騎手(ジョッキー)になるには?必要条件・資格・仕事内容も解説!
賞レースでサラブレッドを華麗に操る騎手になるにはどうしたらいいのか、憧れてはいるけれどもよくわからないという人は多いのではないでしょうか。騎手になるにはどんな資格などが必要なのか、気になる事項をご紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
騎手(ジョッキー)になるにはどうしたらいい?
ディープインパクトがこの世を去り、過去の雄姿をTVで見て騎手という仕事に興味をもたれた方も多いのではないでしょうか。ここでは騎手になるにはどうしたらいいか、どのような資格や条件が必要となるのかご紹介します。
そもそも騎手ってどんな仕事?
サラブレッドの背に跨り、猛スピードでレース場を駆け抜けていく騎手は憧れの存在ですよね。しかし、そうして観客の熱気と歓声を浴びてレースに参加することだけが騎手の仕事ではありません。レース以外ではどのような仕事をしているのか、騎手の仕事について紹介していきます。
騎手の仕事内容とは?
騎手は競走馬に騎乗してレースに参加するということだけでなく、騎乗予定馬の調教や調教師・馬主とのミーティング、レースでの騎乗を増やすための営業活動、競馬新聞等の各メディア取材対応と多岐にわたります。もちろん自身の体重管理やトレーニングも忘れてはいけません。騎手はレースに出ていない日にもやることがたくさんあります。
騎手の種類
騎手には日本中央競馬会(JRA)と、地方競馬(NAR)の2つの騎手の種類があり、それぞれ免許が違います。この2つの違いに関してはのちほど詳しく解説していきます。
騎手の年収はどのくらい?
免許が違いだけではなく、中央競馬と地方競馬では年収も違ってきます。どのように違うのか見ていきましょう。
中央競馬騎手の年収
中央競馬騎手の平均年収は1,000万円といわれています。収入はレース賞金の5%(進上金)とレースのランクに寄って変わる「騎乗手当て」、一律に支払われる「騎手奨励手当て」が主なものになります。全体的に年収の平均は高く、2,000万円以上の収入がある騎手が全体の8割を占めます。
人気があればレース以外でもイベントやテレビ番組・CMへの出演料・本を出版したときの印税やグッズの売上げなどで、億を超える年収を稼ぐ人もいます。騎乗が少ないジョッキーでも厩舎に所属していれば、厩舎から給料をもらえます。どこの厩舎にも属さないフリー騎手でもレース前などに調教で騎乗すると手当をもらえるので、JRA騎手ならば生活に困るほどの低収入な人はいないといわれています。
地方競馬騎手の年収
一方、地方競馬の騎手は上位の騎手でも400万~500万円程度で、下位騎手だと200万円もしくはそれ以下の年収になることもあります。この中央競馬との年収の違いは、地方競馬の賞金単価が低いことにあります。先述したレース賞金の5%がもらえるという計算では、JRAが億単位になるのに対して地方競馬は数千万円の賞金なら収入の差が出てきます。数千万円というとかなり高く聞こえますが、1着賞金が15万円程度のレースも多く、その5%だと進上金は7,500円にしかなりません。この大きな年収格差は現在問題視されています。
【中央競馬】騎手になる方法は?
では、大金を稼ぐ中央競馬の騎手になるにはどうすれば良いのでしょうか。必要な資格や競馬学校について紹介していきます。
騎手になるには?
騎手になるには騎手免許が必要となります。JRA競馬学校の騎手課程(3年間)を終え、試験に合格することで免許が取得できますよ。
競馬学校の受験資格・年齢制限について
競馬学校は誰でも受けられるわけではありません。年齢は15歳以上20歳未満ということが入学条件です。年齢によって体重制限もあり、入学試験の体重測定で基準を超えるとその場で不合格になります。募集要項を見ると最高でも45~48kgとなるので条件にはなくても低い身長の方が有利ですよね。
その他にも視力は裸眼で左右共に0.8以上、色別・聴力・健康状態といったチェック項目もあります。騎手になりたい人はまず応募資格を確認したいですね。
競馬学校の倍率は
競馬学校の倍率も非常に高く、受験応募者数は毎年平均で150名を超えますが合格者は7名前後です。20倍以上の倍率ですので、かなりの難関試験であることがわかりますね。
競馬学校の入学試験
入学試験は二次試験間であります。一次試験は国語・社会の筆記試験、グループ面接・運動機能検査の他に先ほど紹介した身体測定などがあります。国語は馬に関することわざや四字熟語、社会は競馬場が存在する都道府県や県庁所在地に関する出題というように競馬学校らしい試験が多いようですよ。
一次試験に合格した人だけが二次試験に進めます。二次試験は合宿形式で行われ、運動機能検査・騎乗適性検査・体重測定・性格適性検査・個人面接はもちろん保護者の面談もあります。各家庭の競馬や騎手に対する理解度を聞き取ったり、受験生の性格や食生活、今までのしつけなどの多方面から適性の有無を判断されます。
競馬学校の学費等にかかる費用は?
