『雪の結晶』全35種類の名前&写真集。なぜ六角形になるの?【図鑑】

雪の結晶は35種類に分類できると最新の研究で発表されています。そもそもなぜ雪はきれいな六角形になるのでしょうか。結晶の構造にはそれぞれ名前があり、その形成には気温と湿度が関係しています。今回は雪の結晶35種類の名前と写真をご紹介します。

『雪の結晶』全35種類の名前&写真集。なぜ六角形になるの?【図鑑】のイメージ

目次

  1. 1雪の結晶は35種類もある
  2. 2雪が降るしくみ
  3. 3雪の結晶は目で見える?
  4. 4なぜ雪の結晶は六角形になるの?
  5. 5雪の結晶にたくさん種類があるのはなぜ?
  6. 6雪の結晶図鑑
  7. 7雪の結晶、種類と名前②板状結晶(英語名:Plane crystals)
  8. 8実はもっとあるかも?結晶の種類
  9. 9おわりに

雪の結晶は35種類もある

雪の結晶というと、六角形の花のような形を想像される方が多いのではないでしょうか。
最新の研究では雪の結晶は35種類に分類できるといわれています。
科学者の中には35よりも多くの結晶があると唱える人もいます。
雪のメカニズムにはまだ解明されていない部分があり、今日も多くの科学者が研究を続けています。
私たちの住む日本でも毎冬見られる雪ですが、そもそもなぜ雪の結晶は規則的な構造になるのでしょうか。
今回は雪のしくみを解説しながら、雪の結晶の構造を写真と名前で見ていきたいと思います。
雪が降った際の観察用の図鑑としてお役立てください。

雪が降るしくみ

雪はどのように降ってくるのでしょうか。
雨と雪、同じ水のはずなのに形を変えて降ってくるのはなぜでしょうか。

出典: http://www.jma-net.go.jp

そもそも雨と雪は同じ雲の中で形成されます。
雲は太陽から降り注ぐ日差しによって温められた川や海の水が水蒸気となって空へと昇っていくことによって形成されます。
雲の中の水分が大気中のほこりに付着します。
この時、雲の中は温度が0℃以下になっています。
水は0℃以下になると固まって氷になります。
この氷が地上に降ってくるのですが、地上付近の温度は0℃よりもずっと暖かくなっているため、氷が溶けて水になります。これが雨です。
雪は氷が降ってくる過程で地上付近の温度が0℃よりも低い時、溶けずにそのまま降ってきたものです。
地上の温度が0℃よりも低い時に雪は降ります。夏に雪が見られないのはこのためです。

雪の結晶は目で見える?

雪の結晶は肉眼で見ることができるのでしょうか。

出典: http://yuki7.hateblo.jp

雪の結晶は温度と湿度によって大きさが変わります。
雲の中の湿度が高く地上の温度が低ければ雪の結晶はそのままの大きさで降ってきます。

地上の温度が0℃以下、-5℃に近づくと肉眼でも見られる程度の大きさに成長するといわれています。
日本海側や北海道など雪の降りやすい気候の地域では見られることが多いようです。
ただ、実際に肉眼で見えるほどの大きさの結晶は珍しいです。
基本的に観察する時はルーペや顕微鏡を使用します。
最近では雪の結晶を観察するための小型ルーペや結晶構造を写真に撮ることができる簡易顕微鏡キットなども販売されています。

なぜ雪の結晶は六角形になるの?

なぜ雪の結晶は規則正しい構造をしているのでしょうか。
その秘密は、氷の結晶構造に秘密があります。

出典: http://sciencewindow.jst.go.jp
 

水が凍って氷になるとき、その分子の構造は六角形になります。
雲の中で六角形になっている氷は、温度によって目に見える大きさに成長していきます。
その時、六角形のちょうど角になっている部分に水分が付着し凍っていくため、雪の結晶は花のような美しい形になるのです。
もちろん、すべての結晶が六角形になるわけではありません。
温度と湿度に左右される雪の結晶はひとつひとつ大きさも形も異なります。
構造は同じでも、成長せずに地上へ降ってくるものもあれば途中で環境が変わり複数の構造を持って降ってくるものもあります。

雪の結晶にたくさん種類があるのはなぜ?

