愛知の方言38選!地域によって違う?【尾張弁・三河弁】
愛知県の方言は名古屋弁だけではありません。尾張、三河の二つの地域によって方言は意外と変わってきます。今回は尾張弁と三河弁の違いや、愛知県の可愛い方言、愛知県民が標準語だと思っている方言など38もの方言をご紹介します。愛知に訪れる際には是非活用してください。
目次
愛知県の方言は地域によって大きく違う!
愛知県の方言にどんな印象を持っていますか?愛知県の方言と言えば名古屋弁のイメージが強い方が多いと思いますが、愛知県の方言は地域によって実はけっこう違いがあるんです。愛知県には名古屋を含む西の地域の尾張弁と東の地域の三河弁が存在します。
他県の方からすると、どちらもそんなに違いはないと感じるかもしれませんが三河の人が尾張弁を聞くとやはり若干違和感を感じますし尾張の方も同様です。今回はそんな愛知県の地域別の方言について詳しくご紹介します。
愛知県の方言の2つの種類と特徴は?
先ほどご紹介しましたように、愛知県には地域別に尾張弁と三河弁の2つの方言が存在します。愛知県の方言といえば名古屋の河村市長がよく言うような「~だがね」「~みゃあ」というイメージが強いと思いますが、そちらは主に尾張弁になります。
では同じ愛知県内なのになぜ地域によって方言に違いが出たのでしょうか。その要因としては、それぞれの地域が違う文化の影響を受けたことが考えられます。ここでは尾張と三河地方の歴史と方言の特徴について見ていきましょう。
方言①尾張弁
尾張地方は誰もが知っている、織田信長が治めていた地域です。たくさんの商人が集まり、商人気質が風土が形成されてきた地域でもあります。そして、隣の三重県と同じように関西の言葉遣いの影響を強く受けており、文化においても西日本の影響を強く受けてきたという歴史があります。
そんな尾張の方言である尾張弁は語尾に「~だがね」「~だがや」という言い回しや、語尾に「みゃあ」が付く言い回しが多く使われます。語尾を強調した言い回しになるため、キツイ印象を受ける方も多い様です。
方言②三河弁
西の影響を受けた尾張地方とは逆に、三河は東日本の影響を強く受けた地域です。三河を治めていた徳川家康が江戸に移った後は、江戸から三河地方へ移り住む人が増えたことがその要因となっています。また、静岡県の浜松市も三河地方として呼ばれることもありこの地域の方も三河弁に近い言葉を話します。
三河弁の語尾は「~じゃん」「~だら」「~りん」が代表的です。この中でも「~じゃん」は神奈川の方言でも使われる言葉ですが、少し使い方が違います。私も他県の人に「○○だったじゃんね~」と言ったりすると「え、知らないよ!」と言われることがよくあるのですが、三河弁の場合は「○○だったんだよ」と説明する場合に使います。
【愛知県の方言一覧①】尾張弁の特徴的な方言4選!
では次は尾張弁の特徴的な方言の一覧です。先ほど簡単に紹介した「~だがね」から「~みゃあ」やその意味や使い方も。そして、尾張弁の告白フレーズを含めた4選です。語尾が強めなこともありキツイ印象を持たれがちですが、意味がわかっているとそんなに強い言葉には聞こえないはずですよ。
①みゃあ・とる
尾張弁は語尾に「みゃあ」が付くのが特徴的ですね。実際には「~みゃあ」というよりも、「~やー」や「~ゃあ」となる場合が多いです。例えば「食べやー(食べたら?)」や「行きゃあ(行ったら?)」というように使います。若い人で使う人はあまりいませんが、他にも「おみゃあさん(お前さん→あなた)」などもあります。
また、動詞の語尾に「とる」が付くことも特徴です。使い方は「先に行っとるでね(先に行ってるからね)」や「何をわけわからん事言っとるの(何をわけわかんない事を言ってるの)」などです。具体的には~してるのてをとに言い換えた使い方になります。
②だがね
「~だがね」は意味としては「~だよ」と断定したり「~じゃん!」というような驚きをあらわしたりする場合もあります。例えば「こっちのパンの方が美味しいって言っとったがね(こっちのパンの方が美味しいって言ってたじゃん)」や「通勤時間が長くて大変だがね(通勤時間が長くて大変だよ)」といった使い方をします。今では若い世代で使う人は少なく、主にご年配の方が使う方言です。
③がね・がん
先ほど紹介しました「~だがね」という言い回しを使う人は減ってきており、それが「~がね」や「~がん」に変化してきました。使い方は「だがね」とほぼ変わらず、「この前と言っとることが違うがん(この前と言ってることがちがうじゃん)」「あのお店のランチは美味しいがね(あのお店のランチは美味しいんだよ)」の様に使われます。
④尾張弁の告白フレーズ3選!
