【未解決】世間を驚かせたグリコ・森永事件の7つの真相/手がかり

グリコ森永事件とは、1984年から1985年にかけて大阪や神戸、滋賀、奈良など、関西の地を舞台として起こった、大手食品メーカーが次々に脅迫された事件です。

日本の警察全てが協力して捜査した、警察庁広域重要指定114号事件としても有名です。犯人が自らを「かい人21面相」と名乗ったことから、かい人21面相事件という呼び名も持っています。

日本中で話題になり、世間を騒がせた歴史的な劇場型犯罪事件です。

グリコ森永事件の幕開けは、江崎グリコ社長誘拐事件でした。犯人はその後身代金を要求、グリコ本社やその関連する子会社に対しても、脅迫や放火を行いました。

さらに犯人は標的を江崎グリコ以外にも広げていきました。丸大食品、ハウス食品、森永製菓、駿河屋、不二家にも脅迫状を送りつけ、小売店に青酸入りのお菓子をばら撒くなど、国民を不安に落とし入れる脅迫を続けました。

グリコ森永事件とは、相次ぐ企業への脅迫もさることながら、現金を受け取ることのない犯人が起こした、日本の犯罪史上類を見ない大事件でした。

犯人は一連の脅迫を1年半にもわたって続けました。躍起になって捜査する警察や、連日報道するマスコミに対しても挑戦状を送りつけてきました。まさしく「かい人21面相」のような立ち居振る舞いを行うことで、日本中の注目を集めました。

グリコ森永事件の犯人からは、度重なる脅迫状が20通ほど届いています。

そのどれもに、関西弁で怖ろしい要求や脅し文句が綴られています。ひらがなの部分が多く、まるで子供が書いたように見えるその文章は、犯人を特定しづらい内容になっています。

食品会社に脅迫状、マスコミには挑戦状が、犯行グループからなんども届けられました。挑戦状は主に、食品会社や警察を揶揄する内容でした。

「キツネメの男」と称される人物は、グリコ森永事件の中で怪しい行動をする男として、捜査にあたっていた警察官に何度も目撃されており、逃走をはかっている人物です。

「キツネメの男」が犯行グループの一員であることは間違いないとされています。

最初に目撃されたのは、丸大食品脅迫事件で京都駅を張っていた捜査員たちによるものでした。ハウス食品脅迫事件のときも、大津サービスエリアで同じキツネメの男が目撃されています。

グリコ森永事件では、脅迫電話に使われたテープが子供の声だったことも話題になりました。

森永製菓脅迫事件の現金の受け渡し場所を知らせる電話に、録音された男の子の声が5回連続で流されました。犯人の子供ではないかとする節があります。このテープには、革製品用の特殊なミシンの音が入っていました。

ハウスの総務部長宅には、女の子の声の録音テープで、受け渡し場所を指定する電話がかかってきています。

記念撮影用の小さなグリコもありました。 - 大阪市、道頓堀 の写真 - トリップアドバイザー

グリコ森永事件を予言するような内容の録音テープが、1973年に江崎グリコに送りつけられています。

53年テープといわれるその内容は、初老の男性の声で、京都のある過激派がグリコを脅して3億円を恐喝しようとしているので、自分が間に入って仲裁するというものでした。

その9年後にそっくりなグリコ森永事件が起きたことから、警察は当初、過激派や工作員によるただの金目当ての誘拐事件と断定して捜査していました。

グリコ森永事件で主にターゲットにされた食品会社は、グリコ・森永・丸大・ハウス・不二家・和歌山県の老舗和菓子会社の駿河屋です。

駿河屋は、脅迫状がきたすぐあとに犯人から延期の申し出があり、その後の脅迫はありませんでした。

大阪の丸大食品脅迫事件の際に、金の受け渡しを支持する電話が女性の録音テープの声でかかってきています。他の電話で流された録音テープの声の、子供たちの母親ではないかとする説があります。

DSC_1702_large.jpg - 墨田区、シャルロッテチョコレートファクトリーの写真 - トリップアドバイザー

製菓会社としては大企業であるロッテも、グリコ森永事件において小さい被害にあっています。

ただし、脅迫文にロッテの社名が出てくるようなことはありませんでした。

ロッテの社名はゲーテの小説から命名されました。創業者は在日韓国人一世で今も健在です。戦後、進駐軍のチューインガムをヒントにロッテガムを売り出しました。本社は新宿にあります。

大人が喜ぶ工場見学 - 明治 なるほどファクトリー坂戸の口コミ - トリップアドバイザー

東京の食品会社である明治も、小さいながら脅迫の被害にあっています。

東京・愛知青酸入り菓子ばら撒き事件では、明治やロッテのチョコレートもばら撒かれています。

犯人の標的がグリコから森永へと移る前に読売新聞社に送られてきた脅迫文には、グリコときたら次は明治だと誰もが思うだろうから、明治を標的にするのはやめたというような趣旨の文章が含まれています。

