2019年01月29日公開
2019年01月29日更新
『煌』の意味や使い方10選!『煌』を使った素敵な子供の名前も!
「火(ひへん)」に「皇」と書く「煌」は、最近子供の名前にもよく見かける人気のある漢字ですが、語源や意味を知っていますか?今回は、「煌」の意味とその語源や類語や英語での表現、「煌」の字を使った子供の素敵な名前など、「煌」の漢字について深くご紹介したいと思います。
目次
『煌』の読み方や意味は?
某有名飲料水メーカーのお茶の名前でも使用されている「煌」という字は、ツクリに「皇」の字が入っていて格好のよいイメージのある字の「煌」の入った子供の名前をつけようと考えている方も多いのではないでしょうか。「煌」の持つ意味と「煌」の字の名前での読み方も合わせてご紹介します。
まずは、「煌」の基本的な情報は次の通りです。
画数:13画
音読み:コウ・オウ
訓読み:きらめく・かがやく・あきらか
部首:火(ひへん)
種別:人名用漢字
漢字検定:1級
「煌」の読み方
音読みでの読み方
「煌」の音読みでの読み方は、「コウ」「オウ」です。読みの響きが口に出しやすい音なので、男の子の名前なども使われる人気の漢字です。
訓読みでの読み方
「煌」の読み方は、訓読みで「煌めく(きらめく)」「煌く(かがやく)」「煌らか(あきらか)」と読み方は数通りありますが、「きらめく」という読み方が一般的です。「煌く(きらめく)」「「煌らか(きららか)」という読み方をする場合もあります。
名前での読み方
あき・あきら(音読みから)
こう・おう(訓読みから)
きあら・きら・きらり・き(音の響きから)
てる・ひかる・ひかり(輝くという意味から)
このように名前では、さまざまな読み方で「煌」は使用されています。後ほど「煌」の入ったおすすめの名前を詳しくご紹介します。
「煌」の漢字の意味
もともと「煌」という漢字は、「火」と「皇」を組み合わせて作られた文字です。「火」は「燃え立つ炎」、「皇」は、「輝く」という意味を持った字で、二つを合わせた「煌」には、「輝く火の光」という意味を持ちます。
①きらめく、輝く(かがやく)
光が四方に大きく広がってキラキラと光る様子、光を放つ様子から「きらめく」「輝く」という意味を持っています。
②華やかで目だって美しいさまや、きらびやかなさま
きらめく光景が美しい様子からこの意味を持っています。
③明らか。はっきりしている。
輝くように光る満月の日は、夜であっても辺りをはっきりと照らし出します。このように、光に照らし出されてはっきり見えることから「明らか」「はっきりしている」といった意味を持つようになりました。
④盛ん(さかん)
きらめくように光りながら燃え上がる炎の様子によって「盛ん」という意味が生まれました。
⑤火の光
漢字の成り立ちから「火の光」という意味を持っています。
『煌』の語源とは?
