『言葉足らず』の意味&ビジネスやメールでの使い方は?克服する方法も!
「言葉足らず」という言葉を、意味を理解した上で正しく使えていますか?会話でもメールでも、ビジネスの場において使う事が多いのがこの言葉です。「言葉足らず」の意味や、「言葉足らず」な人の特徴、克服方法などについて紹介していく記事です。
目次
言葉足らずってどんな意味?克服方法はあるの?
ビジネスシーンで謝罪をする時、される時に「言葉足らずで……」と使う事は多いと思います。しかし、言葉足らずという言葉の意味をしっかり理解していますか?ビジネスシーンにおいて間違った言葉遣いというのは自分の評価を下げる事に繋がってしまいます。
この記事では、言葉足らずの意味や使い方について紹介していきます。また、言葉足らずを自覚している人の中には、克服したいと思う人もいる事でしょう。言葉足らずは努力次第で克服する事ができますので、その克服方法についても紹介していきます。
『言葉足らず』の意味とは?
まずは言葉足らずの意味について説明します。言葉足らずとは、説明が不十分であったり、説明が下手という事を意味します。また、語彙力(ごいりょく)が足りない場合や相手が求めている情報を出せない場合なども、言葉足らずという言葉が当てはまります。言葉足らずの意味を知って、「当てはまるな」と自覚した人も少なくないのではないでしょうか。
【言葉足らずの使い方①】ビジネスシーンでの使い方4選!
ビジネスシーンにおいて使う事の多い言葉足らずという言葉ですが、具体的にはどのような状況で使うのでしょうか。意味については上記で紹介したとおりとなりますが、実際に具体例を交えて確認していきましょう。
誤解させてしまった時
ちょっとした伝達ミスから、相手に誤解を与えてしまう事もあるでしょう。相手に誤解を与えてしまったのですから、謝罪をするのがビジネスシーンにおいては筋となります。その謝罪の際に言葉足らずという言葉を使う事ができます。
意図を伝えられなかった時
相手に物事の意図をしっかりと伝えられなかった時、思わぬすれ違いが生じてしまう事もあります。すれ違ったまま物事が進んでしまうと、後に大きなミスへと繋がってしまう事もあり、謝罪を求められる場面があるかもしれません。まさに言葉足らずなそんな場面では、言葉足らずという言葉を使うのが適しています。
説明不足だった時
説明が至らないために相手に十分に理解をしてもらえなかった時には、言葉足らずを使う事ができます。このようなシーンでは、言葉足らずな事を謝罪した上で、改めて相手に理解してもらえるように説明をする事が求められます。
苦情やクレームが来た時
悪質なクレーマーでない場合を除き、苦情やクレームというのは、相手が商品の特徴や注意点を十分に理解していないために起こります。つまり、こちら側からの説明が不十分なために起こったと考えられます。もしかしたら自分に非はないのかもしれませんが、ビジネスシーンにおいてはそんな事は関係なく、会社に属する者として謝罪する事が求められます。
【言葉足らずの使い方②】メールで使えるテンプレートを紹介!
メールというのは相手の都合に関係なく用件を伝えられるために、ビジネスにおいて非常に便利なツールです。しかしメールは一方的になる場合もあり、対話よりも説明が不十分になりがちです。時にはメールで謝罪する事もありますが、その時に言葉足らずという言葉を添える事で、メールに誠意を持たせる事ができます。
文章を考えるのが苦手な人のために、メールでそのまま使えるテンプレートを用意しました。なお、どんな状況であったとしても言い訳をメールに盛り込むのは絶対にNGなので注意しましょう。
テンプレート①誤解させてしまった時
・私の言葉足らずが原因で誤解をさせてしまいました。申し訳ありませんでした。
・誤解の原因は私の言葉足らずに他なりません。お詫び申し上げます。
テンプレート②意図を伝えられなかった時
・私の言葉足らずで、意図を十分にお伝えできませんでしたこと、お詫び申し上げます。
・先日のメールにつきまして、言葉足らずとなってしまいました。本メールにおいて再度ご説明させていただきます。
テンプレート③説明不足だった時
・今回の説明不足は、私の言葉足らずが招いた結果です。申し訳ありませんでした。
・先日のメールでは、言葉足らずで説明が不十分となってしまいました。補足説明を本メールでさせていただきます。
テンプレート④苦情やクレームが来た時
・今後は言葉足らずにならぬよう、誠意をもって務めて参ります。何卒ご容赦下さい。
・私の言葉足らずで○○様に多大なるご迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありません。
【言葉足らずの使い方③】敬語はあるの?
