明文化の意味や使い方とは?明文化するメリット・デメリットも!
明文化という言葉を主にビジネスシーンで耳にすることが多いと思います。実際に明文化とはどういう意味の言葉なのでしょうか。また、「明文化する」とはどのようなことを示すのでしょうか。明文化の意味や英語表記、そして類義語や対義語など詳しく調べてみました。
目次
明文化ってどういう意味?
毎日の生活の中で、それぞれみなさん何かしらの問題や悩みを抱えていると思います。なんとなく、もやもやと問題を抱えながら生活するよりは、問題点を明確にして解決のためのルールや習慣を決めたほうが良いと考えるのではないでしょうか。そのような行動を「明文化する」と表現します。
実際に明文化するにはどうしたら良いのか、メリットやデメリットをはじめ、対義語や類義語、英語表記から使い方まで詳しくご紹介していきます。
明文化の意味とは?
明文化の意味
明文化という言葉の意味を辞書で調べてみると、以下のようにありました。
明文化[名](スル)はっきり文書で書き示すこと。
このように、明文化するというのは文書化するという意味を持っていることがわかります。人はそれぞれ考え方や行動などが違うのは当然です。漠然とした理解ではなく文書化することで、それぞれの考え方や行動を統一することが出来ます。文書化して誰がみても一目でわかるようにすることを、明文化するという言い方をします。
明文化の由来
明文化の由来は、日本古来からある閉鎖的な村文化が関係していると言われています。閉鎖的で外からは村の状況が見えにくいという文化の反対の意味として、文書化して誰が見てもわかるようにすることを明文化するという表現にしたと言われています。
明文化の類義語
明文化の類義語には以下のような言葉があります。
・文書化
・条文化
・マニュアル化
いずれの類義語も、「文書にする」という意味があります。そのなかでも明文化はわかりやすく文書にするという意味がありますので、類義語の中でも「マニュアル化」という類義語が意味としては一番近いかもしれません。
明文化の対義語
明文化の対義語には以下のようなものがあります。
・慣習
・暗黙のルール
・暗号化
・暗黙知
・不文律
暗号化は第三者に内容を知られないようにする技術のことを指します。暗黙知は言語化出来ない知識の事を表しますので、明文化の対義語といえるでしょう。また、不文律は文書化されていない決まりの事を言います。文書化することが明文化ですので、不文律も明文化の対義語になります。
明文化の英語表現
明文化を英語で表すと、"stipulation"となります。「それは明文化された」という文章を英語にすると、"That was stipulated."と表現します。"stipulation"は、規定化や明文化という意味がありますので、英語の場合でもそのまま同じ意味で使うことが出来ます。ビジネスシーンではグローバル化が進んでるので、日本語よりも英語を使う場面でのほうが、明文化という言葉を使うことが多いかもしれません。
明文化の具体的な使い方と例文7選!
ルールの策定を呼びかける時
ルールを明確にすることが必要な場面は、特にビジネスシーンでは多いかもしれません。そのような場合には、「社内ルールの徹底化のために、ルールを明文化する必要があります。」という使い方が出来るでしょう。
ルールかどうかを確認する時
なんとなく暗黙のルールを守っているような状態で、はっきりとルールなのかどうかを確認したい場合は、「このルールは明文化されていますか?」という使い方が出来るでしょう。明文化されていないものは、必ず守らなくてはならないということにはならないでしょう。
会議などで決定事項を文書化する時
会議での貴重な決定事項はすぐにでも明文化したほうが良いでしょう。その場合には、「会議の決定事項はすぐに明文化してください。」という使い方が出来ます。
既存のルールに意見する時
すでに明文化されているルールでも、改善したほうが良いと思うルールもあるでしょう。その場合には、「そのルールは明文化されていますが、内容を見直したほうが良いと思います。」という使い方ができます。
暗黙のルールを説明する時
あえて表記はしていなくても周知されている決まりごとというものがあることを説明する場合の例文には、「明文化はされていませんが、式の最中は携帯電話はマナーモードに設定しましょう。」という使い方が出来ます。
ルール違反をした人を咎める時
しっかりと明文化されているものに対して、ルール違反をした場合は、「明文化されているにも関わらず、それに従わなかった。」という使い方が出来るでしょう。明文化という言葉を使うと、いちいち「ルールが書かれている文書」などと言わなくても済みます。
馴染みのないルールを知った時
自分では馴染みのないルールが存在していた時、「このルールは明文化されていますか?」や「このルールは明文化されていないので知らなかった。」という使い方が出来ます。また、明文化の対義語である不文律を使って、「この会社には不文律なルールがあるようです。」という使い方も出来ます。
明文化するメリット9選!何のためにするの?
