お七夜・命名式とは何をする行事?由来・やり方・マナーも!
お七夜・命名式は、昔は盛大に行われた行事でしたが、現在では簡略化されることもあり、あまり馴染みのないものとなっています。いつ行うのか、具体的に何をするのかを知らない人も多くいます。お七夜・命名式の由来とやり方、振る舞う食事、命名書の書き方を解説していきます。
目次
赤ちゃんを祝うお七夜・命名式って何をすればいいの?
「命名式」は響きで何をする行事かイメージしやすいですが、「お七夜」は耳にすることのない言葉ですし、知らない親御さんもいるかもしれません。どちらも赤ちゃんの誕生を祝うものだという知識はあっても、必要な準備・やり方・マナーなどを理解している人は少ないでしょう。まず「お七夜」「命名式」の意味・由来から解説します。
そもそも「お七夜・命名式」とは?
お七夜・命名式ともに、赤ちゃんを祝う儀式です。お七夜と命名式の決まり・やり方を知る前に、意味と由来をそれぞれ見ていきましょう。
お七夜
お七夜(おしちや)は、赤ちゃんの誕生日を1日目として、7日目に行われるお祝い事です。「夜」がつくように、主に7日目の夜に行われます。赤ちゃんの人生初めてのお祝い事ですので、昔は盛大に行われていました。しかし現在は、省略・簡略化されることもしばしばあります。
命名式
赤ちゃんの名前を命名書に書き、仏壇や神棚に飾る行事のことを命名式と呼びます。命名書は1ヶ月間、もしくは母親の寝床を片付けるとされる21日目に片付けます。お七夜と一緒に行われるのが主流です。
それぞれの由来は?
現在は医療が発達していますが、昔はそうではありませんでした。赤ちゃんが生まれても、生後7日目まで生きられることが稀だったのです。節目となる7日目に、無事に過ごせたことを祝い行われるため、「お七夜」と呼ばれるようになりました。
また一説には、奈良・平安時代から、貴族が赤ちゃんの誕生を奇数日に祝っていたことが由来とも言われています。江戸時代になると、幕府公認でお七夜がお祝いの儀式となりました。
お七夜・命名式に決まりはあるの?
お七夜が生後7日目のお祝い事だと紹介しましたが、現在でも必ず7日目にしなければならない決まりがあるのでしょうか。お七夜・命名式を行う場所や招待する人、服装を解説します。
7日目にこだわる必要はない
産後のお母さんの体は、赤ちゃんの生後7日目ではまだ回復しきっていない状態です。そのため、親などの内輪だけで簡単にお祝いするのが、主流となっています。出産して間もないお母さんのために、7日目にこだわらない方が思いやりがありますね。
家庭や地域で行う場所・招待する人は変わる
家庭や地域によって、お七夜や命名式を行う場所は変わります。昔は父方の実家ですることが多かったですが、現代ではそのような決まり事はありません。自宅や実家以外にも、帝王切開や未熟児を産んだお母さんは、産院や病院でお七夜を済ますこともあります。
招待する人も決まりはありません。かつては仲人夫婦や親戚、近所の人が招かれていましたが、出産したばかりのお母さんの負担になるため、簡略化されるようになりました。
主催者は誰でもよい
父方の実家が内孫の顔見せの場を設けるために、お七夜や命名式は行われていました。しかし先程も述べたように、開催する場所も招待する人も様々となった今、主催する人にも決まりはありません。里帰り出産する場合、母方の実家が準備するやり方も見られますし、赤ちゃんの両親が自宅に呼んでお七夜をやるケースも多くあります。
服装はフォーマルでなくてもOK!
お七夜や命名式にフォーマルな服装は必要ありません。特別な決まりはないため、小ぎれいな服装で参加しましょう。回復しきっていないお母さんは、体の負担にならない楽な服装で、少しきれいめの服装ができると好ましいですね。
お七夜・命名式のやり方を解説!
お七夜・命名式を盛大に行わなくても、簡単にお祝いすることはできます。お七夜に準備する物とやり方、流れを説明していきましょう。
準備する物
赤ちゃんの成長はとても早いため、お七夜や命名式の記念になるものとして手形・足形グッズの準備をおすすめします。生まれた時の記録を残しておくのに、お手頃な価格でキットを購入することができます。また必要に応じて、招待客への手土産も準備しておくといいかもしれません。
やり方
それぞれ家庭によって、お七夜のやり方は様々です。やり方の特別な決まりはないため、一般的なやり方を紹介します。名付け親がいたり、大勢招待する場合は、まず挨拶から始めます。命名式を兼ねる時には名前や名前の由来をお披露目し、写真を撮ります。次に準備しておいた祝い膳を食べ、記念となる手形・足形を取るのが大まかな流れです。
お七夜・命名式で食べる料理はどうすればいいの?
