公務員試験の自己PRの書き方と例文!好印象を与えるには?
就職試験で必ず求められる自己PRですが、公務員試験の場合はどのようにアピールすると好印象を与えられるのでしょうか?公務員試験の自己PRの具体的な書き方やアピールすべきスキルを、新卒と転職者それぞれにぴったりの例文を交えてご紹介します!
目次
公務員試験の自己PRはどのように書けばいいの?
公務員試験を受けるときは、受験先から履歴書もしくは面接カードの提出を求められます。この中で必ず聞かれることのひとつが自己PRです。ただ自分の長所を並べるだけでは説得力がないので、根拠のある内容を整理して書く必要があります。
自己PRの具体的な書き方を解説!
自己PRの基本となる構成
自己PRの基本的な書き方は次のとおりです。
- 自分の一番の長所・アピールポイント
- 1を裏付ける具体的なエピソード
- 2の経験から得たこと・身につけたこと(1を具体的に)
- このことを公務員の仕事でどのように活かすことができるか
公務員に求められるスキルや人物像
では、自己PRの最初に伝えるべきアピールポイントには何がふさわしいのでしょうか。公務員の仕事をこなしていく上で、特別なスキルは必要ありません。しかし、その分どの社会人にも必要な自分の仕事に責任を持ち、周囲と連携を取りながら最後までやり遂げる能力が重要視されます。公務員試験の自己PRでは、個性や革新力をアピールするよりも責任感のある誠実な人物像を印象付けるといいでしょう。
公務員試験の自己PRの具体的な書き方
自己PRを書くには、まず公務員に求められるスキルが何かを考慮した上で自分が最もアピールしたいポイントを決めます。そしてこれまでの経験の中からそれを裏付けるエピソードを探し、その経験から何を得たのかを書きます。得たものは最初に決めたアピールポイントを具体化したものになるはずです。最後に、このアピールポイントは公務員として働く上でどのように役立つ能力なのかを伝えてまとめます。
公務員試験の自己PRのポイント3選!
公務員に必要なスキルをアピールする
公務員試験の自己PRで最も重要なことは、公務員として働くにあたり必要なスキルがあるとアピールすることです。「責任感があります」と伝えるだけでなく、「~という場面で~という行動をし~という結果を出した(評価を受けた)」という根拠があって初めてスキルがあることが相手に伝わります。
自分の人間性を伝える
公務員試験の自己PRで最も重視されることは、実は細かい記載の仕方よりも全体的な人間性です。自己PRの文面やそれを使った面接において、相手が「この人と一緒に働きたい」と思えるような人間性を伝えることが重要といえます。「仕事ができる自分をアピールしなければ」と躍起になるのは逆効果となりやすいので、エピソードの選び方や言葉の使い方で自分の人間性を伝えましょう。
一番の強みをキャッチフレーズとして伝える
自己PRの基本構成のとおり、まず最初に自分の一番の強みを伝え「自分はこんな人です」と印象付けることが大切です。そこで「私の強みは〇〇なところです」という伝え方ももちろんいいですが、「私は失敗するほど成長する人間です」のようにキャッチフレーズ化して伝えられるとインパクトがあり好印象を与えることができます。
公務員の自己PRのエピソードの書き方5選!
