アザレアの花言葉や由来を色別に紹介!海外での花言葉は?
初心者でも育てやすく、華やかで可愛らしい花を咲かせるアザレア。しかし、そんなアザレアには少し変わった花言葉があることをご存知ですか?今回は、日本と海外で使われる一般的なアザレアの花言葉から、色別の花言葉とその由来まで、分かりやすくご紹介していきましょう。
目次
アザレアはどんな花?
アザレア(Azalea)とは、ツツジ科ツツジ属に分類されるツツジの一種です。別名を「西洋ツツジ」や「オランダツツジ」ともいいます。
アザレアの特徴
1~1.5m程度の常緑性の低木で、品種によって多少の違いはありますが、主に大輪八重の華やかな花を咲かせる特徴があります。色は、白、赤、ピンク、オレンジ、紫、複色などがあり、種類が非常に豊富です。市場には主に冬に出回ることが多いですが、そのほとんどは促成栽培によるもので、本来の開花期は4月下旬から5月中旬ごろです。
アザレアの歴史は?
アザレアとは、もともと中国や台湾に生息していたタイワンツツジに対し、日本に生息していたケラマツツジやサツキなどのいくつかの種類の花を複雑に交配・改良することで作られた室内観賞用の園芸種です。
19世紀初頭、プラントハンターによってアジア圏のさまざまな草花がヨーロッパへ持ち込まれました。これによってタイワンツツジやケラマツツジ、サツキなどの植物がイギリスへ渡って交雑され、アザレアが誕生しました。その後、アザレアはヨーロッパ中に広まりましたが、特にベルギーでは当時から育種が盛んだったこともあり、現在でもアザレアの品種改良の中心国となっています。
日本には19世紀後半よりアザレアの輸入が開始され、20世紀初頭に入ったころ、さらに多くの種類のアザレアがベルギーやオランダから輸入されました。もともと中国や日本に自生している植物の交雑によって作られたものなので、日本の気候にも馴染みがよく育てやすかったため、当時も人気があったそうです。そして現在では世界中で育種が進み、アザレアの品種は約2000種類以上にのぼるとされています。
アザレアの名前の由来
アザレアは、比較的乾燥した土地に生息することが多く、世に出回った当初は乾燥を好む植物であると考えられていました。そのため、ラテン語で「乾燥した」という意味を持つ「azaleos(アザロス)」という言葉が由来して名前が付けられたと言われています。
アザレアは種類豊富!5つ紹介!
先程も述べたように、アザレアの育種は今や世界各国で進み、その品種は約2000種類以上にのぼるとされています。それでは、現在、その中でも特に人気のある5つの品種についてご紹介していきましょう。
カメレオン
特徴的な赤と白の模様のコントラストが美しい大輪半八重のアザレアです。近年ヨーロッパからきた品種で、環境によって白い部分がピンクや赤に変化します。まさにカメレオンというイメージがぴったりの花ですね。
ロマンスパール
肌色に近い、淡いピンク色の花を咲かせるアザレアです。大輪一重の上品で可愛らしい花を咲かせることから、とても人気のある品種です。ロマンスパールの枝変わりの品種で、クリスタルパールというアザレアもあります。
ロザリー
紫がかったピンク色の花を咲かせるアザレアです。大輪一重から半八重でツツジのようなすっきりとした花形をしており、花弁の上部に濃色の斑点があるのが特徴です。オランダで作出された人気の品種です。
越しの淡雪
白色の花が咲くアザレアです。大輪半八重で、花弁の上部に黄緑色の斑点があるのが特徴的な品種です。白色のアザレアは意外にも種類が少ないため、貴重な品種として人気があります。新潟県農業総合研究所園芸研究センターより作出されました。
ニコレット系
早咲きで育てやすいことから人気のアザレアです。中輪の花をたくさん咲かせる特徴があります。花色には下の画像のようなピンクと白の「ニコレット・インガ―」の他に、赤色の「ヘルムートフォーゲル」や白と赤の「アクアレル」、肌色の「テラノバ」などの様々な種類があります。
アザレアの日本での花言葉は?
