「足元を見る」の意味や使い方!足元を見る人の特徴や心理は?
足元を見ると、つい自分の靴を見てしまう人がいるのではないでしょうか。しかしながら、慣用句として使われる場合は靴を見るのではなく、人の弱みにつけこむという意味で使われます。今回は、「足元を見る」の語源や意味のご紹介と、例文を用いた使い方まで参考にしてみて下さい。
目次
「足元を見る」ってどういうこと?
「自分の足元を見る」という意味も持ちますが、実際はそのままの意味を待たないことわざのようなものというイメージですよね。実際会話として使われることもありますが、正しい意味や語源を知らない方が多いのではないでしょうか。
「足元を見る」の意味や由来は?
それでは靴を見ない「足元を見る」とは、一体どんな意味や語源があるのでしょうか。仕事先で使われる時に自分の靴を見て笑われないように、きちんと意味を把握しておきましょう。
意味①相手の弱点を見つけてつけこむこと
「足元を見る」の1つ目の意味は、「相手の弱みにつけこむ」「弱点を握って利用する」ということです。実際に利用されてしまったり、もしくは無意識に自分がしてしまったこともあるのではないでしょうか。
意味②靴を見ること
「足元を見る」の2つ目の意味は、「靴を見る」という物理的な意味もあります。しかし実際に靴を見るだけではなく、足元が綺麗な人は「育ちが良い」など階層を見る基準となります。「弱みにつけこむ」という意味ではなく、靴を見てその人の人となりを表すという使い方もあるのです。
「足元を見る」の語源とは
みなさん、「足元を見る」という言葉に語源があるのをご存じですか?「足元を見る」の語源となった出来事は、江戸時代にありました。当時の旅人はどんなに遠い距離でも徒歩で移動し、足が疲弊していました。そんな中唯一の交通手段が、人を籠に乗せて運ぶ「籠屋」です。籠屋の職人たちは、疲れた旅人の足元を見て料金を決めて、商売していたのです。これが「弱みにつけこむ」という意味で、「足元を見る」という言葉の語源となりました。
「足元を見る」を英語で表現すると?
「足元を見る」を直訳すると、"View feet"となりますが、これでは弱みにつけこむという意味にはなりません。"take advantage of ~"という英文だと「~を利用する・~につけこむ」という意味で、さらに「不公平な(unfair)」を付けることによって「足元を見られる」という意味になります。
例文は、"That why she's taken unfair advantage of.(それが彼女が足元を見られている理由です。)"ということになります。
「足元を見る」の使い方を例文で確認しよう!
「足元を見る」の意味が分かったところで、実際に使われる例文を確認しておきましょう。
例文①「あの人は、足元を見て私に高い商品を売りつけてきた」
この例文の場合は、売りつけられる人が気が弱く、押しに弱いという弱点を把握しているパターンです。「断ることはできないだろう」と思い、嫌なことを押し付け自分が得をするというよくある例でしょう。
例文②「足元を見られたからか、いつの間にかひとりぼっちになっていた」
この場合は、自分から物事を起こせない人に対して弱みを握り、孤立させてしまうパターンです。足元を見る人が自分より優れない格下を作り、自分より上に行かないようにするためでしょう。
例文③「あの取引先は、いつもこっちの足元を見て嫌な仕事ばかり提示してくる」
足元を見る取引先は、こちらの会社が不利になる条件を押し付けてくるといったパターンです。相手のことを下に見て、足元を見る会社が有利となるような提示をしてくるので、非常に意地悪な対応ですよね。
「足元を見る」は慣用句?ことわざとの違いとは?
「足元を見る」は慣用句なのかことわざなのか、違いを説明していきましょう。まずことわざとは、人間が生活していく上で注意するよう戒めた事柄や、面白い例えで相手をやり込めるような事柄を短い言葉に表したもののことを言います。また慣用句は、2つ以上の単語が合わさって、元の言葉とは違う意味を表すことを言います。
慣用句は主に身体の一部が文の中に含まれてあり、人々が暮らしていくなかで使いやすいようにできているものです。「足元を見る」は習慣的に使われる言葉なので、ことわざではなく慣用句に含まれるでしょう。
足元を見る人の心理4選!
足元を見てくる人は、人の弱みにつけこむことで危害を加えてきたりします。そんな行いをする人の心理とは、一体どんなものなのでしょうか。
嫉妬しがちで執念深い
嫉妬しがちで執念深い人は、自分に対してコンプレックスを強く抱いているという心理傾向があります。自分より優秀な人がいると嫉妬してしまい、自分が相手より負けていることに我慢できなくなるため、足元を見るような行動をしていしまいます。
現状に不満を持っている
足元を見る人は、今自分がいる状況に不満を持っている場合が多いです。自分に満足していないと周りが上手くいくことが面白くないので、相手の評価を下げようとする心理が働きます。逆に自分の状況に満足している人ほど、相手のことは気にせず常に前へ行動しているものです。
優位性を示して精神の安定を図っている
足元を見る人は相手を見下し、自分が優位の立場にいるということで精神の安定を図っています。相手が自分より劣っているところを探し出し、弱点を見つけることで安心感を得ているのです。「どうしても負けたくない」という負けず嫌いな心理から起こす行為なのでしょう。
卑屈な性格を自覚している
足元を見る人は、「自分はネガティブで卑屈な性格をしている」と自覚をしています。しかし、自分より格下と思う人の前ではプライドが高く、見栄を張るような行動をしがちです。そのような性格を自覚しているにも関わらず、その自分を受け入れたくないという心理から、足元を見るような行動に発展してしまうのでしょう。
足元を見る人の特徴6選!
