緊張しやすい人の原因と対処法!緊張のメカニズムと和らげるコツは?
「緊張しやすい人!」と問いかければ、多くの方が手を挙げるのではないでしょうか。なぜご自身が緊張しやすいのか分析したことはありますか?今回は緊張のメカニズムや、緊張しやすい人とそうではない人の特徴などをご紹介します。緊張を和らげる方法も取り入れてみてください。
目次
緊張しやすい人とそうでない人の違いが知りたい!
「緊張していつも通り話せなかった」「司会をするなんて緊張で頭が真っ白になりそう!」「緊張が表情に出てしまう」という経験はありませんか?
自分が「緊張しやすい」「あがりやすい」と思っている人にとっては、日常の些細な場面でも「緊張」に苦しめられますよね。でも、周りを見渡すとどんな場面でも堂々と緊張を感じさせずにこなしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
同じようなシチュエーションでも緊張しやすい人とそうでない人が存在します。その違いは何なのかを、緊張のメカニズムの面からご紹介します。
※「緊張」が病気の症状として思い当たる場合は、必ず専門医を受診してください。
緊張のメカニズム
緊張しやすい人はそういう性格なだけ!と捉えられがちですが、厳密に言えば緊張にはある物質が関係しています。それは、興奮や覚醒に関係しているノルアドレナリンです。
簡単に分析すると「緊張→ノルアドレナリン値上昇→自律神経と交感神経を活性化→心拍数や血圧などが上昇→発汗や動悸など」ということです。
緊張というストレスを感じると、ノルアドレナリン値が上昇し、交感神経を刺激します。それによって、ドキドキが強まってしまうのですね。
ノルアドレナリンのメリット
緊張という状態の中では、ノルアドレナリンが悪者のように感じてしまうかもしれません。しかしノルアドレナリンは、集中力や意欲を高めるのに期待されている物質です。上昇しすぎると弊害は生じますが、なくなってしまっては困る物質ですね。ほどほどのバランスが重要なようです。
緊張しやすい人が緊張する原因4つ!
「自分は緊張しやすいな」「緊張で表情がなくなってしまう」などと思っている方なら、一度は「なぜ緊張するのか?」と自分で分析した経験をお持ちではないでしょうか。
今回は、緊張する代表的な原因を4つご紹介します。自分の分析では見過ごしていた原因が、見つかるかもしれません!緊張しやすい家族や友人をお持ちの方も、ぜひご参考にしてくださいね。
1:自分に自信がある
自分に自信があるなら、緊張なんてしないでしょ?!と思われがちですが、自分に自信があるということは、別の側面から見れば「失敗やミスが許されない」ともとれます。
つまり緊張しやすい人は、自分の自信が崩れるかもしれない要因がある、「緊張を伴う場面」がとても苦手ということです。「失敗した自分」「ミスのある自分」を許容できないのが原因ですね。
一度や二度の失敗やミスで崩れる自信は、最初から自信じゃない!ぐらいの大きな気持ちになってみると、少し緊張が和らぐかもしれませんね。
2:自分をよく見せたい
完全プライベートな発言や行動、格好、心の内を、大勢の人に見せることができる人はどのくらいいるでしょうか?おそらく大半の方が、無意識にもある程度「自分らしいイメージ」を作り、人間関係を構築していると思います。
その中でも、緊張しやすい人というのは「自分のイメージを守りたい」「自分をよく見せたい」という気持ちが強くなってしまうようです。
あなたがつくりあげてきたイメージが、すぐに崩壊することはまれです。そして、必要以上に「よく見せる」ことが必ずしも利点とは言えませんよね。緊張しやすい方は、もしかしたら一歩踏み出すことで、「素敵なギャップ」を相手に与えるかも!ぐらいの気持ちを持ちたいですね。
3:せっかち
何でも早くしなきゃと思うタイプの方も、緊張する原因をつくってしまいます。早く終わらせるためには失敗やミスはNGなので、そこで自分に対して強いプレッシャーをかけてしまいます。ついつい考えだけが先走り、あたふたと行動してしまったり、どうすればいいかパニックになってしまう方も注意が必要です。
