「そつなくこなす」の意味とは?そつなくこなす人の性格や特徴12選も!
「そつなくこなす」という言葉を聞くと、能力がある人や物事が良く出来る人というイメージが湧きます。「そつなくこなす」の語句を分けたり、元々の漢字から考えたりして詳しい意味を紹介します。特徴や性格の長所や短所についても説明をします。
目次
「そつなくこなす」の意味とは?
「そつなくこなす」について、はじめに「そつなく」と「こなす」2つの語句に分解して細かく説明します。分けて説明した後に「そつなくこなす」全体の言葉の意味の説明に移ります。
「そつなく」の意味とは
「そつなく」の元々の形は「そつなし」で、名詞の「そつ」に形容詞の「なし」が連結してできた語句です。「そつなく」は後ろに動詞が付いたため、語尾が変化しています。「そつ」は不注意や無駄、手抜かりという意味です。「なく」は前の語を打ち消します。「そつなく」で「不注意な所や無駄な所が全く見られないこと」を示します。
「こなす」の意味とは
「そつなくこなす」で使われる「こなす」には、「技術を十分に身に付けて、上手く取り扱う」という意味があります。「熟練した腕で鮮やかに取り扱える」、「素晴らしい技術で作業を成し遂げられる」などの意味があります。
「そつなくこなす」の意味とは
2つの語を合わせて「そつなくこなす」の意味を考えてみます。「無駄な所が一切なく、上手に取り扱う」という良い意味でとらえられることもあります。また、「手抜かりなく、成し遂げる」という言い方もできます。
「そつなくこなす」の漢字表記はあるの?
「そつなくこなす」を漢字で表記すると、「卒無く熟す」となります。漢字から考えると「途中で終えることが無く、しっかりとやり遂げる」、「準備を怠ることなく、十分な技術を持って仕事に当たる」という意味合いにとらえられます。
「そつなく」の「卒」の漢字から考えると、2つの意味があります。1つめは「卒業」の熟語の使い方のように「終える」・「終わる」という意味です。2つめは「卒中」や「卒倒」の使い方のように「前触れがない状態でいきなり何かをする」ということを表します。「無く」で前の意味を打ち消し、そのような状態が無いということを表します。「卒無く」とは、「終えることなく」とか「準備を怠ることなく」という意味で考えられるでしょう。
「こなす」は「熟す」と表記します。道具などを用いて固まりを細かくするという意味があります。元々の意味から派生して「(道具を扱うだけの)十分な技量があって上手く扱う」とか、「(身についた技術で)仕事などを遂行し終える」という使い方をするようになりました。
「そつなくこなす」の使い方と例文
良い意味での「そつなくこなす」の例文をあげて、使い方を紹介します。
・Aさんは学校で習ったとおり、入力業務をそつなくこなしている。
「無難に仕事を仕上げられる」という意味で使う場合の使い方です。
・Bさんは初めての仕事でも時間をかけずにそつなくこなし、評価が高い。
「難なくできる」という意味での使い方です。
・C社では急に人手が足りなくなり、そつなくこなせる経験者を探している。
「十分な能力があり仕事ができる」という意味での使い方です。
「そつなくこなす」の類語や言い換え表現は?
「そつなくこなす」の類語及び、言い換え表現について説明します。例文を挙げて使い方を紹介するので、参考にしてみてください。
「失敗がない」
「そつなくこなす」ということは、途中で終わらせることなく最後まで仕上げられると言うことを表します。失敗をせずに仕事や作業を終えられるのと同様の意味合いになります。
- Aさんは文字入力の作業に失敗がないので、安心して任せられる。
「手抜かりがない」
「そつなく」には、「取りこぼしがない」という意味にもとらえられます。同様の意味の「手抜かりがない」という類語も使えます。
- 来賓の方々に失礼のないように、手抜かりなく対応するようにしてください。
「そつなくこなす」は誉め言葉なの?
「そつなくこなす」とは、優秀に仕事ができることを意味する誉め言葉のようにとらえられます。しかし、「こなす」には、「(時間と労力に見合った部分の)仕事をやり遂げる」ということから、単に「無難に仕事を終える」という意味合いにもなります。
場合によっては「可もなく不可もなく」という意味にもなります。また、人間関係により誉め言葉ではなく、嫌みで言う使い方もあるため、誉め言葉かどうかは、前後の文脈を見て考える必要があるでしょう。
そつなくこなす人の性格や特徴12選!