日本で一般的なアザレアの花言葉は次の3つです。
・節制
・禁酒
・恋の喜び
中でも、「節制」はアザレアの花言葉の代表格です。欲望におぼれて度を越えることがないよう、適度に慎(つつし)むことを意味します。華やかで可愛らしい花を咲かせるアザレアの見た目からは、少しイメージしがたい印象的な花言葉です。
また、「恋の喜び」という花言葉もありますが、花の見た目で言えば、こちらの方がイメージしやすいという方もいるのではないでしょうか。実際、この花言葉はアザレアがたくさんの花を一斉に咲かせる様子が、恋に喜びを感じる心というイメージに繋がったことから使われるようになったと言われています。
アザレアの海外での花言葉は?
海外で一般的に使われるアザレアの花言葉は次の3つです。
・temperance(節制・禁酒)
・take care of yourself for me(私のためにお身体を大切に)
・fragility(もろさ、はかなさ)
日本で一般的に使われる「節制」「禁酒」というアザレアの花言葉は、海外の花言葉である「temperance」が由来しています。ただし、日本では節制と禁酒を別々にとらえているところがあるのに対し、temperanceには節制と禁酒の両方の意味が含まれています。これは、かつての海外(主に、ヨーロッパ・欧米諸国)において、「控えるべきもの=酒」という風潮や人々のイメージが色濃かったためであると考えられます。
また、「私のためにお身体を大切に」という花言葉は、かなり独特な言い回しの言葉ですが、これは節制や禁酒から派生した愛を表す表現の一つであると考えられます。もしあなたの大切な人の中に、何かしらの欲望に負けて体が心配になるような方がいるのであれば、アザレアの鉢植えをそっとプレゼントしてみるのもいいかもしれません。
アザレアの花言葉を色別に3つ紹介!
ここまで、日本・海外で使われる一般的なアザレアの花言葉についてご紹介してきましたが、アザレアは色によっても異なる花言葉を持っています。それでは、その中でも代表的な赤、ピンク、白のアザレアの花言葉についてご紹介していきましょう。
赤いアザレアの花言葉
赤いアザレアの花言葉は「節制」です。
赤いアザレアは、「目標を達成するために怠ける心を抑えたい」という気持ちの時などには最適の花です。欲望に心が負けてしまいそうになった時、この花を見て花言葉を思い出すことで、「やっぱり、我慢しよう!」と心を奮い立たせてくれるかもしれません。受験生やダイエット中の方など、何かの目標に向かって頑張っている方は、是非赤いアザレアを部屋に飾ってみてください。
白いアザレアの花言葉
白いアザレアの花言葉は、「あなたに愛されて幸せ」と「充足」です。
あなたに愛されて幸せ
白いアザレアは、カップルや新婚夫婦にはもちろんですが、熟年夫婦の方々にも是非オススメしたい花です。夫婦で一緒にこの花を育てるのも、ちょっと微笑ましくていいとは思いませんか?たとえ、2人の仲が少しマンネリ化してしまったとしても、この花を眺めて花言葉を思い出すことで、お互いの気持ちを確かめ合う一つのきっかけにもなることでしょう。
充足
白いアザレアのもう一つの花言葉である「充足」は、「あなたに愛されて幸せ」という満ち足りた気持ちから派生してできた花言葉です。
満ち足りた心は、その人自身を豊かにします。ですから、もしあなたが今、何かに対して満たされない気持ちを抱えているのなら、白いアザレアを部屋に飾ってみるのはどうでしょうか。その花をぼんやりと眺めながら、自分自身の心と向き合ってみるのもいいかもしれません。
ピンクのアザレアの花言葉
ピンクのアザレアの花言葉は「青春の喜び」です。
華やかでゴージャスな花を咲かせるアザレア。中でも、ピンクのアザレアは、その華やかさはさることながら、可愛らしさも兼ね備えた人気の花です。そんな甘さを残したイメージのあるピンクのアザレアには「青春」という言葉の響きはぴったりかもしれません。「今という時がある喜びを大切にしてほしい」という願いを込めて、是非大人たちから若者たちへ贈ってあげたい花ですね。
アザレアの花言葉の由来とは?
