『向こう見ず』の意味や使い方!向こう見ずな人の特徴や治す方法も!
「向こう見ず」の意味をしっかり理解しているでしょうか。ここでは「向こう見ず」の意味や使い方、類語などを解説していきます。他にも「向こう見ず」の英語表現や「向こう見ずな人」の特徴、そして「向こう見ず」の治し方など様々ご紹介します。
目次
「向こう見ずな人」って誉め言葉なの?
「向こう見ずな人」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞いたことはあるけれど、どんな意味なのか分からないという人も少なくないかもしれませんね。そもそも褒め言葉なのかも分かりづらい言葉でもありますね。今回は「向こう見ずな人」の意味や使い方などついて詳しく解説をしていきます。
『向こう見ず』の意味とは?
「向こう見ず」とは先のことや将来のことを考えていない状態を表しています。「向こう見ず」は先が見えず、自分の足元しか見えていないということです。つまり「向こう見ずな人」は先のことを考えていない人という意味になります。
『向こう見ず』の語源は?
「向こう見ず」の語源は、その言葉そのものからきていると考えられます。向こうを見ていない、つまり自分の「向かう先が見えていない」といった意味からきた言葉であると考えて良いでしょう。
『向こう見ず』の使い方と例文
では、「向こう見ず」の使い方について見ていきます。「向こう見ず」とは先を考えていないという意味ですから、そういった考えや人に対して使っていきます。では「向こう見ず」の使い方の例文を見てみましょう。
<例文1> そうやって向こう見ずな事ばかりしていると、いつか痛い目にあうよ。 <例文2> せっかく上手く進んでいたのに、 彼の向こう見ずな仕事のおかげで大変なことになった。 <例文3> 彼女は向こう見ずな人だから周りはいつも大変だ。 |
この様に「向こう見ず」の使い方は、例文3の「向こう見ずな人」という表現以外にも例文1や例文2の様に考えであったり行動にも使うことができます。
『向こう見ず』の類語・言い換え
「向こう見ず」に近い言葉である類語はあるのでしょうか。「向こう見ず」を別の言葉で言い換えると、どのような言葉があるのか見ていきましょう。「向こう見ず」の類語や言い換えをご紹介します。
無鉄砲
まず最初にご紹介する「向こう見ず」の類語は「無鉄砲」です。「無鉄砲」はその是非や結果を考えなしにやみくもに行動することやその様子を表します。「向こう見ず」とかなり近い意味合いになりますね。
無謀
続いてご紹介する類語は「無謀」です。「無謀」とはよく考えずに行動することやその様子、また結果を考えずに乱暴に物事を進めることを表します。自分の先が見えていない「向こう見ず」と似た意味合いになる類語になります。
大胆
続いての「向こう見ず」の類語は「大胆」です。「大胆」とは、度胸があり普通の人が恐れることを平気で行うことや、物事に臆さない様子を意味します。先を見ないというわけではありませんが、先を恐れないという意味合いで「向こう見ず」と近いニュアンスの使い方ができます。
先見の明がない
「先見の明」は先を見通す力や知識を表す言葉です。「先見の明がない」ということは、先を見通す能力に欠けるということであり、「向こう見ず」を言い換えた使い方になります。
『向こう見ず』と似た意味を持つ四字熟語
「向こう見ず」と似た意味を持つ四字熟語をご紹介します。知っている言葉もあれば、知らない言葉もあるかもしれません。「向こう見ず」の意味を覚えるついでに一緒に覚えておくと役立つかもしれませんよ。
軽挙妄動(けいきょもうどう) | 軽はずみな考えでの行動や、分別のない行動のこと |
短慮軽率(たんりょけいそつ) | 浅はかな考えで、軽はずみな行動をすること |
蟷螂之斧(とうろうのおの) | 自分の力をわきまえず、強いものへ向かっていくこと |
直情径行(ちょくじょうけいこう) | 自分の感情のままに言葉を出したりする様子 |
暴虎馮河(ぼうこひょうが) | 血気にはやり無謀な行いをすること |
徒手空拳(としゅくうけん) | 手に何も持っていないこと・何かを始める時に何も持たず他に頼りがないこと |
猪突猛進(ちょとつもうしん) | 目標に対して考えなしに突き進むこと |
『向こう見ず』の英語表現
「向こう見ず」を英語で表現してみましょう。「向こう見ず」を英語にする場合は"headlong”で表すことができます。"headlong”はまっしぐらに、猪突猛進といった意味合いを持ちます。他にも命知らず、がむしゃらの意味合いがある"daredevil”で表現することもできます。
向こう見ずな人の特徴5選!