説得力のあるエピソードを書こう
自己PRの中で自分が最も伝えたいアピールポイントを裏付けるエピソードは、説得力があることが必要です。例えば、「私は人当たりがよく丁寧な対応ができるところが強みです。現在まで続けている居酒屋のアルバイトではお客様への丁寧な対応を買われ、同年代のアルバイトが10名以上いる中でリーダーを任されました。」のように具体的な数や客観的な評価が伝わるエピソードになるよう工夫してみましょう。
高校時代のエピソードも活用しよう
公務員試験の自己PRで使うエピソードは直近の経験から探すのが一般的ですが、どうしても使いやすいエピソードが見つからない場合は高校時代の経験から書いてみましょう。「その経験を踏まえて大学時代はこのように過ごした」というように時系列で現在に繋がるように書くと自然な流れの自己PRになります。
志望動機と関連させよう
志望動機が自己PRの内容とかけ離れていると、せっかくの自己PRが宙に浮いたようになり印象が薄くなってしまいます。例えば志望動機が「市民が気持ちよく生活できるよう支えたい」なのであれば、自己PRでは冷静さや客観性よりも周囲をよく見て気を配れる力をアピールした方が一貫性があり好印象を与えられるでしょう。
長所と短所を交えてアピールしよう
自己PRでは自分の長所ばかりではなく、実は短所を書くこともアピールに使えます。なぜなら、自己分析ができているということと、その短所を自分なりに工夫してカバーしているということを伝えられるからです。そのため、短所を書くときは「その短所をどのような工夫で克服している(補っている)か」という内容もセットで伝えるといいでしょう。
矛盾しないように注意しよう
自己PRの中ではもちろん、自己PRと志望動機などの他の内容との間でも、書いていることが矛盾していないかチェックするようにしましょう。自己PRを客観的に読み通し、人物像がぶれていないか、読んでいて違和感がなく一貫性のある内容となっているかを注意します。
公務員の自己PRで注意すべき点4選!
字の丁寧さ・綺麗さを意識しよう
公務員試験の自己PRを手書きする場合は字を丁寧に書くことに気をつけます。どれほど字を書くのが上手くても、雑に書いた字は読み手もわかってしまうものです。一方で、丁寧に時間をかけて書かれた字は下手でも綺麗です。字からも誠意が伝わるようにゆっくり丁寧に書くことを意識しましょう。
地方公務員と国家公務員の違いを意識しよう
同じ公務員でも、地方公務員と国家公務員は勤務先や仕事内容が異なることには注意が必要です。地方公務員は都道府県庁や市役所・町村役場などに勤務し、国家公務員は国の機関に勤務します。そのため、自己PRもそれぞれの勤務先を意識した内容を考える必要があります。地方公務員なら受験先の地域の特性を理解しどのように支えていきたいか、国家公務員なら国はどのようにあるべきかを意識して自己PRを作るといいでしょう。
公務員の仕事と関係のあるアピールをしよう
公務員の仕事では、国民もしくは自治体の住民のために責任ある業務を全うできることが求められます。民間企業で求められる営業力などは、長所ではあっても公務員に求められる能力とまではいえず、自己PRで使うアピールとしては弱いかもしれません。公務員の業務に活きるアピールポイントを伝えるようにしましょう。
添削は何度も行おう
自己PRで書く内容が決まったら何度も添削を繰り返すことも重要です。全体を通して読み直すと改めて矛盾点や文法の誤りを見つけることもあります。また、他の人が読むと自分とは違う視点で改善すべきポイントが見つかることもあるので、友達などに自己PRの添削を頼んでみるのもいいですね。
公務員の自己PRで好印象を与えるアピールポイント5選!
