにX子さんの両親の近くで何年か暮らしたあと、世間の目や息子のことを考えて父子でハワイに移住したといいます。

後の報道によれば、Yさんは息子に名古屋妊婦切り裂き殺人事件のことは話していないし、話すつもりもないと言っているそうです。名古屋妊婦切り裂き殺人事件当時赤ちゃんだった男の子は現在27歳になっています。

ハワイに移住したYさんのことを「逃げたのではないか」と疑う方もいれば「息子のことを考えれば賢明な判断だ」という人もいます。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の真相は明らかにされぬまま時は経ち、時効を迎えましたが、名古屋妊婦切り裂き殺人事件を忘れていない人は多いですし、日本に居れば情報量が多すぎて今に至るまでに息子さんに事件のことを知られてしまったでしょう。名古屋妊婦切り裂き殺人事件のことを知れば正気ではいられなかったと思います。

ハワイに移住した理由がなんにせよ、息子さんが元気に成長し今に至るまで普通に過ごせてきたのはYさんの判断のおかげでしょう。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の真相は謎のまま

名古屋妊婦切り裂き殺人事件は今から何年も前の事件で時効も迎えています。しかし、この名古屋妊婦切り裂き殺人事件のニュースを見ていた人の心から消えることはありません。もちろん、X子さんの夫であるYさんはお子さんを連れて海外に移住した苦労も想像できないほどでしょう。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の証言をしてくれた方は「送ってくれるときに施錠していなかった」とあります。警察の調べでは、この間に何者かが侵入したのだろう。とされています。なので、このような事件を二度と起こさぬように、家に一人でいるときでもしっかりと施錠をし日々注意しなければならないでしょう。

名古屋妊婦切り裂き殺人事件の被害者でもある息子さんに、これからも明るい未来が待っていることを祈っています。

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