パクチーの臭いはカメムシと同じ?臭いの成分や消し方も!
健康効果も注目され、パクチー専門店がブームになるほど、人気のある食材のパクチーですが、その独特な臭いがカメムシみたいと敬遠する人も多いでしょう。パクチーの臭いの秘密から、臭いを消す方法、おすすめのパクチーレシピまで、詳しく掘り下げてみました。
目次
パクチーの臭いを克服したい!
タイ料理には欠かせない食材であるパクチーは、独特な風味がクセになると、近年になって日本でもパクチーブームが起きている注目食材です。パクチーには風味以外にも健康にも良いと言われ、パクチーの持つ栄養成分や効能についても話題です。
ですが、パクチーの独特な臭いが、まるでカメムシのようだとか、ドクダミを濃くしたようだなどで嫌いという人も多くいて、パクチー料理が嫌いという人も多いのも事実です。パクチーとはどんな食材なのか、臭いを消す方法はあるのか、パクチーをおいしく食べられるおすすめレシピどパクチーの臭いを克服してパクチー料理を楽しめる情報をまとめてみました。
そもそも「パクチー」とは?
パクチーはセリ科の一年草で、地中海が原産です。日本の気候でも栽培しやすい植物なので、家庭菜園でパクチーを育てて料理に使っているという方もいます。
国で呼び名が違う
パクチーは国によって呼び名が違っています。”phakchi”(パクチー)はタイ語ですが、英語では”Coriander”(コリアンダー)と呼ばれています。コリアンダーの呼び名の語源は、ギリシャ語の”koris”(南京虫)からきています。これは、南京虫のような臭いがすることからきています。
その他、フランス語では”Coriandre”(コリアンドル)、ポルトガル語では”coentro”(コエントロ)、中国語では香菜(シャンツァイ)と呼ばれています。実はいつも食べている料理にパクチーが使われていたということもあるかもしれません。
クローバーのような見た目
パクチーの葉は茎から3枚ずつ出ていて、まるで三つ葉のクローバーのような見た目をしています。パクチーはセリ科ですが、クローバーはマメ科という違いがあります。
やわらかい食感
パクチーの葉はとても薄いので、やわらかい食感なのが特徴です。繊維の触感が口に残る感じではなく、小さくシャクシャクと聞こえる程度です。
パクチーの栄養と効能は?
パクチーが注目を浴びた一つの要因が、栄養価の高さとその効能にあります。パクチーに含まれている成分とその健康効果についてご紹介しましょう。
ビタミンK
ビタミンKは、骨の中にあるたんぱく質を活性化してくれる栄養成分で、骨を作るのを促進させるという効能を持っています。丈夫な骨を作るのに大切な栄養成分であり、骨粗しょう症を予防してくれるという効能も持っている栄養です。
βカロテン
βカロテンは体内に入るとビタミンAに変化します。ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保ってくれる効果があるとされ、美容のためには是非とも摂っておきたい栄養成分です。また、βカロテンは抗酸化作用が強い栄養成分です。有害な活性酸素から体を守ってくれたり、免疫を増強してくれる効能がある栄養です。
カリウム
カリウムはナトリウムと相互に作用しながら、細胞の浸透圧を維持しています。体内にある余分な塩分を排出してくれる効能の成分なので、塩分の摂りすぎ予防にもつながります。特に高血圧の人は、意識して摂っておきたいミネラルです。
キレート作用
キレート作用とは、ミネラルが体内に吸収されやすいようにしてくれる効能を持つ作用のことです。また、体内に入った有害な金属を、尿や便として体外に排出されやすいようにする効能の作用も指します。
パクチーの臭い成分が知りたい!
パクチーのカメムシとも例えられる臭いは、一体どのような成分でできているのでしょうか。臭い成分ごとに詳しく解説してみましょう。
ピネン
ピネンは、松脂や松精油の主成分であり、スギ、ヒノキなど針葉樹の多くに含まれていて、針葉樹独特の臭いの元になっています。香料や医薬品の原料としても広く使われています。
リナロール
リナロールはフレッシュな臭いが特徴の成分で、抗不安効果や鎮静効果、抗菌効果などがある臭いです。香水や化粧品など、いろいろな用途で使われています。
デカナール
デカナールは柑橘類など果実によく含まれていて、甘い柑橘系の果実のような臭いがする成分で、合成製油や調合香料に広く使われています。
ノナナール
ノナナールは、たいていの人の体臭に含まれている臭い成分です。ノナナールの臭いは重苦しい油のような臭いと例えられます。男女ともに年齢を重ねるごとにノナナールの分泌量が増えていきます。
パクチーがカメムシの臭いに例えられる理由とは?
カメムシは臭いがとてもきつくて苦手だという人の多い昆虫です。パクチーはカメムシに臭いが似ているということもあり、「カメムシ草」という和名まで付いています。
同じ臭い成分が含まれている
実は、カメムシが出す臭いの成分の中には、パクチーに含まれている臭いの成分と同じものが含まれているのです。それが「トランス-2-ヘキセナール」という臭い成分です。この臭い成分はパクチーの苗からも見つかっていて、成長していく段階で徐々に少なくなっていくとのことです。
また、人によってはパクチーがセロリに似た臭いだという人もいます。セロリとパクチーは同じセリ科の植物で、独特の臭いを持っているということから同じように感じる人がいるのかもしれません。
カメムシに青臭さのある成分が含まれている
カメムシの臭いは、足の付け根にある臭腺から出ています。カメムシ酸とも呼ばれていて、その主成分は「トランス-2-ヘキセナール」です。「トランス-2-ヘキセナール」は別名、青葉アルデヒドと呼ばれている臭い成分で、青葉アルデヒド類は青臭さの原因であると同時に、加齢臭の成分と同じ成分も含まれています。
パクチーの臭いを消す方法5選!