「向こう見ず」がどんな意味か分かってきたところで「向こう見ずな人」の特徴について見ていきましょう。もしかしたら、あなたの周りにも「向こう見ずな人」がいるかもしれません。自分が「向こう見ず」になっていないかもチェックしてみましょう。
大きな目標がある
「向こう見ずな人」は大きな目標を持っているとも言えます。普通の人なら諦めてしまいそうな大それた目標でも、「向こう見ずな人」には達成できるという気持ちがあります。たとえそれが実現しがたいことであれ目標を持ち続けていられるのは「向こう見ず」だからこそできるのかもしれません。
根拠のない自信がある
「向こう見ずな人」は「根拠のない自信がある」のも特徴です。普通の人であれば目標に向かう際は何かしら準備したりするでしょう。しかし「向こう見ずな人」は自分はその目標を達成できるという根拠のない自信がありますので、準備もなく出発することができます。そもそも先を見ていないので困難が待ち受けていても関係ありません。
リスクを恐れない
「向こう見ずな人」の特徴は「リスクを恐れない」ことでもあります。普通なら怯んでしまうようなリスクでも、「向こう見ずな人」はどんどん進んでいくことができます。「リスクを恐れない」ことはある意味勇気があるとも言えますが、こういった特徴がある人ほど「向こう見ず」であると言えるでしょう。
危険な場所や状況でワクワクする
危険な場所や状況で逆にワクワクしてしまう、そんな特徴がある人も「向こう見ずな人」かもしれません。危険を察知するどころか楽しんでしまう人は、その危険に自ら足を踏み入れかねません。自ら危険に踏み込んでいくタイプの人は「向こう見ず」であると言わざるを得ないでしょう。
結果的に失敗することも多い
「向こう見ずな人」は結果的に失敗することが多いのも特徴です。様々なことに果敢に挑んでいくことは素晴らしいと言えますが、そもそも先に備えて準備しておくといった考えがありません。考えなしに進んだ結果、途中で失敗してしまうことの方が多いでしょう。
向こう見ずな性格は生まれつきなの?
生まれつき「向こう見ずな性格」を持ってしまうことはあります。この場合、その子供は好き好んで「向こう見ずな行動」をとるのではありません。自分の興味があること以外は見えなくなってしまう脳の傾向を持って生まれたので、自ずと「向こう見ず」になってしまうのです。
逆に後々「向こう見ずな性格」になってしまう人もいます。危険な体験や、乗り超えた達成感などからそれが病みつきになってしまう人もいます。他にも、危険なことをすれば注目されるという願望からそういった危険を繰り返すうちに「向こう見ずな性格」になってしまうということも考えられます。
向こう見ずな子供への対処法とは?
もし子供が生まれ持って「向こう見ずな性質」を持ってしまったらどのように対処していけばよいのでしょうか。そういった子供には、周りが注意してあげることが大事です。もし、その時に子供が理解することができなくても危険なことがあれば子供に声を掛け続けて下さい。子供が小学校低学年頃になれば大体は「向こう見ずな行動」が落ち着いてくるはずです。しかし落ち着いたと言ってもまだ子供です。「向こう見ず」な衝動が抑えられなくなってしまうことも考えられますので落ち着いて見守りましょう。
向こう見ずな性格を治す方法4つ!
考えなしで動いてしまう「向こう見ずな性格」を治したいと考えている人もいるかもしれません。「向こう見ずな性格」を治すにはどのような方法があるのでしょうか。「向こう見ず」を治す方法を4つご紹介します。
危険な状況を避ける
「向こう見ずな性格」を治すには危険を避けるということが大切です。危険に自ら進んでいくのは無謀としか言いようがありません。危険な状況であると判断できた場合は、まずはその道を避けてみることから始めましょう。
行動を起こす前に冷静になる
何か行動を起こす前に冷静になるということも「向こう見ずな性格」を治す上で必要なことです。やりたいことがあっても、すぐ行動に移さず一呼吸おいてみましょう。冷静になったらいつもと違うものが見えてくるかもしれませんよ。
先のことを考える癖をつける
「向こう見ずな性格」を治すには「先のことを考える」という癖をつけることが必要です。行動を起こす前に一呼吸置いたら、目標に向かうまでの道筋を考えてみましょう。少しずつ考える癖をつけることで「向こう見ずな行動」を減らしていくことができます。
しっかりと休息して体を休める
「向こう見ずな性格」を治すためには、しっかりと体を休めることも大事です。思い立ったら即行動ばかりで体も心も実は疲れているかもしれません。疲れた体では思考力も鈍ってしまいます。休息をしっかりとって心も体もベストな状態を保ちましょう。
【番外編】向こう見ずな人物の具体例2つ!
「向こう見ずな性格」の特徴など見てきましたが、実際に「向こう見ずな人物」とはどんな人なのでしょうか。周りにはいないという人も多いかもしれませんね。では歴史上の人物などで具体例を挙げてご紹介します。
ロバート・スコット(探検家)
探検家・ロバート・スコットはイギリスのエリート軍人でもあります。彼は世界初の南極点到達を目指して探索計画に加わりますが「向こう見ずな行動」から様々な困難に遭遇します。
探検家・ロバート・スコットは氷の大陸にも関わらず馬にソリを引かせようとしたり、大所帯の人員を引き連れた上に食料が少なかったりなど、考えなしの行き当たりばったりな行動を繰り返しました。その結果南極点到達後、隊員全員が壮絶な死を遂げることになったのです。
『坊ちゃん』(夏目漱石)
『坊ちゃん』は小説家・夏目漱石の作品です。主人公はまさに「向こう見ず」、幼いころ学校の二階から「飛べないだろう」とからかわれただけで本当に飛んでしまいます。主人公はその後教師になりますが、「向こう見ず」なところは変わりません。悪い奴がいれば考えなく鉄拳をふるってしまったりと正義感は強いのですが「向こう見ず」な性格から様々なことに悪戦苦闘します。
『向こう見ず』は誉め言葉ではない!意味を理解して使おう!
「向こう見ず」は褒め言葉ではありません。先のことを考えずに行動して良い結果に転ぶこともありますが、大体は危険な目にあったり、失敗をしたりするでしょう。度胸があって全力であるというプラスのイメージもありますが、褒め言葉として使われることはありません。意味を理解して「向こう見ず」の言葉を使っていきましょう。