緊張しやすいと自分を分析しているならば、焦らず1つ1つ確実にゆっくり対応することを心がけたいですね。
4:自分の力を理解していない
例えば「ひらがなの本読んで!」と言われたら「いいよ」と答えますよね。一度も目にしたことのない言語で書かれている本を「読んで!」と言われたら、おそらく「これは読めない」と答えますよね。では「中学校レベルの英語の本を読んで!」と言われたらどうしますか?「読めるかも、いいやもう忘れてるかも」と、迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
緊張しやすい人が緊張してしまう原因は、このように「できる、できない」の線引きが曖昧になっていることが多いのです。引き受けたものの実際は自分の力では無理だった、でも今さら引き下がれないというように、こなすだけでも精一杯なのにミスや失敗ができない状態をつくりあげてしまいます。そのために緊張に拍車がかかってしまうのです。
自分の力を低く見積もることはありませんが、過信しすぎるのも危険です。冷静に自分の能力を分析していきたいですね。
緊張しやすい人の特徴7選!
では、どのようなタイプの方が緊張しやすいのでしょうか?緊張しやすい人の特徴を7つご紹介します。
自分が緊張しやすい場合だけではなく、同僚や部下、友達など身近な人に緊張しやすい特徴がないかチェックしてみてくださいね。緊張しやすいことを表に出せず困っている方のサポートに役立つかもしれません。
1:自分自身へのプレッシャーが強い
プレッシャーは上手に操ることができれば、吉と出ることもあるのですが、緊張しやすい人はプレッシャーを強く自分にかけてしまう特徴があります。
「しっかりとしなければ!」「うまくやるぞ!」と、肩に力を入れすぎてしまいます。
2:失敗した過去がトラウマになっている
同じようなシチュエーションで失敗した過去を持っている場合も、緊張しやすい人の特徴です。筆者の周りでよく耳にするのは、学生時代のクラス発表での失敗を思い出して、今でも人の前で緊張してしまうという話です。
現在、失敗する要因がなくても、過去の失敗を消化しきれず緊張してしまう状態です。
3:完璧主義
完璧主義も、緊張しやすい人の特徴です。「完璧」をポリシーとしているので、全てにおいて「完璧」でなければなりません。少しのミスや失敗も許せないので、それが緊張しやすい状況をつくりあげてしまいます。
特に自分だけで進められないことに関しては、もっと緊張を強めてしまいます。
4:相手を過大評価している
緊張しやすい人の特徴には、部下と話すときは平気でも、上司と話すときに緊張しやすい方も含まれます。自分より相手がはるかに偉いと考えていることで、緊張がおこります。年齢や役職などにとらわれて相手を過大評価してしまうパターンです。
同じ行動をしたり話しているだけなのに、相手がかわると緊張しやすくなるのがこのタイプです。
5:単なる準備不足
準備が不十分だったり、リスク管理が甘いことも、緊張しやすい人の特徴です。何かあった時に対応できず、あたふたしてしまうパターンですね。
自分がしっかりと準備しなかったことが原因なのに、準備不足から自信を喪失したり緊張を高めすぎるのが特徴です。
6:ネガティブに捉えるクセがある
前向きな行動や前向きに考えることができにくいネガティブな人も、緊張しやすい特徴を持っています。自分はきっとダメだと考えてしまう傾向があります。
「どうせ失敗する」「絶対無理だ」と、自ら緊張する方向に持って行ってしまいます。
7:頭で整理できなくなる
あれもこれもそれも!と気持ちが先走りがちな人も、緊張しやすい特徴を持っています。先々と思いがあふれてしまい、頭がついていかなくなってしまうパターンです。
一気にこなそうと行動してしまい、頭がパニックになってしまい物事の整理がおいつかなくなります。
緊張しない人の特徴4選!
