『腐れ縁』の意味とは？腐れ縁の特徴17選・断ち切る＆続ける方法も！

腐れ縁は「くされえん」と読みます。基本的な意味は、離れようとしてもなかなか縁を切るこのでできない関係を指し、悪い意味として捉えられることが多い言葉です。「食べ物が腐る」「木が腐ってイスが壊れる」など「腐る」にはよいイメージがないことから、腐れ縁もあまり印象はよくありません。

言葉にはいい意味と悪い意味を併せ持つものがありますが、腐れ縁もその一つといえます。漢字だけ見ると「腐れ」とあるので嫌な意味を持つように見えますが、人との出会いは必然といわれることから、その相手とは運命的な出会いだったりもします。

そういった関係に対しては、腐れ縁はいい意味を持つといえるでしょう。しかし、たまたま出会って一緒に過ごしても、その相手との関係を早く断ち切りたいと考えたり、逃げたくても逃げられない理由で関係が長引いたりしている相手に対しては、悪い意味を持つ腐れ縁といえるでしょう。

腐れ縁をいい意味として使うのは、昔からの友人などに対して使う使い方が多いです。偶然一緒に過ごす間柄であっても、感覚的にお互いを理解しあい、信頼していることも含めている使い方が多いです。

例文として「〇〇とは幼稚園から一緒で腐れ縁なんだ」のような使い方をします。また、「腐れ縁ですね」といった使い方の場合は、照れくささをごまかす時の使い方としてよく見られます。

腐れ縁を悪い意味としての使い方の例文は、「腐れ縁で続けている仕事だ」や「やっと腐れ縁の彼と別れられた」といったように、悪い印象のあることや、離れたい相手を断ち切るときこんな使い方をします。腐れ縁は意味を知って正しい使い方をするとよいでしょう。

言葉の語源や由来を調べてみると意外なことがわかります。腐れ縁の語源も、使われている漢字から悪い意味に捉えられてしまいますが、語源は「鎖縁」で、離れていても切れない鎖でつながれているほど強い縁のある関係を意味する素敵な語源でした。

それがいつしか前向きな関係ではない相手に対しても使われるようになり、鎖が別な漢字の「腐り」に変わったといわれています。さらにそこから転じて「腐れ縁」に変化したようです。これが腐れ縁の語源や由来です。

腐れ縁の類語として「しがらみ」はよく使われます。しがらみは漢字で「柵」と書き、元は水の流れをせき止めるために作られたものであることから、邪魔するものといった意味になったといわれています。さらに、しがらみは「まとわりつくもの」という意味もあり、絡みついて逃れられない、まさに腐れ縁と同じような意味を持つ類語です。

「旧知」とは、古くからの知り合いという意味で、類語「旧知の間柄」には幼なじみや昔なじみの意味が含まれます。相手との関係を認めて、長く続いている関係であることも意味します。

類語「悪縁」は、好ましくない関係や、断ちたくても断ち切ることのできない関係といった意味があります。漢字そのままのマイナスの意味しかないといえるでしょう。周りから見て悪い結果になりそうな関係や、本人に自覚はないが、関係を見極める意味として使われることもあります。

類語「年来の知己」の「年来」は、長年や数年前から続くなどを意味し、「知己」は「己（おのれ）」＝自分を知っているという意味です。そのため、年来の知己は「長年の付き合いがあり、自分をよく知る相手」を意味します。

あまり耳なじみのある言葉ではありませんが、腐れ縁の類語として、書籍やかしこまった文面に使うことがありますので、知っているといざという時に使えます。ぜひ覚えておきましょう。

腐れ縁の語源でもふれましたが、くさり縁も漢字にすると「鎖縁」となり、深い縁を意味する言葉です。相手に対して、強い繋がりを純粋に表現したいときは、語源にもなっているくさり縁を使うとよいイメージを与えることができるでしょう。

使用する頻度は低いですが、運命を感じている相手や深い繋がりを感じる場合は、ぜひ語源でもあるくさり縁を使い方として抑えておきましょう。

英語で腐れ縁を表記する場合、直訳してしまうと逆に意味がおかしくなります。腐れ縁の意味に合う英語は「hopelessly tied」「unsavory ties」の他、「inseparable」となります。英語でhopelessly tiedは「自分ではどうしようもない結びつき」の意味があり、英語のunsavory tiedには「芳しくない結びつき」の意味があります。

