ご芳名の消し方マナーを徹底解説!【ビジネス・結婚式招待状・葬儀】

社会人になると知っていて当然、できてあたりまえのマナーがたくさんあります。そのひとつである「ご芳名の消し方」について、今の時代に即したものを紹介していきます。ビジネス・結婚式招待状・葬儀、それぞれのシーン別に「ご芳名の消し方」を身に着けましょう。

ご芳名の消し方マナーを徹底解説!【ビジネス・結婚式招待状・葬儀】のイメージ

目次

  1. 1ご芳名の消し方は?マナーをシーン別に解説!
  2. 2そもそも「ご芳名」とは?
  3. 3なぜご芳名を消す習慣があるのか?
  4. 4ご芳名の消し方の基本
  5. 5ご芳名と一緒に消す箇所は?3つ紹介!
  6. 6ビジネスシーンでの「ご芳名」の消し方を詳しく解説!
  7. 7結婚式招待状での「ご芳名」の消し方を詳しく解説!
  8. 8葬儀での「ご芳名」の消し方を詳しく解説!
  9. 9ご芳名の消し方に横書き・縦書きで違いはある?
  10. 10ご芳名を消す時のペンの色は何色でもいいの?
  11. 11ご芳名を消すのを忘れたらどうなるの?
  12. 12アンケート用紙でもご芳名は消すの?
  13. 13ご芳名の消し方マナーを正しく身につけよう!

ご芳名の消し方は?マナーをシーン別に解説!

冠婚葬祭の場やビジネスシーンで「ご芳名」と記載されている招待状などを、目にしたことがあるかと思います。「ご芳名」は、ほとんどの場合が書き言葉で使われるため、日常生活の中での会話では聞くことはほとんどありません。頂いた招待状や受け取った文書などに「ご芳名」と記載されていた場合は、返答の際に「ご芳名の消し方」の様々なマナーがあります。いざという時も慌てないスマートなマナーを身につけましょう。

テーブルセッティング

そもそも「ご芳名」とは?

ご芳名の意味

「ご芳名」の「芳名」とは、相手の姓名を敬って使う言葉です。よって「ご芳名」は相手に対して氏名・姓名をより、丁寧にした表現となります。「御芳名」と漢字で書かれる場合もあります。また、「芳名」には「よい評判、名声」という意味もあり「芳名を後世に残す」「芳名を千載に残す」といった使い方をします。

ご芳名は二重敬語では?

上記で説明しましたが、「ご芳名」とは「氏名・姓名」の丁寧な表現である「芳名」に更に丁寧な「ご」がついた言葉となっています。「芳名」という言葉自体に、相手を敬う意味合いが含まれているので考えると、二重敬語で誤った表現となってしまうのですが、現代ではビジネスシーンを含めて、すでに一般化している表現として通用しています。

封筒

相手の名前のときだけ使う

「ご芳名」は相手の名前を指す敬語となります。よって、自分以外の人に対して使用する言葉であって、自分自身の名前には使いません。たとえば、受け取った招待状の自分自身の名前を書く欄に記載されている「ご芳名」は、相手が受取人の名前に対して使っているものです。返信するときに「ご芳名」を消さないでそのままにして返信すると、自分自身に対して敬語を使うことになってしまいます。「ご芳名」は相手の名前のときだけ使用しましょう。

なぜご芳名を消す習慣があるのか?

マナーとして「ご芳名」を消す習慣は広く浸透していますが、なぜ消す習慣があるのでしょうか。「ご芳名」は相手から自分への心遣いであり、名前の丁寧語なのです。そのため、返信をする際に「ご芳名」を消さないのは大変失礼な行為にあたります。正しく「ご芳名」を消すことで、自分からの丁寧な心遣いを相手へも伝えることができます。

日常の会話で名前を名乗る際、「私の名前は○○です」と言いますが、「私のお名前は○○です」と言いませんよね。これは、自分に対して敬語を使うことになります。

手紙

ご芳名の消し方の基本

最初の二文字を消す

結婚式などの招待状での返信の際、「ご芳名」もしくは「御芳名」という記載を正しく消さなければなりません。記載されている「ご芳」「御芳」の最初の二文字に線を引いて消すのがマナーです。消して「名」だけ残るようにするのが消し方の基本です。