ハングリーベアレストラン - 浦安市、ハングリーベアレストラン（東京ディズニーランド）の写真 - トリップアドバイザー

ハウス食品の大阪の総務部長のもとに、かい人21面相から現金1億円を要求するハウスシチュー入りの脅迫状が届いています。

このときも大津サービスエリアが金の受け取りの指定場所で、周辺でキツネ目の男が3回目撃されていますが、警察は取り逃がしてしまいました。責任を感じた本部長が焼身自殺をしています。

ハウスは脅迫状にたびたび名前が載せられた食品会社です。

作家でフリーの記者・宮崎学は、キツネメの男と顔や人物像が似ていたため、警察から容疑者として家宅捜索を受けたことがあります。

宮崎学は警察がマークしていた地域の出身で、学生運動をしていた関係で容疑者にあげられました。メディアでも「容疑者Ｍ」として名前があがる人物ですが、事件にはまったく無関係です。グリコ森永事件の真相についても何も知りません。

グリコ森永事件は、当初は過激派や総会屋による誘拐事件でしたが、これに目をつけたユダヤ組織が北朝鮮の工作員を使って、株価操作と銀座の土地の売買を企てたとする説があります。

グリコ森永事件は発生から1年後に、犯人からの終結宣言で幕を閉じます。日本航空123便墜落事故当日でした。

この航空便にはハウスの社長が搭乗していました。グリコ森永事件が終息したことを前社長の父の墓前に報告に行き、還らぬ人となりました。

グリコ森永事件に関する動画や本はたくさん出ています。

グリコ森永事件は、テレビのスペシャル番組でもたびたび特集が組まれています。事件発生から30年以上経ったいまでも、関連本や動画、漫画や映画などの発売があとを絶ちません。グリコ森永事件が、それだけ日本国民にとって忘れがたく衝撃的な事件だった証です。

以下に代表的な人気作品をあげておきます。

NHKでは2011年11月3日と4日に、グリコ森永事件に関するドキュメンタリードラマを放映しました。

NHKスペシャル未解決事件「file.01 グリコ・森永事件」と題されたこの番組は、実録をもとに再現したグリコ森永事件のドラマと、関係者によるインタビューを集めた証言ドキュメント、NHK独自の取材をもとに新たな真実が暴かれるスクープ・ルポの3点から描かれています。

高村薫の人気推理シリーズの第一作で、グリコ森永事件からヒントを得て書かれています。

内容は、まさにグリコ森永事件のような展開が、犯人側から描かれています。被差別部落出身者、メーカーに恨みを抱く人間、在日朝鮮人、刑事、女性など、犯行グループの人間を多様な人物で固め、実際の事件の容疑者のモデルとなった人物像を示唆しています。

「罪の声」はグリコ森永事件にヒントを得て書かれた話題の小説です。

グリコ森永事件の脅迫テープに子供の声が使われていたことから、その子供の声だった男の子が、成長してかつての事件を調査するという内容のフィクションです。

金に困っていた刑事とその家族を軸に、左翼や活動家、グリコ森永事件当時の関係者の全容が暴かれていきます。罪の声を発してしまった主人公が向う結末には、壮絶な家族愛と涙の結末が待ち受けています。

日本の優秀な警察でも解決できなかった難事件は数多くあります。事件の内容が年々凶悪になるにつれて、未解決事件が増えています。

特に有名なものは、2000年12月31日に世田谷区の一家四人が惨殺された世田谷一家殺人事件です。あまりにも有名な未解決事件であり、さまざまな憶測が飛び交いました。多くの本が出版され、いろいろな推理が展開されました。公安警察が毎年追悼を行い、事件解決を誓っています。

世界にはグリコ森永事件のように未解決の不思議な事件がたくさんあります。

もっとも有名な未解決事件は、1888年に起きたロンドンの切り裂きジャックです。娼婦が無残に切り刻まれたこの事件は、前代未聞の未解決事件としてたいへん有名です。何度も映画化され、関連本も多数発売されています。

挑戦状を送ったり、大胆に行動をしながら警察に捕まらなかったりする犯人は、グリコ森永事件の犯人と相通じるものがあります。

広島一家失踪事件は2001年に起きた、謎が残る事件です。

ある一家が失踪し、一年後に愛犬も一緒に、ダムの底から車の中で発見されました。車が転落するような場所ではなく、無理心中ではないかと報道されましたが、一家に自殺の動機はありませんでした。

一家4人はサンダル履きでパジャマ姿のままいなくなっています。近所の神隠しの伝説がある山が以前、一家の所有だったこともあり、謎に包まれた事件として記憶されています。

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