そつなくこなす人とは、どのような性格や特徴を表すのでしょうか。「そつなくこなす」から連想されるその人の性格や特徴を12例挙げてみます。
要領がいい
「そつなくこなす」は手抜かりなくできることを表す誉め言葉としての使い方ができます。「要領がいい」人は、仕事の処理の仕方が上手で、作業の手際がいいので、「そつなくこなす」人の特徴と合うでしょう。
とにかく頭の回転が速い
「そつなくこなす」には、手ぬかりなく作業をするという意味合いがあります。非常に頭がよく、正確にやり遂げられる意味合いにも取られるため、頭の回転が速い人という特徴も持っていることになるでしょう。
理解力・判断力が高い
「そつなくこなす」ことから、非常に賢く頭が良いことが分かります。物事を理解する力や良し悪しを瞬時に判断してテキパキ対応できることも表すことが可能です。誉め言葉としても使えるでしょう。
冷静で感情に左右されない
そつなくこなす特徴を持つ人は瞬時に反応できるため、感情的にならずに冷静な判断が下せる人にもなります。誉め言葉というよりも、優秀だが情に流されない特徴を持つことになるため、皮肉めいた使い方をすることもあります。感情にとらわれないということでは、人間関係は良くないかもしれません。
危機管理能力に優れる
「そつなくこなす」ことで難なくできるという特徴を持つ人とも言えます。失敗をしにくいですし、もし、突発的な事態が起こってもある程度想定して食い止められるため、危機管理能力に優れている人とも言えます。
トラブルへの対応が得意
前項の「危機管理能力に優れる」にも書きましたが、そつなくこなす人は突発的な不測の事態にも強みがある特徴があります。頭の回転が速く、難しいことでもクールに対処できるという特徴もあり、誉め言葉にもなるでしょう。そつなくこなす特徴がある人は、多くの人から頼られる傾向にあります。
小さなミスは気にしない
仕事をそつなくこなす人は、仕事を早く仕上げられる人でもあります。早くある程度やるには、小さなミスを気にせず大まかな所を仕上げることがあります。取りあえず仕上げて、後から見直して細かなミスを修正するので、時間の無駄がないでしょう。
ポジティブである
そつなくこなす人はポジティブで前向きな性格をしている方が多いです。物事に取り組んで仕事を終わらせることから、かなり積極的な特徴を持つと思われます。そつなくこなす人は、仕事に対してひたむきで前向きな長所を持つ人を表す誉め言葉にもなるでしょう。
負けず嫌いである
そつなくこなす特徴を持つ人は仕事ができる反面、他の人に負けたくない、一番仕事ができるようになりたいと前向きな気持ちが強くなるくらい負けず嫌いな性格の持ち主です。人間関係が良く、多くの人から尊敬されているひとであれば長所にもなります。しかし、そつなくこなす人で周囲との人間関係が良くない場合は、短所と考えられることもあるでしょう。
人の見ていないところで努力する
そつなくこなすという言葉は、他の人よりも仕事の出来が良い人を表す誉め言葉でも使われることがあります。仕事ができることは、人の見えない所でできるようになるように努力をしている人でもあります。
好き嫌いがあまりない
実際の仕事以外の所で企業で「そつなくこなす」には、人間関係が重要になることもあるでしょう。人の好き嫌いがあまりなく、周囲の方にも嫌われにくい特徴があります。分け隔てなく付き合えるので、信頼されるでしょう。
人間関係の構築がうまい
前項でも述べましたが、人の好き嫌いがないことは、社内や取引先との社外の関係でも人間関係を上手く作り上げている可能性が高いです。お付き合いもそつなくこなすので、足を引っ張られることなく、トラブルも発生せずに仕事でも上手くやり遂げることができるでしょう。
そつなくこなす人の長所4つ!