「ご芳名」のままで返信してしまうということは、自分の名前を敬うことになってしまうので忘れずに消しましょう。

万年筆

定規でまっすぐ二重線で

ご芳名の消し方の方法は、上記で説明した二文字を直線の二重線で消します。縦書きの時には縦の二重線で、横書きの時には横の二重線で消します。その際、定規を使ってまっすぐな二重線を引くように心がけましょう。定規を使わない二重線では、相手の方にいいかげんな印象を与えてしまい失礼となってしまいます。

ご芳名と一緒に消す箇所は?3つ紹介!

「ご芳名」を消す際には、「ご芳名」の他にも一緒に消さなければならない箇所がありますので、注意が必要です。この機会に消し方・返信マナーを身につけましょう。

①「ご住所」「貴社名」

招待状などに記載された「ご芳名」の隣には自分の住所を書く欄が用意されていることが多く「ご住所」は「ご」を縦書きなら縦に、横書きなら横に二重線で消して「住所」に、また、「貴社名」と記載されている場合も「貴」を縦書きなら縦に、横書きなら横に二重線で消して「社名」とすることを忘れないように注意しましょう。

②「ご出席」「ご欠席」

「ご出席」「ご欠席」の欄は、どちらかを選んだ後に、出席を選んだ場合は「ご出席」の「ご」と「ご欠席」を二重線で消し「出席」を〇で囲みます。欠席を選んだ場合の消し方はその逆になります。

③「御」や「様」も消す

招待状・ゲストカードに記載された自分の住所・宛名に「御」「様」と書かれているので返信の際はこちらも二重線で消し忘れないよう注意しましょう。また、返信先である相手の名前に付けられた「宛」「行」を斜め二重線で消してから「様」と書き直すことも必要です。

招待状

ビジネスシーンでの「ご芳名」の消し方を詳しく解説!

社会人になると、冠婚葬祭の他、ビジネスジシーンでもメールや書類で「ご芳名」と記載されていることを目にする機会が多いと思います。使い方はもちろんのこと、返信の際に消しておかなければ相手の方に失礼となってしまうので注意しましょう。ビジネスシーンでの消し方のマナーも身に着けておきたいものです。

新聞

①「貴社名」の消し方

メールや書類に「貴社名」と記載してある場合、こちらも敬った言い方となっていますので「ご芳名」と同様に返信する際には消す必要があります。

メールでの「貴社名」の消し方は「貴社名」を消して「社名」または「弊社名」と書き換えて社名を記入するか、もしくは社名だけを記入すればよいでしょう。書類などの場合は「貴社名」の「貴」を斜めの二重線で消し「社名」にします。

仕事中の男性

②メールでご芳名を消す方法は?

「ご芳名」はビジネスメールでも使われることがありますが、メールの場合は文字を二重線で消すよりも、書き換える方法で対応したほうがよいとされます。「ご芳名」は二重線で消した場合「名」となりますが「名」とするのではなく「氏名」もしくは「名前」と書き換える方がよいでしょう。

「ご芳名」の他に「ご住所」がある場合も「ご芳名」と同様に消す必要があります。その場合「ご」を削除し「住所」を残すか、書き換えるなどして相手の方への失礼のない言い回しに直してから返信します。

ビジネスメール

結婚式招待状での「ご芳名」の消し方を詳しく解説!

「ご芳名」の消し方で特に注意して覚えておきたいのが、結婚式招待状などの祝い事の場合です。結婚式に出席する際は遅くとも1週間以内には返信する必要があります。また、招待状にご芳名カードが同封されている場合もあります。ご芳名カードは、名前や住所、新郎新婦へのメッセージを添えて結婚式当日持参します。最近ではご芳名カードを持参する形式も浸透したため、ご芳名帳のサインが省かれ、スムーズな参列ができるようになっている場合もあります。返信をする際には「ご芳名」と記載されている氏名欄も注意が必要です。

