「労をねぎらう」の意味と使い方!目上の人に敬語として使えるの?
多くの人が日頃から「労をねぎらう」ということを行っているかと思いますが、その意味や使い方を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。今回は「労をねぎらう」の意味や使い方はもちろん、どのような場面で使えば良いかを解説しながらご紹介していきます。
目次
「労をねぎらう」はどんな言葉?
近頃使用する人が少なくなった「労をねぎらう」という言葉には、感謝という意味が込められています。今回は「労をねぎらう」という言葉についての意味や敬語としての使い方、さらに「労をねぎらう」に重複している意味があるのかや類語表現なども併せてご紹介していきます。
「労をねぎらう」の意味
「労をねぎらう」という言葉にはどんな意味が含まれているのでしょうか。意味や語源・類語表現・英語表現までを詳しくご紹介していきます。
「労をねぎらう」の意味とは
「労をねぎらう」という言葉の意味をご紹介します。いったいどんな意味が含まれているのでしょうか。
苦労や尽力をいたわり慰めること。慰労。重労働だったことを認めて感謝を表明したり、宴を催して慰撫したりといった形で示されることが多い。
「慰労、重労働を認めて感謝を表明する」という意味が含まれています。「労をねぎらう」とはそもそも感謝の意を込めている言葉ということがよくわかります。
「労をねぎらう」の語源
「労」には骨折って働くという意味があり、「ねぎらう」にはいたわるという意味が含まれています。それら「労」と「ねぎらう」を合わせることで、骨折って働いたことに対していたわるということから、「労をねぎらう」という言葉ができたと言われています。
「労をねぎらう」の類語表現
「労をねぎらう」という言葉に類語表現はあるのでしょうか。「慰労する・慰問する・優しくする・大事にする」などが類義語として挙げられます。どの言葉にも「相手を気遣い大事にする」という意味が含まれていることがら、「労をねぎらう」という言葉は相手に寄り添った感謝の言葉であると言えるのではないでしょうか。
「労をねぎらう」の英語表現
「労をねぎらう」という言葉は英語ではどのように表現するのでしょうか。「労をねぎらう」の英語表現につきましても調べてみました。
appreciate the (great) pains somebody has taken
"appreciate"には認めるといった意味があります。「労をねぎらう」には、相手を認めるという意味が含まれていることがわかります。
「労をねぎらう」は重複表現?
「労をねぎらう」を漢字で書くと「労を労う」となり、文字が重複しています。「労」という字が重複していることから、重複表現になるのでしょうか。「労」には「骨折り」という意味があり、「労う」には「いたわる」「感謝する」という意味があるため、それぞれが持つ意味に違いがあるので、重複表現にはあたりません。
「労をねぎらう」を分解して考えてみよう!
「労」と「労う(ねぎらう)」には重複した意味はないとご紹介しました。こちらでは「労をねぎらう」という言葉について、「労」と「ねぎらう」に言葉を分解して詳しく解説していきます。
「労」の意味や類語表現
「労」の類語には「骨を折って働く」や「尽力」「心身を使って働く」などがります。単体では「ねぎらう(労う)」などで使われる感謝の意味が含まれていて重複しているように思えますが、感謝の意味は含まれていません。
「ねぎらう」の意味や類語表現
「ねぎらう」の類語には「いたわる(労る)」があります。どちらも苦労したことへの感謝の意を表す言葉です。実際に「ねぎらう」の言葉の類後として使うのならば「感謝する」が使いやすいでしょう。
「労をねぎらう」の使い方を例文で確認!
こちらでは実際に「労をねぎらう」という言葉をどのように使うのがいいのか、例文で確認していきます。
1.「勉強を頑張って資格試験に合格した友人の労をねぎらった」
普段の生活でも勉強を頑張り、努力したことと試験でもその実力を発揮できたことへの尽力に対して、良く頑張ったね!という心情を表現した例文です。
2.「営業成績が著しく伸びた部下の労をねぎらった」
日々の積み重ねの努力があって、営業成績が伸びた部下に対して感謝と思いやりを感じることができる例文です。
3.「上司が社長に労をねぎらわれていた」
客観的な視点で見ているので、ここでは「ねぎらわれていた」となる例文です。
「労をねぎらう」は目上の人に使っていいの?