雪の結晶はなぜこれほどたくさんの種類があるのでしょうか。

出典: https://www.photo-ac.com

雪の結晶の美しさは古来から人々を魅了してきました。
紀元前には中国の韓嬰という人が著書の中で雪の形が六角形であることを述べています。
雪の結晶は肉眼で確認できる大きさで降ってくることがあるため、科学技術が発展しはじめる遥か前から雪の結晶を観察し六角形をしていることが知られていたということのようです。
その後、世界各地の研究者が雪の結晶構造の研究、観察を繰り返しました。
その結果これほどの種類の結晶が発見されたというわけです。
最近では人工的に雪の結晶を作り出す装置の開発が進み、研究や観察がより簡単にできるようになってきています。

雪の結晶図鑑

ここからは雪の結晶の名前と写真をご紹介していきたいと思います。
書店では様々な図鑑が販売されていますが、紹介されている結晶の数はまちまちです。
まだ分類されていないもの、最近発見されたばかりのものなどを含めると35種類ではとても収まりきらないでしょう。
人によっては39種類だという人もいますが、今回は発見されたばかりで分類できないものを含め35種類を図鑑形式で見ていきます。

雪の結晶、種類と名前①角柱結晶(英語名:Column crystals)

角柱結晶は地上までの気温が3 から-10 ℃、湿度が低い時に形成されます。
まだ六角形に成長していない段階です。
肉眼で六角形の結晶が見えない日でも、角柱結晶は見えることがあります。

1.針状結晶(英語名:Needle type crystal)

針のような形をしています。
環境によっては針状のまま成長することもあります。
 

出典: http://wapichan.sakura.ne.jp

2.骸晶角柱結晶(英語名:Sheath type crystal)

内側に空気の泡が入っていることが多いです。
砂時計のような形をしています。

出典: http://www1.odn.ne.jp

3.角柱結晶(英語名:Column type crystal)

角柱結晶です。
写真では分かりにくいですが、六角形の角柱状になっています。

出典: http://yukipro.sap.hokkyodai.ac.jp

4.砲弾状結晶(英語名:Bullet type crystal)

はっきりと砲弾の形をしていますね。
角柱結晶になりかけの状態です。

出典: http://yukipro.sap.hokkyodai.ac.jp

雪の結晶、種類と名前②板状結晶(英語名:Plane crystals)

平板結晶は文字通り平らな形をした結晶群です。
角柱に成長する前のものもあれば、平らな状態のまま六角形に成長するものもあります。
よく写真集や図鑑などの表紙を飾っているのがこの形の結晶です。

5.角板結晶(英語名:Plate type crystal)

典型的な六角形をしています。
六花のように枝が生える前の状態の結晶です。

出典: http://nature1116.wpblog.jp

6.広幅六花(英語名:Sector type crystal)

広幅六花はその名の通り、花びらの部分の幅が広くなっています。
 

出典: http://www.geocities.co.jp

7.樹枝六花(英語名:Dendrite type crystal)

枝が伸びた六花です。
美しいですね。

8.角板付六花(英語名:Composite plane crystal)

角の部分で板状の結晶が成長してできたものです。

出典: http://virgogater.blog112.fc2.com

9.十二花(英語名:Separate & multiple dedrite crystal)

12本の枝を持つ結晶です。
六花が重なって成長しています。

出典: http://www1.linkclub.or.jp

10.立体樹枝付角板(英語名:Special assemblage of plane crystal)

角板結晶に垂直に枝が生えています。

出典: https://blogs.yahoo.co.jp

11.放射樹枝(英語名:Radiating assemblage of plane crystal)

角板結晶にならず、放射状に枝が伸びています。

出典: http://www.mri-jma.go.jp

12.非対称板状結晶(英語名:Asymmetrical plane crystal)

ひとつの結晶で非対称に成長したものです。

出典: http://www1.linkclub.or.jp

雪の結晶、種類と名前③複合型結晶(英語名:Combination of column & plane)