緊張しやすい人から見ると、緊張しない人は憧れの存在ではないでしょうか。緊張しない人の特徴を分析して、取り入れられそうなものは取り入れていきたいですね。
緊張しない人の主な特徴を4つご紹介します。
1:失敗してもさほど気にしない
「うまくいかなくても仕方ない!」「ミスをしても大きな問題ではない!」と考えられるのは、緊張しない人の特徴です。
失敗してしまうことよりも、失敗した後の改善策に重点をおくタイプが多いので、万が一失敗してしまっても上手にリカバリできます。
2:他人からの評価より自分自身の評価
あなたは誰からの評価が一番気になりますか?「他の人からどう思われるか」という他人からの評価よりも、自分がやるべきことに目を向けられる人も、緊張しないタイプです。
全ての人から高い評価を受けることは至難の業です。緊張しないタイプの方は、自分の中での目標や目的が明確なので、自分の評価基準をクリアすることに集中できます。自分の言動を、自分で評価できるタイプの方です。
3:自分を客観的に分析できる
主観と客観の切り替えが上手なのも、緊張しない人の特徴です。例えば発表者が読み間違いをし、それを訂正したからと言って、それでその人の評価が一気に落ちることはありませんよね。
自分がしてしまったちょっとしたミスに愕然とする方もいらっしゃいますが、緊張しない人は「ちょっとのミスは問題ない」というように、自分を客観的に見ることができます。
4:表情や態度をコントロールしている
あなたは気持ちを表情や態度に出してしまうタイプですか?これまでの特徴とは少し違いますが、緊張していること、緊張しやすいことが表情や態度、行動にでないようにコントロールしている方もいらっしゃいます。
自分の表情や態度をコントロールして、緊張していることを悟られないようにするためには、事前準備の徹底を心がけることがおすすめです。特に目の表情にも心が表れやすくなるので、顔全体の表情を意識することが大切です。
緊張しやすい人の改善方法を6つ紹介!
これまで、緊張しやすい人の原因や特徴、緊張しない人の特徴などを分析してきました。では、緊張しやすい人が改善していくためには、どんな方法があるのでしょうか?日常的にそれらの方法を取り入れて、なるべく緊張しない状態をつくりたいですよね。
今回は、緊張しやすい人に向けた改善方法を6つご紹介します。実践しやすいものもありますので、ぜひ日々の行動に取り入れてみてくださいね。
1:普段からポジティブな言葉を使う
緊張しやすい人の特徴でもお伝えしましたが、ネガティブ思考は緊張を高めてしまいます。「どうせ私は」「私なんて」というような思考とはさようならをして、普段からポジティブな言葉や行動を心がけてみましょう。
具体的な改善方法としては、「できる!」「大丈夫!」「平気!」というように、否定的ではない言葉を発するようにしていきましょう。言霊という言葉があるように、自分が言っているポジティブな言葉に引っ張ってもらえることもあるものです。
2:無意識に行動できるレベルまで準備する
楽器を演奏する方、スポーツをする方にとっては、身近な改善方法でしょうか?無意識でも身体が動いてしまう状態まで、準備や練習を重ねる方法です。
具体的な改善方法としては、緊張のもととなる不安や準備不足を明確にして、そのポイントを何度もフォローしていくようにしましょう。邪念はいれず、とにかく身体に教え込む方法です。
3:人と接する機会を増やす
緊張しやすい人は、発表の時など自分以外が全て敵に見えてしまう瞬間がありませんか?知らない人だらけの20人の前で話すのと、友達や家族など仲の良い状態の人20人の前で話すのでは、緊張の仕方も違いますよね。
なるべく多くの人と接して、顔見知りや仲間を増やすことで発表の場面でなど、いざという時の緊張が和らぐこともあります。人と接する機会を少しずつ増やしていくことも、改善方法としておすすめです。