人間関係を重ねていくと、足元を見るような人と出会う機会も少なくないと思います。あなたの周りにもいるかもしれない「足元を見る人の特徴」を6選にまとめてみました。
弱者には態度が大きく強者には低姿勢
足元を見る人は、自分には到底適わないといった強者に対しては低姿勢をとり、自分を守る傾向があります。それに対して、自分より弱いと思った人間に対しては周りが驚くほど高圧的な態度をとる特徴があります。そして足元を見るような人はこの性格を自覚しているため、周りから何を言われてもビクともしないのです。
虎の威を借る狐でもある
足元を見る人は、「自分が負けるような試合をしない」という特徴があります。強い者の力を借り、弱い者に対してその力を使いいかにも自分が強いということを見せつけます。そして戦う前から自分より強いと思った相手には、尻尾を巻いて逃げるのです。
能力も人望もない
足元を見る人には、特別披露するような能力もなく、頼られるような人望もありません。自分の能力では勝負できないということが分かっているため、足元を見るような行動をします。これは自分の満たされない部分を満たしたいという心理からとる行動だといえます。
何かと格付けしようとする
足元を見る人は、他人を勝手にランク付けしたがる特徴があります。自分より下に見ている人間はランクを下げ、自分が最下位ではないことを確認します。さらに、自分は長けた能力が無いと自覚しているため、上位になることはありません。とにかく最下位にならないように相手の弱みにつけこんで、自分の精神を安定させているのです。
悪賢く弱点を見抜くのが得意
足元を見る人は、他の人より悪賢い意地悪な特徴があります。その反面、観察力に長けていて空気が読めるのです。その中で相手を観察し、会話をしていくうちに「この人には勝てる」などの優劣をつけるようになります。そして弱みにつけこむような行動には、その手間を惜しみません。
必ず見返りを求める
足元を見る人は、タダで物事を終わらすことはなく、相手に見返りを求めるといった特徴があります。相手がお返しをするといったことがない場合、自分が得するように相手の足元を見て行動したりします。そして自分が起こした物事以上の見返りを求め、それが当たり前だと思っているのです。
足元を見る人への対処法4選!
足元を見る人の特徴が分かると、どうしても関わりたくない気持ちになりますよね。しかし、人間関係に荒波を立てないためには、上手くやっていきたいものです。足元を見る人と円滑に過ごすためには、どんな対処法があるのでしょうか。
はっきり反論する
自分の気持ちに嘘をつかないためには、はっきり反論して対処しましょう。足元を見るような人も、自分より格下だと思う相手にはっきり反論されると、思わずひるむものです。相手の気持ちを考えない人にこそ、自分の意志を伝えることが最も効果的な対処法です。
実力を付けて何も言えなくする
足元を見る人は、弱気で意見できないような人にこそつけこんできます。そんなときは、自分ができることを身に着け、自信をつける対処法があります。弱みを握られるのであれば、その弱みを感じさせないほどの実力を付ければ、強くかかってこないはずです。さらに、自分のキャリアアップなどにも繋がる対処法ともいえるので、実践してみましょう。
味方を作る
足元を見る人に嫌な思いをさせられたら、まず味方を作るという対処法もあります。例えば、会社で仕事ができて能力がある人と行動し、一緒に仕事に励むということもできます。自分より立場が上で、失礼な態度を取れない人が側にいれば、向こうも横柄な態度をとってくることはありません。他の対処法と比べるとやりにくいものではありますが、あくまでひとつの対処法だと覚えておきましょう。
人生を思い切り楽しむ
足元を見られないように気を張って生きるのは、ストレスがたまり疲弊してしまいます。自分のために最も良い対処法は、とにかく人生を楽しむことです。人生を豊かにし、努力しようとしている人の側にまで意地悪な人は寄ってきません。一度きりの人生なのに、モヤモヤしてばかりではもったいないですよ。
足元を見る人とは距離を置こう!
皆さんが知っているようで知らなかった「足元を見る」人の語源や特徴などをご紹介しました。最後まで読んでみると、やはり近づきがたい印象でしたね。自分の人生の妨げになるような人とは、距離を置いてしまうのが一番良いと思います。
また、「足元を見る」のような慣用句は日常の会話を豊かにするものがあります。この機会に、日常で使える他の慣用句を知っておいてはいかがでしょうか。