「お目が高い」の意味や使い方を解説!敬語として正しいの?
小説やドラマなどの相手を誉めるシーンで「お目が高い!」という言葉が使われているのを目にしますよね。「お目が高い」はどのような使い方をするのでしょう。また、敬語として正しい表現なのでしょうか。「お目が高い」の意味や語源と共に確認してみましょう。
目次
「お目が高い」は誉め言葉なの?
そもそも、「お目が高い」は誉め言葉なのでしょうか?例えばこんなシチュエーションの時はどうでしょう。いいなと思ったバックを手に取って見ている時に、店員さんに「お目が高いですね!」と声をかけられたら、なんだか褒められたような気分になって嬉しくなりますよね。誉め言葉のように感じる「お目が高い」という言葉ですが、意味や使い方を見直しながら確かめてみましょう。
「お目が高い」の意味とは?
「お目が高い」の目が高いとは、「良いものを見わける能力があること」を意味しています。「お目が高い」の意味を見てもわかるように、「お目が高い」が相手を得意な気分にさせる「誉め言葉」であるということには間違いないようです。
「お目が高い」の語源は?
「お目が高い」の語源を見てみましょう。「お目が高い」は慣用句であるとされており、「目」という文字と「高い」という文字で構成されています。そのことからもわかるように「高い位置から目で見ている」というのが、語源となっているようです。つまり、語源にあるように「広い視野で良いものを識別できる」という意味も「お目が高い」には込めらています。
「ものごとを判断すること」に関する慣用句は、「お目が高い」のように「目」を語源とした言葉が多いとも言われています。
「お目が高い」の使い方と例文
「お目が高い」の意味や語源を見てみると、相手に対する「誉め言葉」として使用できることがハッキリしましたね!人と接する機会の多い接客業の人もそうですが、目利きの人などに出会った時などに「誉め言葉」として使用していきましょう。きっと「お目が高い」と言われた人も褒められて気分が良くなることでしょう。それでは、「お目が高い」の例文をいくつか紹介したいと思います。状況に合わせた使い方をしてみてください。
- さすが!お目が高いですね!
- お目が高い考え方をされますね
- この商品の価値がわかるとは、お目が高いです
- こちらは、お目が高い一品となっております
その他にも「価値がわからないから、目が高い友だちに見てもらおう!」のように、例えばプレゼントとして貰ったものの良さが自分ではわからないので、その分野に詳しい友だちに見てもらって解説してもらおうという意味で使用することもできます。
「お目が高い」の類語
「お目が高い」の類語も、「お目が高い」と同じような意味をもつ言葉ですので、相手への誉め言葉として使用していきましょう。「お目が高い」の類語はたくさんあります。そのうちのいくつかを見てみましょう。
類語1「審美眼がある」
「審美眼がある」とは、「美を見わける能力があること」という意味をもっています。そのため、同じように「良いものを見わける能力があること」の意味をもつ「お目が高い」の類語とされています。「審美眼がある」は、「素晴らしい審美眼がおありですね!」のような使い方をし、美しいものを見わける能力に対する凄さを感じた時などに使用します。
類語2「目が利く」
「目が利く」は「もののよしあしを見わける能力をもっていること」の意味をもちます。「お目が高い」の類語なので、骨董品を見わける能力に優れた人などを「骨董品について目が利く人」などと表現し、見極める能力があることを褒める時に使ってみましょう。
類語3「洞察力がある」
「洞察力がある」とは「ものごとを見抜く能力があること」を意味しています。「見抜く力があること」が「お目が高い」との共通点となっています。「洞察力がある」は、本質を見抜くことを得意とする人などに対して「鋭い洞察力がありますね!」のような誉め言葉として使用できます。
類語4「見識のある」
「見識のある」は「ものごとを深く見通し、本質を捉え、優れた判断力があること」という意味をもっています。相手が本質を捉えた素晴らしい判断力を発揮した時などに「見識のある人ですね!」と感嘆の意を込めた使い方をします。このように、見識のあるという言葉も「本質を見抜く」という点で「お目が高い」の類語とされているようです。
類語5「目に狂いはない」
「目に狂いはない」には「ものの価値を正しく判断すること」という意味があります。「お目が高い」と同じように、相手に対する誉め言葉として使用したり、この人に任せておけば間違いないといった信頼の意味などを込めて「やはり彼の目に狂いはない」のような使い方をします。
「お目が高い」の対義語はある?
