「どおりで」と「どうりで」の意味の違いや正しい使い方を解説!

日本人でも間違いやすい日本語の代表例、「どおりで」と「どうりで」。あなたは正しい使い分けができていますか?どちらも正しい日本語ですが、意味と使い方には違いがあります。「どおりで」と「どうりで」の意味の違いを知り、正しい使い方ができるようになりましょう。

「どおりで」と「どうりで」の意味の違いや正しい使い方を解説!のイメージ

目次

  1. 1「どおりで」と「どうりで」はどちらが正しいの?
  2. 2「どおりで」と「どうりで」は意味が違う!
  3. 3「どおりで(通りで)」の正しい意味と使い方
  4. 4「どうりで(道理で)」の正しい意味と使い方
  5. 5「どおりで」と「どうりで」の使い方を例文でチェック!
  6. 6「どおりで」と「どうりで」の間違いやすい使い方を紹介!
  7. 7間違いやすい「どおりで」と「どうりで」に注意しよう!

「どおりで」と「どうりで」はどちらが正しいの?

疑問

日本語は、世界でも難しい言語のひとつです。その理由は、使う文字の種類の多さと、使い分けなければいけない言葉の多さだと言われています。日本語を母語とする私たち日本人でも、言葉の使い分けについて迷うことはよくありますよね。たとえば、「どおりで」「どうりで」という言葉。喋っているときは気になりませんが、こうして文章で書くとき、あなたは自信をもって正しい方を書けますか?なんとなく分かるけれど、自信をもってと言われると不安になってくる。そんな人が多いと思います。

疑問

どんなときに「どおりで」になり、どんなときに「どうりで」になるのか。「どおりで」と「どうりで」を混用してはいけない理由は何か。日本人でも間違いやすい「どおりで」と「どうりで」の詳しい意味と正しい使い方をみていきましょう。

「どおりで」と「どうりで」は意味が違う!

驚き

「どおりで」と「どうりで」は、どちらかが表記を間違えているのでしょうか?いいえ、「どおりで」と「どうりで」は、どちらも正しい日本語です。「おとうさん」を「おとおさん」と書くような間違いではなく、両方とも日本語として成立している言葉です。ただし、「どおりで」と「どうりで」、二つの言葉はまったく意味が違います。そのため、「どおりで」と「どうりで」で正しい使い分けをしなければいけません。

「どおりで」と「どうりで」の意味の違いは、漢字で書くとはっきりと分かります。「どおりで」は漢字で書くと「通りで」となり、「どうりで」は漢字で書くと「道理で」となります。まずは漢字を覚えておくと、使い分けで悩んだときに意味を思い出しやすくなりますよ。

学習

「どおりで(通りで)」の正しい意味と使い方

まずは「どおりで」の正しい意味と使い方を確認します。

学習

「どおりで(通りで)」は、「~のまま、~と同じように」という意味です。前にあった出来事、状況、説明、方法と同じ状態であると言いたいときに、「どおりで(通りで)」を使います。「この」や「あの」の後につくときは「どおりで」と濁らずに「このとおりで(この通りで)」「あのとおりで(あの通りで)」となります。「どおりで」が「とおりで」になっても意味は同じです。

使い方のイメージとしては、通り=道を思い浮かべてください。いつもの道を通るように、道に沿って行くように、そんなイメージが当てはまるときは、「どおりで(通りで)」が正しい表記です。また「どおりで」を「のまま」「と同じように」と言い換えてみてください。言い換えて違和感がなければ、「どおりで」で合っています。

通り

なお、「竹下どおりで彼に会った。」というような「どおりで」は、「~のまま、~と同じように」という意味ではないので注意してください。この場合は「竹下どおりで(通りで)」、つまり竹下通りという名前の道で彼に会った、ということです。

「どうりで(道理で)」の正しい意味と使い方

次に「どうりで」の正しい意味と使い方です。

学習2

「どうりで(道理で)」は、物事の原因に思い当たることがあるという意味を表す言葉です。なぜそうなったのか分かる、理由に納得がいく、思い当たる節があると言いたいときに「どうりで(道理で)」を使います。

「どうりで(道理で)」の道理とは、物事の筋道、正しい方法、そうあるべき様を意味します。「どうりで(道理で)」の使い方のイメージとしては、なるほど、という言葉が当てはまるか考えてみてください。なるほどそうなったか、やはりそうか、常識的に考えれば当然だろう、そうなって当たり前だ、そんな状況のときは「どうりで(道理で)」が正しい表記です。

納得する

使い方が分からなくなったときは、「どうりで」を他の言葉に言い換えてみてください。「なるほど」「やはり」「だから」という言葉を使ってみて違和感がなければ、「どうりで」で合っています。

「どおりで」と「どうりで」の使い方を例文でチェック!