ビジネスシーンでは正しい敬語を使う事が求められますが、言葉足らずに敬語という概念はあるのでしょうか?言葉足らずという言葉と敬語の関係について説明します。
言葉足らずに敬語はない
先に結論から述べますと、言葉足らずに敬語はありません。しかし、言葉足らずという言葉そのものが敬語に感じる人もいると思います。正しい敬語表現をするのであれば、「言葉足らずである事について、お詫び申し上げます」や「言葉足らずで失礼いたしました」などと謝罪の気持ちなどを入れるようにしましょう。
そもそも言葉足らずとは自分の非を示す言葉なので、尊敬の念を持たせる必要もなければへりくだる必要もありません。そのような理由から、言葉足らずに敬語は存在しないのです。
相手の言葉足らずを指摘する時の言い方は?
相手の言葉足らずを指摘する時に「言葉足らずですよ」と指摘するのはナンセンスです。会社の同僚ならまだしも、上司やビジネスの相手ならば気に障る場合もあるかもしれません。「もう少し詳しく教えていただけませんか?」や「おっしゃる意味がわかりかねます」などと言い換えるのがベターです。
言葉足らずを克服すべき理由3選!
言葉足らずなままでいると、いずれ損をしてしまう可能性が高いです。それはビジネスシーンでも当てはまりますが、友達や恋人などの大切な人が、自分の言葉足らずのせいで損してしまう事もあるかもしれません。なぜ言葉足らずを克服したほうが良いのでしょうか?その理由について説明します。
誤解されてしまうから
言葉足らずなままでいると、誤解をされるのが当たり前となってしまいます。時には重大な誤解を生んでしまう事もあるため、最終的には誰からも信頼されない人間となってしまいます。または、「あの人適当な事しか言わないから相手にしないほうがいいよ」と思われてしまうかもしれません。たかが言葉足らずかもしれませんが、人が離れていく理由としては十分なので、克服するべき事項です。
不快にさせてしまうから
会話というのは、お互いの意思の疎通があってこそ成り立ちます。言葉足らずな人は相手に自分の意思を伝える事が苦手であり、相手からすれば「言ってる意味がわからない」という状況になりかねません。こうなってしまうと、話していて疲れる人と認定されてしまい、次第に不快感も生まれてしまいます。このような理由から、言葉足らずを克服する事をおすすめします。
伝達ミスが生じてしまうから
伝達ミスというのは、言葉足らずが生み出す最も深刻な事態かもしれません。言葉足らずな人は、自分が伝えたつもりになっている事が多く、これが伝達ミスが発生する理由です。言葉足らずな人の見解は、「ちゃんと伝えたのに」「言った事が何でできないんだ」となりますが、言葉足らずなために要点をしっかり伝えられていません。ミスをした時に伝えたつもりというのは免罪符にならず、責任は伝えた自分が取らなければなりません。
言葉足らずな人の特徴や理由5選!
言葉足らずな人とは、いつ関係を持つかわかりません。意外かもしれませんが、言葉足らずな人はそれほどに多く存在しているのです。言葉足らずな人の特徴とその理由について紹介していきますので、周りにそういう人はいないか、もしくは自分に当てはまる事項があるかを確認してみましょう。
相手のことを見ていないから
言葉足らずな人は、相手の事を見ていない事が特徴として挙げられます。誰かに何かを説明するにしても、「この説明ならわかるでしょ」や「自分は完璧だ」と思っている事が多いため、相手が理解しているかどうかを気にしていない場合が多いです。そのため、他人から言葉足らずだと言われても理由がわからないし、克服しようともしません。自己中心的な人間とも言えるでしょう。
自分基準で考えているから
上記で紹介したとおり、言葉足らずな人の世界は自分を中心に回っています。自分がわかる説明ならば他の人もわかると思っているため、相手の立場で物事を考える事ができません。自分自身は頭に思い描いている事を話すために完璧に理解していますが、相手はまっさらの状態から話を聞いています。この点に気付けないために、自分基準でしか物事を進める事ができません。想像力が欠如していると言っても良いでしょう。
語彙が少ないから
語彙とは、言葉のレパートリーを意味します。語彙が少ない事が理由で、上手に説明できない場合が多いのも特徴のひとつです。考えている事を相手に伝えたいのに、上手に説明する方法がわからないのです。そこで勉強をすれば語彙の少なさは克服できるのですが、諦めてしまうと言葉足らずな人となってしまいます。語彙が足りないのは文章を読む機会が少ないためであったり、人とコミュニケーションが取れていないのが理由です。
緊張してしまうから
言葉足らずになってしまう理由として、緊張してしまう事も挙げられます。メールなどの文章ではしっかりと用件を伝えられるのに、対面だと緊張して言葉が出てこない人もいます。話す相手がビジネスの重要な相手であったり、過去にひどく叱られた事のある上司の場合は、その特徴が顕著に表れやすい傾向があります。
言葉の選び方や表現が苦手だから