招待状

①「寿」でご芳名を消す方法

お祝い事の場合には「ご」や「御」を二重線ではなく二重線の代わりに「寿」の字を重ねて書くという方法もあります。消し方は、黒または赤(朱色)のボールペンか筆で「ご芳名」の「ご」と「芳」の字の上に一文字ずつ「寿」の文字を重ねます。「ご住所」という欄が用意されていたら、こちらも同様に黒または赤(朱色)のボールペンか筆で「ご住所」の「ご」の上に「寿」の文字を重ねます。「寿」を書いて修正することで、相手におめでたい気持ちを伝えることができるのです。

二重線で消すよりも「寿」で消した方が丁寧な消し方ではありますが、文字のバランスが難しいので、文字に自信がないのであれば二重線で消しても構いません。「寿」が使用できるのは結婚式の招待状の場合のみですので、注意しましょう。

結婚招待状

②欠席するときのご芳名の消し方

結婚式の招待状が届いた時、欠席の返信を出す場合も、出席する場合と同様に「ご芳名」を消します。消し方は「ご芳名」の「ご芳」を定規を使ってまっすぐに二重線で消し「名」だけを残します。

「ご芳名」の欄の隣には「ご住所」という欄が用意されていますので「ご芳名」と同様に消す必要があります。「ご住所」の消し方は「ご住所」の「ご」を斜めの二重線で消して「住所」だけを残します。

招待状

葬儀での「ご芳名」の消し方を詳しく解説!

年齢を重ねていくと共に、思いがけず訪れる悲しみの儀。いざという時も慌てないスマートな作法を身に着けておきたいものです。葬儀での「ご芳名」の消し方を解説します。

花

①葬儀のカード「ご芳名」の消し方

葬儀に参列すると受付に置かれた、枠線が引かれた帳面に名前と住所を並列して記入する、いわゆる芳名帳に名前を書くようになっています。しかし、近年ではひとり1枚のカード式になった芳名カードが使われるようになりました。

芳名カードには「ご芳名カード」「ご芳名」「ご住所」などと記載されています。消し方の決まりはありませんが、結婚式の招待状などと同様に二重線で消すことが無難とされています。

アレンジメントフラワー

②消さなくてもマナー違反にはならない?

葬儀での芳名帳や芳名カードは、受付でスムーズに参列者の情報を記録するためのものなので、仮に「ご芳名」を消さなかったとしてもマナー違反にはなりません。

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ご芳名の消し方に横書き・縦書きで違いはある?

招待状の多くは縦書きが多いですが、近年、結婚式招待状など横書きの招待状も見かけます。縦書きでも、横書きでも消し方の方法は同じですが、返信する際は縦書きは縦に二重線、横書きは横に二重線で消すのがマナーです。

葬儀の招待状などの場合も「ご芳名」が縦書きの場合は縦に、「ご芳名」が横書きの場合は横に二重線で消します。

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ご芳名を消す時のペンの色は何色でもいいの?

ご芳名を消す時には基本的には、毛筆か万年筆というマナーがありますが、黒のボールペンであれば問題ありません。ただし、グレーや青ではなく、必ず黒のインクのペンを使用しましょう。結婚式招待状の「寿」で消す際は黒、または赤(朱色)を使用しても問題ありません。

黒のペン

ご芳名を消すのを忘れたらどうなるの?

招待状の返信をする際ご芳名を消し忘れた場合、その書面が無効になるようなことはありませんが相手に失礼に当たるので、十分な注意が必要です。返信する際には、必ず再度確認をしてから出しましょう。

アンケート用紙でもご芳名は消すの?

いろいろな場面で配布されるアンケート用紙などの場合も、「ご芳名」「ご住所」と記載されていることがあります。やはり、「ご芳」や「ご」の文字は二重線で消すのがマナーです。また、メールアンケートの場合の消し方はビジネスメールと同じように「ご芳名」は「名前」に、「ご住所」は「住所」に書き換えましょう。冠婚葬祭のような改まった場面でないため見落としがちではありますが、いざという時のために覚えておきましょう。

アンケート

ご芳名の消し方マナーを正しく身につけよう!

ご芳名の消し方のマナーにも決まりがあり、無知であれば相手に対して失礼にあたることもあります。基本を知ることで相手も、そして自分も気持ちよく過ごせるでしょう。

サイン

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この記事のライター
真理子
日本酒と旅とダイエット、そして泡盛もすき。

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