アブサンの飲み方14選!アブサンの魅力や悪魔の酒と呼ばれる理由も!
アブサンは古くから「悪魔の酒」と呼ばれ、その不思議な魅力に多くの人々が虜になりました。銘柄や飲み方によってがらりと印象を変える、ミステリアスなお酒です。この記事では、アブサンの歴史やおいしい飲み方について、詳しく解説します。
目次
禁断のお酒『アブサン』の魅力を知ろう!
「悪魔の酒」アブサン。主原料に含有される成分の種類やアルコール度数の高さによって、かつてはアブサンの中毒者が続出しました。社会に与える影響が大きいとして流通を禁じられていた時代もあったという、いわくつきのミステリアスなお酒です。
この記事では、ミステリアスなアブサンの種類や成分について、詳しく解説します。さらに、アブサンを使ったカクテルのおいしい飲み方、アブサンにぴったりのおつまみ、アブサンの魅力をたっぷり味わえる都内のバーもご紹介します。
アブサンとはどんなお酒?原材料や味の特徴を紹介!
アブサンは、ヨーロッパが発祥の薬草系リキュールです。確かな出自ははっきりとしませんが、18世紀にフランス人医師のピエール・オーディナーレという人物が製法を確立したとされており、古くは薬品であったといいます。
アブサンの色は薄い緑色で、水を加えると幻想的に白濁する特性があります。アブサンは「悪魔の酒」「聖女の溜息」「魔酒」とも呼ばれ、その魅力は数多くの芸術家や小説家たちのインスピレーションの源となり、「霊酒」といわれることもありました。
アブサンとはどんなお酒?
アブサンは複数の薬草がふんだんにブレンドされたリキュールです。リキュールとは、蒸留酒であるスピリッツに、ハーブや果実などで風味づけをし、砂糖などを加えて調味した混成酒のことを指します。
アブサンはアルコール度数が高く、低いものでも最低40%、度数の高いもので90%ほどになるものもあります。
アブサンの原材料は?
アブサンの原材料は、蒸留酒(スピリッツ)、ニガヨモギ、アニスシードなどの薬草です。銘柄によって様々な薬草が使用されており、パセリやコリアンダー、カモミールなどがブレンドされている製品もあります。
これらのハーブや果実などをアルコールで醸造させることによって、高いアルコール度数と独特の香りのアブサンが完成します。
アブサンの味の特徴は?
アブサンの味わいは、薬草の風味が強く感じられるものとなっています。独特の爽快感があり、すっきりとした味わいのものもあります。しかし、そのアルコール度数の高さや風味によって、好き嫌いがはっきりと分かれるお酒でもあります。
主原料のニガヨモギにはその名からもわかるように独特の苦味があります。多くのアブサンに使われているアニスは香辛料の八角にも似た香りのハーブで、古代エジプトではミイラの臭い消しなどに使われていたこともあります。
アブサンの名前の由来は?
アブサンの名前の由来は、主原料のニガヨモギのラテン語名「Artemisia absinthium(アルテミシア・アブセンティウム)」。また、ニガヨモギのアブシンチン(Absinthin)という成分は、アブサンを飲んだときに感じられる苦味のもとです。
また、一説によるとアブサンという呼び名は英語やフランス語で「不在」を意味する言葉(absence)にちなんでいるとも。また、主原料ニガヨモギの花言葉は「不在」。こんな逸話も、ミステリアスなイメージの一因になっているようです。
アブサンに含まれる『ツヨン』とは?悪魔の酒と呼ばれる理由がこれ!
アブサンの主原料はニガヨモギという植物です。ニガヨモギは、ヨーロッパにおいては屋外に自生しているようなポピュラーな植物で、古くは旧約聖書にも登場するような、昔ながらの植物です。ニガヨモギには、ツヨン(ツジョン)という成分が含まれています。
ツヨンとはどのような種類の成分なのか、またその成分にはどんな効用があるのかを詳しく解説します。
原材料のニガヨモギの効能は?
