「わざわざありがとうございます」は敬語として使える?返事の仕方も!
「わざわざありがとう」という言葉はビジネスシーンでよく耳にしますが、この言葉は目上の人に使ってもいいのでしょうか。逆に上司から「わざわざありがとう」と言われた時の返事の仕方や、相手がこの言葉で嫌味に感じないための注意点をまとめてみました。
目次
「わざわざありがとう」はビジネスで使っても失礼にあたらない?
相手の言葉や行動に対して感謝の気持ちを表したい時は素直に「ありがとう」と言いたいですよね。でも、その「ありがとう」という言葉を「わざわざありがとう」と言い換えると相手に失礼にはあたらないのでしょうか。また、その場面がビジネスだったり、普段敬語を使って話す目上の人に対して「わざわざありがとうございます」というのは嫌味にならないのでしょうか。そこで「わざわざありがとう」という言葉の言い換え方や、返事の仕方についてまとめてみました。
「ありがとう」に「わざわざ」をつける意味とは?
感謝の気持ちを強調する
ストレートに「ありがとう」と言うよりも「わざわざありがとう」という言葉を選ぶことで、さらに感謝の気持ちを相手に伝えたり、相手もより感謝されたという印象を持つことができますね。
相手に失礼になることがある
こちらは感謝の気持ちを持って「わざわざありがとう」と言っても、相手は失礼と感じる場合もあります。たとえば、ビジネスの場面で「お足元の悪い中お越しいただき、わざわざありがとうございます」と言うと、「わざわざ」という言葉に相手が違和感を感じることがあります。「わざわざ」という言葉を使う場合は、相手の気持ちをよく考えてから嫌味にならないように注意深く使うように気を付けましょう。
『わざわざ』の意味とは?
『わざわざ』の意味とは
「わざわざ」という言葉の意味は、「①何かのついでではなく,労力を惜しまないで特にそのためだけにするさま。特別に。②「 わざと① 」に同じ。故意に。」(Weblio辞書)です。「ありがとう」という感謝の気持ちを表す言葉に「わざわざ」をあえて付けることで、自分のために労力をかけて行ってくれたことに対してさらに感謝の気持ちを伝えることができます。たとえば、遠方に住んでいる方が自分のために会いに来てくれたという場合は、遠いところからわざわざ来てくれたというその人の労力や時間をかけた気持ちにも感謝しています。
①何かのついでではなく,労力を惜しまないで特にそのためだけにするさま。特別に。 「 -見舞いにくる」
②「 わざと① 」に同じ。故意に。 「 -人の仕事をじゃましにくる」
『わざわざ』の語源とは
「わざわざ」という言葉は漢字で「態態」と書きますが一般的にはあまり漢字を使うことはありません。「わざわざ」の語源は、「態態し(わざわざし)」と言われています。意識的に何かをすることを「態」と表し、その意味はわざとらしい、殊更らしいという否定的なものになります。そのため、相手にとっては「特別にしてくれた」という意味と「しなくてもいいことをされた」と両方の意味に取ることができてしまいます。
『わざわざ』は敬語ではないが目上の人に使える
「わざわざ」という言葉は敬語ではありませんが、目上の人に対して使うことができます。たとえば、「わざわざご来訪いただきありがとうございます」といったように、一つの文章の中で敬語と共に使うことが可能です。また、相手のために特別にそうしましたという意味を込めることもできるので、感謝を伝えたい時に使うことができます。
『わざわざ』の敬語への言い換えは?
「わざわざ」という言葉は目上の人に対して使っても問題ありませんが、「わざわざ」という言葉は、二つの意味を持つため、どちらの意味を込めて使うのかをはっきりさせましょう。相手が特別にしてくれたことに対して感謝の気持ちを込めて「わざわざありがとう」と丁寧に伝えることで目上の人に対して使っても嫌味にはなりません。一方で、「わざわざ」という言葉に続けて遠慮する言葉をつなげると、「~していただかなくても結構です」となり相手に失礼になってしまうので注意しましょう。
「わざわざありがとうございます」は敬語として使える?
