鷹匠になるには?必要な資格・仕事内容・給与についても解説!
鷹匠になるにはどうしたらいいか気になる人は多いのではないでしょうか。最近テレビでは鷹を使った害鳥駆除などが紹介されるようになりましたが、まだまだ謎の多い仕事です。鷹匠になるにはどんな資格が必要なのか、年収はどのくらいなのか、気になる情報を詳しく解説します。
目次
鷹匠になるにはどうしたらいいの?
効果的に野鳥を駆除する方法として最近鷹匠がテレビなどで話題になっています。鷹を意のままに操る鷹匠になるにはどうしたらいいのか考える人もいるのではないでしょうか。そこで実際に鷹匠になるにはどういった方法があるのかを紹介します。
まずは鷹匠の仕事内容について知ろう!
鷹匠の仕事についてはあまり詳しくない人が大半ではないでしょうか。鷹匠という仕事の年収などの具体的な内容はあまり知られていません。そこでまずは鷹匠という仕事のくわしい内容について知っておきましょう。
鷹匠の仕事内容とは?
鷹匠の仕事のなかでも収入に直結するのがイベントや興行に出演して技を披露することによる出演料と、害鳥駆除などの依頼による手当です。そのほかに日々の仕事として使役する鷹の調教や飼育があります。
鷹匠の勤務時間や休日とは?
会社に勤めている鷹匠以外は、その仕事内容はほぼフリーランスと同じです。そのため仕事時間や休日などの決まりはなく、自分で勤務形態を構築する必要があります。とは言え決して自由な仕事ではありません。鷹という生き物を中心とした仕事なので、毎日の世話やトレーニングに時間を費やす必要があるのです。生き物を育てるのに休日はありません。鷹匠になるにはかなりの覚悟が必要と考えていいでしょう。
鷹匠の収入はどのくらい?
独立した鷹匠として働く場合には、ときたまあるイベントや害鳥駆除などの仕事による収入だけが頼りです。鷹は生き物なので毎日食事の必要があり、病気をすれば治療費がかかります。当然鷹には保険もありません。その差し引きで鷹匠の年収は50万円から100万円程度と言われています。企業に就職して社員として働く鷹匠もいて、その場合には一般的なサラリーマンとしての年収が得られるようです。
鷹匠になるメリット・デメリットとは?
鷹匠になるメリットとしては、鷹という大きな猛禽類を意のままに扱える喜びがあることでしょう。言葉の通じない相手と心を通わせる楽しみもあります。しかし大きなデメリットとして年収の不安定さが立ちふさがります。また、鷹という生き物を飼うので、ほとんど休みはなく毎日鷹の世話と訓練をしなければなりません。鷹匠になるにはこのメリットとデメリットをしっかりと理解する必要があるのです。
鷹匠の求人・需要はあるの?
鷹匠の需要としては、害鳥駆除の会社に期待が寄せられています。クリーンで効果的な害鳥駆除として鷹匠の使う鷹が評判となっていて、カラスや鳩などの鳥害に悩む官公庁などの仕事を請け負う業者が鷹匠を雇うというパターンが増えて来ているのです。そういった業者の求人には期待が持てます。ただ受け皿となる業者はまだまだ少ないため、ほとんどの人は鷹匠の仕事をしつつほかに副業を持っているというのが現状です。
鷹匠になるための4つの方法を紹介!
それでは鷹匠になるにはどのような方法があるのかを紹介します。日本では鷹匠という仕事は古くからありますが、実は国家資格などはありません。そのため、鷹匠になるには方法は1つではなく、いくつかの方法が混在しています。あなたに合った鷹匠になる方法を見つけてみましょう。
民間団体の認定試験に合格する
鷹匠になるには資格を得るのが1番わかりやすい方法です。鷹匠の資格を得るにはいくつかの民間団体が認定試験を行っていて、この試験に合格することで得られるようになっています。試験を受けるのに特に学歴や年齢による制限はありません。
師匠に弟子入りする
昔ながらの鷹匠になる方法として、伝統的な鷹匠の師匠に弟子入りするというものがあります。日本には古くから連綿と続く鷹匠の流派がいくつかあり、そのなかから師匠を選んで弟子入りすることで門下生になることができます。伝統的な鷹匠の技を会得したいなら、弟子入りすることで1番理想に近い鷹匠になれるでしょう。
害鳥駆除会社に就職する
最近増えて来ているのが害鳥駆除の会社で鷹匠を使うというものです。害鳥駆除には今までさまざまな方法が取られて来ましたが、最も効果的と評判になっているのが鷹匠による駆除なのです。害鳥駆除会社へ就職すると、仕事として資格を得ることができます。特に年収が安定するのが魅力です。
独学で勉強する
鷹匠としての技能は独学で身につけることもできます。今は情報化社会なので、書物やインターネットなどで調べれば、鷹匠の技能も詳しく学ぶことができるのです。師匠に弟子入りせずに個人で伝統的な技術を学ぶのは大変なことですが、できないことではありません。
鷹匠になるために向いている人はどんな人?
