ヤモリはゴキブリを食べて駆除してくれる?ゴキブリの天敵とは?
「不潔」「気持ち悪い」とゴキブリは嫌われています。できるだけ家ではゴキブリを見たくはないものです。そんなゴキブリ対策に、虫を食べるヤモリは有効的なのでしょうか?今日はヤモリはゴキブリを駆除してくれるかどうかや、役立つゴキブリ対策をお伝えします。
目次
ヤモリについて
日本いるヤモリの種類は、西日本に分布するツゴツした岩っぽい見た目が特徴のタワヤモリや、屋久島や九州南部に生息する褐色の体に斑紋が美しいヤクヤモリなどがいますが、一番見かけるのは白いボディのニホンヤモリです。ニホンヤモリは体長10~14cmのヤモリで、日本各地に生息します。
ヤモリの生態
ヤモリは陸に生息しており、人が住んでいる家やその周辺を住みかとしています。昼間は家の戸袋や隙間といった物陰に、ひっそりと目立たないように隠れています。ヤモリは夜行性なので夕暮れ時になると活動が活発になり、捕食のために姿を現しシロアリやクモなど、よく動く小さい虫を食べます。よく窓や壁に張り付いているヤモリを見かけますが、獲物が近くに来るのを待ち伏せしているのです。
ヤモリとイモリの見分け方とは?
ヤモリとイモリは名前もフォルムも似ているため、区別がつかないという方も多いのではないでしょうか。では、ヤモリとイモリの見分け方をご説明します。
<ヤモリ>
・爬虫類
・体は白~グレーぽい色
・陸に生息
・家の中などにいる虫を食べる
・爪がある
・自切をし、尾の再生が可能
<イモリ>
・両生類
・濃いグレー~黒色
・水辺に生息
・井戸や水田の害虫を食べる
・お腹が赤い
・毒を持っている
・爪がない
・自切をしない
ヤモリは外敵から身を守るために自分の体の一部を切断数るという行為「自切」をしますが、イモリは自切ができません。そのほか、水中に住むイモリは爪が必要ないため、爪がないなど体の特徴にも違いがあります。
イモリとヤモリは似ているようでまったく違う生態の生物だったのですね。間違いそうになったら、ぜひ「家を守るヤモリ」と「井戸を守るイモリ」と思い出してみてください。
ヤモリのフンは喘息を引き起こすことがある?
基本的にヤモリは人間には害がないといわれる生物です。しかしヤモリもエサを食べるので、もちろんフンや尿などの排泄物があります。ヤモリは害虫や昆虫類をエサとしているため、フンや尿などはやはり清潔とはいえません。人によっては、ヤモリのフンが原因で喘息を引き起こすことがあるので注意が必要です。
ヤモリは大切な家の守護神なの?
ヤモリは漢字で書くと「家守」となります。ヤモリのフォルムが苦手という方も多いでしょうが、ヤモリ自体には毒もありませんし、これといって害のある生き物ではありません。ヤモリは家屋に住みついて家にいる害虫などを食べてくれるので、日本では昔から「ヤモリは縁起のいい生き物」として知られています。まさに「家守」という漢字にぴったりですね。
ヤモリはゴキブリを食べてくれるって本当?
ヤモリはクモや小さな昆虫など、小さな虫をエサとします。そのため、チャバネゴキブリや黒ゴキブリの赤ちゃんなど、ヤモリよりも小さいサイズのゴキブリでしたら捕食します。
ヤモリにとってゴキブリは素早く捕まえにくい
ヤモリはゴキブリを食べますが、ゴキブリはクモや虫などに比べて動きが素早く、捕食しにくいという現実問題もあります。
ヤモリより大きなゴキブリは食べない
上述したようにヤモリはゴキブリを食べますが、自分よりも小さいゴキブリに限ります。具体的には、体長2㎝程度までのゴキブリは捕食しますが、体長が10㎝から14㎝のヤモリにとってゴキブリの成虫は大きすぎるため食べることができません。
ゴキブリの天敵とは?7種類の天敵を紹介!
