政治家になるには?必要な資格やお金・求められる能力も解説!
ニュースなどで政治家を見る機会はたくさんありますが、その政治家になるにはどうしたらいいのでしょうか。国の将来のために政治に携わりたいと思っても、政治家になるにはどのような方法があるのかわからないことが多いでしょう。政治家の仕事内容や条件などを解説します。
目次
政治家になるにはどうすればいいの?
将来の生活や現在の社会制度に不安があっても、自分では選挙に行くことしかできないと考えている人が多いのではないでしょうか。政治家になれば、国を動かして国民の生活をよりよいものにできます。議員という仕事はとてもやりがいのある仕事ですが、政治家になるには具体的にどのような方法があるのでしょうか。ここでは、政治家の仕事内容や必要な資質などを詳しく紹介します。
政治家ってどんな仕事なの?
政治家とはどのような仕事なのでしょうか。あまり身近にいる職業ではないので、仕事内容や給料など詳しいことはよくわからないことが多いでしょう。政治家になるには、まずは政治家の仕事内容を確認してみましょう。
政治家とは
政治家とは、職業として政治にかかわる人のことを指します。政治家は、国民が安心して生活できるように法律を作ることが仕事です。国民の安心や安全な生活のためだけではなく、雇用を生みだす方法のためなどにも法律を作ったり改正したりしています。
政治家の主な仕事
政治家の仕事には大きく3つの仕事があります。
1.法律を作る
2.予算を決定する
3.内閣総理大臣を選ぶ
国会の重要な役割のひとつに「立法」があり、これは時代の流れや環境に合わせて法律を整備することです。法律の起案・決定を行います。
地方議員の場合には、条例の発案・決定を行います。一番身近にいる政治家は地方議員でしょう。地域住民の目線で地域がよくなることを考え、それに基づいて税金の使い道などを決めるのも仕事のひとつです。条例を提案し、国会に提出することもできます。
政治家の給料
国会議員の給料は「歳費」といいます。役職のない国会議員で、年収は約1,560万円です。さらに、期末手当や事務費などで約500~640万円支給されます。とても多い金額に感じますが、事務所の運営や議員活動には多額の経費もかかります。
地方議員の場合には、例えば市議会議員だと自治体によって大きく金額が異なります。各種手当を含めて年収約1,500万円の市もあれば、合計で年収約300万円の市もあります。議会が行われない日は別の仕事を行う兼業の地方議員もいます。
政治家に向いている人
市民や国民から選挙で選ばれたことに対する責任感が、政治家には一番重要な資質でしょう。自分が政治家であるという自覚と仕事の責任の重さを自覚できる責任感が必要なのです。また、国をよくしていきたいという情熱も大切です。さらに、国民の声に耳を傾け理解できるコミュニケーション能力も重要です。責任感・情熱・コミュニケーション能力に優れた人が政治家に向いている人といえるでしょう。
政治家になるための選挙の流れは?
立候補する条件
政治家になるためには選挙に出馬しなくてはいけません。立候補する条件は、選挙に立候補する権利(被選挙権)があることが必要です。参議院議員と都道府県知事は、日本国民であり満30歳以上であること、その他の議員は満25歳以上であることが条件です。
立候補や選挙の流れ
次に、立候補までの流れを説明します。まず、法務局に供託金を預けます。供託金とは、法律で決められた金額を法務局に預けることで、無責任な立候補者を防ぐ役割があります。その後、各選挙管理委員会で行われる「立候補予定者説明会」に参加し、立候補の届け出を行います。さらにその後必要書類を提出して、立候補は完了です。
立候補の届け出が受理されたら、選挙運動を行えるようになります。街頭演説やビラ配りなどで自分の政策を明確にし、国民に伝えます。選挙運動が行える期間は、選挙の種類ごとで異なります。選挙運動には、禁止されている事項もあるので、注意しましょう。
政治家になるのに必要なものは?