アザレアの花言葉の中で、最も代表的なのが「節制」です。これは、アザレアの語源が「乾燥した」という意味のラテン語「azaleos」からきているように、アザレアがもともと乾燥した地に咲く花であったことが由来しています。つまり、乾燥した土地で生きることが「耐える」「我慢する」というイメージに繋がり、この花言葉を生んだのです。
そして「禁酒」という花言葉もまた、「節制」と同じ由来から使われるようになりました。乾燥とは英語で「dry(ドライ)」と言いますが、実はこのdryには「禁酒」という意味も含まれています。かつて、禁酒運動が海外で盛んになったように、「控えるべきもの=酒」という人々のイメージが強かったのでしょう。
また、アザレアには「恋の喜び」という花言葉がありましたね。他にも、「あなたに愛されて幸せ」や「青春の喜び」など、「愛と喜び」を意味する花言葉がいくつかありました。これは、アザレアが主にヨーロッパにおいて、「幸福の象徴」を表す花の一つとして考えられているためであると言われています。ただ、そのようになった経緯にはいくつかの説があるそうですが、具体的な理由は定かではありません。
注意!アザレアの蜜には毒がある?
アザレアの蜜には、グラヤノトキシンやロードヤポニンという有毒物質が含まれています。とても華やかで可愛い花を咲かせるアザレアですが、実は「毒草」の1つとしても分類されているのです。
中毒状態になると、軽度であれば吐き気や嘔吐などの症状で済みますが、重度の場合は麻痺や痙攣を引き起こし、さらにひどいと昏睡状態に陥(おちい)ることもあります。因みに、同じくツツジ科植物の「レンゲツツジ」「キレンゲツツジ」「セイヨウシャクナゲ」にも毒性物質が含まれています。子供やペットが誤って口に入れてしまうことがないよう、管理には十分に気を付けましょう。
アザレアの育て方は?鉢植えだと長く楽しめる!
アザレアには、日光を好み、寒さに弱いという特徴があります。また、乾燥を意味するアザレアの語源「azaleos」や代表的な花言葉の「節制」に反して、実は水と肥料をとても好む花なのです。
アザレアの苗は冬に出回ることが多いですが、それはほとんどの場合が促成栽培によるもので、温室で育てられています。アザレアは特に寒さに弱い特徴があるので、地植えをする場合は注意が必要です。初めて育てる場合は、鉢植えで小まめに移動しながら管理するのがオススメです。
置き場所は、基本的に日当たりがよく、風通しが良いところにしましょう。夏の時期は葉焼けを起こしやすいので、半日陰が最適です。また、乾燥に弱いので、本来の開花時期である春や暑い夏の時期は特にたっぷりの水を与えてください。開花中に土を乾燥させて花をしおれさせてしまうと、花の寿命を短くしてしまいます。ただし、他の花と同様、過湿は根腐れの原因にもなるので十分に注意をしましょう。
アザレアの鉢植えは、2年に1回の頻度で、花後の5月~6月中旬頃に植えかえを行います。花が咲いている時期に植えかえをすると、根が傷んで花を弱らせてしまうので注意が必要です。
土は他のツツジ科植物と同様、酸性土が最適です。また、新しい花芽を付ける6~8月は、月に1回の頻度で、肥料として固形の油かすや緩効性の化成肥料などを与えてください。そして、花芽が立派なつぼみを形成できるよう、9月頃にリン酸を多く含んだ緩効性肥料を施すと良いでしょう。