ニガヨモギは、現在ではリキュールやハーブ酒などに香りをつける目的で使用されていますが、古くは、その成分に食欲増進や、船酔いに効果があるなどとして使用されてきました。成分による効果のほどはともかく、防虫剤などにも使用されてきたといいます。
アブサンに含まれるツヨンとは?
アブサンの原材料であるニガヨモギにはツヨン(ツジョン)といわれる成分が含まれています。このツヨンを大量に摂取すると、幻覚や麻酔作用、ひどい症状では嘔吐や痙攣などを発症します。
WHO(世界保健機関)などによるツヨンの含有量規定が存在しなかった時代、アブサンは中毒性が高い成分も含まれており、社会問題にもなりました。
その幻覚作用は大麻(マリファナ)に似ているともいわれ、芸術家・小説家たちがこぞって好み、中には身を滅ぼしてしまった者もいることでも知られています。
アブサンの代表的な3種類をご紹介!どのアブサンを選ぶ?
現在飲むことのできるアブサンには、代表的な3種類の銘柄があります。中毒作用のある成分「ツヨン」は、WHOの規定により基準値以下の含有量となっていますので、ご安心を。しかしアルコール度数の高いものがほとんどなので、酒量には注意です。
リキュールの種類によって、飲んだときの味わいは異なります。どんな種類の銘柄を選ぶのか、こだわってみるのも楽しいですよ。
①ペルノ・アブサン
ペルノのアブサンは、アブサンの老舗。なんといっても、アブサンの製法を確立した医師ピエール・オーディナーレがスイスで開発したレシピを売却したというのが、アンリ・ルイ・ペルノーであるというルーツがあります。
15種類のハーブを使用したリキュールで、アルコール度数は68%です。
②アブサント55
アブサント55は、ディスティルリ・エ・ドメーヌ・ド・プロヴァンス社の製造するアブサンで、アルコール度数は55%です。このリキュールには砂糖が加えられており、甘さを感じられる種類のアブサンです。
③チェコ・アブサン
チェコ・アブサンはチェコ共和国発祥、グリーン・ツリー蒸留所が製造している色鮮やかなアブサンです。他の種類に比べ薬草の香りはさほど強くなく、ドライな味わいのリキュールです。アルコール度数は高く、70%です。
アブサンのおすすめの飲み方14選!作り方も解説!
ストレートでいただいてもおいしいアブサンですが、アルコール度数の高いリキュールですので、カクテルとして色々な飲み方でいただくのもおすすめです。ここでは、14種類のカクテルをご紹介。ぜひ、好みの飲み方のカクテルを見つけてくださいね。
【飲み方①】ボヘミアンスタイル
アブサンの醍醐味ともいえるのが、角砂糖を使用したボヘミアンスタイルでの飲み方です。
氷入りのグラスにアブサンスプーンを置き、角砂糖をセットします。その上からアブサンを垂らすように注ぎ、角砂糖に火をつけます。火が落ち着き、水を注ぐときに、色の変化を楽しむことができますよ。
アブサンファウンテンを使用すれば、あらかじめ冷やした水を使用することができるので、色の変化をよりクリアに楽しむことができます。
【飲み方②】アブサン・フィズ
フィズ(fizz)とは、リキュールなどのお酒に甘みとレモンなどの酸味を加え、シェイクしたものをソーダ水で割った飲み方。アブサンを使用すれば、アブサン・フィズというカクテルの出来上がりです。
【飲み方③】アブサン・バック
バック(buck)はスピリッツなどのお酒にレモンとジンジャーエールを加えた飲み方を指します。アブサンにレモンの果汁か果肉を加え、ジンジャーエールを注げばアブサン・バックというカクテルになります。
【飲み方④】アブサン・ミルク