尾張弁での告白フレーズを3つご紹介します。
「めちゃんこ好きだもんで付き合ってくれん?」(めちゃくちゃ好きだから、付き合ってくれない?) 「でら好きになっちゃった」(とても好きになっちゃった) 「私のことどう思っとる?」(私のことどう思ってるの?) |
先ほど紹介した「~とる」も告白フレーズで聞くとなんだか可愛く感じませんか?こんな感じで告白されたら思わずドキドキしちゃいそうですよね。この告白表現の中の「~だもんで」も尾張弁ではよく使う表現です。
【愛知県の方言一覧②】三河弁の特徴的な方言3選!
では続いては三河弁の方言一覧です。尾張弁の「~だがね」などは使われることはなく、語尾は「~じゃん」「~だら」「~りん」になるのが三河弁の特徴でもあります。また、三河弁での告白フレーズもご紹介します。同じ愛知県でも言い回しがけっこう違ってくるのが分かりますよ。
①じゃん・だら・りん
三河弁の方言で一番の特徴的なのは「じゃん、だら、りん」の語尾が付くことです。「~じゃん」は最初にも少し紹介しましたが、説明などに使われる言葉で「~だよ」「~だよね」という意味合いになります。
「~だら」は主に疑問形で使われます。例えば「昨日公園行っとっただら?(昨日公園行ってたでしょ?)」といった使い方になります。「~りん」は「はよ食べりん(早く食べなさい)」「あのプール楽しかったで行ってこりん(あのプール楽しかったから行ってきなよ)」というように使われます。この「じゃん、だら、りん」が語尾につく言い回しは尾張の地域では使われない三河特有の方言です。
②のん・ほい・だに
「のん、ほい、だに」は豊橋や蒲郡などの東三河で使われる方言になります。「のん、ほい、だに」は意外と知られていない言葉です。
「のん」は同意を求める時に語尾に使われ、「ほい」は主に呼びかけに使われます。例えば「ほい、今日も暑いのん(ねえ、今日も暑いねえ)」といった感じで使います。ちなみに豊橋にはおそらくこの方言から名前が付けられた、のんほいパークという動植物園もがあります。「だに」は「~だよ」という意味で、「~に」として使われることが多いです。「あのドラマ良かったに(あのドラマ良かったよ)」といった使い方をします。
③三河弁の告白フレーズ3選!
では三河弁での告白フレーズもご紹介します。
「マジ好きやに、付き合ってくれん?」(マジで好きだよ、付き合ってくれない?) 「好きになっちゃったじゃんねぇ」(好きになっちゃったんだ) 「前言っとった所デートで行こまい」(前に言ってたところデートで行こうよ) |
同じ愛知県内でも尾張とはまた違った告白フレーズになりますね。尾張弁と三河弁どちらの告白が好みでしたか?
【愛知県の方言一覧③】日常会話でよく使う方言12選!