責任感・協調性・真面目さ
公務員試験の自己PRで最も好印象を与えやすいアピールポイントは責任感・協調性・真面目さです。公務員の仕事では自分の仕事に責任を持ち、周囲と連携を取りながら最後までやり遂げる力が求められます。アルバイトで責任ある立場を任された、サークルで仲間たちの関係を取り持ちイベントをやり遂げたなどの客観的な事実を交えた書き方がいいでしょう。
冷静さや客観性
公務員の仕事は国民または自治体の住民のために力を尽くす思いの強さが重要です。しかしその一方で法律に従って仕事をすることになるので、できることとできないことを冷静かつ客観的に判断する力も求められます。そのため、公務員試験の自己PRでは冷静さや客観性も好印象を与えるアピールポイントとなるのです。何かトラブルが起きた際に冷静に判断し解決できたエピソードなどがあると説得力が増しますね。
地道な努力や継続力
継続してコツコツ仕事を続ける力も自己PRで好印象を与えやすいポイントのひとつです。公務員の仕事には目立ちはせずとも手間のかかる業務や忍耐力が必要な業務が多くあります。これらをこなしていくために必要な継続力を伝えることはいいアピールになるでしょう。
打たれ強い性格
公務員はクレームや理不尽な扱いを受けることも多い仕事です。そのため、落ち込むことがなく打たれ強いということも自己PRでの立派なアピールポイントになります。つらい出来事を乗り越えた経験や、効果的なストレス解消策を持っているので落ち込むことはないといった具体的なエピソードを併せて伝えるといいでしょう。
対応力やトラブルを解決する能力
基本的には法律やルールに則った仕事をする公務員ですが、ときには前例のないトラブルへの対応を求められることもあります。こういった突発的な出来事への対応力は自己PRで好印象を与える能力といえます。困難な問題に柔軟に対応し解決に導いたといった経験がある場合はこの能力をアピールするといいですね。
【新卒向け】公務員試験の自己PRの例文5選!
協調性をアピールする例文
「私は、周囲をよく見てサポートする力に長けています。大学で所属している〇〇部では副部長を務め、リーダーシップを発揮する部長と反発する者もいる部員の間を取り持ち、お互いの話をそれぞれよく聞いて誤解し合っている部分をなくすよう尽力しました。すると徐々にいい結果に繋がるようになり、県大会でも〇〇という結果を残すことができました。この協調性と調整力は、仕事内容が多岐に渡りコミュニケーションが重要な公務員の業務で活かすことができると考えています。」
冷静さをアピールする例文
「私はどのような場面においても常に冷静さを保つことができます。例えば、私はアルバイト先のレストランで注文トラブルが起きたとき、お客様に理不尽な非難をされても冷静さを欠いたことは一度もありません。その場を収めるために最も適した対応を考えて実行に移すことができるので、自分だけでなく同僚のクレームなどにも対応し上司からも頼りにされていました。私はこの長所を活かし、公務員の仕事においても市民の方からの意見や要望、また突発的な事態などにも冷静さを保って対応することができると考えています。」
継続力をアピールする例文
「私は、目標達成のためにコツコツ努力できる継続力があります。私は小学生の頃から現在まで野球を続けていますが、所属している大学の野球部は部員数が多く、試合に出してもらうのも難しい状況でした。そこで試合に出られるようになるため、毎日3時間自主的に練習をして先輩に聞いた自分の弱点を修正していく習慣を欠かしませんでした。その結果、努力を認められレギュラーを勝ち取り試合に出ることができるようになりました。自分で決めた目標に向かって努力を欠かさない継続力は、よりよいサービスを目指す公務員にも必要不可欠な能力であると考えています。」
打たれ強さをアピールする例文
「私の長所は何があってもめげずに前向きに取り組むところです。現在私が所属している〇〇部は全国でもトップレベルの選手が揃っており、毎日夜10時まで練習を行っています。ハードな練習と厳しい指導に堪えかねて〇人中〇人が部を辞めていく中、私は自分が心身ともに成長できるチャンスと捉えて前向きに練習に取り組みました。その結果私は3年生でキャプテンを任され、部としても〇〇という成績を収めることができました。この苦しい時期を乗り越えることができた打たれ強さは、ハードな業務や厳しい声をいただくことがある公務員の仕事でも活かすことができると考えています。」
対応力をアピールする例文
「私はどのような事態にも臨機応変に対応できることが強みです。私は大学入学時から居酒屋でのアルバイトを続け、現在はリーダーという立場を任されています。リーダーは同僚の急なシフトの変更の対応に加え、お客様のトラブルなどにも責任者として対応しなければいけません。私は1年間この立場を経験し、短い時間でその場に適した判断を下すことの重要性を学びました。この経験で得た臨機応変な対応力は、公務員の仕事において幅広い業務を素早くこなしていくのに活かすことができる能力であると考えています。」
公務員に『転職する』場合の自己PRの書き方4選!