アブサン・ミルクは、温めた牛乳とアブサン、角砂糖を加えた飲み方のカクテルです。アブサンの独特な味わいが緩和され、甘みも加わったまろやかで親しみやすいカクテルとなっています。
【飲み方⑤】アブサン・グラスホッパー
グラスホッパー(grasshopper)とは、ずばりバッタのこと。バッタのような緑色のカクテルのことを指します。
グリーン・ペパーミント・リキュールとホワイト・カカオ・リキュール、生クリームを1:1:1の割合でシェイクするのが標準的な飲み方ですが、これにアブサンを加えればアブサン・グラスホッパーになります。
【飲み方⑥】アブサン・コーク
グラスに注いだコーラ飲料に、アブサンをたらす飲み方がアブサン・コーク。コーラの甘みと爽やかな炭酸が、アブサンの薬草的な味わいと不思議とマッチします。コーラにアブサンを垂らすときの液体の変化にも注目です。
【飲み方⑦】モンマルトル・ミュール
モンマルトルは、パリの北端に位置する街。このモンマルトルをイメージしたモンマルトル・ミュールは、シャルトリューズというお酒とアブサンをジンジャーエールで割った飲み方のカクテルです。
【飲み方⑧】アブサン・トニック
トニックウォーターは、柑橘類やハーブなどで味付けされた甘みのある炭酸水。グラスに氷とアブサンを入れ、トニックウォーターを注いだ飲み方でいただくのがアブサン・トニックです。
【飲み方⑨】アブサン・ジュレップ
ジュレップとは本来、ミント・ジュレップなどといわれウイスキーなどをベースにミントや砂糖などを加えた飲み方のことをいいます。アブサンをベースにミントと炭酸水を使用し、クラッシュアイスでいただけば、アブサン・ジュレップになります。
【飲み方⑩】アブサン・ビア
アブサン・ビアは「ショゴス(Shoggoth)」ともいわれ、かの怪奇小説・幻想小説家ラヴクラフトが著した『狂気の山脈にて』に登場する不気味な生物にちなんだカクテル。アブサンをビールで割るという、大胆な飲み方のカクテルです。
【飲み方⑪】イエロー・パイロット
イエロー・パイロット(パロット)は、オウム(parrot)のように鮮やかな黄色のカクテル。シャルトリューズ、アプリコット・ブランデー、アブサンを1:1:1で混ぜ合わせ、カクテルグラスに注ぐ飲み方です。
【飲み方⑫】アブ・ジン・トニック
ジン・トニックは、ジンをトニックウォーターで割り、ライムを加えた飲み方のカクテル。柑橘系とも相性ばっちりのアブサンを使用すれば、爽やかなアブ・ジン・トニックになります。
【飲み方⑬】アフタヌーン・デス
アフタヌーン・デスは「デス・イン・ジ・アフタヌーン(Death in the Afternoon)」ともいいます。これは、20世紀を代表する小説家のヘミングウェイが考案した飲み方で、シャンパンとアブサンを3:2の割合で混合するカクテルです。
【飲み方⑭】アースクエイク
アースクエイクはその名の通り、飲めば地震(Earthquake)にあったかのような衝撃を味わえるという、上級者向けの飲み方です。理由はそのアルコール度数の高さで、アブサン、ドライ・ジン、ウイスキーを1:1:1の割合でシェイクしていただきます。
アブサンに合うおつまみとは?どんなものを選べば良い?
アブサンと一緒にいただくおつまみは、どのようなものがいいでしょうか? その個性的な味わいから、定番といえるおつまみは日本ではまだ定着していないようです。
飲み方によって味わいの変わるアブサンですが、総じてアルコール度数が高く香りも強いので、おつまみもにんにくやオリーブ、チーズなど、香りの高いものが合うようです。
飲み方もおつまみも、個性によっていただき方の変わるアブサン。独特な味わいのアブサンにぴったりのおつまみを、ぜひ探してみてください。
アブサンが飲める都内のおすすめバー4選!