競馬学校の学費は、2016年から食事代(3年間で約120万円)を除く就学費用が無償になっています。この無償分には馬上装具や制服なども含まれます。これまでは400万円近くかかっていたので、最近は少し通いやすくなっていますね。
【地方競馬】騎手になる方法は?
では、地方競馬の騎手になるにはどうすれば良いのでしょうか。中央競馬のように資格や学校について紹介していきます。
騎手になるには?
地方競馬も中央競馬同様に騎手免許が必要になります。しかし、こちらは地方競馬教養センターでの騎手課程を卒業することで免許を取得するのが一般的です。2年間の課程なので中央競馬より1年短いですね。
地方競馬教養センターの受験資格・年齢制限について
地方競馬の受験資格も20歳以下ですが、18歳以上の合格者はほとんどいないので早期の受験の方が有利でしょう。中央競馬と同じように年齢によって体重制限があり、最高でも47kg以下の必要があります。中央競馬と同様に身長が高いほど不利になるので小柄な人材が求められていますね。視力に関しては、左右共に裸眼で0.6以上、色別・聴力・健康に問題がないことが応募資格です。
地方競馬教養センターの倍率は?
中央競馬よりも倍率は低いですが、それでも10倍前後と言われています。かなり狭き門であることは変わりませんね。
地方競馬教養センターの入学試験
地方競馬の入学試験は合宿形式の一度のみです。身体検査・運動機能検査・学科試験・面接があります。学科試験は国語と社会だけではなく数学も加えた3教科のテストがあります。
地方競馬教養センターの学費等にかかる費用は?
地方競馬教養センターに通う場合も入学金や授業料は必要ありません。2年間で約80万円の食費のみで通うことができます。また、一般的な大学の奨学金制度のように家庭状況により徴収を猶予する制度もあります。
騎手になるのに乗馬経験は必要?
地方競馬の募集要項には入学前の乗馬経験は要らないと明記されています。中央競馬に関しても二次試験で騎乗適性検査はありますが、それまでの乗馬経験の有無が合否に影響することはないでしょう。
ただし、学校で指導してもらえるとはいえ2~3年の授業の後はすぐに騎手としてデビューすることになります。騎手を目指している人は、卒業後に活躍するためにも乗馬経験があった方が良いですね。
競馬学校に入る前の競馬学校ジュニアチームとは?
中央競馬学校では、競馬学校の受験を目指す中学2、3年生を対象にジュニアチームというスクールを開校しています。こちらも騎乗試験・学科試験・面接等の試験はありますが入会金や月謝はなく週5日の乗馬指導やフィジカルトレーニングを受けることができます。
さらにジュニアチームに通っている中学3年生を対象とした最終選考会に合格することでその年の騎手課程入学試験の一次試験が免除になるという特典もあります。ただし、現在では美穂、栗東などの限られたトレーニングセンターでしか実施はされていません。
騎手に向いている人とは?
身長や体重ももちろんですが、騎手として活躍するためには性格的な特性も大切になりますよね。ではどんな人が騎手に向いているのでしょうか?最後に適性を紹介していきます。
闘争心が強い人
レースに出ることが主な仕事ですので、闘争心が必要です。勝てなさそうでも最後まで諦めずに走り続ける粘り強さもあると良いですね。また、競馬は見ている以上のスピードで走るので闘争心によって落馬の恐怖に打ち勝つ必要もあります。
情報分析能力がある人
レースに勝つためには馬の状態だけではなく騎手自身がレースの流れを分析する情報分析能力も必要になります。他の馬の状態も含めてレース全体を把握して、即座にコントロールできる騎手が強い機種だと言えるでしょう。
広い視野がある人
車と同じくらいのスピードを出す自分の馬に乗りながらも、最適かつ安全なコースを見極めることができなければ落馬して最悪の場合は死亡してしまうこともあります。周りの状況を常に素早く把握できるような広い視野も欠かせませんね。
フェアな心を持つ人
競馬はギャンブルです。勝敗によって自分の年収に大きな影響を与えますが、それでも不正をすることは絶対に許されません。能力よりも競馬界に受け入れてもらってファンに愛されるためにもフェアな心を持っていることが騎手の必須条件と言えます。
騎手になる夢を叶えよう!
中央であっても地方であっても、騎手になるためには厳しい体重コントロールなどが必要になります。騎手になってからも勝ち続けるために強い精神力が必要になるでしょう。馬が好きな人や騎手に憧れがある人は、ぜひその夢を叶えてみてください。