「火」と「皇」を組み合わせた「輝く火の光」という意味を持つ「煌」。「煌」の語源をひも解く上で、大事なのは、実は「皇」という漢字です。「皇」は、「皇帝」「天皇」「皇后」などのように、「王」という意味を持っています。まずは、「皇」の語源からご紹介します。
「皇」の語源
「皇」を分けると、「白」と「王」という二つの漢字から成り立っています。
「白」の語源
白は「光りを放つ日」という象形から生まれ、「輝く」という意味を持ちます。
「王」の語源
古代中国で支配の象徴として用いられた「まさかり」を象徴したもので、「君主」という意味です。
つまり、「白+王=皇」には、九国や土地を治める「君主」を神々しい光り輝く存在だと讃えて作られた漢字なのです。「おごそかで美しい王」という意味で、皇帝や天皇に「皇」の字が使われました。
「皇」の語源は、この説以外にも、「自(はじめ)」+「王」が合わさったとされ、伝説的な人類最初の王を意味するともいわれています。
「皇=きらめく」から「煌=きらめく」へ
しかし、時が経つと次第に「皇」の字から「きらめく・輝く」という意味がなくなり、「王」「天子」といった意味だけで使われることが多くなったため、代わりに燃え立つ炎を表す「火」を「皇」を組み合わせた「煌」という漢字が考え出され、「皇」の持っていた「きらめく・輝く」の意味を引き継ぐようになったといわれています。このように、「煌」の語源には、「皇」が深く関わっているのです。
『煌』を使い方と例文10選
光や炎が光るイメージの「きらめく・輝く」という言葉の意味や使い方はなんとなく知っていても、「煌」の漢字が頭にはすんなりとは浮かんでこなかった方も多かったのではないでしょうか。「煌」は、明るい様子を意味する「煌々と(こうこうと)」という使い方や、「煌めく(きらめく)」という使い方をよくされています。どちらの使い方も、日常的に使いやすい表現です。どの例文でも共通するのは、「煌」を使うことによって、光と一緒に動きも表現されていることです。
次は、「煌」を使った例文や使い方を解説します。
①流れ星が一筋、夜空に煌めいた
太陽に照らされている昼間には、きらりと光るものに気づきにくいかもしれませんが、暗い夜空の中では違います。きらめく星空の中にきらりと星が流れる様子は、とても美しいものですよね。この例文のように、「煌く(きらめく)」という使い方をするだけで、ぱっと輝くように光る流れ星の様子がすぐにイメージできます。
②日に照らされて煌めく
何気なく使っている「日」にはたくさんの意味がありますが、ここでいう「日」の使い方は、太陽の光線といった意味で、「日に照らされて煌めく」の例文のような使い方をします。太陽の光に照らされて草花や水面などが、きらきらと反射して光る様子を表します。
③クリスマスの前夜その家には煌々(こうこう)と明かりがともされていた
「煌々(こうこう)と」といった使い方は、電灯がついている様子を表す言葉なので、日常的にも使いやすい使い方です。
この例文のように、寒い冬の夜に家の窓に照らし出された明かりや、イルミネーションが瞬いて光る様子を表します。家の窓が電灯に照らされて輝いて光る様子は、凍てつく夜でも温かみを感じるものです。家の中でゆったりとクリスマスイブを過ごす家族たちの幸せそうな様子が目に浮かぶようです。
同じような使い方の例文は、「薄暗い駅のホームに、自動販売機だけが煌々と明るい」などがあります。
④月が煌々と照る
この例文のように「月が煌々と照る」といえば、満月の夜を表しているとわかります。きらきらと瞬くように光る星とは違い、月光は人の心を捉える穏やかな光です。「煌々と」といった使い方をすることで、夜空を穏やかであるものの神々しいほどに光る月を表せるのです。
その他の例文は、「煌々と冴え渡る夜空の星々」などがあります。
⑤煌びやかなイメージ
①~④までの例文では、「光る・輝く」といった意味の使い方でしたが、この「煌びやか(きらびやか)」は、意味が少し違ってきます。まるできらきらと光るようなほどに美しい様子や、輝くように華やかで目立つ様子を表す意味で使います。
同じような使い方の例文には、
「新成人女性たちが煌びやかな装いを凝らして会場に集まった」
「人気歌手が煌びやかなショーで人々を楽しませた」
などがあります。
⑥様々な色彩が混ざった状態で煌めく
この例文での「煌めく」のイメージは、オーロラが神秘的に輝く様子を表したり、暑い夏の日にホースで水撒きをしている中で小さな虹でて光輝いている様子を表すようなイメージです。輝いて光る様子や美しい様子を表す使い方です。
⑦見る角度により煌き感が異なる
宝石やクリスタルなど、光の当たる角度によってキラキラと輝きの変わる様子は、飽きのこない美しさです。「キラキラと」というオノマトペではなく、例文のように「煌き(きらめき・かがやき)」といった使い方をすることで、より文章的な表現になります。
⑧どこまでも広がる煌々とした夜
例文の「煌々と(こうこうと)した夜」とは、雲ひとつない満天の星空でしょうか、それとも眼下に美しく広がる夜景でしょうか。真っ暗い夜の中でキラキラと光る明かりは、人間の心を揺さぶります。
⑨木々の葉が太陽に煌めく
青々とした葉だったり、紅葉した葉だったり、季節に関わらず太陽の光に反射してキラキラと光る木々の葉は美しいものです。この例文のように、「光る」ではなく「煌めく」と表現するだけで、木々を揺らす風も感じることができるのです。
⑩キラキラとした煌きを呈するランプ
ゆらゆらとした炎で辺りを照らすランプの温もりのある光りには、人をリラックスさせる効果を持っています。「煌」のもともとの意味は、燃え立つ炎が輝く光。この例文のように、ランプの温かい光がその場の雰囲気を和ますイメージも表現できるのです。
『煌』を使った子供の名前3つ!輝かしい未来を託そう!