振る舞う料理も、お七夜・命名式をするにあたって悩みますよね。産後のお母さんが準備しなければならないのか、手作りである必要性はあるのかも含め、解説していきます。
祝い膳をふるまうのが一般的
お七夜・命名式の食事は、祝い膳を準備するのが伝統的なしきたりです。めでたいという意味を込めて、鯛を頭から尾まで1匹丸ごと調理したり、他にも赤飯や昆布巻き、海老の天ぷらや塩焼きが祝い膳の一般的な食事メニューです。
自分で用意する場合は「一汁三菜」を意識する
お七夜・命名式の食事に、手の込んだ手料理を並べる必要はありません。自分で準備するなら、「一汁三菜」の食事を心がけましょう。汁物には、赤ちゃんの吸う力が強くなるようにと願いを込めて、お吸い物にするのが人気です。汁物の他に、料理は3品準備するのが好ましいですね。
手作りにこだわる必要はない
産後1週間のお母さんの負担削減のために、祖父母が代わりにお七夜・命名式の食事を準備することも多くあります。しかし手作りにこだわらず、宅配や出前を上手に活用するやり方も、近年急増しています。食事は宅配に頼り、無理せず準備してくださいね。
お七夜・命名式に大切な命名書の書き方と飾り方は?
赤ちゃんの名前をお披露目するため、お七夜・命名式には「命名書」が欠かせません。正式な書き方や略式な書き方、命名書をどこに飾ればよいのかをそれぞれ紹介します。
正式な書き方
正式な命名書の書き方から紹介します。まず、命名書を書く人はどなたでもかまいません。命名紙を2枚使い、1枚目は上下半分に折り、それを3等分に折り目をつけたものを使用します。この1枚目の、右面に「命名」と書き、中央面右側から順に、「親の名前・赤ちゃんの名前・赤ちゃんの生年月日」を、左面右側から「命名した日付、父母の名前」を書き記します。名付け親がいる場合は、1番左側に名付け親の名前を書きましょう。
1枚目を折りたたみ、表面を下にして2枚目の命名紙の中央に置きます。左から3分の1のところで折り、次に右から3分の1のところで折り重ねます。命名書のサイズに合わせて上下を裏側に折り、上包みとなる2枚目の中央に命名と書けば完成です。
略式な書き方
市販の命名書には、縁起のよい鶴・亀・日の出などの絵が描いてあります。また、インターネットでテンプレートをダウンロードすることも可能です。略式の命名書には、命名と書かれているため、その下に赤ちゃんの名前を書きます。赤ちゃんの名前の右上には「山田太郎・花子 長男」のように、両親の名前を書きましょう。左側には、赤ちゃんの誕生日を書きます。
命名書の飾り方
命名書を書き終えたら、「三方」に乗せて神棚に飾ったり、仏壇・床の間・赤ちゃんの枕元に飾るのもよいでしょう。
お七夜・命名式の名付け親に関するマナー
子供の名前をつけるのは、両親や祖父母以外にも、尊敬する友人・親戚・恩師にお願いするケースもあります。お七夜・命名式における名付け親へのマナーについて、解説していきましょう。
名付け親を頼む場合は出産前に
名付け親を頼む時のマナーとして、出産前にお願いしておくことが大切です。赤ちゃんが生まれてからバタバタしないように、前もっていくつか候補を挙げてもらい、その中から決めるようにしましょう。
名付けは子供の親の意志を尊重する
昔に比べて数は減ってきていますが、尊敬する恩師や友人に、名付け親を頼む親も中にはいます。名付け親に名前を考えてもらう場合にも、トラブルにならないように子供の親の意思は優先しましょう。親の挙げた候補の中から、名付け親となる方に選んでもらう手段もいいかもしれませんね。
名付け親は正式な命名書をお七夜に持参する
名付け親がお七夜・命名式に持参するのは、略式ではなく正式な命名書がマナーです。持参した命名書は、神棚もしくは赤ちゃんの枕元に貼り付けます。お母さんの床上げの際に外し、へその緒と一緒に保管しておきましょう。
名付け親へのお礼は早めに
名付け親への謝礼の相場は、1〜2万円です。名付け親にお礼する際には、現金を避けるのがマナーです。結婚以外のお祝い事に、目上の方に現金や商品券を渡すと、懐事情を心配していると捉えられかねます。名付け親は目上の方が多いでしょうし、マナー違反には気をつけたいですね。
お七夜・命名式のお返しに関するマナー
お七夜・命名式にお祝いをいただいたら、お返しをしなければいけないのでしょうか。お七夜・命名式のお返しで、覚えておきたいマナーを紹介します。
お七夜のお返しは基本的に用意しなくてもよい
前述したようにお七夜では、招待した両親や親戚などに祝い膳として食事を振る舞います。この祝い膳がお七夜・命名式のお返しになるため、特別何かお返しを準備する必要はありません。菓子折などの手土産を準備しておくのは、いいかもしれませんね。
祝宴に招待していない人へは1週間以内に
お七夜・命名式に招待しなかった人からお祝いをもらった時には、内祝をお返しするのがマナーです。お祝いをいただいてから、1週間以内を目処に贈るようにしましょう。
お七夜・命名式は今の生活に合わせて無理せず行おう!
かつては大勢の人を招待して盛大に行われたお七夜・命名式も、時代が変わるにつれて、お母さんの負担にならないような形式に変化してきています。無理のないように、赤ちゃんの誕生や名付けをお祝いしてくださいね。