2019年01月25日公開
2019年01月25日更新
『アクセント』を徹底解説!音楽や発音・言語ごとの特徴も!
アクセントにはどんな意味があるのでしょうか。音楽の楽譜で使われる記号にもアクセントの意味がありますし、言語の発音やイントネーションでもアクセントは重要です。今回はファッションや料理でも使われるアクセントの意味についてご紹介したいと思います。
目次
そもそも『アクセント』って?
『アクセント』はいろんな分野で使われます。音楽用語のアクセント記号をはじめ、いろいろな言語でもアクセントが使われます。ファッションや料理でも「アクセントをつけた方がいい」などと使われることもあります。『アクセント』という語は日常的に使われていることに気づかされます。
『アクセント』の意味を紹介!
そんな『アクセント』という語には、さまざまな意味があります。まず、それぞれの語の中で習慣的に決まっている音の高低や強弱のことで、言語体系によっては音の高低のアクセントや強弱のアクセントなどがあります。音楽用語では、拍子を強く演奏される部分のことをアクセントと言い、デザイン用語や料理用語などではちょっと印象を強めるものをアクセントと呼ぶこともあります。
音楽用語の『アクセント』の意味を紹介
音楽用語の『アクセント』は楽譜の中で見られます。楽譜の中の音譜にアクセントを意味する記号が記されていたら、「その音を強くする」という意味があります。ですから、まずは楽譜に何らかの記号があるかどうかをしっかりと見ることが大切です。
楽譜にアクセント記号があったら、その音を強くすることで、音楽に変化をつける意味があります。音の高さを変えるわけではないので、演奏する上でむずかしいことはありませんが、音楽の全体の流れに合わせてその音譜を読み取る必要があります。
楽譜のアクセント記号の意味は?
音楽用語の『アクセント』の記号には、>やΛやVがあります。それぞれに若干の意味の違いがありますが、その音を強くするという意味に変わりはありません。楽譜に添えられた音を強くして変化をつけるという意味になります。
>の記号の意味は
音楽用語の『アクセント』で、楽譜に>の記号が添えられたとき、その音をとくに強くするという意味があります。この楽譜に添えられる>の記号は、音楽でもとくに多く使われる記号で、ご存知の方も多いのではないでしょうか。楽譜でこの記号が添えられた音を強くするわけですが、だからといって強すぎるとおかしくなるので、音楽全体の流れの中でうまくアクセントをつける必要があります。
ちなみに、だんだん弱くを意味するデクレッシェンドの記号も>に似ています。楽譜ではアクセント記号の>よりも長く記されますが、同一の意味ではないので注意が必要です。
Λの記号の意味は?
では、楽譜にΛの記号が添えられたときはどうでしょうか。この音楽用語のアクセント記号は、>の記号よりも強く鋭くするという意味があります。実際、Λの記号は音譜の上で>の記号よりも太く記されてあるので、強くする意味であることがわかります。
いささか似ている音譜記号に、スタッカティシモがあります。黒く塗りつぶされた小さな三角の記号です。これは、短く音を切るという意味なので、Λの記号と混同しないようにしましょう。
VのΛの意味は?
ちなみに、Λの記号は、音譜の向きによって、上につくこともあれば、下につくこともあります。下向きの音譜には、Vという記号がつきます。この音楽用語はΛの記号と同じで、アクセントの意味です。
なお、Vの記号は、ブレス記号に似ています。ただし、ブレス記号は、音譜と音譜の間の5本線上に付くので、記号の位置が異なります。間違うことはありませんが、念のために意味の違いを知っておきましょう。
吹奏楽のアクセントの意味は?
音楽用語におけるアクセントの意味は、音を強くするということでした。たとえばピアノの場合、指の力を強くし、弦楽器の場合、弓をコントロールして音を強くします。では、吹奏楽の場合はどうでしょうか。管楽器などお吹奏楽では、息のスピードで音をコントロールします。打楽器では、打つ力で音をコントロールしていきます。
アクセントは強く弾くだけじゃない?