「お目が高い」にはたくさんの類語があることを紹介しましたが、「お目が高い」の対義語も同じようにたくさんあるのでしょうか?「お目が高い」の対義語について調べてみたところ、直接の対義語となる言葉は見つかりませんでした。
しかし、「お目が高い」の「良いものを見わける能力があること」という意味に対義する言葉を見つけることができました。「良さを見極める能力が劣ること」という意味をもつ「見る目がない」という言葉です。直接の対義語ではありませんが、「お目が高い」とは反対の意味をもつ言葉としては、「見る目がない」が相当すると言えそうです。
「お目が高い」は敬語として使えるの?
「お目が高い」を「誉め言葉」として使うことができるということは確認できましたが、「敬語」として使うことはできるのでしょうか?
「お目が高い」についてさらに詳しく見てみると、「目が高い」という言葉に接頭語の「お」がプラスされできた丁寧語であることがわかります。丁寧語は「敬語」のひとつであることから、丁寧語の「お目が高い」は「敬語」として使うことができると言えます。
「お目が高い」を使う時のポイント3つ!
相手との距離感を考える
「お目が高い」は敬語として、目上の人にも使うことができますが、少し他人行儀な言い回しの言葉でもあります。そのため、自分との距離感の近い人に使うより、自分とは少し距離のあるような上司や取引先の人であったり、あまり親しい関係ではない人に対しての方が使いやすいのかもしれませんね。「お目が高い」を使う時は、相手との距離感も考えてみましょう。
相手をさりげなく褒める時に使う
「すごい!さすがです!やはりお目が高い!」とあまりに誇張した言い方をすると、相手に違った印象を与えてしまい「誉め言葉」として伝わらないようです。「お目が高い」は、大げさに誇張した使い方をするのではなく、相手をさりげなく褒める時に使うようにしましょう。
何度も使わない
敬語としても使用できる誉め言葉だからといって「お目が高い」という言葉を何度も言われると、相手は「本当にそう思っているのかな?」と疑問に思ってしまいます。何度も使わず、ここぞ!という時に「お目が高い」と言う方が相手に伝わります。
「お目が高い」と言われたらどう返すべき?
実際に「お目が高い」と言われたらどう返すべきなのでしょうか?これまで見てきたとおり「お目が高い」を使う人たちは、あなたへの誉め言葉として「お目が高い」という言葉を発しています。相手の好意に気持ちよく応えるためにも、「お目が高い」と言われたら「ありがとうございます。」と感謝の言葉で返すことがベストな返答だと言えます。「お目が高い」と言われると、なんだか照れ臭いなと思う人は、せめて「そのように言って貰えて嬉しいです!」と素直な気持ちを伝えていけたらいいですね。
「お目が高い」の英語表現
「お目が高い」の英語表現を紹介します。英語でのコミュニケーションのひとつとして取り入れてみてはいかがでしょうか。「お目が高い」の英語表現には、"good eye"のように簡単なものから、"be discerning"のように「be動詞+ing」を使った英語表現など数多くあります。「お目が高い」を使った英語表現の例文をあげておきたいと思います。英語で話す機会に参考にしてみてください。
- お目が高い!:Good eye!
- 新しいネイルのカラーをお選びになるとは、とてもお目が高い:
It was very discerning of you to choose a color of such new nail.
「お目が高い」の意味を理解して使いこなそう!
「お目が高い」は、「良いものを見わける能力があること」を意味する「誉め言葉」であることを、改めて理解できたのではないでしょうか。また、「お目が高い」の意味や語源を正確に知ることで、「お目が高い」の言葉を使いやすくなったと思います。正確な意味や語源がわかったところで「お目が高い」という言葉を使いたいと思って相手を見ることにより、相手の良いところをたくさん見つけることができそうですね。相手によって言い方を変えてみたり英語対応の際に使用してみるなど、いろんなアレンジで「お目が高い」を使いこなしていきましょう。