英語のinseparable は「離れがたい」「別れられない」などの意味があり、こちらも腐れ縁を意味する英語といえるでしょう。しかし、これだけでは悪い意味の英語表記しかないことになります。

実は英語にも良い意味を持つ英語表記があります。それは「Fatal bond」です。直訳するとFatalは「致命的な」bondは「繋がり」となるため、一見良い意味に感じませんが、英語のFatal bondは「運命的な絆」と訳されます。腐れ縁の英語での使い方も状況や場面で使い分けるとよさそうです。

お金の貸し借りなど金銭問題で腐れ縁になることはよくある特徴です。お金を借りたら、そのお金は返さなければなりませんが、お金を返せなくて関係を続け、お金を貸す方は、自分がいなければ相手は生きていけないと思い込み、お金で関係をつなげる特徴もあります。

お金の問題も根深いですが、過去に深く愛し合った恋人も腐れ縁になりやすいです。何かの拍子に甘い記憶がよみがえり、別れた理由は忘れ、寂しさから連絡を取ってしまい、関係が断ち切れなくなる特徴があります。

不安や寂しさを紛らわせるために、別れたり復縁したりを繰り返す腐れ縁のカップルをよく見ますが、これは同性同士でも見られることがあります。友達に依存する特徴があると、仲良くなる友達も同じようなタイプのことが多く、お互いに依存しあう関係になってしまう特徴があります。

「恋人とケンカしてしまった」「休日だけど暇」そんな理由で連絡を取って都合よく会う関係も腐れ縁の特徴といえます。本人同士は割り切った関係と考えていることが多いですが、お互いに大切な存在にはなれないともいえます。

特に親しい間柄というわけでもなく、どちらかといえば嫌いなのにその人から連絡をもらったり、何か頼まれたりすると「しょうがないなぁ」と付き合う関係も腐れ縁の特徴といえます。そういった人はなぜか憎めないところがあり、わかっていてもその人を断ち切ることはありません。

腐れ縁はいい意味を持つ関係性の場合もありますが、お金の貸し借りがあったり、体だけの関係だったりなどあまりよいとはいえない意味を持つこともあります。そういった悪い意味をもつ腐れ縁の場合、一緒にいても成長することはありません。

腐れ縁が続く理由として、よく会ってしまう距離にいることも挙げられます。近所なら会うつもりはなくても顔を合わせてしまうことがあり、断ち切りたいと考えていても、結局ずるずると関係を続けてしまいます。

別れた恋人やしばらく会っていない友人を、ふとした瞬間に意味もなく思い出すことがあります。記念日や特別な日というわけでなく、腐れ縁の相手は不定期に思い出す関係といえるでしょう。

気を使う必要のない同性の腐れ縁とも呼べる友人はとても貴重です。大人になるとそういった同性の友人を作るのはなかなか難しいです。中には、縁を切りたいと考える人もいるかもしれませんが、自然体でいられる同性の友人は貴重です。

腐れ縁といえるほどの関係になっている同性同士は、大喧嘩しても仲直りができることが多いです。長年付き合っている同性なら、良い面も悪い面もすべて知っているため、心底相手を信頼しているはずです。そのため、同性の腐れ縁は喧嘩しても仲直りできるようです。

何気ない瞬間「あの子いま何してるだろう？」と友人を思い出して連絡をするのも、同性の腐れ縁でよく見られます。語源の鎖縁のように強い繋がりがあり、特に意味もなく思い出すことも同性の腐れ縁ではよくあるようです。

ふとしたときに思い出すのも同性の腐れ縁ではよくありますが、暇な時間ができたりすると、腐れ縁の相手が何をしているのかが意味もなく気になり始めることがあります。特に自分以外に友達がいなかったり、ほっておけない気持ちが強いと連絡をとりたくなります。

異性との腐れ縁の中で、別れと仲直りを短期間で繰りかえすパターンがよく見られます。こういったカップルは、ちょっとした原因で別れてしまうためすぐに寂しくなってよりを戻します。感情に任せているともいえますが、節操がないともいえます。

「一人は嫌」「寂しいのは嫌」といった理由で関係を続けているのも異性の腐れ縁の特徴です。この場合、異性としてお互いに愛情を持っていることは少なく、一緒にいて嫌じゃない程度の気持ちを持っていることが多いです。しかし、依存しあっているために別れるきっかけがつかめないでいるともいえます。