4:緊張する出来事を客観的に分析する
客観的視点での分析は、多くのことに有効で自信を得る手段としてもおすすめです。緊張する出来事や場面、または緊張しやすい自分を客観的に分析することで、事前に対処することができます。
緊張しやすい状態をつくっている不安になる要素や、心配な展開を冷静に分析して、安心する方向に持っていくことを、改善方法の1つとして試してみましょう。
5:最悪の状況を想定しておく
漠然とした最悪の状況を想像して緊張が増すのも、緊張しやすい人にありがちな心理です。その「最悪な状況」とはどういった状況なのか、まずは分析してみましょう。
漠然としたものを明確にすることで、解決策や対処法に目を向けることができます。特にミスを恐れる完璧主義な人は、この改善方法を取り入れてみてくださいね。
6:早くしようと考えない
「人の前で話すときは、いつもよりゆっくりを心がける」という言葉を聞いたことはありませんか?緊張しやすい人は、その場を早く終わらせたいという焦る気持ちも加わり、早口になってしまいがちです。言葉や行動が早くなってしまうと、焦りやパニックから失敗を招き、ますます緊張する状態になってしまいます。
具体的な改善方法としては、緊張している時こそゆっくりめな言葉そして落ち着いた行動を心がけることです。ゆっくり進めていくことで失敗も少なくなり、次への自信が少しずつ培われていきます。
緊張を和らげる方法を2つ紹介!
緊張を改善する方法や行動を試したものの、なかなか緊張しやすい自分に変化が見られないという方は、緊張を和らげる方法もお試しください!
2つの緊張を和らげる方法をご紹介します。2つとも気軽にできるものなので、緊張しやすい場面に遭遇したらぜひ思い出してくださいね。
1:大きく深呼吸
緊張しやすい人は、深呼吸を取り入れてみてください。深呼吸のポイントは、腹式呼吸にすることです。
腹式呼吸の方法は、息を鼻で吸いお腹をふくらませます。そして息を吐きながらお腹をへこませていきましょう。特に息を吐くことを意識的にすることで、リラックス効果が高まるといわれています。
日常の呼吸(胸式呼吸)は、浅い呼吸になるので、ますます緊張を高めてしまうようです。せっかくの呼吸法が裏目にでてしまわないように、事前にリラックスできる呼吸方法を覚えておきたいですね。
2:とりあえず体を動かす
緊張を和らげるには、体を動かすのも効果的と言われています。緊張しやすい人は、一度試してみることをおすすめします。ストレッチなど本格的な運動ではなくても、背伸びをしたり腰を伸ばすだけでもリラックス効果が得られるようです。
ただし、シチュエーションによっては、大きく体を動かせないこともありますよね。そのような時は、足先だけを動かす方法もおすすめです。こっそり足先で、グーパー運動をしてみてください。
緊張が顔に出やすい方は、顔を動かす(表情をつくってみる)ことも取り入れてみてください。鏡を見られる状況ならば、おもいっきり笑顔にしたり、ゆっくり「あ・い・う・え・お」を言ってみましょう。変顔をしてみてもいいですね。
表情筋がほぐれてきたり、自分の変顔に思わず笑ってしまったり、少しは緊張が和らぐかもしれません。緊張による不安な表情を、意識的になくしてしまいましょう。
緊張しやすい人は身を守る本能が強いのかもしれない!
周りの目が気になってしまったり、他の人からの評価に右往左往してしまったりと、緊張しやすい場面は日常生活に密に関係しています。
緊張しやすいことはデメリットばかりとも思われますが、実は緊張しやすい人こそ身を守る本能にたけているのかもしれません。日常とは違う状況や雰囲気に、身体が自分を守ろうと反応している証ですね。
すぐに切り替えるのは難しいかもしれませんが、「他人からの評価→自分での評価」「ネガティブ→ポジティブ」など、少しずつ緊張しやすい状態を脱していきたいですね。緊張しやすい自分を受け入れながらも、明るい表情で過ごしていきましょう!