キキョウ(桔梗)の花言葉を色別に紹介!由来や贈り方・飾り方も!
桔梗と言うと和風の花というイメージがある方も多いのではないでしょうか。花言葉も大人しい中に芯の強い女性の姿を想像される物があります。桔梗の花言葉を全体的な物と色別に分けて紹介します。由来や歴史上での伝承、飾り方についても詳しく紹介します。
目次
キキョウ(桔梗)ってどんな花?
分類はキキョウ科キキョウ属になります。桔梗は多年草で、上手く育てれば翌年以降も花が楽しめます。桔梗の歴史は古く「万葉集」にも所収され、「古今和歌集」や「源氏物語」にも登場する日本の歴史に欠かせない存在です。花の色は、紫・白・ピンクなどがあり、清楚な和花として生け花にも用いられます。
ちなみにトルコキキョウは桔梗ではなく、リンドウの種類になります。
キキョウ(桔梗)の特徴
アジア由来の花で、日本・中国・朝鮮半島に自生します。英語名の由来のとおり、つぼみの時には風船のように膨らみます。自生している桔梗は野山に咲きます。桔梗の花が咲く時には、可愛らしい星形の形に咲くのが特徴です。
キキョウ(桔梗)の開花時期はいつ?
6月~9月に夏から初秋にかけて開花時期を迎えます。暑さにも強いのが特徴です。秋の七草に分類されて季語も秋になります。お盆や秋の彼岸の仏花に供えたり、十五夜や十三夜に季節の果物や野菜ともに飾ったりする方も多いです。
キキョウ(桔梗)の名前の由来は?
桔梗の字は中国から入ってきた漢字を使ったのが由来です。元々は音読みをして「キチコウ」でしたが、読みが変化し「キキョウ」と読まれるようになりました。
桔梗という漢字の由来は、両方とも根の状態を表しています。「桔」(引き締まっている)、「梗」(まっすぐである)という意味になります。根が由来になったのは、漢方薬として効果があったためでしょう。
岡止々岐(オカトトキ)という和名もあります。岡に生えていてトトキ(漢方薬の「朝鮮人参」)に似ている植物だったからという説があります。
キキョウは絶滅危惧種!国内では4種類のみ?
桔梗の日本での歴史は長いです。しかし、野山の開拓で野生の桔梗が育つ場所がなくなり絶滅危惧種になりました。明治時代までにはまだ多くの園芸用の種類があったということです。
環境省から絶滅危惧種(Ⅱ類)に指定され、危機的な状況が続いています。現在、国内に自生している桔梗は4種類に減ってしまいました。歴史を絶やさないためにも、対策を練る必要があります。
アポイギキョウ
アポイギキョウは、絶滅危惧種の桔梗の中でも比較的良く見かける種類です。紫や青の花が咲き、15~20cmくらいの高さに成長します。仏壇やお墓に供える桔梗と言えば、お馴染みでしょう。ホームセンターや園芸関連の店舗などで、種を販売しているのはこちらの種類になります。
ウズキキキョウ
絶滅危惧種の桔梗の中に、ウズキキキョウという種類があります。ちりめん状の模様がある花が咲き、10~15cm程の高さの小ぶりな桔梗です。普通の桔梗と少し花の開き方が異なる可愛らしい感じの桔梗です。花の色はピンク色が多く、少ないですが白色に咲く種類もあります。
五月雨桔梗(サミダレキキョウ)
絶滅危惧種の3つめの種類・五月雨桔梗は、アポイギキョウとそっくりです。違いは咲く時期が早く、5月~6月にかけて咲くため、このような名前になりました。花の色は紫色・ピンク色・白色です。
小町桔梗(コマチキキョウ)
4種類目の絶滅危惧種の桔梗・小町桔梗は、袋咲きという特徴のある形をしています。花を開かずに袋の形をしたまま花を咲かせます。形に例えると、紙風船を膨らませた状態です。他の種類の桔梗のつぼみと間違えられるように見えるでしょう。
キキョウの花言葉と由来は?
