一級建築士になるには?資格の取得方法・おすすめの大学・仕事内容も!
一級建築士の仕事に興味を持っていても、実際に一級建築士になるには「どんな大学に行けばなれるのかよく分からない」という人は多いのではないでしょうか。今回は一級建築士になるにはどうすればいいのかや、資格取得の難易度から仕事内容まで詳しく紹介します。
目次
一級建築士になるにはどうすればいい?
一級建築士になりたいと思っても、その資格を取る方法や具体的な仕事内容に関しては把握していないという人は多いのではないでしょうか。そこで今回は一級建築士になるにはどうすればいいのか分からない人のために、一級建築士の資格取得の方法や難易度、おすすめの大学などについて詳しく紹介していきます。
そもそも一級建築士とは?どんな仕事なの?
一級建築士になるにはどうすればいいのかを知る前に、そもそも「建築士」がどういった職業でどんな仕事内容があるのかを確認しましょう。建築士とは総称で、一級建築士・二級建築士・木造建築士の資格を持っている、建築物の設計や工事、設計監理などを行う技術者のことを言います。
それぞれの資格の違いは、取り扱うことのできる建物の規模の制限にあります。一級建築士は、大きさや種類に関係なく建築物を設計したり工事の監理をするといった仕事ができる職業です。
一級建築士の仕事内容2選!
一級建築士になるにはどうすればいいのか興味があっても、一級建築士の詳しい仕事内容を知らないという人のために、ここでは一級建築士の主な仕事内容を2つ紹介しましょう。
①設計業務
一級建築士が建築物の設計をする職業であるというのは、何となくご存知の人も多いことでしょう。しかし一口に「設計」と言っても、その設計業務はさらに構造設計・設備設計・意匠設計の3つに分けられます。
まず構造設計というのは、建築物の安全性を確保するための柱の太さや鉄筋の本数など骨組みを設計することです。最近は台風や豪雨、地震といった自然災害も多発していますが、この構造設計がとても重要になってきます。また設備設計は建築物の利用者が快適に過ごせるように、室内環境の設備を設計することを指します。意匠設計は建築物のデザインを美しくすることです。
②工事管理業務
建築士法は建築士が独占的に行ってもいい業務として、「工事監理」という業務を規定しています。一級建築士は設計をしたら後は施工者に任せるのではなく、自分の設計通りに工事が進んでいるのかを確認するという重要な仕事もしています。
一級建築士の気になる年収は?
一級建築士になるにはどうすればいいのか興味のある人にとっては、年収も気になることなのではないでしょうか。年収は、就職先の規模・実務経験年数・資格によって異なります。ある調査によると一級建築士の平成27年度の平均月収は42万円で、平均年収は500~600万円となります。
大手ゼネコンでベテランの建築士だと年収900万円台の人もいますが、見習いの間は年収も低いため完全に実力主義の職業です。しかし資格や経験をどんどん積み実力をつけていけば、かなりの高年収を見込める職業と言えるでしょう。
一級建築士になるには難易度が高い?
ここまで一級建築士の仕事内容や年収などについて説明してきました。高年収も見込めてとてもやりがいのある職業である「一級建築士になりたい」と、さらに興味を深めた人も多いのではないでしょうか。一級建築士になるにはと考えた時、その資格取得の難易度はどれくらいなのかも気になるところです。
結論から言うと、建築士の中でも二級建築士・木造建築士と比べて一級建築士なるには難易度がとても高い職業と言えます。例年、年に1回の一級建築士の資格試験受験者数は約2万5千人いますが、学科試験の難易度も高く平均合格率は約18%となっています。さらに試験は学科試験だけでなく設計製図の試験もあります。ここでの合格率は約40%、学科・設計製図の試験を合格して一級建築士になれるのは全体の10%ほどで受験者の約9割が落ちる難易度の非常に高い資格です。
一級建築士になるための資格の取得方法は?
一級建築士になるには、一級建築士の資格試験(学科試験・設計製図の試験)に合格する必要があります。しかし一級建築士になるには誰でも自由に試験を受けてもいいというわけではありません。大学・短大・専門学校などの建築学科または土木学科を卒業後2年~4年の実務経験を積むか、二級建築士の資格を得てから4年以上の実務経験を積むことで一級建築士試験の受験資格が得られます。
実際に一級建築士を目指す多くの方が、建築事務所などで働き実務経験を積みながら資格取得のための勉強をしています。一級建築士になるには試験自体の難易度も高いですが、資格取得の方法も難しいことを覚えておきましょう。
一級建築士になるのにおすすめの大学は?3つ紹介!