特徴的な愛知の方言をご紹介しましたが、他にも愛知県にはたくさんの方言があります。ここでは日常会話でよく出る方言の一覧をご紹介します。もしこれから愛知県に行く予定がある方や、逆に愛知から他県に行く方。知っておくと役に立つかもしれませんよ。
①ですこ
「ですこ」とは「おでこ」のことを言います。「ディスコ」のことではありませんので間違えないでくださいね。最近ではあまり言う人も少なくなってきていますが、可愛い表現の言葉ですよね。「ですこ赤いけど怪我したん?(おでこ赤くなってるけど怪我したの?)」というような使い方をします。
②ことない
「~ことない」は否定の意味ではなく、「こうだよね?」と同意を求めている言葉で日常会話でよく使います。例えば「このぬいぐるみ、めっちゃ可愛いことない?(このぬいぐるみ、とても可愛いよね?)」という表現をします。イントネーションもやや独特で、「ことない」の「こ」を上げた言い方をします。「~こ↑とない?」の様に使います。
③机をつる
愛知県の方言で日常会話でよく使われる言葉、こちらは学校でよく出る言葉です。「机をつる」は「机を運ぶ」という意味です。学校では当然のように「机つって~!」と言われますし、全国共通語とさえ思っていた方言です。意味を知らないと「机どうやって吊るの?」と困惑してしまいそうですね。学校の掃除の時間では、机をつってから掃除を行います。
④放課
「放課」とは「学校の休み時間」のことです。愛知県内の学校生活の日常会話でよく登場する言葉です。ことらもどこでも通じる言葉だと思っていましたが、一般的にはみなさん放課と言えば「放課後」を思い浮かべる様ですね。学校では休み時間を「放課」と呼び、給食後の「昼放課」や長めの休み時間「長放課」などもあります。
⑤B紙
「B紙」とは「模造紙」のことを指します。こちらは愛知県だけでなく岐阜県などでも使われている方言の様です。紙のサイズがB1判に近いことからそう呼ばれているという説があります。愛知県の方はうっかり他県で「B紙とって」と言っても伝わりませんので注意してくださいね。逆に他県の方は愛知では「模造紙」では伝わらない可能性があります。
⑥ちんちん
愛知県の方言で日常会話によく使われる言葉に「ちんちん」があります。「ちんちん」といきなり聞くとビックリしてしまう人も多いかもしれませんが、実は「ちんちん」とは「お湯や汁物などが熱々」という意味なんです。例えば「お風呂ちんちんで入れんがね(お風呂熱すぎて入れないよ)」というように使われます。「ちんちん」を強調した言い方に「ちんちこちん」もあり、ちょっと可愛らしさが増しますね。
⑦わや
愛知県の方言で日常会話によく使われる言葉、続いては「わや」です。「わや」とは「台無し」や「大変」また「滅茶苦茶」という意味合いになります。例えば「せっかく片づけたのに、こんなに散らかしてわやじゃん(せっかく片づけたのに、こんなに散らかして滅茶苦茶じゃん)」や「こんなやり方したらわやだが(こんなやり方したら台無しだよ)」といった使い方をします。
⑧こわす
愛知県で「こわす」は「両替する」という意味になります。もし「このお金こわしといて」と言われたら、「え、お金を壊すの?」と一瞬考えてしまいそうですが「両替して」という意味なので安心してください。愛知県の人は他県で両替を頼むときに間違えて「こわして」と言わないように気を付けましょう。
⑨ほかる
愛知県で「ほかる」とは「捨てる」という意味です。「これほかっといて」と頼まれたら、「これ捨てといて」という意味なので間違ってその辺に放っておかないように気を付けましょう。ただ、ややこしいことに「ほかっといて」は「放っておいて」の意味でも使います。例えば「もう一人になりたいからほかっといて」だと「一人になりたいから放っておいて」になります。
⑩でら
尾張の告白フレーズでも登場した「でら」は「とても」という意味合いで使います。「どら」という言い方をする人もいます。「でら」を誇張したい場合は「どえりゃあ」になりますが、今はあまり使う人はいません。例えば「このたこ焼きでら美味しいがん(このたこ焼きめっちゃ美味しいね)」というように使います。
⑪えらい
愛知県で日常会話でよく使われる言葉で「えらい」があります。「昨日あんまり眠れんかったでえらいわ」と言われたら、自分で偉いって思ってると勘違いしてしまいそうですが「疲れた」や「しんどい」という意味で使われます。例えば「今日残業だったんだ」の返しが「マジで~えらかったねえ」の場合、褒めているというよりも「疲れたね」という意味合いですので舞い上がらないように注意しましょう。
⑫ケッタマシン
「ケッタマシン」なんてかなり独特な言い回しですが、実は「自転車」のことを言います。「明日どうやって来るん?」「ケッタマシンで行くわ!」なんて会話を聞いて、どんな機械?!とビックリしちゃいそうですよね。「ケッタマシン」の由来は「蹴ったくるマシーン」からきていると言われます。「ケッタマシン」を短くして「ケッタ」と呼ぶ人もいます。
【愛知県の方言一覧④】可愛い方言9選!