角柱結晶から成長する途中で、板状にならずに枝が生えたものや複雑な形に成長した結晶群です。

13.枝付角柱結晶(英語名:Column with plane type crystal

角柱結晶に枝が生えました。
つづみ型とも呼ばれています。

出典: http://sciencebook.blog110.fc2.com

14.平板付砲弾状結晶(英語名:Combination bullet & plane type crystal)

砲弾状結晶と平板の組み合わせです。

出典: http://www1.linkclub.or.jp

15.角柱付平板樹枝結晶(英語名:Plane crystal with column type)

枝の先端に角柱が生えています。

出典: http://www1.odn.ne.jp

16.御幣型結晶(英語名:Gohei twin type crystal)

Goheiは日本語から来ています。
御幣とは神祭用具のことです。

出典: http://www.osaka-c.ed.jp

17.槍状結晶(英語名:Spearhead type crystal)

槍というより矢印のような形をしていますね。

出典: https://www.ebth.com

18.カモメ型結晶(英語名:Seagull type crystal)

かもめの翼のように枝が生えた結晶です。

出典: http://www.osaka-c.ed.jp

19.骨状結晶(英語名:Skeletal type crystal)

Skeletalは日本語で「骨格」を意味します。

出典: http://www1.linkclub.or.jp

20.交差角板結晶(英語名:Crossed column & plate type crystal)

角板が重なり合っています。

出典: http://www.osaka-c.ed.jp

雪の結晶、種類と名前④集合型結晶(英語名:Aggregation)

角柱や平板状の結晶が集合してできた結晶です。
成長途中で温度や湿度が変わることで発生します。

21.集合型角柱結晶(英語名:Aggregation of column crystal)

角柱結晶が集まってできでいます。
なぜこのような形を保っていられるのか不思議です。

出典: http://www1.odn.ne.jp

22.集合型平板結晶(英語名:Aggregation of plane crystal)

平板結晶が組み合わさって形成されています。

出典: http://www.seizando.co.jp

23.集合型角柱平板結晶(英語名:Aggregation of column & plane crystal)

写真では分かりにくいのですが、角柱と平板が組み合わさっています。

出典: http://searchdog.blog51.fc2.com

雪の結晶、種類と名前⑤あられ状結晶(英語名:Rimed snow)

成長途中で氷の粒が付着した結晶群です。

24.あられ状結晶(英語名:Rimed crystal)

雲粒の付いたあられ状の角柱結晶です。

出典: http://www.mri-jma.go.jp

25.塊あられ状結晶(英語名:Densely rimed crystal)

あられの塊です。
もう雪の結晶に見えないですね。

出典: http://www.mri-jma.go.jp

26.六花あられ状雪(英語名:Graupel like snow)

雲粒が付いてあられ状の六花です。

出典: http://www8.plala.or.jp

雪の結晶、種類と名前⑥その他、分類しきれていないものなど

35種類の中には粒の大きさによって区別されているものがいくつかあります。
重複しているのではないか、実際は35種類よりも少ないのではないかと唱えている人もいます。まだまだ雪の結晶の研究は続きそうです。
ここまで見てきた結晶と見た目に変わりがないため、写真はありませんが、名前だけご紹介します。

27.Polyhedral ice type crystal

28.Polycrystalline type ice crystal

29.Ice particle(irregular)

30.Rimed snow particle

31.Broken snow particle

32.Frozenhydorometeor particle

33.Sleet particle

34.Ice particle(other solid)

35.Hailstone

実はもっとあるかも?結晶の種類

35種類に分類できるといっても、まだまだ未解明な部分があることはご紹介した通りですが、中にはそれよりも多くの種類があるという人もいます。

細かく見ていくと121種類もあるそうです。
本当にまだまだ分からないことばかりですね。
私たちも新型を発見してしまうかもしれません。

おわりに

雪の結晶図鑑、いかがだったでしょうか。
気温や湿度によって形が変わる結晶は同じ人が誰もいないように形も大きさもひとつひとつ違います。古代からその美しい形に惹かれ、観察をしていた人たちがいました。
冬になって雪が降り始めたら、皆さんもぜひルーペや顕微鏡で観察してみてください。
実際に自分の目で見たり、写真を撮ったりした方が図鑑で見るより感動が大きそうですね。

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