ゴリラの握力は500㎏?握力測定方法や筋肉がすごい理由を解説!
ゴリラの生態をどの程度ご存知ですか?非常に体格が良い動物なので、パワーがありそうな事は想像出来ると思いますが、実はゴリラの握力は500kg以上あると言われています。なぜゴリラの握力が500kg以上あるのか、そのパワーの源は何なのかについて紹介する記事です。
目次
ゴリラの握力や筋肉がすごいのはなぜ?
動物園やテレビの動物系のドキュメンタリーなどで良く目にする事のあるゴリラ。非常にたくましい体格からは、すごいパワーを持っていそうと印象を持っている人も少なくはないでしょう。実際に握力が非常に強いと言われており、その握力は500kgはあるのではないかと噂されています。今回は、そんなゴリラの生態や、そのたくましい体が作られるメカニズムなど、ゴリラについての「なぜ?」を深掘りしていく記事となります。
まずはゴリラについて解説!
ゴリラの生息地
野生のゴリラは、アフリカ大陸にしか存在していません。多湿な密林のある環境が主な生息地となっていますが、アフリカ大陸ではそれ以外の環境でも生息が確認されていて、苛酷な環境でも耐えられるような非常に強い体を持っています。日本の動物園でも見られるのが、まさにそれを証明しています。
アフリカ大陸の東側と西側に生息しており、生息地ごとに名前が変わるのが特徴です。アフリカの東側に生息しているゴリラはヒガシゴリラ(学名ゴリラベリンゲイ)と呼ばれ、西に生息しているゴリラはニシゴリラ(学名ゴリラゴリラ)と呼ばれ、主に2種類に分けられます。
ゴリラの生態
ゴリラは群れを作って生活をする動物です。背中の毛が真っ白の「シルバーバック」と呼ばれる群れのリーダーであるオスゴリラを中心に、1頭以上のオスゴリラと複数のメスゴリラ、その子供たちを含め、おおよそ20頭の群れで生活しています。ちなみにオスゴリラがシルバーバックになるには、13年という長い年月を要します。
シルバーバック以外のオスゴリラが群れのメスゴリラと交尾をすると、リーダーから威嚇されてしまうので、成長と共に群れから離れ、メスゴリラも頻繁に群れを移動する習性があります。
ゴリラの性格は?優しい?
非常に筋肉質でたくましい体つきが特徴のゴリラなので、性格も非常に獰猛と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。その威圧感のすごい体格からは想像できないほど、優しくて穏やかな性格をしています。群れの中ではまるで言葉のような音を発してコミュニケーションを取ったり、機嫌が良い時には鼻歌を歌うこともあるようです。
海外では、ゴリラの檻に誤って落ちてしまった子供を、メスゴリラが助けて飼育員に渡したというエピソードがあるほどです。交尾の時だけは気性が荒くなる事もあるようですが、種を繋げていく上での本能なのでしょう。
ゴリラの平均的な体格
オスゴリラの成体は、身長170cm~180cm、体重は150kg~180kgにもなります。メスゴリラはオスゴリラよりも小ぶりな傾向があり、体長150cm~160cm、体重は80kg~100kgほどになります。ちなみにゴリラの赤ちゃんは体重は2kg弱で生まれてきます。
赤ちゃんの時は人間よりも小さく生まれますが、成長すると体長は成人男性や成人女性と似たくらいまで成長します。体重は人間をはるかに超えますが、無駄な脂肪はほとんど無く、大半が筋肉で構成されています。
ゴリラの握力は500kg?!測定方法は?
ゴリラの基本情報を紹介したところで、いよいよ本題に入ります。普段は温厚な性格のゴリラですが、生きていくためにはその筋肉から生まれるパワーを遺憾なく発揮します。その握力は500kgと推定されるのではないかという説が最も有力です。
なぜ実際に測定した値ではなく、推定なのかという理由について解説します。当たり前ですがゴリラが正確に握力を測定させてくれる事はありませんし、そもそも500kg以上の握力が測定できる握力計が存在するのかどうかさえも怪しい所です。しかし、オスゴリラならば150kg~180kgもあるような巨体なのに、木に腕1本でぶら下がれる事から、握力は500kgという数字が推定値として出されたようです。
ちなみにリンゴを握りつぶすのに必要な握力は70kg程度とされているので、ゴリラならばいとも簡単にリンゴを握りつぶしてしまいます。
ゴリラの握力にギネス記録があるって本当?!
結論から言えば、ゴリラの握力にギネス記録は存在しません。冷静に考えれば、性格に測定していない数字がギネス記録として残る事はまずあり得ないのです。あまりにゴリラの握力がすごい事をネタにした、ネットで出回るフェイクニュースの類なのが真実です。
しかし、ゴリラは握力以外でギネス記録を持っています。この記録は2010年に記録されたもので、記録を持っているのはニシゴリラとして紹介した「GORILLA GORILLA」となっています。気になるギネス記録の内容ですが、ゴリラの鼓膜に関する記録となっています。ゴリラの鼓膜は97㎟と測定され、世界一の鼓膜を持つ動物として記録を残しています。ちなみに人間は62㎟とされ、比較すると人間の1.5倍もの鼓膜を持っている事となります。
ゴリラの握力や筋肉はなぜすごい?その理由3選!