次は愛知県で使われるちょっと可愛い方言をご紹介します。ちょっと言い方がきつく聞こえる愛知県の方言ですが、可愛い方言もたくさんあります。思わずきゅんとしちゃう可愛い方言もあるかもしれませんよ。
①ももた
愛知県で使われる可愛い方言に「ももた」があります。「ももた」とは「太もも」のことで「なんかももたが痒い(なんだか太ももが痒い)」という感じで使われます。可愛らしい呼び方ですよね。愛知県でも言う人言わない人が結構別れる言葉でもあります。年配の方が多いかもしれません。
②ときんときん
「ときんときん」は一見「ドキドキする」響きを表わしている様ですが、実は「尖っている」という意味になります。「この鉛筆ときんときんにしといたよ」は「この鉛筆綺麗に尖らせたよ」といった意味合いです。「ときんときん」を強調すると「とっきんとっきん」になります。
③ぱーぱー
愛知県で「ぱーぱー」とは「窓や扉などが開けっ放し」という意味です。「窓がぱーぱーだで閉めりん」と言われたら「窓が開きっぱなしだから閉めて」という意味です。他にも「あっぱっぱー」という言い方で使われることもあり、「足があっぱっぱーになっとるよ(足が開いてるよ)」といった使い方をします。
④あっちゃこっちゃ
「あっちゃこっちゃ」とは「反対」「あべこべ」という意味です。響きが似ている「あちこち(あっちやこっち)」ではありません。例えば「服あっちゃこっちゃしとるよ(服あべこべに着てるよ)」というように使われます。ちなみに「あっち」を「あっちゃ」とも言う人もいます。
⑤まい
「まい」は愛知県では語尾につける言葉で、主に誘うときに使われます。尾張の告白フレーズでも登場しましたね。「○○に行こうよ」という場合なら「○○行こまい」とうように使います。「一緒に頑張ろまい」と言われたらいつもよりやる気が出そうですよね。
⑥めちゃんこ
「めちゃんこ」はもしかしたら聞いたことがある方が多いかもしれませんね。「Drスランプアラレちゃん」でよくアラレちゃんがいっていた言葉でもあります。作者の鳥山明さんが名古屋出身ということで、アラレちゃんには他にも色んな名古屋弁が使われていました。「めちゃんこ」とは「とても」という意味で、先ほど登場した「でら」と同じ意味合いになります。
⑦ちょ
「ちょ」は語尾につける言葉で、「ちょう」という場合もあります。もともとは「~して頂戴」からきておりお願いするときに使う方言です。例えば「もっとかまってちょ(もっとかまって)」「遊んでちょ(遊んでよ)」なんて言われたらちょっとドキッとしませんか?主に尾張地方で使われています。
⑧かん
「かん」は「だめだよ」など否定を表わす言葉です。関西弁の「あかん」を省略したような感じです。使い方としては「そっち行っちゃかんよ(そっちに行っちゃだめだよ)」というように使います。なんとなくふんわりした印象の否定で可愛い感じもしますよね。これなら注意されてもいいかな、なんて思う方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
⑨こずむ
「こずむ」は「沈んでいる」という意味です。愛知県の中でも静岡県に近い地域で使われる方言ですので、聞いたことがない人も多いかもしれません。例えば「よくかき回さんと砂糖がこずむに(よくかき回さないと佐砂糖が下の方に沈んじゃうよ)」といった感じで使います。使う地域が限られることから、尾張の人などには通じない場合があります。
【愛知県の方言一覧⑤】愛知県民が標準語だと思っている方言10選!
