2021年07月21日公開
2021年07月21日更新
「笹子トンネル天井板落下事故」とは?原因や生還したインプレッサのその後
2012年に起きた笹子トンネル天井板落下事故。9名という多くの犠牲者を出した笹子トンネル天井板落下事故ですが、何が原因でこのような大惨事になったのでしょうか。そしてこの笹子トンネル天井板落下事故で生還したインプレッサのその後とは?
目次
笹子トンネル天井板落下事故について
笹子トンネル天井板落下事故
中央自動車道にある笹子トンネルで起きた天井板落下事故。
この事故の一報はあっという間にニュースで流れました。
まさかの事故。
それも中央自動車道のような交通量の多い場所にあるトンネルでの事故に、世間は驚きました。
現場に置かれた花
この事故は、笹子トンネルの天井板が落下したことで起きた事故でした。
天井板はトンネルを通行中の車に次々に落下していきます。
運転中に真上を見ることなどできない運転手。
たとえ見れても後続車も多く、前にも後ろにも、停車することもできない状態だったのではないでしょうか。
そんな場所で起きた事故だったので、犠牲者の数は多数に上りました。
笹子トンネル天井板落下事故 崩落の予兆
壁を伝う水
笹子トンネル天井板落下事故は、突然何の前触れもなく起こった事故ではなかったようなのです。
この事故は、トラック運転手など、普段から笹子トンネルを利用することの多い人の間では噂されていたようです。
「あのトンネル、ちょっとヤバイんじゃないか」と。
なぜなら、この天井板落下事故。
事故の予兆がちゃんとあったというのです。
最初の異変は、トンネル内の壁を伝う水でした。
どこから染み出た水なのでしょうか。
トンネルの壁を伝う水に、運転手たちは違和感を覚えたようです。
事故直前は滝のように水が流れることも
笹子トンネル天井板落下事故が起こる直前には、天井から水が流れ出してきていたのだそう。
それもチョロチョロという雨漏り程度ではなく。
まるで滝のように流れてきたというのです。
本来、トンネルの中で水に打たれるなんてありえないことです。
それなのに、天井から大量の水が流れてくる。
これは、おかしいと誰もが思ったことでしょう。
しかし、中央自動車道を管理する会社は、何の対策も取っていなかったようなのです。
そして・・・あの悪夢の笹子トンネル天井板落下事故がはじまります。
笹子トンネル天井板落下事故 崩落開始
崩落、開始。
2012年12月2日。
午前8時5分頃。
トンネルの天井からおよそ270枚という多数の天井板が落下を始めます。
そのサイズも大きいものでした。
横5mあり奥行は1.2m。
厚さ約8cm~9cm。
重さにいたってはなんと、約1.2トンもあるコンクリート板が落ちてきたのです。
大事故にならないはずがない。
そして逃げ場もない。
そんな事故でした。
Vの字になって落下
落下後の写真を見ても、ここが本当にトンネルなのか。
本当にこの下に車があるのか。
とても信じられない。
信じたくない状態ですよね。
この現場に居合わせた人たちは、どれほどの恐怖だったことでしょうか。
笹子トンネル天井板落下事故で駆け抜けるインプレッサ
奇跡のインプレッサ
この中央自動車道で起きた笹子トンネル事故で奇跡的に助かった車があります。
それが一台のインプレッサ。
天井からの落下に気づき、全力でアクセルを踏み込んで脱出することができたというインプレッサです。
とっさの判断が、このインプレッサの運転手と助手席に乗っていた妻の命を助けました。
修復作業が行われるインプレッサ
中央自動車道で起きた事故から奇跡的に生還したインプレッサ。
この痛ましい事故を忘れないため。
そしてそんな大きな崩落事故から乗っていた人を助けたインプレッサをそのままスクラップにすることは、できなかったのでしょう。
このインプレッサは修復されることになりました。
しかし、本当にこの状態のインプレッサが修復など可能なのでしょうか・・・?
笹子トンネル天井板落下事故の事故原因
そもそもの設計ミスが原因?
この中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故の原因は何だったのでしょうか。
実は、恐ろしいことにそもそも設計の段階でミスがあったのではないかという指摘があるのだそう。
設計の時点で問題があったのであれば、ほかの人はどうすることもできません。
それ以外にも、天井板を支えるボルトの強度に問題があったとされています。
つまり施行された時から、崩壊が決まっていたということなのです。
杜撰な点検が原因?
