納豆は常温保存できる?賞味期限や栄養価について分かりやすく解説!
納豆は冷蔵庫で保存していますか。それとも常温で保存していますか。実は常温で保存した納豆にはそれぞれメリット、デメリットがあります。そこで、上手な納豆の保存方法や常温で保存した時の気温や賞味期限、栄養価についてまとめてみました。
目次
納豆の保存は常温でもOK?
日本人には人気の納豆ですが、健康食品としても世界中で知られています。いつも納豆は冷蔵庫で保存していますか。発酵食品だから腐ることはないでしょ、と常温でそのまま放置してる人もいるかもしれません。そこで、納豆の保存は常温、冷蔵、冷凍どの状態が味は変わらず一番おいしく食べることができるのか、また、賞味期限や納豆の栄養価に関してもまとめてみました。
そもそも納豆の賞味期限は?
一般的には納豆の賞味期限は一週間程度とされています。納豆の作り方は、蒸した大豆に納豆菌を振りかけて発酵させます。その後、冷却してこの発酵を止めます。スーパーなどで販売される際にも常温ではなく冷蔵の状態で並んでいますよね。
そのため、納豆は出来上がってから一週間程度経った頃がちょうどいい発酵状態となり、一番おいしく味わうことができると言われています。ところが、納豆を常温で保存すると、発酵が加速してしまいます。そのため、冷蔵に比べて常温保存の納豆は一週間ではなくもっと早くおいしく味わうことができるタイミングがやってきてしまいます。
納豆を常温で放置するとどうなるのか?
白っぽくなる
納豆を常温で放置すると白っぽくなりますが、その理由には2つあります。1つは、納豆の原料となる大豆の周りにつく白い綿状のものですが、これは納豆の菌膜です。納豆のパックそれぞれ納豆菌の付き方が違います。そのため、全体的に白かったり一部が白いなど納豆の色に違いがありますが、納豆菌が正常に発酵したによるものなので、そのまま食べても問題ありません。
次に、常温で保存した納豆についた白いつぶ状のものは、アミノ酸成分の結晶であるチロシンです。納豆を常温で保存したり、賞味期限が過ぎると、発酵も進んでしまいチロシンができてしまいます。また、ひきわり納豆は大豆を細かくして作っているので、粒状の納豆よりもチロシンができやすくなります。
アンモニア臭がする
納豆は納豆菌を振りかけて作りますが、その納豆菌は生きています。そのため、納豆を常温で保存すると納豆菌が発酵を進めるという再発酵が始まってしまいます。再発酵が進むと、納豆菌が大豆のアミノ酸を分解して鼻をツンとつくようなアンモニア臭が発生します。アンモニア臭だけに限れば食べても体に害はありませんが、納豆が腐る状態というのはアンモニア臭が強くなることで判断するため、納豆を常温で放置した場合は気を付けましょう。
水っぽくなる
気温が高い室内などの常温に納豆を放置していたり、賞味期限を過ぎてしまったら、見た目からも納豆が腐ることが見て取れます。たとえば、強烈なアンモニア臭がしたり、納豆特有の糸を引いた粘りはなく水っぽくなってしまいます。常温で放置した場合は、見た目もかなり変わってきてしまうので、納豆が腐るとこのような状態になってしまうことを覚えておきましょう。
気温が低い時期の常温保存はOK?
気温が低い季節でも、納豆を常温保存する場合には条件があります。夏場の暑い時期や梅雨の湿度の高い時期には常温保存は向きません。さらに、常温保存をする場合は10度以下の気温と、直射日光を避けた暗所での保存が条件となります。その理由は10度以上の気温で常温放置をするとアンモニア臭が増えてしまうためです。
常温で放置した納豆の賞味期限
納豆は納豆菌を振りかけて作るため、他の雑菌が付きにくいと言われています。それでも、納豆は保存食ではありません。冷蔵の状態でも納豆は一週間が賞味期限とされているので、常温で放置していた場合も数日の間に食べるようにしましょう。ただし、保存状態がよくても常温で放置した場合は食べる前に必ず納豆の状態を確認しましょう。
また納豆と同じようにタレも常温で放置して賞味期限が切れてしまうと、味や香りが悪くなってしまいます。さらに常温で放置した場合は、タレの塩分が結晶化してしまうこともあるので気を付けましょう。
常温で放置した納豆の味は?