音を強くするというのは、強く吹いたり、強く弾いたり、強くたたくことではありません。音楽の流れに合わせながら音を強くするということです。極端に強くするということではないため、その加減が大切。経験を重ねながら、音を強くする意味を体感していきましょう。
発音の『アクセント』の意味を紹介
言語の発音における『アクセント』も、ある部分を強く発音することです。このアクセントをしっかりと発音しないと、言語によって、話し方が平坦になってしまったり、まちがった発音だと思われたり、同じ発音の単語を使い分けることができなくなったりします。
【発音】のアクセントの種類は?
発音のアクセントには、単語の中のある音を高低のちがいによって区別する高低アクセント、相対的な強弱で区別する強弱アクセントがあります。前者のアクセント方法は、日本語を筆頭に、古代ギリシア語、セルビア語、スロベニア語などがあります。後者のアクセント方法には、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語などがあります。
イントネーションとの違いは?
イントネーションとは、文または発話全体につけられた音の高低を意味し、音調や抑揚とも呼ばれています。つまり、イントネーションは、ある単語の中の音を強く発音するアクセントとは意味が異なります。
「明日は雪が降りますか」という文を例に挙げてみましょう。語尾を上げたイントネーションの場合、明日は雪が降るかどうかの疑問文となります。しかし、語尾を下げたイントネーションの場合、明日は雪が降ることを確認する意味になります。このように、イントネーションのちがいによって、文意も異なってきます。
イントネーションの種類には、上昇調、下降調、自然下降調などの用語で表現されます。このイントネーションの違いによって、文意のニュアンスを表現することができます。なお、単語ごとに音の高低のちがいのある方言はイントネーションの違いではありません。これはアクセントの違いに属します。
プロミネンスとの違いは?
プロミネンスとは、文中の特定の語を強調して言うときに使う手法を意味します。たとえば、「私は東京で働いています」というとき、「東京」という部分を強く言うと、「大阪」でも「名古屋」でもなく、「東京」で働いているという情報が重要であることを意味します。このようにフレーズの中の一部分を強調することがプロミネンスです。
語調との違いは?
語調という語を辞書で調べると、イントネーションやアクセントのことを意味するとあります。イントネーションとアクセントは、似ているようで同じものではありませんが、語の調子全般について扱う場合、ひとくくりにできるのかもしれません。実際には、イントネーションは文または発話全体につけられた音の高低のことで、ある語の特定の音を強く発音するアクセントとは異なります。
アクセントの位置によって意味が変わる!
アクセントがどこにあるのかによって、その語の意味が変わります。たとえば強弱アクセントのある英語のrecordという単語を挙げてみましょう。RE-cordと大文字の部分にアクセントを置くと、記録やレコードという名詞になりますが、re-CORDとすると、記録する、録画・録音するという動詞になります。
高低アクセントのある日本語の場合も同様です。雨と飴、箸と橋など、数え上げたらいくつもの単語が出てきます。
色んな言語の『アクセント』の特徴を紹介!