「わざわざありがとうございます」という言葉は敬語ではありませんが、目上の人に使うことができます。ただし、注意することがあります。それは、相手が何かをしてくれたことに感謝する時に使うということと、「わざわざ」という言葉の前後に注意することで相手に対して敬意を表すことができます。
「わざわざありがとうございます」の使い方と例文
「わざわざ」という言葉が持つ「特別に」という意味を強調するための例文は「本日はお足元の悪い中、わざわざお越しいただきありがとうございました」になります。また、「メールで案内を頂いていたにも関わらず、わざわざお電話まで頂き大変感謝しております」といった使い方をすると、相手も素直に感謝してもらったことを喜べますね。
「わざわざありがとうございます」と言うときの注意点とコツ
失礼にあたるかどうかは相手の受け取り方次第
自分としては、相手が自分のためにしてくれたことも理解した上で、感謝の気持ちを伝えたかったとしても、相手がその通り受け取ってくれるかどうかはわかりません。「わざわざ」という言葉を使うことで嫌味な人と思われる可能性もあります。
「わざわざ」と「ありがとうございます」の間に説明を入れる
相手が自分に対して「嫌味」という印象を持たないためにも、「わざわざ」と「ありがとうございます」の言葉の間に状況を説明するような言葉を入れてみましょう。たとえば、「先日はわざわざお手配を頂き(ご足労を頂き)、ありがとうございます」と言い換えると、感謝をしているのは相手のどのような行動、状況に対してなのかといった説明をすることができて、相手が誤解しないように注意して話すことができます。
「わざわざありがとうございます」の前にへりくだる文を入れる
嫌味という印象を与えないために、「わざわざありがとうございます」の前にへりくだる文章を入れましょう。たとえば、「先日は、このようなところまでお越しいただき、わざわざありがとうございました」と言うと「このような」というへりくだった表現により、相手が自分に対して失礼な人と感じる可能性はとても低くなります。
「わざわざありがとうございます」のビジネスシーンでの言い換え表現
「ご丁寧にありがとうございます」
「わざわざありがとうございます」を「ご丁寧にありがとうございます」に言い換えましょう。「ご丁寧」という言葉は丁寧の敬語表現になり、相手が細かいところまで気を配ってくれたことに対して使うことができます。「わざわざ」という言葉に比べて敬語を使っているという印象が強いため、相手に失礼にあたるかもしれないと気になった時はこの言い方を使ってみましょう。
「誠にありがとうございます」
「誠にありがとうございます」という言葉も言い換えることができます。「誠に」という言葉の意味は「嘘や偽りがなく、心の底からそう思っていること」です。日常生活では「誠に」という言葉はあまり使いませんが、「わざわざ」という言葉よりも誠意が伝わるため、より一層感謝の気持ちを表現することができます。
「わざわざありがとう」の返事の仕方は?
ビジネス以外で言われた場合
ビジネスシーンではなく、プライベートで友人に「わざわざありがとう」と言われたら、どのように返事をしたらいいのでしょうか。一般的には、「どういたしまして」と返事をします。親しい友人でも、必ず返事をするように心がけましょう。
ビジネスで上司・目上の人から言われた場合
ビジネスシーンで上司・目上の人から「わざわざありがとう」と言われた場合の返事の仕方は素直に嬉しい気持ちを表現しましょう。たとえば、「こちらこそありがとうございます」「ご配慮ありがとうございます」などとこちらからも感謝の気持ちを表したり、「お役に立てて光栄です」となるべくすぐに返事をしましょう。
恋愛で「わざわざありがとう」は脈なしなの?
好きな人から「わざわざありがとう」と言われた場合
好きな人から「わざわざありがとう」と言われたら嬉しいですよね。でも、その一言で相手が脈ありか脈なしかを判断することはできません。特別な気持ちがなくても、相手がしてくれた行動や自分のために手間を取らせてしまったことに対して感謝の気持ちをより伝えたい時は「わざわざありがとう」と言うこともあるので注意が必要です。
この言葉で相手の気持ちを推し量ることはできないため、相手との距離感や態度をよく観察して、本当に喜んでいるのか、お節介と感じていないのかを見極めましょう。
初デートで「わざわざありがとう」と言われた場合
初デートで「わざわざありがとう」と言われた場合は、どの行動、状況に対しての「ありがとう」なのかをきちんと見極めましょう。たとえば、自分のリクエストに応えてわざわざチケットを手配したり、デートプランを考えてくれたことに対しての「ありがとう」であれば、純粋に感謝の気持ちを表していると言えます。そのため、この言葉だけで相手の気持ちが脈ありか脈なしかを判断することはできませんが、デートのお誘いを断らなかったという点からは完全な脈なしとは言い切れません。
「わざわざありがとうございます」は気をつけて使おう!
「わざわざありがとうございます」という言葉は気軽に使ってしまいがちな言葉です。ところが、使う相手や前後の言葉の組み合わせによって、相手に嫌味だなと受け取られてしまうこともあります。ビジネスシーンやプライベートなど、「わざわざありがとう」という言葉だけではなく、他の言葉で言い換えるなどして好印象を与えられるように心がけたいですね。