そつなくこなす人の性格の長所を4つ取り上げます。そつなくこなす人になりたい場合は、どのようにすればよいか心がけるようにしてみましょう。
信頼される
そつなくこなす人は仕事や作業が正確で速く出来るため、多くの人から信頼されるという長所があります。目上の方からは難しい仕事をやり遂げるため信頼が厚いですし、部下からは慕われて付いていきたいと思わせる所があるでしょう。
仕事とプライベートを上手く両立できる
そつなくこなす人は会社ではしっかりと仕事をして、休みの日はプライベートを充実させています。既婚者の女性の場合、家庭のことを仕事に持ち込まずに手を抜かない所を長所として見る場合があり、多くの女性から尊敬されています。
ポジティブさで周囲を明るくする
仕事や会社の人間関係でも、時には難しい局面があります。そつなくこなす人は、難しいことでも臆病にならず、明るく前向きな気持ちで立ち向かう長所があります。周囲の人も一緒に仕事をして、明るく前向きな気持ちに感化されてきます。
何でもできる
そつなくこなす性格の人は、頭の回転が良く何でも一通りできる長所があるでしょう。できないことはないのではと周囲の人から舌を巻かれていることもあります。器用で飲み込みも良く、仕事ができる人と評価も高いでしょう。
そつなくこなす人の短所5つ!
長所の過ぎたところは短所にもなることがあります。「そつなくこなす」という特徴が行き過ぎて、短所になる例を5つ紹介します。
職場で嫌われやすい存在
そつなくこなす人は仕事ができます。短所ではないのですが、難なくできるために他の人から妬みを買いやすいでしょう。注目を浴びると少しのことで足を引っ張られることもあり、気配りをして人間関係を良好にする必要があるでしょう。
器用貧乏になりがち
何でもまんべんなくできると言うことは、全てにおいて器用ではあります。しかし、裏を返せば目立つ特技や人よりも優れた特徴がないことにも繋がります。俗に言う器用貧乏に辺り、スペシャリストにはなれないという短所があります。
手抜きをする人と思われる可能性がある
そつなくこなす人は、小さなミスに目をつぶって手早く仕上げる所があり、短所になってしまう可能性があります。細かい所をあえて無視するような手を抜く人と見られるかもしれません。仕事をした後の見直しはしっかりとしましょう。
飽きっぽく執着心がない
1つの仕事をそつなくこなすのはいいのですが、いったん終わってしまうとこだわりを持たずにそのままにしていることがあります。できる人のため、他に仕事を任されることもありますが、飽きっぽく執着しないのが短所と人から思われることがあります。
冷徹な人と思われがち
そつなくこなす場合、合理的に仕事を早く成し遂げる所があります。ただし、情を大切にする人から見ると、感情を入れないで仕事をすることを短所として見る場合があります。冷徹な人であると誤解されることがあるでしょう。
そつなくこなす人になる3つの方法!
長所と短所の特徴を考え合わせて、良い意味で問題なくそつなくこなす人として仕事をするにはどのようにすればいいか考えてみます。皆に良い印象を持たれるそつなくこなす人になる3つの方法を紹介します。
完璧を求めず広い視野をもつ
仕事をそつなくこなす人は、周囲の人にも同様に仕事ができる能力を求めがちです。他の人に自分と同じ完璧に行うことを求めず、それぞれの人の長所を見られるように広い視野を持てるようにしましょう。自分も含めそれぞれの個性を認めることで、良い人間関係も築けて仕事も上手く回るそつなくこなす人になれます。
オン・オフをはっきり区別する
そつなくこなす人を見習うには、仕事とプライベートをはっきりと区別することです。出勤する時には仕事に集中する、休みの日はプライベートを充実させることで、生活にメリハリができます。どちらもなし崩しにだらだらとしていると、どっちつかずになるので注意が必要でしょう。
助けてほしい時は周囲に助けを求める
人間関係を円滑にそつなくこなす人になるには、時には弱みを見せると人間味が増す印象があります。仕事が忙しい時には自分で抱え込まずに、遠慮をせずに周囲の人に手伝ってもらえないかと支援の手を願うことが大切でしょう。仕事ができる人に頼まれると、周囲の人はそれだけ信頼を得ているのだと嬉しく感じることもあります。
そつなくこなす人は上手に能力を活用しよう!
そつなくこなす人は普段から仕事ができる人というイメージがあるでしょう。できる能力を生かすのも大切ですが、一人でできる仕事には限りがあります。人間関係にもそつなくこなす人になれるように、普段からのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。人からの協力で、更に能力を生かすことができるでしょう。