アクセントは言語によって使い方が異なります。いったいどのような違いがあるのか、具体例を挙げて考えてみたいと思います。アクセントのちがいを理解し、うまく使えるようになると、その言語を理解するにも役立ちますし、その言語を上手に使えるようになります。
日本語のアクセント
日本語のアクセントは高低アクセントで、拍ごとの高さの変化で発音します。拍とは仮名ひと文字ないしはふた文字で数えられる音の数で、「犬」は2拍、「学校」は4拍、「チョコレート」は5拍と、拗音の「ゃ」「ゅ」「ょ」は前につく仮名といっしょになって1拍とします。
日本語は、この拍ごとに高低アクセントをつけて発音します。「犬」の場合、「い」が低くて「ぬ」が高くなり、「学校」の場合、「がっ」が低くて「こう」は高くなります。
英語のアクセント
英語のアクセントは、単語の特定の音節を強調して発音する強弱アクセントです。音節とは、母音を中心とした音のまとまりの単位で、シラブル(syllable)とも呼ばれています。1音節に母音がひとつ含まれ、この音節を強調してアクセントをつけます。
たとえば、friendは1音節の語で、recordはre-cordと2音節の語で、yesterdayはyes-ter-dayと3音節の語です。1音節の語はアクセントの位置が自然と決まっていますが、2音節以上の単語は、どこにアクセントを置くのかによって意味が異なれば、発音の仕方がまちがってしまうことになるわけです。
フランス語のアクセント
フランス語のアクセントは、強弱アクセントです。基本的には単語の語尾にアクセントがありますが、複数の単語がフレーズを作る場合、単語のまとまり(リズムグループ)の最後の単語にアクセントを置きます。
また、フランス語にはアクセント記号が5種類あります。Éのようなアクサンテギュ (accent aigu)、Èのようなアクサングラーヴ (accent grave)、Êのようなアクサンスィルコンフレックス (accent circonflexe)、Ç,のようなセディーユ (cédille)、Ëのようなトレマ (tréma) です。ただし、これらのアクセント記号は、つづられた字の発音を示すための記号であって、アクセントとは関係ありません。
ロシア語のアクセント
ロシア語の単語には、前置詞、接続詞、小詞の一部をのぞき、必ずアクセントがあります。アクセントは母音に置かれるため、母音がひとつしかない単語ではその母音にアクセントが置かれます。しかし、ふたつ以上の母音が含まれる単語は、アクセントの位置をひとつひとつ覚えていかないと、同じつづりの単語の意味を識別することができなくなります。
つまり、ロシア語はアクセントが非常に重要な言語です。アクセントを正しく発音しなければ、どんなに発音が上手でも、ロシア語の意味が通じない場合がありますので、単語を覚える際にはアクセントの位置もしっかりと覚えていく必要があります。
スペイン語のアクセント
スペイン語のアクセントは比較的、複雑ではありません。ほぼすべての単語が3つのアクセントグループに属します。
グループ1は、n、s、母音で終わる単語のグループです。この場合、最後から2番目の音節にアクセントを置きます。大半のスペイン語の単語がこのグループ1に属します。グループ2は、グループ1以外のアルファベットで単語が終わるグループです。この場合、最後の音節にアクセントが置かれます。グループ3はアクセント記号が母音の上についているグループです。この場合、アクセント記号が付いている母音を強く発音します。
例外は、外来語の場合と、同じつづりの単語の場合で、後者の場合、アクセント記号をつけて区別することがあります。以上のように、スペイン語は、アクセントのルールが比較的わかりやすい言語です。
ファッションや料理の『アクセント』の意味を紹介!
ファッションや料理で使われるアクセントの意味は、強調する、目立たせる、引き締めるなどです。日常的にもよく使われ、よく耳にしますので、意味をしっかりと理解して、ファッションや料理のシチュエーションでうまく使えるようになりたいですね。
ファッションについてのアクセント
モノトーンのワンピースや、飾り毛のないシンプルなファッションのとき、色味のはっきりとしたアクセサリーやスカーフなどを合わせることがあります。これがファッションのアクセントです。つまり、ファッションのある部分を強調し、ファッション全体を引き立てるという意味になります。
ファッションのアクセントは、服装に限らず、メイクなどでも同じような意味で使うことがあります。目元を強調するときなど、アクセントをつけてメイクにメリハリを持たせると表現します。
料理についてのアクセント
料理でもアクセントという語はよく使われます。料理にちょっとした材料や調味料を加えることで、味を引き立たせる意味です。料理のアクセントでは、シソ、ニンニクなど、少し味の濃い食材などを使うことがあります。こうした食材によって、味全体を引き立てる意味で、料理にアクセントをつけると表現します。
調味料などでアクセントをつける際、少しピリッとさせたり、少し酸味を利かせたりします。こうすることで、単調な味を引き立て、料理全体を引き締めるわけです。
色んな意味があるアクセントの意味をしっかり理解しよう!
アクセントという語は、音楽用語にもいろいろな国の言語にも、ファッションや料理においても使われます。いずれの場合も、強調する、引き立てる、という意味になります。このようにいろんな意味の「アクセント」の使い方を理解して、日常的にうまく使いこなせるようになりましょう。