実際に鷹匠に向いている人はどんなタイプの人なのでしょうか。鷹匠という仕事の特徴を挙げながら詳しく説明させていただきます。
強い精神力がある
鷹匠という仕事は、鷹という生き物を相手にした仕事です。大型の猛禽類である鷹を飼うということはとても大変なことですが、鷹匠の仕事は鷹を飼うだけでなく指示に従うように訓練する必要があります。鷹が好きだから大丈夫と思っている人がいるかもしれません。ですが鷹匠は鷹にあえて絶食させて訓練したりもします。ただ鷹を好きで飼うような気持ちでは務まらない、強い精神力が必要な仕事なのです。
責任感・使命感がある
鷹匠という仕事は古くから続く歴史ある仕事です。鷹匠の師匠は伝統あるこの仕事を途切れさせないように次の世代に伝える使命感を持っています。弟子入りして鷹匠になる場合にはこの師匠の責任感や使命感を引き継ぐ覚悟が必要となります。弟子入りしなければ気にならないかもしれません。それでも鷹匠という仕事が伝統ある仕事でその技を未来へと伝えようという人々によって守られているのは確かでしょう。だからこそ年収がわずかでも頑張れるのです。
地道な努力ができる
鷹匠の技は毎日の地道な訓練によって培われています。この地道な努力ができるかどうかは鷹匠になるために大切なことです。鷹匠の師匠に弟子入りすれば自然に地道な訓練を教えてもらえますが、個人で鷹匠になる場合には自分で自分を律して訓練を続ける必要があります。見た目の華やかさと違って地道な努力が必要な仕事なのです。
鷹匠になるために必要な資格は?
鷹匠の認定証を発行している団体はありますが、実は国としては特に鷹匠に必要な資格はありません。ただし、鷹匠になれるかどうかの現実的な資格として考えると、最低限でも鷹を飼うための設備が必要となります。毎日のエサ代も必要ですし、鷹を訓練する場所も必要です。鷹匠という仕事自体があまり年収を稼げない仕事なので、別枠として鷹を飼うための資金が用意できなければ育て続けることはできないでしょう。多くの鷹匠が副業を持っているように、鷹匠の仕事以外の安定した年収が大切です。
鷹匠になるには学歴や年齢は関係ある?
鷹匠になるには学歴や年齢は関係ありません。鷹を飼うことのできる環境であることと、鷹匠としての訓練が可能であることが鷹匠としての最低条件と言っていいでしょう。実際に高校生で鷹匠になった人もいます。
鷹匠という仕事の現状と将来の見通しは?
鷹匠というのは本来は鷹を使って狩りを行うのが仕事でした。しかし現代では鷹狩を行う習慣は廃れてしまっています。さらに鷹を飼うための場所や訓練する場所を確保するのも難しいのが現状です。ただし鷹を使って害鳥を特定の場所から追い出すという駆除の仕事は注目を集めています。特に飛行場などでは鳥が飛行機事故の原因なることもあり、鷹匠を導入しているところは増えているのです。
鷹匠がいる企業や団体を紹介!
それでは実際に鷹匠が活躍している企業や団体を紹介します。鷹匠が所属している団体や企業は意外と多く、また増えつつあるので、鷹匠になる場合には下調べを十分に行いましょう。
NPO法人日本鷹匠協会
「NPO法人日本鷹匠協会」は世界鷹匠協会にも加盟している鷹匠所属団体です。こちらの団体では鷹匠の認定試験を実施していて、試験の合格者のみが鷹匠の資格を得ることができます。試験にそなえるための研修会なども定期的に行っているので、特定の鷹匠に弟子入りせずに技を磨くならおすすめの団体です。
株式会社 鷹匠
「株式会社 鷹匠」は、鷹匠によって害鳥駆除を行っている会社です。会社を起業した人自身が鷹匠なので、鷹匠に理解がある会社となっています。鷹匠の技を現代の生活環境に対応させた仕事を広く行っていて、鷹匠にとって将来性がある会社と言えるでしょう。
株式会社 GreenField
「株式会社 GreenField」は、多くの鷹匠を抱える鳥害被害対策会社です。株式会社なので会社として安定しています。本来年収が安定しない鷹匠の仕事ですが、こういった会社に就職することができれば、会社員として安定した生活を送りつつ鷹匠の仕事を行う方法もあるのです。
【番外編①】鷹狩の歴史を知ろう!
鷹匠は鷹狩を行うための職業です。鷹狩については学校の試験には出ませんが、知っておくと鷹匠という仕事に理解が深まります。鷹狩は世界中で行われていて、記録に残っている最古のものは、紀元前8世紀の遺跡のなかから発見された鷹狩の様子が描かれたレリーフです。日本では4世紀の仁徳天皇の時代に編纂された「日本書紀」のなかに記述が残されています。
【番外編②】鷹狩を好んだ偉人もいるの?
鷹狩は特に武士の間で人気がありました。江戸時代には徳川家康が率先して鷹狩を行い、鷹場と呼ばれる鷹狩のための場所を設置して通っていました。徳川家康は鷹狩が健康維持にいいと書き記すぐらい鷹狩を堪能した偉人です。また、この徳川家康から鷹場を与えられたのが伊達政宗です。伊達政宗は江戸への行き帰りにたびたび鷹狩を楽しんだと記録に残っています。
鷹匠は伝統がある専門職!
鷹匠という仕事は、最近では害鳥駆除の分野で注目が集まっています。しかし鷹匠は決して新しい仕事ではなく、古くからの歴史と伝統ある専門職です。鷹匠になりたい場合には昔からの流派に弟子入りするか、勉強して資格試験を受けるのがわかりやすい方法でしょう。しかしなによりも鷹を飼って心を通わせて厳しい訓練を施す覚悟が必要です。もし鷹匠に興味を持ったなら、ぜひ深く勉強して、それでもなりたい場合に挑戦してみてください。