常温で納豆を放置すると、発酵が進みます。賞味期限内であれば食べることはできますが、納豆にできる白い粒状のチロシンは水に溶けないため、シャリシャリとした食感を感じることがあります。そのため、10度以下の気温であれば常温で納豆を少し放置してもすぐに腐ることもなく味も変わりませんが、砂のような食感となり苦味を感じることもあるので気を付けましょう。
また、常温で放置した場合どのくらい納豆を混ぜたらおいしく食べられるのかですが、具体的な回数は決まっていません。さらに、たくさん混ぜたから栄養価が高くなるというデータもありません。そのため、常温で放置すると納豆が柔らかくかき混ぜやすくなり、さらにたくさん混ぜると粘りがよく出て舌ざわりがよくなるとも言えます。
ただ納豆を混ぜるだけではなく、まずタレを入れずに20回ほど混ぜてしっかりと粘りを出してから、タレを入れてさらに20回ほど混ぜることでふわっとやわらかい食感になり、風味も味もおいしく頂くことができます。薬味を入れる場合はこのタレと一緒に入れましょう。
常温で放置した納豆の栄養価は?
納豆は常温で保存することで発酵が進みますが、冷蔵や冷凍の状態で保存すると発酵が止まります。そのため、買ってきてすぐに納豆を食べるよりも、少し日にちを置いてから食べたり、常温で放置した方が栄養成分が増えることがわかっています。ナットウキナーゼは免疫力を高めたり血液サラサラ効果や血圧低下、整腸作用などの効果があります。また、ビタミンK2もあり、骨を強くするなどの効果があります。
納豆に含まれるナットウキナーゼという栄養成分は常温で放置した方がその効果を発揮することができると言われています。ナットウキナーゼは熱にとても弱く、70度以上の温度になると働きません。熱といっても、温かいご飯にのせることは問題ありません。そのため、納豆を常温で食べることは最大限の栄養成分の効果を期待することができます。
また、食べる20分前に冷蔵庫から出して常温に置いておくことで再発酵を進めることができて、ビタミンKなどの栄養成分を増やしたり粘りが増すので味もよくなります。
納豆の「発酵」と「腐敗」の違い
一般的に発酵とは菌が繁殖することによって食品が体に有益なものになることであって、腐敗は菌が繁殖することによって健康に有害なものになることを指します。
納豆は元々腐っているものだから、と考えてしまいがちですが、納豆は納豆菌が繁殖している状態であり、気温が高い室内や常温でも10度以上の状況で保存することは納豆菌以外の雑菌が繁殖して腐ることにつながります。逆に、冷蔵庫や10度以下の気温を保つことができる常温であれば納豆の発酵を進めることになります。
賞味期限が過ぎそうな納豆は冷凍保存が便利!
冷凍で発酵をストップ!
納豆を買ってきても一人暮らしではなかなか賞味期限内に食べきれない、安くてたくさん買ってしまったとしても、腐るのはもったいないですよね。そこで、賞味期限内に食べきれない場合は、常温や冷蔵庫ではなく納豆を冷凍しておきましょう。
納豆は冷凍しても菌が死滅してしまうのではなく、納豆菌が休眠の状態になります。そして、解凍して温度が上がっていくと、もう一度納豆菌が発酵するため、栄養成分なども損なわれることなく食べることができるので、上手に納豆を冷凍して活用したいですね。
さらに納豆を冷凍する場合、パックのままでも可能ですが、冷凍焼けを起こしたり他の食品に臭いがうつることもあります。そのため、他の保存容器にうつしたり、パックのままラップに包んで密閉袋に入れて冷凍しましょう。
解凍は冷蔵庫で緩やかに!
冷凍した納豆を食べる時には常温での自然解凍ではなく、食べる前日などに冷蔵庫におろして解凍しましょう。冷凍した納豆を常温に放置したり、電子レンジで解凍すると質が悪くなります。そのため、冷蔵庫で緩やかに解凍した方がおいしく食べることができます。
解凍した納豆は冷蔵や常温で放置したよりも少し柔らかい食感になりますが、おいしく食べることができます。また、冷凍しているからと常温に比べていつまでも保存できるというわけではありません。冷凍しているので腐ることはありませんが、時間が経つほどに風味は落ちますのでなるべく早めに食べるように心がけましょう。
常温の納豆は放置せず早めに食べよう!
常温の納豆は発酵が進むため、賞味期限内でもなるべく早めに食べる必要があります。逆に、常温で保存することで、納豆に含まれる栄養成分であるナットウキナーゼなどの栄養成が増えることがわかっているので、気温に気を付けて上手に常温で保存して効率よく栄養をとりたいですね。