『御愁傷様』の意味とは?正しい使い方や返事の仕方も紹介!
『御愁傷様』という言葉、葬儀の際に使う言葉としては知っているけれど意味や具体的な使い方は知らないという方も多いのではないでしょうか。『御愁傷様』の意味・返し言葉・類語やメールで使う際の注意点や使う際の例文などご紹介します。
目次
『御愁傷様』の意味とは?
「御愁傷様」言い慣れないために咄嗟に出てこない言葉の一つではないでしょうか。葬儀など本当に限られた場面でしか使い方がありません。仕事でミスして「御愁傷様」と冗談で言えるようになるのも、随分と社会経験を重ねてからという印象があります。
ただ言い慣れないからと使い方を間違ってはとても失礼にもなり使い方に注意が必要な言葉でもあります。社会人として実際に言う時の心構えは持っておきたいものですよね。
『御愁傷様』の意味とは?
御愁傷様とは、遺族へかける挨拶の言葉です。ですから、葬儀や通夜などで使って良い意味の言葉です。葬儀などで言葉が出てこない時に「御愁傷様です」と礼を添えると形になります。「御愁傷様です」という言葉を伝えることは、哀悼の意を端的に伝える方法の一つとも言えます。
御愁傷様の意味は、人の死を悼んで遺族へかけるお悔やみの言葉です。それ以上の意味はないようです。言葉の成り立ちはあるようなので次の目次でご説明します。
『御愁傷様』という言葉はどのように生まれた?
御愁傷様は『御+愁傷+様』に分解できます。
■愁傷の意味……嘆き悲しむこと
言葉としては『愁傷』に敬意を表す『御』と『様』が付属した最上級の意味を含む言葉となります。世が世ならお殿様クラスの方への言葉という感じです。
葬儀の際はこの愁傷の意味が『嘆き悲しむ』→『気の毒に思う』となるようです。そこに『御』と『様』が付属して相手への最上級の意味を含む言葉となり、葬儀の挨拶の言葉には相手をねぎらう意味も加味されて使われるようになったようです。
『御愁傷様』の使い方を例文を使って紹介!
御愁傷様(ご愁傷さま)は、葬儀で参列者が遺族にかける言葉の定番であり、ねぎらいの意味を持つ挨拶の言葉と分かりましたね。こちらでは御愁傷様の使い方や例文などをご紹介します。
挨拶の言葉として『御愁傷様』を使う
葬儀の際に会った遺族の方へ挨拶として使います。「こんにちは」「こんばんは」が葬儀では「御愁傷様です」となります。
例文1:この度はご愁傷様です。
例文2:お世話になっておりました○○の○○です。この度は御愁傷様です。
例文1だけでは味気なくマナーの一つとして自己紹介を先にした方が良い場合があります。葬儀で受付などにいる遺族の方は参列する全員の顔を知っているわけではないので、例文2のように自己紹介を添えて礼を後に加えるという使い方もマナーとして良いようです。
『御愁傷様』は上司に使っても問題のない言葉
例文:お世話になっております○○と申します。この度はご愁傷様でございます。
『御愁傷様』は先にご説明したように、最上級の敬意も意味する言葉ですから上司や上司のご家族などの葬儀へ出席した際に使うことのできる言葉です。目上の方には語尾を「ございます」にした方がより良い印象があります。
『御愁傷様』は葬儀における昔ながらの智恵の言葉
非日常に遭遇してしまった時、咄嗟に使う言葉に迷うことがあります。ただ、葬儀の際には『御愁傷様』という言葉がすでにあるので、覚えてさえいればとても便利な言葉とも言えます。自分で色々と言い回しを考えすぎて遺族感情に抵触する心配もありません。
『御愁傷様』は一緒に使う言葉が重要!
御愁傷様には一緒に使うことでより悲しみやねぎらいの気持ちや意味を伝えることができる言葉があります。使ってはいけない言葉は後でご紹介しますが、こちらでは例文付きで御愁傷様と一緒に使うと良い言葉を2つご紹介します。
「言葉がありません」
例文1:この度は御愁傷様です。突然のことで言葉もありません。
例文2:御愁傷様でございます。とても残念で言葉がありません。
「言葉も」でも「言葉が」でも使い方や意味は同じようです。言葉もないくらい残念で悲しいという気持ちや意味を込めることができます。
「何かお役に立てることがあれば」
例文1:この度はご愁傷様でございます。何かお役に立てることがあればお申し付けください。
例文2:御愁傷様です。何かお役に立てることがあればお声をかけてください。
語尾などの丁寧さから例文1の方が目上の方へ、例文2の方が親しい方へという印象もありますが、いずれも相手をねぎらう意味が込められます。
親しい人が亡くなって色々大変だろうから何か手伝えることがあったら声かけてくださいね、という気持ちが込められるのではないでしょうか。
『御愁傷様』はメールで使うのはNG!注意しよう!
葬儀の挨拶の使い方ができる『御愁傷様』ですが、メールで使うのはNGと覚えておいた方が良いようです。無料でどこから何時でも送ることができるメールは連絡を取る方法として便利ですが、メールと言うカジュアルな方法で御愁傷様という格式ある言葉を使うことに違和感がり注意が必要です。
そもそも、哀悼の意を伝える方法としてメールがタブーだということですね。追悼の意はなるべく手順を踏んで直接的に伝えるべき言葉というマナーがあるようです。弔意を伝える方法として電話か弔電か手紙がベストのようです。
どうしてもメールでしか哀悼の意を伝える方法がない時は「お悔やみを申し上げます」を使うのがベターです。あまり丁寧すぎる格式ある言葉がメールに合わないので注意しましょう。「突然のことで言葉が見つかりません」「突然の訃報に動揺しております」「本当に残念でなりません」などもメールで哀悼の意を伝える方法として良いようです。
なるべく直接会って、電話で、弔電で伝える方法がマナーとしては良いということはしっかり覚えておきましょう。
『御愁傷様』と言われたときの返しはどうしたらいい?