そして点検も杜撰だったと言われています。
なんと、異常がないかの点検は目視のみだったというのです。
たたいて音をチェックする。
そのようなことは、行われていなかったといいます。
これは、事故が起こっても仕方のない体制だったと言えるのではないでしょうか。
笹子トンネル天井板落下事故で救助困難だった原因
作動しなかった煙除去装置が原因
天井板落下の影響で、車が炎上するという状況になりました。
しかし、トンネル内にあるはずの煙除去装置が正常に働かなかったのだそうです。
そのことが原因で、救助隊の救助を困難にしてしまいました。
さらなる崩落の危険性があったことも原因
それだけではなく、十分な安全確認ができないこともあり、まだ天井板の落下が続くかもしれないという状況でした。
そんな状況では二次被害の可能性もあり、救助に向かうことができません。
救助隊はもどかしい思いをしたのではないでしょうか。
笹子トンネル天井板落下事故の犠牲者遺族
5人の遺体が発見されたワゴン車
中央自動車道にある笹子トンネル。
その笹子トンネルで起きた痛ましい崩落事故。
画像はこの崩落に巻き込まれ、遺体が発見された車の画像です。
この中から5人の遺体が発見されました。
遺体の死因は、焼死だったそうです。
1台の車から5名分の遺体。
この遺体の数だけ見ても、この笹子トンネル崩落事故の大きさ、悲惨さがよくわかるのではないでしょうか。
遺体を見たときの遺族の悲しみ、苦しさははかり知れません。
遺族は、どんな思いで遺体と対面したのでしょうか・・・。
笹子トンネル天井板落下事故で生還したインプレッサは今?
修復にまわされたインプレッサ
中央自動車道笹子トンネルの事故に巻き込まれたインプレッサ。
なんと無事に修復が終わったというではありませんか。
整備士さんたちの努力がしのばれます。
持ち主との再会
このインプレッサに乗っていたのが、写真のご夫婦です。
どうやらご主人は報道関係者のようです。
しかし、どんなに報道関係の人であっても自分がこのような事故に巻き込まれたらさすがに、仕事のことなんて考えられないですよね。
そんな夫婦を守ったインプレッサと対面した夫婦。
そのきれいになった状態に、驚いたのではないでしょうか。
けれど、インプレッサは夫婦のもとに返されてはいないようです。
確かに、イヤな思い出でしかない中央道笹子トンネル崩落事故。
そのことをイヤでも思い出されるインプレッサには、乗れないですよね。
インプレッサの保管場所
インプレッサは中津スバルに
現在、奇跡のインプレッサは中津スバルに保存してあるそうです。
しかし、決して一般公開されているわけではありません。
中津スバルのご厚意で見せてもらうこともできるようですが、ご迷惑にならないようにしましょうね。
中津スバルの場所
中津スバルは中津川インターを「恵那方面」へ降りて、「旭」交差点を右折したところにあるようです。
事前に連絡をすれば、奇跡のインプレッサを見せてもらうこともできるようですが、
会社の都合などにより、断られることもあります。
そのときは、文句を言ったりせずに日を改めるようにしましょうね。
中津スバル
住所:岐阜県中津川市千旦林220
電話:0573-78-0055
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜
笹子トンネル天井板落下事故に関する裁判
遺族が起こした裁判
この事件に関して3つの裁判が行われたようです。
3つのうち2つは遺族が。
もう1つは、5人の遺体が発見された車から奇跡的に助け出された女性が起こした裁判です。
裁判の結果
1つ目の裁判。
遺族が中央自動車道の笹子トンネルを管理していた、NEXCO中日本とその子会社に対して起こされた裁判です。
ちゃんと点検してさえいれば、この事故は防げたはず、という遺族の言い分が通り、裁判所は4億円余を遺族への賠償として命じました。この裁判に関しては控訴されていないので、すでに終了しています。
2つ目の裁判。
こちらは、NEXCO中日本の役員に対しての裁判でした。
しかし、役員の立場で事故の予兆を知るすべはなかったと判断した裁判所。
控訴しますが、棄却され原告側の敗訴という結果になっています。
3つ目の裁判。
こちらは、生還した女性が起こした裁判です。
この裁判に関しては和解が成立していますが、和解金などが支払われたのかということに関しては公表されていません。
笹子トンネル天井板落下事故は心霊スポットになっている?
中央自動車道笹子トンネルは心霊スポットに?
笹子トンネル崩落事故のあとから、中央自動車道笹子トンネルには心霊現象が起こると噂が流れます。
確かに笹子トンネルで起きた事故のように、多数の死者を出した事故のあとは心霊現象の噂が出やすいですよね。
心霊現象の内容としては、トンネル内にウロウロしている男性が現れるという心霊現象。
そして、フロントガラスに手形がつくという心霊現象です。
どれもありがちな心霊現象ではありますが、あんな大きな事故があったあとですから、心霊現象の噂も仕方ありませんね。
しかし、中央自動車道という交通量の多い場所にあるトンネルですから、心霊現象目当てで行くと、自分自身が心霊現象を起こす側に回ってしまうかもしれません。
くれぐれも、安全対策には気を付けて危険な真似はしないようにしてくださいね。
【まとめ】笹子トンネル天井板落下事故と奇跡のインプレッサ
いかがでしたか?
今回は笹子トンネル天井板落下事故と、そこから生還したインプレッサについてご紹介しました。
痛ましい事故が起こりましたが、その事故を風化させずに、これからの安全対策に励んでもらいたいものですね。