桔梗の全体の花言葉には、以下の代表的な4つの言葉が挙げられます。中でも「変わらぬ愛」はプロポーズや、相手に告白をする際にぴったりの花言葉です。清楚・誠実のように外見や内面の美しさを表現する言葉もあります。
花言葉①「清楚」
色も古来高貴な人が身に付けた衣服に使われた紫や青紫、混じりけのない白なので、清らかで楚々とした雰囲気が見られることから、「清楚」という花言葉が付いたと考えられています。
花言葉②「誠実」
桔梗の花言葉に「誠実」があります。桔梗の花は縁起の良い五角形の格好をしています。星形で整った形をしていることから、私情を挟まず、分け隔てなく対応する良心的な性格と重ね合わせたと見られています。
花言葉③「従順」
従順という花言葉は、桔梗という名の娘が出征した恋人の帰りを待ち続けていた話から付けられています。恋人の無事を祈って、自分の名前が付いていて枯れにくい桔梗の花を育てていました。彼が帰ってくるまで待ち続けるという強い決意を持って、別の場所に疎開しながらも育て続けたという話が残っています。
花言葉④「変わらぬ愛」
変わらぬ愛という花言葉の元となった話はとても悲劇的です。桔梗という女性が戦地から帰ってきた夫のために祝宴を開こうと、準備をしていました。帰って来た夫は、新しい男性と結婚式を挙げるために祝宴を開いたのではと疑心暗鬼になり、妻を責め立てます。
妻は夫への変わらぬ愛を示すために、その場で自殺してしまいました。自分の嫉妬心が妻を自殺に追いやったと後悔した夫は後を追ってしまったということです。
キキョウの花言葉を『色別』に3つ紹介
桔梗の花言葉は花の種類全体の語句と、色別の花言葉があります。紫色や青、白、ピンクの色別に分けて紹介します。
青・紫のキキョウ(桔梗)の花言葉
青い桔梗は、紫の花の色素が薄れてしまっただけなので、紫色に分類されます。気品や上品という花言葉があります。桔梗の品のある立ち姿と、紫色は古来から位が高い人しか身に付けられなかった色ですので、このような花言葉が付いたと考えられます。
白いキキョウ(桔梗)の花言葉
白い桔梗の花言葉は、全体的な花言葉にも意味があるように「清楚」や「従順」です。白い色は白無垢など結婚式の時に使われるイメージがあります。何色にも染められるという所から、楚々とした無垢な感じや、おとなしく人に従うという意味が付いたのではないかと思われます。
ピンクのキキョウ(桔梗)の花言葉
残念ながら、ピンク色の桔梗の花言葉は良い意味ではありません。「薄幸」という幸せではないはかなげなイメージの言葉です。現在では品種改良が進んで、ピンク色の桔梗が見られるようになりました。贈り先によっては避けた方が良い場合があります。
キキョウの花言葉が怖いと噂される『平将門の伝説』を紹介!
桔梗は歴史上の人物にも関係しています。平安中期に現在の千葉県から茨城県で活躍した平将門という豪族がいました。親族との領地問題から逆賊とされ、朝廷から派遣された俵藤太(後の藤原秀郷)に殺されてしまいました。
平将門の子孫は桔梗の花を嫌い、避けると言うことです。怖い言い伝えがあります。由来は平将門が殺された場所が桔梗畑だったという怖い説と、平将門に寵愛を受けた側室の桔梗姫が相手方のスパイで、将門と影武者の見分け方を教えたため、怒りのあまり手討ちにされ、以来その場所では桔梗の花が咲かなくなったという怖い説があります。
キキョウの英名と英語の花言葉とは?
英語では、bellflowerやballoonflowerの名で呼ばれます。桔梗の花のつぼみの状態が、風船が膨らんだように見えるため英語の風船(balloon)が当てられています。
日本の花言葉に「変わらぬ愛」がありますが、英語にも似たような花言葉があります。英語で桔梗の花言葉を表すには「endless love」(訳:永遠の愛)、「honesty」(訳:正直、誠実)」、「the return of a friend is desired」(訳:友の帰りを願う)、「obedience」(訳:従順)となります。
英語で花言葉の由来となっているのは桔梗という若い娘の話で、少し怖い物語というイメージがあると言うことです。桔梗がある男性を思っていましたが、告白をする前に亡くなってしまい、思いだけがこの世に残っているという内容です。ヨーロッパ諸国では死者の思いを怖いと感じるため、桔梗をお墓などに供える花と考える方もいると言うことです。
キキョウの誕生花はいつ?