ワクワク・キラキラとした人生を送ってほしいという願いにふさわしい「煌」。この「煌」が人名漢字として使用可能になったのは2004年からで、比較的新しい名前になります。人気の名前を毎年発表している明治安田生命の名前ランキングで2006年に初めて登場して以来、「煌」を使った名前は人気があり、毎年のように男の子の名前で登場しています。
人気の理由には、「コウ・オウ」のように響きもよく、また「火」と「皇」は小学校で習う漢字なので、「煌」という漢字も子供自身でも書きやすいこともあるようです。「煌」一文字の名前としても素敵ですが、「介」「太・汰」「生」などの人気の止め字とも相性がよいので、組み合わせてもよく使われています。
煌基(コウキ)
この止め字の「基(キ)」とは、「元・土台」という意味を持っているので、「煌基=光りきらめきくもと」といった意味になります。また、名前判断でも「煌(13画)+基(11画)=24画」と柔軟性・順調・家庭運に恵まれるという『大吉』になるため、人気のある名前になっています。
煌汰(コウタ)
この止め字「汰(タ)」は、たっぷりの水で潤す、大波という意味です。男の子の名前の止め字「太(タ)」もよく使われていますが、個性を出すために「氵(さんずい)」のついた「汰(タ)」を含む名前が人気になってきました。また、読み方の「コウタ」は、名前の読み方ランキングで2004年から2018年まで連続して登場している人気の名前です。
煌大(コウタ、コウダイ)
煌大(コウタ、コウダイ)も人気のある名前で、名前ランキングでも何度も登場しています。呼びやすく人気の読み方の「コウ」に、名前ランキングでは3本の指に入るほどの人気のある「大(ダイ・タ)」を組み合わせた煌大は、燃え上がりながら輝く大きな光りといった生命力のあるイメージの名前です。
煌く・煌めく・燦めくの違いは?
では、「煌く」「煌めく」にはどのような違いがあるのでしょうか。同じ「煌」を使う「煌く」「煌めく」は、同じ意味で次ような意味を持ちます。
- きらきら光り輝く
- 人目を引く華やかさのある
- 盛んにもてなす
同じように「きらめく」という読み方に「燦めく」という漢字を当てて書く場合もあります。この、「燦」は、「煌」と同じく、「あきらか・あざやか・きらめく・輝く」といった意味を持った漢字で音読みでは「さん」と読みます。もともとは、「ついて白くした米。白米」という意味で、白い米が美しいことから「あざやか」という意味になったといわれています。「燦燦(さんさん)と太陽の光りが降り注ぐ」というように使われます。
「皇」が語源か、白い米が語源なのかの違いで、どの言葉も似た意味になります。
『煌めき』の類語は?
「煌めき」の意味がわかったところで、この言葉を置き換えても使える類語にはどのような言葉があるでしょうか。「煌めき」は、「煌めく(きらめく)」の名詞になります。「きらきらとした光」という意味を持つ類語を集めてみました。
輝き
「煌めき」の類語としては、まず、「輝き」は外せません。太陽などの光を表したり、「才能の輝き」のように、目立って優れている様子を表しています。「煌」と同じく、四方に放たれる、強く美しい光をイメージしているため、「煌めき」に最も近い類語なるのではないでしょうか。
光輝
「光輝(こうき)」とは、①光り輝くこと②名誉という意味を持った「煌めき」の類語です。普段はなかなか「光輝」といった表現は使わないかもしれませんが、文章の中で使用される「煌めき」の類語です。「光輝を放つ」などのように使います。
その他にも、「煌めき」を意味で細かく分類することで類語をあげることもできます。
輝いた表情・活発な様子を表す「煌めき」の類語
生気(せいき)……いきいきとした感じ・活気
瞬間的な光を表す「煌めき」の類語
閃光(せんこう)、スパーク
『煌めき』の対義語は?