他県で使ったら通じなかったという言葉、どの地域の方でもあるのではないでしょうか。県内で当たり前に使っている言葉ですので、それが全国どこに行っても通じると思っている言葉は少なくありません。今回はそんな方言の中から、愛知県身が標準語だと思っている言葉を一覧でご紹介します。
①まわししといて
「明日これ使うでまわしといてね」と言われたら、「何を?」「もしかして業界用語?」なんて動揺してしまいますよね。実は「まわしといて」は「準備をしておいて」という意味なんです。つまり「これ明日使うやつだから準備しておいてね」と言われたわけなんですね。意外と方言と気づかず使っている人が多いかもしれません。
②いざる
「いざる」とは「動かす」「ずらす」という意味合いです。例えば「ここに置いといたのにいざっとる(ここに置いといたのにずれてる)」といった使い方をします。突然「いざる」と言われたら確かにちょっと意味が分かりませんよね。
③ほんだで
「ほんだで」は愛知県民がよく使う言葉です。「~だで」や「~で」という場合もあります。意味としては「だから」「なぜなら」などの接続詞になります。「風邪ひいちゃったで頭痛いんだわ(風邪ひいたから頭痛いんだ)」といった使い方をします。全国共通と思っているというよりも無意識に使っちゃっている言葉かもしれません。
④おおちゃくい
「おおちゃくい」とは「怠けている」などの意味で「横着」からきているものだと思われます。「なにい、今日も宿題忘れたの?ホントおおちゃくいでかんわ(どうしたの、また宿題忘れてきたの?本当に横着でだめだね)」といった感じで使われます。
⑤まちがいない
「まちがいない」は「間違いない」で普通の言葉に感じますが、注目したいのはそのイントネーションです。伝わりにくいかもしれませんが、「ま→ち↓が↑い↓な↑い↓」といったように変わったイントネーションで使われます。主に大学生くらいの年代で使われていたようで、このイントネーションを使う人は限られますが初めて聞いた人はびっくりしてしまうかもしれません。
⑥おかって
「おかって」とは台所のことを指します。おばあちゃんが台所のことを「おかって」と呼んでいるのを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。「おかって」は全国共通で、愛知県だけで使われている言葉ではありません。しかし、注目したいのは愛知県ではなぜか台所仕事のことも「おかって」と言うことです。
⑦なまかわ病
尾張弁で「なまかわ」とは「怠ける」の意味です。つまり「なまかわ病」は「怠ける病気→怠け癖」ということですね。何も知らずに聞いたら「どんな病気?!」と心配になってしまいそうですが、「ちょっと怠け癖がついちゃった」というニュアンスで使われますので安心してください。愛知県の人は他県で使うと心配されてしまいますので気を付けましょう。
⑧しゃびんしゃびん
愛知県では「水っぽい状態」のことを「しゃびんしゃびん」と表現します。例えば「このカレーちょっとしゃびんしゃびんじゃん(このカレーちょっと水っぽいね)」という感じで使います。愛知県以外にも岐阜、三重の東海三県で日常的に使われる言葉で「しゃびしゃび」と表現する人もいます。こう表現するのが当たり前だと思っているので、どういう意味か聞かれても「しゃびんしゃびんの意味はしゃびんしゃびん」となる人も多そうです。
⑨きやっとする
「なんだか腰がきやっとして痛いんだわ」と言われたら「なんのこと?」と戸惑ってしまいますよね。この独特な表現は、主に年配の方が使うのですが痛みを表現する際に使われます。「きやっ」の言い方で痛み具合を表現する人もいる為、正確な意味を伝えるのは難しいのですが一時的に痛みが生じたときにこう表わす場合が多い様です。
⑩みえる
この「みえる」は「見える」ではありません。動詞に「みえる」を合わせて尊敬語として使います。例えば「今先生が書類書いてみえますよ。」や「お子さんがみえる方いらっしゃいますか(お子さんがいるかたはいらっしゃいますか)」などです。これは愛知県を含んだ東海エリア独特の言い回しの様で、丁寧語として本人は使っていますが他県の人には奇妙に聞こえてしまう言葉でもあります。当たり前に使っているので難しいですが、他県の人と話すときは控えたい言葉ですね。
愛知に行ったら耳をすませて方言を聞いてみよう!
愛知県の方言を色々ご紹介しましたがいかがでしょうか。尾張弁と三河弁の違いはわかりましたか?愛知県来たら、耳を澄ませて会話を聞いてみて下さい。「~りん」って言ったから三河の人だ!なんて違いに気が付けて楽しいかもしれません。ちなみに、尾張と三河の境目辺りに住んでいる人の中にはどちらの方言も混ざった言葉を使う人もいたりしますよ。愛知県に来られる人はぜひ今回の記事を参考に話を盛り上げて下さい。