政治家になるには、高学歴が必要だと思われがちです。国会議員の経歴をみると高学歴の人が多くみられますが、実際はどうなのでしょうか。他にも、特別な条件が必要なのかなど政治家になるのに必要なことを紹介します。
必要な学歴
政治家になるには、どのような学歴が必要なのでしょうか。政治家は高学歴なイメージがあることでしょう。しかし、政治家の条件として必ず行かなくてはならない大学や学部はありません。ただ、政治家の仕事には法律を作ることが含まれているので、法律を学ぶことができる大学や学部の方が有利といえるでしょう。ですが、かならずしも学歴が必要ではありません。学歴よりも政治を学ぶ気持ちが強いことの方が大切といえます。
政治家になるための条件
政治家になるための条件は、選挙に立候補する条件と同じです。さらに、選挙に当選して政治家になるには、地元の大きな力である「地盤」と、選挙活動にかかる「資金」、そして自分のことを知ってもらう「知名度」が必要です。立候補ができても、その後選挙に当選するのは「地盤」「資金」「知名度」が必要になります。
政治家になるための費用
政治家になるための費用は、地方選挙と国政選挙で異なります。地方選挙の場合には、供託金のほかに選挙運動の費用が必要です。供託金は、政令指定都市かその他の市町村か、議員選か知事選かなどで30万円~240万円まで金額が異なります。ただし、選挙運動の費用の一部は自治体が負担してくれます。地方選挙の場合には国政選挙ほどは費用がかからないでしょう。
国政選挙の場合も、まずは供託金が必要です。選挙区選挙の場合は300万円、比例代表選挙の場合は600万円かかります。さらに、選挙運動も加えると1,000万円以上の費用がかかります。法律で選挙に使う金額の上限は決まっていますが、国政選挙の場合は多くの費用が必要になります。
政治家になるための具体的な方法は?
政治家になるには具体的にどのような方法があるのでしょうか。すぐに立候補して政治家になれるわけではありません。政治家になるには具体的にどのような方法があるのか紹介します。
議員秘書になって勉強する
議員秘書には、私設秘書・公設秘書・政策担当秘書があります。政治家は私設秘書を何人でも雇うことができますが、公設秘書は一人の議員につき3名までなることができます。いずれも、秘書になるのに必要な条件はありません。政策担当秘書だけは、国家資格が必要です。
議員秘書になるには、自分を売り込むことが大切です。まずは、ボランティアなどで政治家の選挙運動に参加するのがいいでしょう。また、各議員の事務所でインターン生を募集している場合があります。それに志願して選挙事務所内で活動するのもいいでしょう。働きが認められれば、議員秘書になれる可能性があります。
地方議員になって経験を積む
政治家は、地方議員から国会議員になる場合が多くみられます。まず、地方議員になって政治家の勉強をしたのちに国会議員になれば、政治の仕組みも学ぶことができ、さらに地方での活動のおかげで地盤を固めることもできます。
公募に申し込む
公募とは、政党が候補者を公募し公認候補とする制度のことです。公募は通年行っている場合が多いので、自分の政策と考えが似ている政党などを基準に、公募に申し込むといいでしょう。申し込みには書類の提出が必要です。政党によって提出する書類の内容が違うので、ホームページなどで確認しましょう。
政治塾に入る
政治家になるには政治塾に入るのもいいでしょう。政治家の経歴をみると、政治塾出身の政治家もたくさんいます。政治塾には特定の政党とかかわりのない民間の政治塾や、政党が実施している政治塾、政治家個人が運営している政治塾などの種類があります。参加申し込みには時期があるので、注意しましょう。
政党の職員になる・官僚になる
政治家とは別に、政党内で働く職員になるという手段もあります。仕事内容は募集する職員にもよりますが、一般の会社と同じような事務を行います。政党の職員になるには、各政党の政策や政治への関心が強くなくてはいけません。
また、官僚になるには国家試験を受ける必要があります。官僚の多くは高学歴でとても難易度が高い試験ですが、官僚になって各省庁へ入ることができれば、政治家への道が開ける場合があります。
政治家になるための心構え
政治家になるには、単に国民の安全・安心のために法律を変えたいという志だけでは難しいところもあります。国が大きな借金をかかえている現在では、よい政策ばかりではなく厳しい政策も必要になります。国民から批判される場合もあるでしょう。批判されることも含めて政治家なのだという心構えをもち、それでも政治に携わりたいと思う強い気持ちが大切です。
政治家になる方法を知って国を変えよう!
政治家になるには、決して学歴だけが必要なのではなく、他にも様々な方法があることがわかりました。しかし、どの方法も簡単なものではありません。地方議員から国会議員まで、それぞれの政治家が国を変えるために日々働いています。自分もその一人となり、国を動かすことは簡単なことではありませんが、政治家は大きなやりがいと達成感を得られる職業です。