「煌めき」の類語は、「輝き」などですが、対義語のイメージはどうでしょうか。「キラキラと輝く」の対義語だから、「輝かない」でしょうか。それとも輝かないのなら「濁る」が対義語に当たるのでしょうか。
実は、「煌めき」に対するはっきりとした対義語はありません。けれども、「煌めき」の意味合いとは反対の意味を探ることで、対義語に当たる言葉見つけ出していきましょう。
殺風景(さっぷうけい)
「煌」には、「華やかで目だって美しいさまや、きらびやかなさま」という意味もありました。このことから、対義語には、華やかさのない「殺風景(さっぷうけい)」があげられます。殺風景とは、見るものを楽しませないような面白みも何もないということです。この言葉が対義語に当たるかどうかは、例文を使って検討してみましょう。
「男ばかりで殺風景な宴会だ」
「女性ばかりの煌びやかな宴会だ」
女性、それも若い女性はよく「花」に例えられます。花のように煌き輝く女性は服装も色とりどりで「華やか」だと言われますが、男性は、比較的スーツなど地味なイメージがあるので「殺風景」ととらえらえることも多くあります。このように、例文からも対義語に当たると考えられます。
簡素(かんそ)
「殺風景」が対義語に当たると考えられますが、「華やかで目だって美しいさまや、きらびやかなさま」の対義語に当たる言葉には、「簡素(かんそ)」という言葉もあげられるでしょう。「殺風景」は少々ネガティブな意味を含む表現ですが、この対義語をポジティブに表現すると「簡素」になります。飾り気がなく質素なことや、無駄なものをそぎ落としていくことを表します。簡素の代わりとして英語表現のsimple(シンプル)もよく使用されています。
『煌めき』を英語で言うと?
次に英語で「煌めき」を表現してみましょう。「光」は英語でlightですが、「煌めき」には光とは違い、英語でも動きのある様子を表したほうがより、意味が通じやすくなってくるでしょう。
「煌めき」の英語表現①glitter
glitterは動詞と名詞で同じ単語で表す英語で、動詞は「キラキラと輝く・煌めく」という意味になり、名詞は「煌めき・輝き」という意味になります。英語でも「煌めき」と同じで「物体的な輝き」だけではなく、「人目を引く・華麗」といった意味でも使用されています。
例文
a glitter of diamonds
(ダイアモンドの煌めき)
「煌めき」の英語表現②sparkle
sparkleとは、「閃光・火花・煌めき」という意味を持つ英語で、パッと煌めく様子を表す英語表現です。
例文
He glimpsed the sparkle of a tear in the flash of on-coming headlights.
(近づいてくるヘッドライトの明かりに涙がきらめくのを彼はちらりと見た)
「煌めき」の英語表現③twinkle
童謡『きらきら星』の英語版の歌詞に使われているtwinkleも、「煌めき」と同じ意味を持った英語です。
例文
He smiled, a twinkle coming into his eyes.
(彼は微笑み、その目は輝きだした)
日本語では、星の瞬きのイメージが強いですが、英語では、例文のように、目の輝きを表すことが多いようです。
『煌めき』を知って、言葉を使ってみよう!
「煌」「煌めき」の言葉をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。普段何気なく使っている「煌めき」は、写真で切り取る静止画のイメージよりも、もっと生き生きとした動画のイメージを表現できる言葉です。また、「きらめき」「きらめく」「こうこうと」といった表現も、漢字にしてみるとどことなく趣が感じられる大人の表現に感じられますので、是非「煌」の漢字を使って表現してみましょう。