トラブルを未然に防げる
ルールや約束を明文化して文書にすることで、言った言わないというような水掛け論をする必要がなくなります。ルールの明文化を周知することで、トラブルを未然に防ぐことが出来るでしょう。
理解しやすくなる
口頭で伝えると、人それぞれ受け取り方が違ってくる可能性があります。また、聞いている部分と聞いていない部分などの個人差も出てきてしまいます。明文化すると、文書を見れば全員が同じ理解をすることが出来るので、明文化の大きなメリットと言えるでしょう。
確認しやすくなる
紙媒体の文書になっていることで、確認作業がしやすくなります。また、確認作業も明文化することで多くの人と共有することが出来るでしょう。
共有しやすくなる
明文化することで理解や確認がしやすくなるということは、それを多くの人と共有することが出来るというメリットもあります。難しいことや手間のかかることは共有しにくくなりますので、せっかくのルールも明文化しなければ役に立たないということもあるかもしれません。
浸透しやすくなる
ルールの明文化で、誰でもいつでも好きな時に文書を見ることが出来るようになります。そうすることで、社内の様々な人にルールが伝えやすくなるでしょう。口頭だとその場に居なくてはいけませんが、明文化するとその必要がなくなります。
対応しやすくなる
明文化してあるものは理解や確認がしやすいというメリットがありますが、確認がしやすいという事はなにか問題が起きたときも対応しやすくなるというメリットもあります。また、対応方法もさらに明文化することで意思の統一が出来るでしょう。
意識的に行動できるようになる
漠然としたルールよりも、明文化されてはっきりとわかるルールの方が対応もしやすく、それによって意識的に行動することが出来ます。目標などを明文化することで、さらに次の行動がとりやすくなるでしょう。
問題を顕在化できる
問題の解決には様々な手段が必要な場合が多いでしょう。問題点についてどのように行動したら良いか、様々な意見が複数あった場合には明文化することで内容をしっかりと理解することが出来ます。問題が顕在化することで、取り組み方も具体的になるでしょう。
緊急時に対応できる
事態が緊急を要する時、ルールや問題についての解釈がなんとなくわかっている程度ではすぐに対応できないでしょう。明文化してある事の方が、理解が深まり緊急時の対応もスムーズに出来るかもしれません。
明文化するデメリット3選!どんな問題があるの?
明文化する作業が大変
明文化することで理解が統一し、対応がしやすくなるというメリットがありますが、明文化するまでの作業が大変だというデメリットがあります。会議のたびに明文化したり、あらゆるルールを明文化しようとすると、作業量が膨大になってしまうでしょう。
ルールに縛られることになる
臨機応変な対応をしたほうが良い場合でも、しっかりと明文化されているとルールを破ることになってしまいます。また、一度そのように明文化されたルールを破ってしまうと、それ以降ルールを守るという意識が低くなってしまうというデメリットもあります。ルールを守るために大切なことを犠牲にするということが起きてしまうかもしれません。
一度決めたら安易に変更できない
しっかりと明文化して文書になってしまっていた場合、それを一人の意見で変更することは困難になるというデメリットがあるでしょう。明文化するまでも大変な作業だったとしたら、なおさらそれを変更することが大変になります。明文化するには、じっくりと吟味することが必要かもしれません。
暗黙のルールは明文化してほしい!みんなの意見3選!
『暗黙のルール』はデメリットだけ!明文化するべきだ
発達障害などの見た目ではわかりにくい障害のある人のためにも、暗黙のルールを明文化する必要があります。ルールを守れないのではなくて、ルールがわからないことが問題なので、暗黙のルールを明文化することで問題が解決する場合が多いでしょう。また、明文化できないような表ざたに出来ないルールは、見直しを検討する機会が必要です。
面接時の暗黙のルールを排除してほしい
例えば、「面接時にラフな格好でお越しください。」と企業から指示される場合があります。しかし、実際にカジュアルでラフな格好をしていくと、「常識がない」「マナーがなっていない」と思われて面接に落ちてしまうでしょう。この場合のラフな格好というのは自由な格好をしていいということではなく、あくまでも「その場に適している」という暗黙のルールがあるのです。このような明文化されていない暗黙のルールはビジネスシーンでは多くみられ、とまどうことが多いでしょう。
独自ルールが多いチームワークには明文化は必須
会社のチームには、些細なことから重要なことまでたくさんの独自ルールが存在します。しかし、チームを正しく機能させるためにも、ルールの明文化が必要です。チームのメンバーがより強みを発揮するために、ルールの明文化は必須であると考えます。
明文化とはルールや決定事項を文書に書き示すこと!
明文化という言葉の意味や英語表記、対義語、類義語について詳しく調べてみると、明文化が現代の世の中で必要なことであることがわかりました。ルールや決定事項を明文化することは、デメリットもありますが概ねメリットのほうが多いことがわかりました。すべてのことを明文化するのは難しいですが、グローバル化が進んでくると日本人だけの暗黙のルールはだんだん通用しなくなっていくでしょう。
ルールや決定事項を明文化し、多くの人と共有することで共通理解が生まれます。明文化の良いところを十分に発揮することで、仕事上のストレスを上手に軽減してきましょう。