言葉の選び方がイマイチであったり、的確な表現が苦手なのも、言葉足らずの理由です。相手に対して「こういう表現をしたらわかりやすいかな」や「伝わってなさそうだから表現を変えてみよう」と考える事が苦手であり、上記で紹介したように自分基準の説明をしてしまいがちです。伝える事の意味を履き違えている場合が多く、表現に対して機転も利かないため、頭の堅いタイプと言い換える事もできます。
言葉足らずの失敗体験談5選!そんなつもりじゃなかったのに……
言葉足らずを克服すべき理由や言葉足らずの人の特徴について紹介しましたが、ここからは言葉足らずであるが故に失敗してしまった体験談について紹介します。言葉足らずを克服せずにいると、もしかしたらこういう体験をしてしまうかもしれません。
要望が別れ話と勘違いされる
彼女とケンカをしてしまった時に、直してほしい所やこうして欲しいという要望を伝えました。ただ要望を伝えていただけなのに、彼女は別れ話をされていると勘違いをし、「そんなに嫌なら別れよう」と別れを切り出されてしまいました。
誤解である事を説明して大事には至りませんでしたが、自分の言葉足らずが原因で彼女に不快な思いをさせてしまった事があります。(20代男性)
同僚の女性をおばあちゃん呼ばわり
職場の休憩室で饅頭を食べている同僚の女性がいました。その饅頭が、昨日祖母が食べていた饅頭と同じものである事に気付き、「あ、それ、おばあちゃんの饅頭です」と頭に浮かんだ事をそのまま口に出しました。
すると、同僚女性が怒った顔をして、「私がババアだって?」と睨みつけてきました。「うちのおばあちゃんも同じもの食べてました」という意味で言ったのに、色々と端折ってしまった事が理由となり生んだトラブルでした。(30代女性)
小馬鹿にした態度と勘違いされる
以前友達に「これってどういう方法でやればいいの?」と、ある物事について聞かれた事がありましたが、私自身はその方法について参考になるものを全然読んでいなかったために、答える事ができませんでした。
「全然読んでない」と言った瞬間に、相手に対して「全然読んでないんじゃないの?」と小馬鹿にしたような伝わり方になってしまいました。その後に相手から冷たくあたられるようになってしまい、非常につらかったです。(10代女性)
企業説明会に無断欠席
就職活動中の出来事です。企業説明会に何社も応募していたために、時間が重なってしまう事もしばしばありました。ある日、企業説明会の確認の電話が鳴り、「日程は○月○日でよろしいですか?」と聞かれたので、「結構です」とお断りしました。
そして数日後に、学校経由でお断りしたはずの企業から、なぜ説明会に来ないのかと連絡が。私の言葉足らずが原因ですが、企業側が「結構です」を「OKです」の意味で捉えてしまったために、企業にも学校にも迷惑を掛けてしまいました。(20代男性)
遊びの関係だと思ったのに……
ナンパした女性と遊びのつもりで付き合っていましたが、相手が本気になっている事がわかった時は非常に焦りました。相手のノリも軽かったので、言葉に出さなくても雰囲気でわかってくれると思っていましたが、それは勘違いだったようです。
関係を終わらせようと別れ話を出しても、別れたくないの一点張りで本当に気が滅入ったと共に、言いづらい事も言葉にしなければいけないなと思いました。(30代男性)
言葉足らずを克服する方法4選!説明上手になるためには?
上記で紹介した、言葉足らずを克服すべき理由や体験談を読んでみて、どのように感じたでしょうか。言葉足らずであるが故に損をしてしまうと感じたのならば、克服するために動き出す事をおすすめします。言葉足らずを克服して、説明上手になる方法について紹介します。
相手とのコミュニケーションを大切にする
言葉足らずの克服方法は、コミュニケーションを大切にする事です。コミュニケーションとは一方的に用件を伝える事ではなく、相手にしっかりと理解してもらう事です。言葉足らずの人は、質問と回答が合っていない場合がありますが、これではコミュニケーションができているとは言えません。相手が何を求めているのかを理解できるようになれば、言葉足らずを克服する事に繋がります。
「察してくれる」「自分ならわかる」と考えないようにする
「これだけ説明すれば十分だろう」という考えを持たない事が、言葉足らずを克服する方法へと繋がります。相手の事を自分のものさしで測った所で、正確に測る事はできません。その人にはその人の理解のプロセスがありますので、その人に合わせた説明の方法を心がけるようにしましょう。
事前にイメージトレーニングをする
会話を始める前に、伝えたい要点はどこなのか、それに対して相手はどういう反応をするのか、それにどういう方法で対応するかなど、できる限りの事をイメージトレーニングをしましょう。ぶっつけ本番で会話に臨むと焦りが出たり、相手に主導権を握られたりしてしまいます。事前の準備が大切です。
誰が聞いても理解できる話し方を心がける
誰が聞いても理解できる話し方を身につけるのが、言葉足らずを克服する方法となります。相手が大切なビジネスの相手であっても小学生であっても理解できるような話し方をイメージしましょう。これが身につけば、言葉足らずを克服するだけでなく、話し上手というイメージを持たれるようになります。
言葉足らずな『文章』の特徴と直す方法は?