志望動機は「スキルアップのため」
社会人経験者が民間企業から公務員に転職する場合、「なぜ公務員に転職しようと思ったのか」は面接で必ず聞かれるポイントです。この回答として「民間企業での業務が自分に合わなかった」など前職のマイナス面を伝えるのは避けましょう。それよりも「前職で得た〇〇という経験(スキル)を公務員の仕事で活かし、より高めたいと思った」というように、前職からさらにスキルアップしたいという積極性を自己PRで伝えると好印象を与えることができます。
新卒との違いをアピールしよう
新卒にはない転職者のアドバンテージは社会人経験です。社会人としての常識が身についているのはいうまでもありませんが、企業との提携経験・専門的な知識など社会人経験者ならではのスキルは公務員試験の自己PRで必ずアピールするようにしましょう。
民間企業と公務員の違いを意識しよう
民間企業の会社員と公務員の違いは仕事内容・立場・取引先などがありますが、最も大きな違いは公務員が全体の奉仕者であるということです。公務員は国民や自治体の住民の税金から給料が出るため、税金を支払っている側からの要求や圧力を強く受けることがあります。会社員以上に責任感や誠実さが重視されるのもこのためです。自己PRでは会社員から公務員へ、今までと大きく異なる職種へ転職することの意味を理解しているということも伝えられるよう意識しましょう。
社会人としての経験を活用しよう
社会人経験者にとって、前職で経験したことは特別な知識やスキルでなくても貴重な財産です。「~というトラブルが起きたが~という方法で解決し~ということを学んだ」のように前職での社会人経験から得たことを積極的に伝えましょう。「この経験を公務員の〇〇の仕事に活かしたいと思った」のように繋げることができるとなおいいですね。
【転職者向け】公務員に『転職する』場合の自己PRの例文3選!
コミュニケーションスキルをアピールする例文
「私の強みはコミュニケーション能力の高さです。前職では営業を担当し、様々な業界の取引先と関わっていました。訪問の際には必ず取引先の情報やその業界に関わるニュースを仕入れてから向かうようにしていたので、取引先で話題に困ることはありませんでした。また、取引先のニーズを把握するために相手の話に耳を傾けることを重視していたので、認識の行き違いがなく常に意思疎通ができていました。この能力は、同僚や関係機関だけでなく市民の方々とも常に関わりを持つ公務員の仕事においても活かすことができると考えています。」
企画力をアピールする例文
「私の長所は企画力です。私は〇〇会社の企画部で5年間新製品の開発を担当していました。開発には、新製品の発想はもちろん、構成を組み立て資料で効率的に伝え開発会議でわかりやすく説明するなどあらゆる力が必要となります。私はこれらを前職の経験でしっかり基礎から学び身につけたので、公務員の仕事においても会議やイベントなどの企画を立案し運営していく力を発揮することができると考えています。」
タスク管理能力をアピールする例文
「私の強みは、前職での事務経験を通して身につけた複数の業務を管理する力です。私は〇〇会社の総務課として、〇〇人分の物品管理や出張の調整、給料関係事務などを行っていました。業務内容が多岐にわたるとともに急な変更依頼を受けることも多く、常に全ての業務の優先順位を考えることを意識して取り組んできました。公務員の仕事もまた業務内容の幅が非常に広く、複数の案件を同時にこなす場面が多くあると思いますが、前職で身につけたこのタスク管理能力を活かしていきたいと考えています。」
公務員試験でも自己PRは大切!
公務員試験でも、自己PRからわかる人物像を重視して採用を決める傾向が強くなってきています。好印象を与える自己PRで、公務員の仕事に活きる自分のアピールポイントをしっかりと伝えましょう!