現在、アブサンはネットなどでも手に入るお酒ですが、お試しで飲んでみるならアブサンを提供しているバーに足を運ぶのもおすすめです。バーのメリットは、ぴったりのおつまみや飲み方を紹介してもらえること。個性的な人たちとの出会いもあるかもしれません。
ここでは、アブサンとぴったりのおつまみを楽しめる都内でおすすめのバーを4つ、ご紹介します。
①恵比寿『Bar TRENCH』
Bar TRENCH 恵比寿
— ∠HIROPOR (@hiropor1998) March 11, 2019
世界のTOP50にランクインしているBAR
なんだろうか、海外で飲んでいるような気分にさせる雰囲気がとても好きだった。
ロジェリオ 五十嵐さんにお会いできて嬉しかった!!ハンサム!!
Queens Coronationと
Get behind the muluなどのカクテルを頂いた。
ここもまた行きたい! pic.twitter.com/sf1egRc9n9
2010年に恵比寿駅近くにオープンしたバー、『Bar TRENCH』。ミステリアスな書斎風の店内では、独特なオリジナルカクテルを味わうことができ、こだわりの雰囲気は個性的なデートにもおすすめです。
2018年、世界的な出版社であるウィリアム・リード・ビジネス・メディア社が発表した「アジア最高のバー50選」では、なんと16位にランクイン。折り紙つきの名店です。
②恵比寿『Bar Tram』
【Bar Tram@恵比寿】禁断の酒、アブサンを楽しめるバー。メニューがかわって見やすくなっていた。カクテルも美味しいが、ドリップするのが楽しい。系列のBar TRENCH、Bar TRIADなどに比べ、カジュアルで3人以上でも入りやすい☺️しかし相変わらず煙草の香りはめちゃつく。https://t.co/sQVtYSmliM pic.twitter.com/vDXcGIzZ7G
— まちんこ東京ちゃん♡ (@machinkotokyo) March 20, 2019
『Bar Tram』は、『Bar TRENCH』の系列店であるバーで、おいしい薬草酒といえばこのお店がおすすめ。店内は仄暗いながらも温かみがあり心地よく、自分にピッタリのアブサンを見つけることができること間違いなし。
③新宿『ベンフィディック』
バー ベンフィディック (Ben Fiddich)
— &Premiumの素敵なお店たち (@mediaman_woman) March 27, 2019
東京 新宿
ゲール語で「鹿山」の意味の店名の、謎の薬草を使ったお酒を作ってくれるバー。
【&Premium 4に掲載】 pic.twitter.com/BMDGc4UuR2
新宿西口近くの『バー・ベンフィディック』は、前述の「アジア最高のバー50選」で20位にランクイン。アブサンの提供に特化したバーで、それにまつわるボタニカル(植物)を自家栽培するなど、そのこだわりは他と一線を画するクオリティとなっています。
④東銀座『Vanilla Bar』
銀座にあるアブサンのバー、『Vanilla bar』
— チーズちくわ (@Cheese_Tikuwa) February 14, 2018
アブサンの他にもクラフトジンや薬草酒も豊富で、自分にとって天国のような場所だった。
いいところ教えてもらっちゃったなあ。 pic.twitter.com/ZclrczFPMi
東銀座でアブサンとシガーを楽しめるバーが『Vanilla Bar』。通常のバーとシガー(タバコ)を楽しめるシガーバーも兼ねており、愛煙家の方にはぴったりです。スモーキーな店内の雰囲気とアブサンが、ここでしか味わえない特別な時間を提供してくれます。
アブサンは強力な味わいの魅力的なお酒!
かつては口にするのを禁じられていたミステリアスなお酒、アブサン。その種類や成分、飲み方、一緒に楽しむおつまみなどによって、表情をがらりと変える個性的なお酒です。
飲み方やおつまみなどにもこだわって、特別な時間を演出してみてくださいね。