ゴキブリを見ると不快な気分になったり、恐怖感をおぼえたりする方も多いのではないでしょうか。ゴキブリはもちろん、フンも不潔ですから、その存在すべてがいわゆる「嫌われもの」と言っても過言ではありません。ゴキブリはどんな環境でも生き抜ける強い生命力があります。特に食べ物がある環境では、ゴキブリの強い繁殖力を発揮します。見た目もグロテスクな上、強力な繁殖力と嫌われる要素がいっぱいのゴキブリですが、そんなゴキブリにも天敵がいます。それでは、さっそくゴキブリの天敵をご紹介します。
アシダカグモ
クモの中でも、特に最強の天敵ともいえるのがアシダカグモです。体長は10㎝から13㎝程度と大きいだけでなく、手足も太く、人間でも警戒してしまうほどの体状ですが、人間を噛むなどの害を与えるようなことはしません。ゴキブリはアシダカグモの大好物ともいえる生き物で、見付けると噛みついて消化液まみれにしながらゴキブリを食べます。アシダカグモの消化液は、腸チフスの原因菌を死滅させる威力があるといわれているくらい、強力です。
ムカデ
細長く、足が何本もあるムカデもゴキブリの天敵の一つです。ムカデは、ゴキブリの大きさに関係なく、どんなゴキブリでも好んで食べます。「ムカデも苦手だけど、ゴキブリよりはまだ耐えられる」という方もいるかもしれませんが、ムカデは毒を持っているものもいますし、人を噛む恐れもあります。そのため、もしも家の中でムカデに遭遇したら、駆除したほうが賢明です。
ネズミ
雑食動物のネズミもゴキブリを捕食します。ネズミは俊敏な動きができるため、エサの捕獲が得意です。家の屋根裏やマンホール、排水溝などに潜り込んでゴキブリを捕まえて食べます。
鳥
鳥のエサとなるのは、虫やシロアリなどのたんぱく質です。もちろん、ゴキブリも食べますので、ゴキブリにとって鳥は天敵といえます。
猫
猫は動いているものに反応し、また生き物で遊ぶという習性があります。そのため、ゴキブリを見かけたら、本能的に飛びかかってしまいます。ゴキブリも素早い動きをしますが、猫はそれ以上の俊敏さを発揮してゴキブリを捕獲しますので、ゴキブリにとって猫は天敵です。
クモ
アシダカグモがゴキブリの天敵と紹介しましたが、実はアシダカグモだけでなく、クモ全般がゴキブリの天敵としてよく知られています。小型のクモやハエトリグモなどは、ゴキブリの幼虫を食べます。
スローロリス
スローロリスは霊長目ロリス科に分類されるスローロリス属の生き物で、ゆっくりとした動きが特徴です。スローロリスは昆虫食ですので、ゴキブリを食べます。人なつっこい性格と愛らしい風貌からペットとしても注目を集めていますが、非常に希少な生き物で絶滅危惧種であるため、ペットとして飼育する際には環境大臣への登録が必要です。
ゴキブリにとって最強の天敵は人間⁉
黒々とした奇異な光を放つゴキブリは俊敏かつ予測不可能な動きで、「苦手」「嫌い」という方も多いでしょう。ゴキブリは人間にとって天敵ともいえる生き物なのではないでしょうか。あの手この手で退治しようとする人間は猫やアシダカグモなどよりも最強の天敵と言えるでしょう。
天敵以外にゴキブリの苦手なもの7つ!
どんな環境でも生き抜く強い生命力と、最強の繁殖力を持つゴキブリですが、上記でご紹介したアシダカグモや人間といった天敵以外にも、ゴキブリが苦手とするものがあります。それでは、ゴキブリの苦手なもの7つをご紹介します。
高温
暖かい場所では、驚異の繁殖力を発揮するゴキブリですが、気温が高すぎると生存が難しくなります。具体的には、気温が33度以上になると動きが鈍くなったり、止まったりします。また42度以上になる場所では、体内のたんぱく質が変容し、やがて死に至ります。実は、ゴキブリの体には多くのたんぱく質が含まれており、熱を加えると卵のように固まってしまうため、ゴキブリは呼吸ができなくなってしまうのです。そのため、ゴキブリは42度以上の高温地帯を苦手とします。
寒さ
ゴキブリは高温では生きることができませんが、気温が低すぎても生命を維持することができません。ゴキブリは夏に活発になり、冬になると見かけることが少なくなりますが、もちろん冬にも活動しています。ただ、ゴキブリは寒さに弱いため、気温が低くなると素早い動きをすることができません。
19度以下になると動きが鈍くなったり、ゴキブリの卵が孵化できなくなったりといった現象が起こります。また10度以下ではゴキブリは成長ができなくなるため、幼虫はそのまま死に至ります。成虫のゴキブリは、マイナス5度以下になると生存が不可能になります。
ハーブの香り
