成人の日の意味や由来を徹底解説!海外にも成人の日はあるの?
毎年成人の日には新成人のニュースで盛り上がり、振り袖姿の女の子たちが歩いています。身近な祝日である「成人の日」ですが、そもそもどういう意味を持つ日なのでしょうか。ここでは祝日である「成人の日」の意味や由来、成人式、海外の成人の日との違いを紹介していきます。
目次
成人の日って何をするの?海外との違いは?
成人の日は、日本の「国民の祝日」のひとつです。毎年成人の日になると、テレビニュースで全国の成人式のようすが放送されたり、成人を迎えたアイドルが特集されたりと、成人の日にまつわる話題で盛り上がります。
そんな成人の日ですが、どんな意味があり、どんなことが行われる日なのでしょうか。また、成人の日を祝うのは独特の日本文化なのでしょうか。今回は、成人の日はどういった日なのかを、その意味や由来、海外との違いといった観点から紹介していきます。
そもそも成人の日とは?
成人の日は、先ほど述べたように「国民の祝日」のひとつで、一年のうち元日の次に訪れる祝日です。「国民の祝日に関する法律」には、意義として「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」と述べられています。
成人の日という名前から分かるように、新成人、つまり20歳を迎えた若者を祝う日です。昔は成人の日の時点で20歳を迎えている人を祝うという祝い方でしたが、現在は学年単位での祝い方に変わっています。成人式の時には19歳という人もいます。
成人の日には各自治体で成人式が行われ、自治体をあげて新成人を祝います。成人の日のために晴れ着を用意したり写真を前撮りしたりと、成人の日は家族の中でも一大イベントとして認識されています。
成人の日はいつ?
成人の日がいつなのかご存知でしょうか。成人の日の祝日は「1月15日」であると思っている人もいるかもしれません。
成人の日は、1月の第二月曜日と定められています。1999年までは1月15日が成人の日とされていましたが、2000年より1月の第二月曜日が成人の日に変わりました。これは、ハッピーマンデー制度が制定され、月曜に祝日を置くようになったためです。
1月の第二月曜は実質「1月8日~14日」のいずれかになります。そのため元々の成人の日である1月15日と重なることはありません。成人の日が1月の3週目にならなかった理由は、阪神大震災を機に定められた1月17日の「防災とボランティアの日」と成人の日が重なる可能性があるためです。
成人式をいつ行うかは、自治体の判断になります。成人式を成人の日のある3連休に行う自治体が多いですが、豪雪地帯や地方などではGWや夏期に成人式を行う自治体もあります。成人の日の3連休に行う自治体でも、前日の日曜日に行う例も多くみられます。
成人式の由来と意味
成人の日の由来をいつまで遡るかというと、奈良時代にまで遡ります。奈良時代以降、大人になるための儀式として行われていた「加冠の儀」、つまり男子の「元服(げんぷく)」、女子の「裳着(もぎ)」という日本文化に由来しています。
男子は12~16歳になると「元服(げんぷく)」の儀式を行い、髪を結い、大人の服装に変わっていました。公家の女子も12~16歳に「裳着(もぎ)」の儀式を行い、衣類を変え、髪上げを行っていました。
元々は公家などの上級階級のみで行われていた日本文化ですが、室町時代以降は庶民の間にも浸透するようになりました。庶民の間では、お歯黒をしたり褌をつけたりしてお祝いし、成人祝いは日本文化として根付いていきました。
元服の儀は、新年を迎えて最初の満月の日に行っていました。それが由来となり、成人の日が1月15日と定められたのです。そして先ほど述べたように、2000年から1月の第二月曜に変更されました。成人の日の由来は伝統的な日本文化であり、長い歴史があったのですね。
成人の日・成人式を英語で言うと?
成人の日は、英語にすると「coming-of-age day」です。「coming-of-age」は「成人を迎える」を意味しています。国によって成人する年齢は違いますが、「coming-of-age」といえば成人の年齢を迎えたことが分かります。
成人式は、英語では「coming-of-age ceremony」といいます。新成人のことは「new adult」と表現します。
成人式では何をするの?
成人式は各自治体が行っており、成人式では新成人を祝う記念式典が行われます。男子はス―ツや紋付袴、女子は振袖で参加することが多いようですが、この限りではありません。
成人式では、市町村区長や来賓の挨拶、祝電の披露、新成人代表の挨拶などといった祝い方をすることが多いようです。中には出し物やスクリーン上映、抽選会などで盛り上がる自治体もあり、祝い方は様々です。自治体によっては、テーマパークなどを貸し切って成人式を行う自治体もあります。
成人式の招待状は住民票を置いている市町村区から届きますが、進学で地元を出たなどの理由で、実家のある自治体の成人式に参加することも可能です。成人の日に成人式をする自治体と、成人の日でない日に成人式を行う自治体があるので、2つ以上の成人式に参加する人もいます。
成人式って行かないとどうなるの?
成人式は自由参加なので、必ず行かなければならないものではありません。最近は行かない人も多くいますし、仕事の都合で参加できない新成人もいます。成人式の後に行われる同窓会にだけ参加するという人もいます。
企業によっては、成人式に参加できない新成人のために、企業独自の成人式を行うところもあります。成人式だけしか祝い方がないわけではありませんが、成人式は一生に一度なので、参加するか迷ったときは家族とよく話し合いましょう。
成人年齢が「18歳」に引き下げられたらどうなるの?