栄養や効能が多くあるパクチーを、臭いが苦手だからと敬遠するのは少しもったいないです。そこで、できるだけ臭いを消すおすすめ方法をご紹介します。
1. 加熱する
パクチーは、加熱することで臭い成分が飛んで、臭いをある程度消すことができます。パクチーを使って料理をする時には、しっかりと火を通して炒める、揚げる、煮るなどで加熱するという方法で、カメムシ臭が和らいで、料理が食べやすくなるでしょう。
2. 乾燥させる
料理をする前に、生のパクチーを乾燥させておくというのも、臭いを消すおすすめの方法です。既に乾燥させた状態で販売しているパクチーもあるので、そのようなパクチーを買って料理に使うのも良いでしょう。
3. 玉ねぎと一緒に調理する
玉ねぎは臭いの強い食材で、うまみもたっぷりあり、料理に合わせやすいです。パクチーと玉ねぎを組み合わせたレシピだと、美味しくて臭いも消すのに役立ってくれます。
4. 匂いの強い食材と合わせる
パクチーと合わせる食材を、臭いの強いものにすることで、パクチーの臭いを消すという調理方法もあります。サラダにして食べるのであれば、レモンやライムなどの柑橘系の果汁を使ったり、風味と臭いが強めのごまドレッシングをかけたり、風味豊かなオリーブオイルを和えるなどで、臭いを抑えられます。にんにくや納豆なども強い臭いがある食材なので、パクチーと組み合わせて料理するのにおすすめです。
パクチーをサラダなどで食べる時には、細かく刻み過ぎると臭いがさらに強くなるので注意してください。
5. 他の材料に包んで調理する
臭いを消すとまではいきませんが、気にしづらい方法としては、他の食材で包んでしまうというのもおすすめです。春巻きや餃子の皮で包んだり、衣で包んでフライにするなどしてしまえば、口に入れて噛むまでは臭いがほとんど気にならなくなります。
パクチーの臭いを抑えるおすすめレシピ6選!
パクチーの臭いを抑えて美味しく食べられる、おすすめのレシピを挙げてみました。
1. パクチーオイル
パクチーは粗みじん切りしておきます。赤唐辛子を小口切りに、にんにくを粗みじん切りにしておきます。サラダ油、にんにく、赤唐辛子を小鍋に入れたら、焦がさないように弱火にかけて炒めましょう。にんにくがほんのり色づいたら火を止めて、パクチーと塩少々を加えて混ぜたら、パクチーオイルのできあがりです。
お肉や冷や奴に乗せて食べたり、魚介料理の味付けに使ったりと、色んなレシピに活用ができるオイルになります。パクチーオイルは清潔なビンに移し、冷蔵庫で保存しましょう約3ヶ月もちます。
2. パクチーペースト
炒ったカシューナッツ、にんにく、パクチー(根も含める)、粉チーズ、ナンプラー、サラダ油をフードプロセッサーにかけてペースト状にすれば、パクチーペーストのできあがりです。
バジルを使って作るジェノベーゼソースのように使えば、パクチーを存分に堪能できます。
3. 生姜スープ
みじん切りにした生姜、塩、水を鍋に入れてひと煮立ちさせたら、溶き卵を流し込みます。中華スープの素と醤油で味を調えたら、粗みじん切りにしたパクチーを入れてできあがりです。とっても簡単に作れる上に、生姜の強い臭いがパクチーの臭いを和らげてくれるおすすめスープレシピです。
4. エビ春巻き
春巻きの皮に、粗みじん切りにしたエビとパクチーを乗せて巻いて揚げます。スイートチリソースをつけて食べます。春巻きの皮で包むことで臭いを抑え、チリソースの風味でパクチーの臭いが気にならなくなります。
5. ハンバーグ
ハンバーグのタネにみじん切りにしたパクチーを混ぜて焼きます。パクチーの臭いが抑えられて、独特の風味がうまみに変わってやみつきになると人気のレシピです。
6. おにぎり
湯がいて塩もみして刻んだパクチーをご飯に混ぜておにぎりにすれば、パクチーおにぎりのできあがりです。さっぱり爽やかな風味で美味しく食べられるとSNSでも評判を呼んでいるレシピです。
パクチーは食べ過ぎると危険?
パクチーは消化を助けてくれたり、毒素を体外に排出してくれたりします。食べ過ぎてしまうと、腸の動きが活発になり過ぎて、腹痛や下痢の原因になってしまいます。
1回に食べる量の目安は10g
パクチーは多くても1回の食事あたり10gまでとしましょう。特にパクチーサラダはついつい食べ過ぎてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
パクチーは調理方法で臭いが抑えられる!
パクチーの臭いの正体や、パクチーの持つ健康効果をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。料理の仕方を工夫することで、臭いを抑えることができて、美味しく食べられるので、臭いが苦手でと敬遠してしまう前に、パクチーレシピにチャレンジしてみてください。