ゴキブリは、強い香りやハーブの香りが苦手です。特にハッカやミント系の香りを嫌うため、こういった種類のハーブを植えるとゴキブリ対策になります。フレッシュなハーブだけでなく、ハーブを使ったアロマオイルやポプリなども効果的です。これらのものはナチュラルな原料からできているため、人体への影響がないだけでなく、リフレッシュやリラックス効果も発揮してくれる優れものです。ただし、甘い香りのハーブはゴキブリが寄ってきますので要注意となります。ハッカ油(ペパーミントオイル)に無水エタノールと精製水を混ぜて作るスプレーは、簡単な上に効果が高いのでおすすめです。
セロリ等のセリ科の植物
ハッカやミントなどのハーブの他、独特な香りがあるセロリやクミン、キャラウェイといったセリ科の植物も、ゴキブリは苦手とします。ちなみに、キャラウェイは甘い香りを含みます。本来、ゴキブリは甘い香りのものに寄ってきますが、キャラウェイの香りは例外です。ゴキブリが嫌う香りですので、覚えておいて損はないでしょう。
柑橘類
柑橘類にはd-リモネンという成分が含まれているため、ゴキブリは柑橘類の香りを苦手とします。d-リモネンは、特に柑橘類の皮の部分に多く含まれていますので、ゴキブリが好む場所に柑橘類の皮を置くとゴキブリ駆除に効果的です。台所の流しの下や、下駄箱など、暗くて湿気のある場所をメインに配置しましょう。また、アロマオイルのレモングラスでも代用できます。
アルコール
ゴキブリにアルコールを吹きかけると、呼吸する穴である「気門」が塞がれてゴキブリは死んでしまいます。ゴキブリの体は黒々と奇異な光を放っていますが、気門をふさがないように全身を油でコーティングされているためです。油はアルコールに弱いため、アルコールを掛けられると体の油がはがれて、気門にアルコールが詰まって窒息死してしまうのです。
木酢液
火事や燻製のような臭いが強い木酢液も、ゴキブリが苦手とする臭いの一つです。ゴキブリ対策に効果がありますが、商品によってはホルムアルデヒド等の有害物質を含むものがあるため、使用する際は商品選びに注意が必要です。購入前に成分をしっかり確認するようにしましょう。
【番外編】ヤモリを駆除したい時の方法&対策5つ!
ヤモリは「家守」という漢字を用いることからも分かるように、日本では、古くから家を守ってくれる守り神とも言われてきました。実際に、ヤモリは家の中の害虫を食べてくれるため、害虫駆除にも役立つ生き物です。しかし、やはり苦手だったり、フンが気にったりするので駆除したいという方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ヤモリを駆除したいときのおすすめの方法や、効果的な5つの対策をご紹介します。
紙コップ等を使って家から追い出す
まずはヤモリの体長よりも大きい直径の紙コップを用意しましょう。紙コップをヤモリの上に被せたら、下敷きやハードタイプのファイルなど薄くて硬いものをコップの下に差し込んでコップを持ち上げます。そのまま、家の外に持ち出してヤモリを逃がしてあげましょう。ヤモリはわりと大きな生き物なので、殺生したくないという方におすすめの方法です。
ゴキブリホイホイで捕まえる
ゴキブリホイホイは、エサの臭いが付いた粘着テープ式の駆除グッズです。ヤモリの通り道にゴキブリホイホイを仕掛けておくと、ヤモリがゴキブリホイホイにかかることもあります。運がよければゴキブリも取れて一石二鳥ともいえる方法です。
スプレーで駆除
様々な虫駆除用のスプレーがありますが、実はヤモリ用のものは販売されていません。しかし、試しにゴキブリ駆除用のスプレーを使ってみたところ、ヤモリが死んだという実証例もあります。ゴキブリ駆除用のスプレーは、生存能力の高いゴキブリが死ぬくらいですから、殺傷能力は折り紙付きともいえそうです。
ヤモリのエサとなる物を徹底的に排除する
命あるもの、エサが無ければ生きることはできません。ヤモリを駆除したければ、そのエサとなる虫を徹底的に排除する方法もおすすめです。エサがないとなれば、ヤモリも他の場所に移動せざるを得ません。
侵入経路を絶つ
ヤモリはちょっとした隙間から、家の中へ侵入してきます。ヤモリが出入りしそうな隙間をすべて封じて、家への侵入経路を絶つというのも一つの方法です。
ヤモリはゴキブリを食べるが駆除できるわけではない!
ヤモリは虫やクモなどをエサとしており、ゴキブリも捕食します。しかし上述の通り、2㎝前後と小ぶりなゴキブリに限ります。成虫のゴキブリはヤモリで駆除できませんが、赤ちゃんゴキブリは捕食してくれるので、家の中のゴキブリは徐々に減っていく可能性も高いです。ヤモリは人間には害はないといわれていますが、フンや尿などの排泄物による影響も考えられますから、今回ご紹介した方法をぜひ活用してみてください。ゴキブリ対策も、あわせてしっかりとしましょう。