実は専門学校・短大・大学で建築学科などを卒業しなくても7年以上の実務経験を積めば二級建築士の受験資格が得られるため、二級建築士の資格を取った後さらに4年以上の実務経験を積めば一級建築士になることはできます。
しかしとてつもなく長い期間の実務経験が必要となってしまうため、一級建築士になるにはやはり建築学科などのある専門学校・短大・大学に進学することをおすすめします。ここでは一級建築士になるにはと考えた時、一級建築士として必要な知識を学ぶのにおすすめの大学を紹介していきます。
①東京大学
一級建築士になるには東京大学工学部建築学科がおすすめです。幕張メッセなどを設計した槇文彦さんや多摩美術大学図書館を設計した伊東豊雄さんなど、東京大学工学部建築学科を卒業した有名な一級建築士が多くいます。東京大学なので就職に強く、実務経験を積まなければならない一級建築士になるには魅力的な大学です。
今日も今日とて打ち合わせ!いよいよ五月祭が三週間後に迫ってきたので、部門に分かれながら詳細なスケジュールを検討しています。大学院生による構造解析は圧巻! 裁断も即席プチプチソファーに座ればラクラクです😋 pic.twitter.com/t6HI5apYpH
— 東大建築学科五月祭パビリオン2017 (@utarch_17) April 30, 2017
②東京工業大学
東京工業大学も一級建築士になるにはおすすめの大学になります。東京工業大学は特殊で「学部」という概念がないため、一級建築士になるには建築学科に当たる第6類を受験することになります。
ケンブリッジ大学と東工大の学生たちが世界トップレベルのセッションを行います!本日、ケンブリッジ大学ナノテクノロジー分野 @NanoDTC の学生約20名が東工大を見学し、大岡山・すずかけ台に分かれてポスターセッションを行います。素晴らしい交流になること間違いなしです。#WelcomeTokyoTech pic.twitter.com/rQXyUsM3E9
— 東京工業大学 (@tokyotech_jp) September 17, 2019
③千葉大学
毎年一級建築士合格者数上位の千葉大学建築学科も、一級建築士になるにはおすすめの大学です。もともと工芸図案科・木材工芸科を前身としている建築学科は1951年に設立後、68年もの伝統があり、資格試験に強いのがおすすめする理由の1つになります。
ひとつひとつ、見て頂いております pic.twitter.com/CvpEPFgp7d
— 千葉大学建築学科 卒業設計展2017 (@chibaARCH2017) February 20, 2017
大学の学科はどこに行けばいい?
少しでも早く一級建築士になるには、大学で学ぶ必要があります。どこの大学がおすすめかでも紹介したように、一級建築士になるには建築学科のある大学に行きましょう。四年制大学の建築学科を卒業すれば、2年の実務経験で一級建築士の試験を受験する資格が得られます。また、長期間のインターンを行っていれば大学卒業後の実務経験を1年に短縮することも可能です。
これまで説明してきたように一級建築士になるには大学へ行かなくてもなる方法はいくつか存在しますが、とても難易度の高い国家資格であるため、一級建築士という職業に就く期間が短くできるだけでなく専門的知識を細かく学べる大学進学はメリットが大きいと言えます。
一級建築士になるにはどんな能力が必要?3つ紹介!
一級建築士になるにはどのような方法があり、どこの大学がおすすめなのかなどを分かっていただけたのではないでしょうか。ここからは一級建築士になるにはどんな能力が必要とされるのかを紹介します。一級建築士になりたいと考えている人は、是非自分に足りないと感じた能力を今から磨くための参考にしてください。
①美しさやデザインに長けた感性
一級建築士が設計する建築物は、どれも機能的で安全性が高いだけでなくデザインの美しさが際立ちます。建築は芸術の1つです。そのため一級建築士になるには美しさに対する感性やデザインへの感性に長けていることが求められます。もともとそういった感性が高い人もいますが、自身の持つ感性を高めるためには過去の建築家の設計した建築物や世界的に評価されている建築物の勉強をすることが大切です。
②空間をイメージできる能力
空間把握能力も一級建築士になるには重要な能力です。建築物はデザインが美しければいいというわけではなく、利用する人々が快適でいられる設計でなければなりません。使っていて心地いい広さはどれくらいなのか、尚且つ、見る人が美しいと感じる壁の色は何色なのかなど頭の中で空間をイメージする力が求められます。
③創造性がある
建築士という職業は何も描かれていない真っ白な紙面に線を引き、図面を描いていくことで建てたい建築物を創造していく仕事です。そのため「こんな建築物があったらいいな」という創造性のある人に向いています。「物を作るのが好き」「建築物を見るのが好き」という人はその感性を大切にして、建築士を目指してみるといいのではないでしょうか。
一級建築士を目指してみよう!
建築士の中でも一級建築士は特に資格取得の方法も仕事内容も難しく、誰もが簡単になれる職業ではありません。ですが人々の暮らしに直接的に役に立つことができ、非常にやりがいのある職業だということが今回の記事を通してお分かりいただけたのではないでしょうか。
学校・病院・映画館・美術館など私達が普段意識していないだけで、どの建築物も建築士が設計したものです。一級建築士は設計した建築物で人々が快適に過ごせるだけでなく、時にはその美しいデザインで見る人を感動させることさえできます。一級建築士になるには時間はかかるかもしれませんが、憧れている人は諦めずに頑張ってみてくださいね。