桔梗の誕生花は、8/2・8/28・9/1です。贈る相手がこれらの誕生日であれば、プレゼントに選ぶといいでしょう。お世話になっている方なら、青や紫色、白の中から季節の花と取り合わせるのがおすすめです。
キキョウは有名な歴史上の人物の家紋としても用いられた!
平安後期から鎌倉期の美濃国の武将、土岐光衡が初めて用いました。桔梗の家紋の由来は怖い話ではありません。土岐光衡が戦に出向く途中で、咲いている野生の桔梗を見つけ、兜に付けたのがきっかけです。戦に勝利し、「縁起の良い花」として土岐氏の家紋に使われることになりました。
明智光秀
明智光秀も桔梗を家紋として使っていました。明智氏は土岐氏の一族に当たり、先祖由来の縁起にあやかったということです。
本能寺の変を起こした時に、外に桔梗の旗印があるのを見た織田信長は、瞬時に明智光秀の裏切りを悟ったとのことです。縁起が良いはずだったのに、主君を裏切る怖い臣下の家紋となってしまいました。
安倍晴明
平安時代の陰陽師・安倍晴明は、桔梗をモチーフにした五芒星を護符として用いています。怖い物ではなく、魔除けの役割がある五芒星とは、星形で5つの角を持っていて、中心部分に辺の長さが等しい正五角形ができている形です。
キキョウは生薬として使われている!
桔梗の根にはタンを鎮める作用と解毒する効果があります。他の生薬と組み合わせて、風邪や抗炎症、充血や肺膿瘍に処方される漢方薬として使われています。桔梗の根には有毒物質も含まれているので、自分で取って口にしてはいけません。
キキョウは秋の七草のひとつ!
奈良時代の歌人・山上憶良(660~733)の和歌は『万葉集』所収されています。そのうちの2首の歌が秋の七草の由来となったと伝えられています。
秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花(「すすき」の意味) 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(おみなえし) また藤袴 朝貌の花
歌の中に出てくる「朝貌」(あさがお)は、朝顔・木槿(むくげ)・桔梗・昼顔のいずれかを指すと言われてきましたが、時期から考えると桔梗を指しているのではという説が最有力です。
キキョウの花の贈り方は?
花を贈るのに「変わらぬ愛」などの日本語と英語の花言葉にちなむとか、贈る相手の誕生花ということであれば桔梗を選んでもいいでしょう。ただし、ピンクの桔梗の花言葉には「薄幸」という意味があるため避けた方が賢明です。白や紫を選ぶようにしましょう。
紫色や青紫色と白い桔梗は、色合いが非常に落ち着いています。7月や8月のお盆や、9月のお彼岸の仏花として、親しい方のお墓や仏壇に備えてもいいでしょう。
キキョウの素敵な飾り方は?
桔梗が2~3本くらいの場合は、小さな花瓶やかごにつぼみと開花した状態の桔梗を一緒に生けるのがおすすめです。清楚ではかなげな和の雰囲気にぴったりで、和風の玄関や和室、床の間にも合うでしょう。一輪挿しに1本だけ活けても素敵です。
桔梗と同じ秋の七草のすすきと一緒に飾ると豪華です。お月見の十五夜や十三夜に、背の高いススキと桔梗を細くて長めの花瓶にいけると、月の光に照らされて幻想的な雰囲気になるでしょう。
カラーと、白や青紫の桔梗を合わせると洋風の雰囲気になります。カラーはすらりとした立ち姿ですっきりとした印象のため、桔梗の清楚で落ち着いた感じを引き立たせます。カラーの花言葉は「凜とした美しさ」などがあります。桔梗の「変わらぬ愛」と合わせると好きな方へも贈れます。
カラーには白色・ピンク・黄色・オレンジ色がありますが、意外に青紫の桔梗とピンクのカラーの取り合わせが清々しく綺麗です。
キキョウは日本の歴史と深く関係のある花
桔梗は絶滅危惧種に指定されていますが、歴史に根付いている大切な花です。変わらぬ愛や誠実などという花言葉もあり、多くの伝説にも名を残していますので、後世に伝えていきたい花に当たるでしょう。多少怖いエピソードはありますが、一途な女性がモデルになっていることが多く、気品がある桔梗の姿と重ね合わせることもできます。