恋愛関係がうまく行っているカップルは、お互いに相手を思い、自分を変えたり、頑張ったりするものです。自然とそれが成長につながるものですが、腐れ縁のカップルは、一緒にいても時が過ぎるだけでお互いに頑張ることがなく、成長もありません。

異性の腐れ縁の場合、別れを繰り返すカップルもいる事を先にふれましたが、復縁後お互いのよさを認識して将来の話しをするなどがあれば、異性の腐れ縁でも意味があり何も問題はありません。しかし「お互いに楽だから」といった理由でずるずると付き合い続ける異性の腐れ縁の場合、将来がみえないといえるでしょう。

本人同士の自覚がなくても、異性の腐れ縁は周囲からみてよい関係に見えないことが多いです。二人に問題が起きて相談したときに別れを勧められたのなら、立派な腐れ縁といえるでしょう。しかし、意見されることで反発してしまい、ますます別れなくなる異性の腐れ縁もあります。

腐れ縁を断ち切るには、語源にもなっている鎖を断ち切るように、相手の連絡先を削除することが一番簡単な方法です。腐れ縁になるほどの付き合いですから、削除するのは勇気がいりますが、関係をすっぱり断ち切るためです。また、相手からも連絡がこないようにブロックも忘れずに行いましょう。

手間やお金はかかりますが、引っ越しも腐れ縁を断ち切るよい方法です。腐れ縁のある彼や彼女の前から姿を消すため、まったく知らない新しい土地で新しく暮らし始めれば、語源の鎖を切るように腐れ縁を断ち切ることができるでしょう。

腐れ縁を断ち切る方法として、思い出の品をすべて処分するやり方もあります。処分するとき「これは私の思い出だから」などと考えず、写真1枚でも処分することが腐れ縁を断ち切ることになります。物によってはお金に変えられたり、断捨離にもなりますのでぜひ試してください。

色々行動しても、ふと考えてしまう時間があればなかなか腐れ縁を断ち切ることはできません。趣味を見つけてそれに没頭したり、趣味が見つけられなければ仕事に集中しましょう。相手を考える時間がなければ、時間の経過と共に腐れ縁を断ち切ることができるでしょう。

腐れ縁の関係をうまく続けていくには、程よい距離感を保つことは大切です。同性・異性に関係なく、いつも一緒だったり、ベタベタし過ぎればお互いに嫌な面が見えて、関係を悪化させてしまうこともあります。また、近づきすぎると甘えが出るのが人間です。

ちょっとベタベタしすぎかな？と感じたら、会う頻度を考えたり、時間を短くしたりといった距離感を作ることが関係を長続きさせるコツです。

腐れ縁をうまく続けるためには、お互いを尊重することも大切です。自然体で付き合うことはいいことですが、相手の気持ちを考えることも大切です。自分の感情や考えを押し付けたりせず、相手の気持ちを考え、話しを聞くことも忘れないようにしましょう。

腐れ縁になるほど長い付き合いなら、お互いに何らかの変化は当然あることです。しかし、自分の変化はさておき、相手に対してはつい昔と比べてしまうことがあります。同性・異性に関係なく、自分にとっては昔の方がよかったと感じても、相手は今の方が心地よく意味がある感じていることがあります。

どうしても不満なら少し距離を置いて冷静になりましょう。離れてみると別な面が見え、相手の変化が受け入れられてうまく付き合い続けられるでしょう。

腐れ縁の相手に対して、すべてを共有したい思いが強くなることがあります。これは同性に対しても異性に対しても感じる感情ですが、相手はあなたが好きだからこそ話せないこともあります。どんなに仲が良くてもプライバシーを尊重し、相手に負担にならないようにしましょう。

付き合いが長くなると何かしてもらったら感謝する、謝るときはキチンと謝るなど基本的なことを同性・異性に関係なく忘れてしまうことがあります。「親しき中にも礼儀あり」ということわざもあるように、相手に対する最低限の礼儀は、うまく腐れ縁を続けるためにも大切です。

腐れ縁は、字面から悪い意味に取られてしまうこともありますが、正しい意味を知れば決して悪い言葉と言い切れないことがわかります。お金がらみなど、中には関係を断ち切った方がよい腐れ縁もありますが、人との縁は大切です。考えや付き合い方を変えれば、腐れ縁も良い縁に変わるでしょう。