「労をねぎらう」という言葉は目上の人にも使っていいのでしょうか。こちらでは、無闇に使ってしまって失礼にあたらないように「労をねぎらう」という言葉を目上の人に使っていいのかを中心にご紹介していきます。
目上の人には使えない
「労をねぎらう」という言葉は敬語表現にあたらず、目上の人に使うことは不適切とされています。自分が「労をねぎらう」ことができる相手は同じ立場にある人、もしくは目下の人に限られます。例えば、部下が上司に対して「労をねぎらう」という行為は失礼にあたりますので使い方には注意するようにしましょう。
目上の人に使える「労をねぎらう」言葉は?
目上の人に対しては、敬語表現が基本となります。「労をねぎらう」という言葉は敬語表現ではありませんので、他の言い方にする必要があります。例えば、「お疲れさまでした」や「勉強させていただきました」「ありがとうございました」など、「労をねぎらう」のではなく直接的に感謝の言葉で伝えるようにしましょう。
「自分をいたわる」という使い方も
「労をねぎらう」という言葉は敬語表現ではないため、自分と同等または目下の人に限って使うことができますが、自分自身に対しては使えるのでしょうか。実は「自分にご褒美を与える」ということで自分の「労をねぎらう」という意味での使い方は正しいと言えます。例えば、今秋は残業が多かったから普段飲むビールより高価なものを買って自分の「労をねぎらう」という使い方ができます。
「労をねぎらう」は実際の会話で使えるの?
実際の会話で「労をねぎらう」言葉を使うことはできます。ただ一般的な「労をねぎらう」という言葉は敬語表現ではないので、使い分けが必要です。例えば、「ご苦労様」や「頑張っているね」「助かったよ」などは目上の人が使える会話での言葉です。逆に敬語表現では「お疲れ様です」や「お世話様です」「ありがとうございます」「ご自愛ください」などがあります。「労をねぎらう」言葉を使う際は、自分と相手の立場の違いによって使い分ける必要がるので注意しましょう。
「労をねぎらう」ための言い方10選!
「労をねぎらう」ための言い方は色々とあります。誤った認識でうっかり使ってしまい、恥をかいてしまうことも考えられます。こちらでは立場や状況別に使うことができる「労をねぎらう」ための言い方をご紹介していきます。
上司から部下への言い方
ビジネスにおいて「労をねぎらう」言葉は良く使われています。上司から部下に対しての「労をねぎらう」言い方をご紹介します。
- 残業している部下に対して上司が「ご苦労様」と声をかける言い方
- 上司の依頼で急遽資料作成をした部下に対して「助かったよ」という言い方
- 営業で外出中に走っている部下を見つけて上司が「頑張っているね」という言い方
病人への言い方
病人への「労をねぎらう」言葉というのは、いざその場面になると出てきにくいですよね。病人に対しての「労をねぎらう」言い方をご紹介します。
- 病気の回復や健康状態が良い状態になることを願って「ご養生ください」や「ご養生なさってください」という言い方
- 面識のない人が入院している場合は「病院に慰問に行く」という言い方
- 面識のある人が入院している場合は「友人のお見舞いに行く」という言い方
敬語表現での言い方
目上の人から目下の人に対して使う「労をねぎらう」言葉はわかりやすいですが、敬語表現の場合は目下の人から目上の人への使用を可能にするので、それこそ間違った使い方をしないようすることが大切です。敬語表現での「労をねぎらう」言い方をご紹介します。
- 目上の人が使う「労をねぎらう」言葉として「ご苦労様」があるが、この言葉の類語であり敬語表現の「お疲れ様です」という言い方
- ビジネス上で感謝を伝える場合は「お世話になりました。感謝しています。」という意味が含まれる「お世話様です」という言い方
- 手紙やビジネスのメールでは「ご自愛ください」という言い方
- そして万能で使いやすい感謝の言葉をストレートに伝える「ありがとうございます」という言い方
正しい意味を知って「労をねぎらう」を使いこなそう!
「労をねぎらう」という言葉について様々な角度からご紹介してきましたが、やはり正しい意味を知って適切な相手に対して使うということが大切です。せっかくの「労をねぎらう」言葉で相手が失礼に感じてしまってはもったいないことです。誤った認識で使ってしまい恥をかかないように、正しい意味を理解して「労をねぎらう」言葉を使いこなしていきましょう。