『御愁傷様』と言う場合のことをこれまでお話してきましたが、『御愁傷様』と言われる立場に立つことは言う側よりももっと少ないです。それも突然やってきます。葬儀の心の準備と言うと不謹慎に思えますが、いざと言う時のために『御愁傷様』と言われた際の返しの言葉も、せっかくなので知識として押さえておきましょう。
返事①「恐れ入ります」
「御愁傷様です」と言われた際の返しに「恐れ入ります」はどんな立場の方への返しとしても使える言葉です。目上の方へも近所の方へも親せきへも使うことができる返し言葉です。メールで哀悼の意などをいただいた際の返しにも使えるので覚えておくと便利です。
返事②「ご丁寧にありがとうございます」
葬儀などで「ありがとうございます」と言うのはマナーとして避けた方が良いようです。それでも葬儀の際にお礼を伝いたい場面はあります。遠方から参列した方や香典をいただいた際などのお礼には「ご丁寧に」をつけて「ご丁寧にありがとうございます」と伝えると良いようです。
返事③「お心遣いありがとうございます」
上でもご説明しましたが、ただ「ありがとう」と伝えるのは葬儀ではタブー。なので「お心遣いありがとうございます」とお礼をお伝えする方法があります。「何かお手伝いできることがあれば~」など御愁傷様に添えられた言葉への返しにも「お心遣い~」は使えます。
『御愁傷様』の類語を3つ紹介!
メールの目次でメールで使える御愁傷様の類語文をご紹介していますが、こちらでは3つの類語をご紹介します。こちらの類語は、葬儀の際の挨拶や弔電や手紙などに使うことができる類語です。
類語①「お悔やみ申し上げます」
例文1:ご逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
例文2:この度は誠にご愁傷様でした。心よりお悔やみ申し上げます。
お悔やみ申し上げますは御愁傷様と並べて使っても良い言葉のようですね。口頭でも弔電や手紙で使っても良い便利な言葉です。
類語②「哀悼の意を表します」
例文1:ご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。
例文2:〇〇様に対し、謹んで哀悼の意を表します。
注意したいのは遺族に直接口頭で伝えるのはタブーな言葉ということです。弔電や手紙で使って良い言葉ですからご注意ください。
類語③「ご冥福をお祈りいたします」
例文1:謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福御祈り致します。
例文2:○○様のご冥福をお祈り申し上げます。
この類語は故人に対して使う言葉です。遺族の方の冥福を祈っているわけではないので、「○○様の~」というように誰の冥福を祈っているのかが分かるように伝えるように注意しましょう。
また「冥福」という言葉はキリスト教や神道では使わない方が良いという考え方もあるようですが、実際には葬儀の際に使われる言葉として汎用されているようです。
【おまけ】お悔やみを伝える際の注意点3つ!
お悔やみを伝える際の注意点がありますのでこちらでご紹介します。この3点を押さえれば突然の葬儀の際にも慌てずに済みそうです。
励ましの言葉は避ける
自分が安易にかけた言葉が、本当には分からない遺族の悲しみの深さや心情を逆なですることもあります。葬儀などでよく使われる「突然の訃報に驚いています」は自分の悲しい気持ちを、「ご冥福を謹んでお祈りします」は故人への言葉がけです。安易に励ましたり元気づけたりする言葉がけがタブーということが、葬儀の際に使われる言葉で分かります。
遺族に寄り添う「同じ気持ちですよ」という内容の言葉がけを心がけましょう。無理に考えることはありません。葬儀用の挨拶『御愁傷様です』という言葉があります。そんな言葉が存在するのも、遺族への心遣いが定型の言葉として残っていったからなのかもしれませんね。
重ね言葉は避ける
重ね言葉は葬儀の際にはタブーとされています。
・重ね重ね → 何度も
・ますます → もっと
・くれぐれも → どうぞ
・度々 → 何度も
など、丁寧な言葉として認識される言葉も二度繰り返す言葉は葬儀の際は使わないように注意しましょう。「不幸が重なる」という禁忌を連想させる言葉になります。矢印「→」後の言葉で代用してみてください。
不吉な言葉は避ける
不吉なことを連想させる言葉も葬儀の際にはタブーとされています。死を連想させる言葉は使わない方が良いようです。
・死 → 永眠・退去
・生存 → ご生前・お元気な頃
矢印「→」の後の言葉で代用してみてください。葬儀の際には使わないように注意しておくと良いですね。
・続く
・追って
・繰り返し
も同じような不幸が続くイメージがあり葬儀の場ではタブーとされているので、わざわざ使うことがないように注意しましょう。
『御愁傷様』の使い方を知って正しく使おう
『御愁傷様』は葬儀の際の挨拶に使う言葉であり哀悼の意や遺族へのねぎらいなどを含む言葉でもあると分かりました。手紙やメールで使うことができる類語や定型文的な言い回しなどもありましたね。
ご不幸は突然やってきます。どんな場面でもTPOをわきまえた言葉使いができるのは理想ですよね。『御愁傷様』の使い方や意味を知って正しく使いこなして素敵な大人を目指しましょう。