会話

「どおりで」と「どうりで」の二つの言葉の意味と使い方が分かったところで、正しい使い方を例文でチェックしてみましょう。

例文①前日の説明どおりで作業をすすめよう。→前日の説明のまま、前日の説明に沿って作業をすすめるように言いたいので、「~のまま」という意味がある「どおりで(通りで)」を使います。

例文②納品はスケジュールどおりでお願いします。→スケジュールにあるまま、スケジュールからずれないようにと言いたいので、こちらも「どおりで(通りで)」を使います。

例文③徹夜した?どうりで遅刻するわけだ。→遅刻の原因が徹夜したためであると分かり納得できているので、「どうりで(道理で)」を使います。

例文④怒られたのか。どうりで落ち込んでいると思った。→落ち込んでいる理由が納得のいくものだったので、「どうりで(道理で)」を使います。

悩む

「どおりで」と「どうりで」の使い分けが分からなくなったときは、「どおりで(通りで)」と「どうりで(道理で)」と漢字で書いてみたり、「どおりで」と「どうりで」を他の言葉に言い換えてみたりするとハッキリします。例文①~④の「どおりで」と「どうりで」を別の言葉に言い換えてみましょう。

例文①前日の説明どおりで作業をすすめよう。→「前日の説明『と同じように』作業をすすめよう。」これは違和感がありませんね。「前日の説明『だから』作業を進めよう。」だと、日本語として不自然です。

例文②納品はスケジュールどおりでお願いします。→「納品はスケジュール『のまま』お願いします。」日本語として成立していますが、これを「納品はスケジュール『なるほど』お願いします。」にしてしまうと、意味がさっぱり通じません。

例文③徹夜した?どうりで遅刻するわけだ。→「徹夜した?『だから』遅刻するわけだ。」まったく問題ありません。「徹夜した?『と同じように』遅刻するわけだ。」だとそもそも不自然ですし、他にも遅刻した人がいたかのような意味に変わってしまいます。これは間違いです。

例文④怒られたのか。どうりで落ち込んでいると思った。→「怒られたのか。『なるほど』落ち込んでいると思った。」この文章も「怒られたのか。『のまま』落ち込んでいると思った。」とはできません。

ひらめき

このように「どおりで」と「どうりで」を別の言葉で言い換えてみると、日本語の文法的におかしくなる、意味が成立しなくなる場合が多いので、悩んだときにはおすすめの方法です。

「どおりで」と「どうりで」の間違いやすい使い方を紹介!

間違いと正解

「どおりで」と「どうりで」には、間違いやすい使い方があります。あなたはどちらが正しい使い方か分かりますか?正しい使い分けができるかどうか、以下の例文でチェックしてみましょう。会話の中に出てくる「○○○で」には、「どおりで」と「どうりで」のどちらが当てはまるか考えてみてください。悩んだときは漢字を当てはめてみましょう。

例文①「彼女はどうして嬉しそうなの?」「モデルにスカウトされたらしいよ。」「○○○で!」

この会話の「○○○で!」には「どおりで」と「どうりで」どちらが入るでしょうか。正解は「どうりで(道理で)」です。彼女が嬉しそうにしている理由がモデルにスカウトされたため、と分かったので、理由に納得がいくという意味を表す「どうりで(道理で)」になるのです。

例文②「これが新しい手順書です。」「なるほど。途中まではいつも○○○で。」

この会話の中には「なるほど」という「どうりで(道理で)」とセットで使える言葉がありますね。これに惑わされないでください。正解は「どおりで(通りで)」です。作業手順は途中まではいつものまま、いつもと同じように、と言う意味を表しているからです。

理解

間違いやすい使い方は分かったでしょうか。例文①のように一言だけで使うときは、基本的に「どうりで」が正しい使い方です。また、文章の先頭で使うときも「どうりで」が正しい場合がほとんどです。反対に「どおりで」はそれのみで使うことはほぼありません。「どおりで」の前に何か言葉がついているはずです。漢字とあわせて、使い分けのポイントとして覚えておきましょう。

間違いやすい「どおりで」と「どうりで」に注意しよう!

辞書

どちらが正しいのか、使い分けが分からなくなったときは、まず漢字を思い浮かべてください。「どおりで(通りで)」「どうりで(道理で)」の漢字の意味を考えれば、正しい意味も自然と思い出されてくるはずです。それでも悩むときは、「どおりで」と「どうりで」を他の言葉に言い換えてみてください。「どおりで」は「~のまま」「~と同じように」と言い換えられます。「どうりで」は「なるほど」「だから」「やはり」と言い換えられます。

グッジョブ

「どおりで」と「どうりで」の正しい使い分けができるようになれば、正しい日本語の使い方を知っている人だ、と周囲からの評価も高まります。「どおりで」と「どうりで」。間違いやすい二つの言葉の意味と使い方をしっかり理解して使い分けていきたいですね。

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