現在の成人年齢は20歳ですが、成人年齢を18歳に引き下げる法案が可決されました。いつから成人年齢が変わるのかというと、2022年の4月には18歳から成人となります。また、同時に未成年だった19歳も成人となります。
成人式をいつ、どのようにするのかについては、まだはっきりと決まっていません。18歳は大学受験の年齢であるため、成人式に参加するのにふさわしくないのではという声もあります。最初の年は3つの学年が成人を迎えるため、成人の日の会場確保も厳しい状況です。
こういったことから、成人年齢が引き下がった後の成人式については、問題がたくさんあります。今のところ細かく決まっていないのが現状です。
日本の成人の日と海外の成人の日の違いを比較!
日本では20歳の年齢を迎えると成人となりますが、海外ではどうなのでしょうか。海外ドラマなどで、高校生が運転したりタバコを吸っていたりする映像をたびたび見かけるものですが、何か違いはあるのでしょうか。
ここでは、海外各国ではいつ成人するのか、他の国々は成人の日を祝うのか、どのような祝い方をするのかなどの違いについて紹介します。
海外各国の成人年齢
他の国々では、いつ成人を迎えるのでしょうか。海外各国の成人年齢を順に紹介していきます。アメリカでは州により成人年齢が違い、18歳~21歳で成人を迎えます。21歳で成人を迎える州が多いようです。
イギリスやイタリア、ドイツ、オランダなどのヨーロッパ諸国では18歳で成人を迎える国がほとんどです。他にもオーストラリアや中国も18歳で成人を迎えます。18歳で成人を迎える国が一番多いようです。
日本と同じ20歳で成人を迎えるのは、タイ、韓国、ニュージーランドです。インドネシアやシンガポール、エジプトなどでは21歳で成人を迎えます。
アメリカは成人の日を祝う?
アメリカでは21歳から成人となる州が多いですが、お酒以外のことはそれ以前から認められています。そのため、21歳の成人時に大勢で祝うようなことはなく、21歳の誕生日にお酒を飲みに行くくらいです。
そのかわり、高校を卒業する学年になると「プロム」というパーティーが行われ、男女ともに盛大に盛り上がります。これが実質の成人式のような役割となっています。男子が女子を誘い、男子はタキシード、女子はドレスの正装をします。
また、女の子は16歳の誕生日に「sweet sixtenn」というお祝いをします。個人を祝う成人式のようなもので、正装をしてパーティーを行うという、日本にはない独特の祝い方をします。男の子にはこの風習はありません。
ヨーロッパに成人の日はある?
ヨーロッパは18歳を成人の年齢とする国がほとんどですが、成人の日のように地域をあげて祝うことはありません。ただ、ヨーロッパは多人種で色んな宗教の人がいますので、各々で祝うことはあるようです。例えばユダヤ人は、バル・ミツヴァという成人式を行っています。
海外のユニークな成人の日の祝い方3選!
日本のように地域をあげて成人式を祝う国は少ないようですが、世界各国には面白い成人祝いをする国があります。ここでは、メキシコ、エチオピア、バヌアツの3か国の成人の祝い方について紹介します。
①メキシコの成人祝い
メキシコでは成人を祝う儀式として、「ボラドーレスの儀式」を行っています。1000年以上も続いている儀式で、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。民族衣装を着た5人ほどの男子が、30mはある柱を登っていきます。4人はロープをつたって回転しながら降り、1人は棒の上で踊ったり演奏したりといった技を披露します。
#メキシコ でもっとも驚くべきダンスの一つは空中で行われます。豊穣の伝統儀式であるボラドーレスは、自然と精神世界、また両者の調和への崇拝を目的とします。2009年にはユネスコ #無形文化遺産 に登録されました。https://t.co/Fk8snlpsbN 🇲🇽#メキシコ文化 #旅行 #旅行すきならRT #海外旅行 pic.twitter.com/obKUReNA8E
— メキシコ大使館 🇲🇽 (@EmbMexJapon) February 8, 2018
②エチオピアの成人祝い
エチオピアの少数民族であるハマル族は、男性が成人するための通過儀式として「ブルジャンピング」というものがあります。10~31頭の並んだ牛の背に乗って、背渡りをします。それを4往復して成人男性「Maza(マザ)」として認められます。失敗するとMazaとして認められないので、大変重要な儀式なのです。
【エチオピア】複数の牛の上をジャンプするハマル族の成人男性になるための貴重な儀式に立ち会った。通称ブルジャンピング。 #エチオピア #バックパッカー #旅写真
— #旅写真BOT (国内・海外旅行写真共有) (@backpackerslove) January 27, 2019
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③バヌアツの成人祝い
バヌアツでは成人のためにバンジージャンプを行います。30mほどもある櫓を組んで、そこに登っていきます。上まで登ったら、持参したヤムイモのツルを足に結び、ジャンプします。見ているほうが怖くなってしまいますね。
バヌアツに滞在中。
— 南の島旅 (@OkinawanLyrics) June 23, 2018
ペンテコスト島(Pentecost island)で、ランドダイビングを見学しました。
バンジージャンプの発祥とも云われています。
しかしバンジーと違って、ダイビング後には地面にぶつかってました。汗
写真の整理が終わったら、ブログに掲載します。 pic.twitter.com/6WbypO9Vby
日本の成人の日は世界の中でも独特の文化!
いかがでしたでしょうか。祝日である「成人の日」の意味や由来、成人式、海外の成人の日との違いや、海外での成人の祝い方について紹介しました。
海外各国の祝い方を見ると、日本の成人の日は伝統的な日本文化だと分かりますね。晴れ着を着て地域全体で成人を祝うのは、独特の日本文化といっていいでしょう。今の時代、晴れ着を着て祝うのは、七五三・成人式・結婚式くらいなのではないでしょうか。
成人の日について知ると、伝統的な日本文化である成人の日が誇らしく、身近なものに感じます。次の成人の日に新成人の人を見かけたら、是非お祝いの言葉をかけてみて下さいね。