言葉足らずな「言葉」について紹介しましたが、「文章」においても言葉足らずは存在します。ビジネスシーンでは、メールであったりプレゼン資料であったり、文章を書く機会は相当多いはずです。言葉足らずな文章を書かないためにも、その特徴と直す方法について確認していきましょう。
言葉足らずな文章の特徴
まずは、言葉足らずな文章の例を紹介します。
①私は、海外に転勤になる前に、友達と一緒に旅行に行きました。
②今日は良い天気ですが、傘を持っていきます。
①の文章についてですが、転勤をするのは「私」と捉える人も多いでしょう。しかし、実際に転勤するのは「友達」として、この文章を書きました。
②の文章は、文の構成としてはおかしい所はありません。しかし、「晴れているのに何で傘を持っていくの?」と思う人がほとんどだと思います。
この2つの文章に共通するのは、自分本位で物事を語っているために必要な事項が抜けていたり、勘違いされてしまう事がある点です。言葉足らずな「言葉」でも同じような事を紹介しましたが、それは文章であっても同じ事が言えます。
言葉足らずな文章を直す方法
言葉足らずな文章を誰にでもわかるような文章に書き換えると、以下のようになります。
①私は、友達が海外に転勤になる前に、一緒に旅行に行きました。
②今日は良い天気ですが、雨の予報が出ていたので傘を持っていきます。
①に関しては、文章を並び替えただけです。しかし並び替えるだけでも、「海外に転勤になるのは友達だな」と一目でわかる事でしょう。
②は、良い天気なのに傘を持っていく理由を付け加えました。これで良い天気なのに傘を持っていくのも、納得できると思います。
本人にとっては正しく伝えたつもりの文章でも、予備知識のない読む側からとっては、勘違いや誤解を招いてしまいます。このような事態を防ぐには、読み手側の気持ちになる事が大切です。文章を完成させておしまいではなく、正しく伝えられるかまで確認をしましょう。
【番外編】言葉足らずの類義語や英語表現を紹介!
言葉足らずという言葉には、類義語が存在します。類義語を使うメリットとしては、より詳細なニュアンスを表現できたり、ひとつの文章に何度も同じ言葉を使わなくて済む事などが挙げられます。
また、言葉足らずを英語で表現するとどのようになるのでしょうか。ビジネスシーンにおいて英語圏の人とやり取りする事の多い時代なので、普段の会話でもメールでも、英語表現を覚えておいて損はありません。類義語と英語表現について紹介します。
言葉足らずの類義語
言葉足らずには、言葉で表現する事が苦手という意味と、説明が不十分という意味があります。言葉の表現に関する類義語は、口下手や訥弁(とつべん)が挙げられます。説明が不十分に関する類義語は、説明不足となります。
口下手や訥弁は、話す事自体が苦手な様子を表します。説明不足は、その名のとおり説明が足りていない様子です。状況に応じて、言葉足らずと使い分けるようにしましょう。
言葉足らずの英語表現
言葉足らずという単語は英語には存在していません。そのため、上記で説明したような「説明不足」を英文で表す事が、言葉足らずの英語表現となります。英語表現は以下のとおりです。
"I should have explained to you more clearly."(もっと事細かに説明すべきでした)
"I didn't explain it enough."(説明不十分でした)
上記のような英文に、"I'm sorry"を付ける事で、「言葉足らずで申し訳ありません」というニュアンスの英文となります。
『言葉足らず』の意味を知ってビジネスシーンで活用しよう!
「言葉足らず」の意味をしっかりと理解していただけたでしょうか?自分の表現が至らずに誤解を生んでしまう時は、ビジネスにおいて必ず直面します。その時はスマートに言葉足らずである事を謝罪し、言葉足らずを克服するためにどうすれば良いのかを考えましょう。
また、言葉足らずで悩んでいる人は、相手の立場に立つ事を忘れずに、どうすれば上手く伝えられるかを研究する事で、言葉足らずは克服されていきます。