私たち人間が握力を強くしようとしたり筋肉をつけようとするならば、筋力トレーニングが必須となりますし、その筋肉を維持するためにも更に努力を続けなければなりません。野生のゴリラが人間と同じように筋力トレーニングをする姿は想像出来ませんよね。では、なぜ推定500kgにも及ぶ握力や筋肉をを身につけるの事ができるのでしょうか。
①草食なのに筋肉がつく
人間が筋肉を付けるためには、トレーニングの他にも肉や魚からタンパク質を積極的に摂取する食事が大切になります。しかしゴリラは草食動物なので、人間のようにタンパク質を摂取する事はありません。ゴリラは、人間にはない特別な腸内細菌や消化器官を持っているので、植物からでも筋肉の発達に必要な栄養素を摂取できる体のつくりをしています。そのため、草食動物でありながら筋肉が発達する事が出来るのです。
②筋トレしなくても衰えない
ゴリラは、遺伝子レベルで筋肉量が多くなるように決められています。その筋肉が衰えさせない事さえも遺伝子レベルで決められているため、筋力が衰える事はありません。そのため、筋トレで筋力を維持する必要もなく、筋肉を使った分だけ筋力が付くような体のつくりとなっています。実際にゴリラの運動量は非常に少なく、運動という運動は木にぶら下がるくらいの場合もあります。
③長年の進化で筋力がアップした
筋肉量が多くなるように遺伝子レベルで決められている事は前述しましたが、そこに至るまでには進化の過程があるのです。元々は筋力も少なく、もしかしたら人間のような体格だったのかもしれません。ゴリラとして自然界で生きていく上では、筋力を付けて体格も良くするのが最適と判断したのでしょう。パワーを持って種の繁栄を選んだのがゴリラで、頭を使って生きていく事を選んだのが人間、それだけの違いです。
ゴリラの握力や筋力を作っている食事とは?
なぜゴリラが草食動物なのに筋肉が発達するのかについて紹介しましたが、具体的にはどのような食事をするのかについて紹介します。まず主食となるのは、タケノコ・セロリ・シダ類・バナナの茎などが挙げられます。あの大きな体格と強大なパワーを維持するためには、すごい量の食事をしなければなりません。1日の食事量は18kg~30kgとなっていて、バナナに換算すると多くて約215本となります。
また、草食動物ですがアリなどの小さい虫も摂取しています。割合でいえば全体の2%くらいの量ですが、動物性の栄養を多少摂取する事で、体のバランスを整えているようです。
ゴリラの握力を人間の握力を比較すると?
ゴリラの握力が推定500kgである事は前述しましたが、人間の握力と比較するとどのくらいの差があるのでしょうか。成人男性の平均握力は約45kgとなっていますが、対するゴリラの握力は推定500kgなので、単純に計算しても11倍以上の握力を持っている事になります。ちなみに人間で握力の世界記録を持っている人の握力は192kgとなっていますが、到底ゴリラには叶わない数字となっています。
ゴリラと他の動物の握力を比較!
ここまではゴリラの生態や、なぜ筋力がつくのかというメカニズムについて紹介しましたが、最後にゴリラと他の動物との握力を比較したいと思います。果たしてゴリラよりも握力の強い動物は存在するのでしょうか。ここで挙げる動物の握力もあくまで推定値となるため、実際に測定した値でない事はご了承下さい。
ちなみに、イヌやネコ、ライオンやトラなどは物を掴むという概念が無いため、握力と言うものは存在しません。あくまでも物を掴める動物に限った話です。
ゴリラとクマの握力を比較
クマの握力は、推定150kg程度となっていて、体重は種類にもよりますが60kg~270kgとされています。木に登って木の実を取る必要のあるクマは、自らの体重を支えなければ生きていけません。そのため、自分の体重を支えられる以上の握力は必要不可欠なのです。ゴリラと比較すれば、おおよそ1/3程度です。
ゴリラとニホンザルの握力を比較
ニホンザルの平均握力は推定30kgで、ゴリラと比較するとはるかに少ない数値です。しかし体重は6kg~18kgと非常に軽いので、自分の体重の割には高い握力を持っている事となります。木の上を機敏に動き回るため、強い握力を手にしたのです。
ゴリラとオランウータンの握力を比較
オランウータンの握力は推定500kgとなっていて、ゴリラと同程度の握力を持っている事となります。体重は60kg~90kgと体格はゴリラよりも小ぶりですが、足の2倍の長さにもなる手が特徴です。その長い手で木にぶら下がるため、遠心力も強いものとなり、手にかかるパワーで言えばゴリラ以上かもしれません。その遠心力にも耐えられる握力を手にする必要があったため、高い握力を手にしたと言われています。
ゴリラとチンパンジーの握力を比較
チンパンジーの体重は32kg~60kgと、人間に最も近い体重です。しかし、握力は推定300kgと、かなり強い握力を持っています。チンパンジーもゴリラと同様に賢い動物なので、威嚇をする際などは500kg以上の握力を出す事が出来るという実験結果もあります。
ゴリラとコアラの握力を比較
いつも木につかまり、のんびりと葉っぱを食べる印象のあるコアラ。いつも木登りをするんだから握力が強いのではと思われがちですが、実は握力は推定10kg程度しかありません。体重は4~15kgなので、体格と握力の差がそんなにありません。木登りをするためには握力だけでなく鋭い爪を使うので、握力だけに頼る必要がない進化を遂げた動物です。
ゴリラの握力はパワーがとにかくすごい!
ゴリラの握力について紹介する記事でしたが、いかがでしたでしょうか?もしもゴリラの生態に興味が出てきたのならば、ぜひ動物園へと足を運んでみてください。実際にその筋肉質な体やすごいパワーを目にすれば、文字だけでは伝わらない、実際に目で見て知れるゴリラの魅力も多数あるはずです。また、ゴリラは人間と同じように顔のつくりがそれぞれ違います。少し前に「イケメンゴリラ」が流行りましたが、そのような個性的なゴリラに出会えるかもしれませんよ。